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8 間違えた王太子殿下
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アレクサンドル=シルバートそれが私……この国の王太子だ。
私は今日ほどこの王太子という身分を疎ましいと思った事はない。
容姿、身分、能力全てに置いてハイスペックと自負している私の元には何もせずとも数多くの履いて捨てる程の女が群がり誰もが私の寵を欲しがる中、唯一私が欲しいと思った女には会う事すら叶わない、何度欲しても手に入らない。
幼き頃に王城で見かけそれからずっと彼女が欲しかった、何度も茶会に招待したが全て欠席されて思うように会う事も叶わず、学園に入学してやっと会えた。想像以上に美しく成長し話してみるとその心の清らかさが窺い知れる、私に群がる欲の塊のような女と明らかに違う。
やはり私の目に狂いは無かったと私の妃となるのは彼女しかいないと入学してすぐ何度目になるか忘れたが、渋る父を説得して王家から正式にゴールディ公爵に婚約申し込みを打診していただいた、……なのに…この時私は正式な王族からの打診を断られるとは思いもしなかった。
公爵が娘を溺愛してるのは有名で邸からも一切出さず、茶会、まして夜会に出席させる事はなく王族が主催だろうが全て断っていた。
(裏事情その1~欠席は公爵ではなく本人つまりヴァイオレットのお願いを公爵が聞いていただけである。夜会に関してはエメルが出席している場にはリンと変装して愛しのエメルを一目見たさに短時間ではあるが隠れてストーカー……コホン、遠目に…熱視線送っていた事は公爵家のものしか知らない秘事なのです。)
一切表に出る事ない令嬢がたった一度デビュタントの時だけは姿を現した、その時の麗しさは瞬く間に噂になった。私はたまたまその日は公務で王都に居なかった為その姿をみる事は叶わなかった。その後、公爵家に多くの釣書が届いたのは言うまでも無いがその全てを足繁く断っていたから私は油断していた。
(裏事情その2~このデビュタントも公爵はあえて王太子が王都不在の時を選んでデビューさせた、エメルが出席していたのは偶然だったがヴァイオレットにとっては運命と言える日になった夜会である)
まさか、公爵とヴァイオレット自らが婚約打診するために足を運んだ相手がいたなんて……しかも…婚約しただと…。
いくら、公爵からの打診でも学園入学後からは私がヴァイオレット嬢を婚約者に望んでいて婚約者候補だという噂は有名なはずだ!他の男を牽制する為に私みずから流した噂だから、それを知らない奴はいないはずだが、おそらくヴァイオレットの美しさに目が眩み婚約を受けたんだろう。
くそ!くそ!くそ!なんで私ではないんだ!
女に不誠実だと!溜まる欲を発散させて何が悪い!ヴァイオレット嬢が私の婚約者なら…勿論彼女だけにしか触れないさ!
それができないから、他で我慢してやったのに!
あれから3日経つがまだ彼女は学園を休んでいる。
(裏事情その3~エメル絶倫事件でヴァイオレットは足腰立たなくなったが彼女にとってはご褒美とも言えるエメルの付きっきりのお世話(介護)を堪能中であれこれ甘えて、エメルの溺愛に甘えに甘え調子に乗って世話をされてる間もヴァイオレットは触れ合いをエメルにお願いする。当然断れる筈もないエメルは控えめにしても所詮絶倫、翌日はお世話(介護)となる、これでは永遠に終わらないと流石のリンもヴァイオレットにいい加減にしろとお小言呈しやっとループが終わったのである…実に7日も休んだのである。)
普段は個人的な事に利用しないが今回ばかりは私の従者であり影の護衛であるジェイにヴァイオレット嬢の調査を頼んであった。
「ジェイ、調べたか?相手は誰だ!」
「はい、調査は完了してます……が、(知らない方が良いと思うが)……。」
「私から、ヴァイオレットを奪ったのは誰だ!」
「………、それが……その…私もかなり驚きました……」
「誰だ!早く言え!」
「はい、エメル=ブラウン、ブラウン伯爵家の嫡男23歳…もうすぐ24ですね。」
「…ブラウン?…王宮医師のブラウン伯爵だな!……ブラウン……最近どこかで……!!…アイツか!先日ヴァイオレットの隣にいた地味な臨時教員。」
「父は医師ですが嫡男は文官です。かなり優秀で国王様も人目置いている人物です。」
「……あんな地味な…冴えない男に…私は…ヴァイオレットを…奪われたのか…あんな…」
「それと…学園で怪我をされた日から御令嬢は……その……」
「なんだ、他にもあるのか…早く言え!」
「いえ、…あの…無礼を承知で進言いたします。もう、御令嬢のことは諦めになられた方がよろしいかと、…」
「なぜだ?まだ婚姻したわけではない、破談になることだってあるではないか!」
「…殿下…既に御令嬢は……、(言えないか、知ったら暴走しそうだ、令嬢がブラウン家でラブラブ新婚夫婦同然の生活してるなんて…蜜月中だなんて…いえない)
殿下はクローバー王国の王女殿下と来週には婚約が整うそうです。王女殿下の来日後、王城で夜会を開き正式発表するてはずになっているそうです。」
「……な、ん、だと、…婚約…発表?」
やられた!父上は本気だ!…くそ!…諦めるなんて……あんな奴に……そうだ!きっとヴァイオレット嬢の本意ではないはずだ!公爵が選んだ相手だからから、あの優しい彼女は断れなかったんだ!きっとそうに違いない。
