普通の新婚生活が送りたい。

1章 巡りあい

6 アイザック＝クラインの失敗

アイザック＝クライン　御年27歳　王弟殿下にして勇猛な将軍！今までの戦いで負けたことがない。美貌、地位、力、頭脳、魔力全てにおいて完璧だ。こんなハイスペックな男は浮いた話もなく擦り寄る多くの美姫にも靡くことない氷の将軍．と言われていた．

別に女が嫌いでも、もちろん男が好きなわけではない、だだ惹かれる女性がいなかっただけだ。

西の森の魔物討伐から帰還したら突然兄である国王に呼ばれ
「好いた女はいるか？」
と聞かれた当然ながら居ないと答えると、

「なら、婚姻を結んで欲しい娘がいる、美貌、才能、人格、全てにおいて素晴らしく他国の王族からも求婚が絶えないんだが、レイ皇国皇太子がセレスティアを見染めたという情報が入ってなぁ、だが、彼女を他国にやるわけに行かんのだよ。普通の貴族では皇族に太刀打ちできぬし、かといって王太子の女関係がアレでなあ、ノワールは不実な男には絶対娘はやれない、女関係に綺麗な男なら考えてもいい！というのでなあ、そんな男、お前しかおらんだろ？」

「はあ、特に結婚したい相手はいませんが、結婚したいとも……。」

「お前しか、おらん、頼む！とりあえず、婚姻したという事実があればよい。大切に扱ってくれれば、良いし」

と言われ深く考えず承諾し、あとはルークに任せっきりで、特に向こうから会いたいとも、何も言って来ないから気にも止めてなかったが、まさか、誓約書が作成されていたなんて、、。

コンコン
「ルークです。お呼びと伺いましたが、」

「入れ」

「ルーク、なぜ、大切な初夜にお前とこうして顔を合わせなければならないのかわかるか？」

「ええ、誓約書ありきの婚姻ですからねえ（やはり予想通りの展開だな　ｸｽ）」

こいつ！今、笑った？なんだ太々しいこの態度、腹立つなあ

「俺は誓約書なんて聞いてない！内容も知らん！」

「はぁ、何度もサインする前にセレスティア様からの婚姻に際する条件と希望が書かれていますから、よくお読みになって下さいと、本当にその内容でよろしいんですか？双方の承諾が必要ですよとお聞きしましたよね。それを適当にサインしてあとは任せるとご自分で仰ってましたよね！それに結婚前に一度でもお会いになった方がいいと申し上げたはずです。後悔することになりますとも申し上げましたよ。」

「あ、いや、誓約書の内容を口頭で教えてくれればよかったではないか、」

「何、ほざいてるんです？ああ、やってらんねえ～子供じゃあるまいし、自業自得だろ！絶対一目で惹かれると思ったんだよ、彼女は他と違う、身分があれば俺が求婚したいよ！まあ、予想以上の落ちっぷりだったな、27歳になってやっときた春だ！まぁ、これから、頑張って惚れてもらえるように努力するんだな、誓約書てのは双方で話し合って内容変更できるから、まずは好かれるように頑張れよ。」
すっかり口調がOFFモード日なってるが、返す言葉も見つからない。

「では、だ、ん、な、さま？新婚なのに初夜から一人寝、心中お察しいたします。失礼いたします。」

バタン！

はあ、こんなことになるとは、、、。

アイザック27歳　結婚式で花嫁に一目惚れ、初恋である。とりあえず、がんばれ！