ならば、私がなんとかしてやらねば……。
私は今日ほどこの王太子という身分を疎ましいと思った事はない。
容姿、身分、能力全てに置いてハイスペックと自負している私の元には何もせずとも数多くの履いて捨てる程の女が群がり誰もが私の寵を欲しがる中、唯一私が欲しいと思った女には会う事すら叶わない、何度欲しても手に入らない。
幼き頃に王城で見かけそれからずっと彼女が欲しかった、何度も茶会に招待したが全て欠席されて思うように会う事も叶わず、学園に入学してやっと会えた。想像以上に美しく成長し話してみるとその心の清らかさが窺い知れる、私に群がる欲の塊のような女と明らかに違う。
やはり私の目に狂いは無かったと私の妃となるのは彼女しかいないと入学してすぐ何度目になるか忘れたが、渋る父を説得して王家から正式にゴールディ公爵に婚約申し込みを打診していただいた、……なのに…この時私は正式な王族からの打診を断られるとは思いもしなかった。
公爵が娘を溺愛してるのは有名で邸からも一切出さず、茶会、まして夜会に出席させる事はなく王族が主催だろうが全て断っていた。
(裏事情その1~欠席は公爵ではなく本人つまりヴァイオレットのお願いを公爵が聞いていただけである。夜会に関してはエメルが出席している場にはリンと変装して愛しのエメルを一目見たさに短時間ではあるが隠れてストーカー……コホン、遠目に…熱視線送っていた事は公爵家のものしか知らない秘事なのです。)
一切表に出る事ない令嬢がたった一度デビュタントの時だけは姿を現した、その時の麗しさは瞬く間に噂になった。私はたまたまその日は公務で王都に居なかった為その姿をみる事は叶わなかった。その後、公爵家に多くの釣書が届いたのは言うまでも無いがその全てを足繁く断っていたから私は油断していた。
(裏事情その2~このデビュタントも公爵はあえて王太子が王都不在の時を選んでデビューさせた、エメルが出席していたのは偶然だったがヴァイオレットにとっては運命と言える日になった夜会である)
まさか、公爵とヴァイオレット自らが婚約打診するために足を運んだ相手がいたなんて……しかも…婚約しただと…。
いくら、公爵からの打診でも学園入学後からは私がヴァイオレット嬢を婚約者に望んでいて婚約者候補だという噂は有名なはずだ!他の男を牽制する為に私みずから流した噂だから、それを知らない奴はいないはずだが、おそらくヴァイオレットの美しさに目が眩み婚約を受けたんだろう。
くそ!くそ!くそ!なんで私ではないんだ!
女に不誠実だと!溜まる欲を発散させて何が悪い!ヴァイオレット嬢が私の婚約者なら…勿論彼女だけにしか触れないさ!
それができないから、他で我慢してやったのに!
あれから3日経つがまだ彼女は学園を休んでいる。
(裏事情その3~エメル絶倫事件でヴァイオレットは足腰立たなくなったが彼女にとってはご褒美とも言えるエメルの付きっきりのお世話(介護)を堪能中であれこれ甘えて、エメルの溺愛に甘えに甘え調子に乗って世話をされてる間もヴァイオレットは触れ合いをエメルにお願いする。当然断れる筈もないエメルは控えめにしても所詮絶倫、翌日はお世話(介護)となる、これでは永遠に終わらないと流石のリンもヴァイオレットにいい加減にしろとお小言呈しやっとループが終わったのである…実に7日も休んだのである。)
普段は個人的な事に利用しないが今回ばかりは私の従者であり影の護衛であるジェイにヴァイオレット嬢の調査を頼んであった。
「ジェイ、調べたか?相手は誰だ!」
「はい、調査は完了してます……が、(知らない方が良いと思うが)……。」
「私から、ヴァイオレットを奪ったのは誰だ!」
「………、それが……その…私もかなり驚きました……」
「誰だ!早く言え!」
「はい、エメル=ブラウン、ブラウン伯爵家の嫡男23歳…もうすぐ24ですね。」
「…ブラウン?…王宮医師のブラウン伯爵だな!……ブラウン……最近どこかで……!!…アイツか!先日ヴァイオレットの隣にいた地味な臨時教員。」
「父は医師ですが嫡男は文官です。かなり優秀で国王様も人目置いている人物です。」
「……あんな地味な…冴えない男に…私は…ヴァイオレットを…奪われたのか…あんな…」
「それと…学園で怪我をされた日から御令嬢は……その……」
「なんだ、他にもあるのか…早く言え!」
「いえ、…あの…無礼を承知で進言いたします。もう、御令嬢のことは諦めになられた方がよろしいかと、…」
「なぜだ?まだ婚姻したわけではない、破談になることだってあるではないか!」
「…殿下…既に御令嬢は……、(言えないか、知ったら暴走しそうだ、令嬢がブラウン家でラブラブ新婚夫婦同然の生活してるなんて…蜜月中だなんて…いえない)
殿下はクローバー王国の王女殿下と来週には婚約が整うそうです。王女殿下の来日後、王城で夜会を開き正式発表するてはずになっているそうです。」
「……な、ん、だと、…婚約…発表?」
やられた!父上は本気だ!…くそ!…諦めるなんて……あんな奴に……そうだ!きっとヴァイオレット嬢の本意ではないはずだ!公爵が選んだ相手だからから、あの優しい彼女は断れなかったんだ!きっとそうに違いない。
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