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15 女子会
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拝啓お母様
学園生活にも慣れ、楽しく過ごしております。
楽しさ故に、モブとしてあってはならないミスを犯してしまったようです。
偶然にもヒロインさんらしき方のイベントに遭遇してしまいました。
お母様から頂いた“モブの心得“に書いてあった通り噴水で楽しくないイベントが起こりました。
(仮)教科書水浸しイベントです。
私は通りかかっただけで、ヒロインさんともお会いしたことなかったのですが、彼女は私に虐められたと申しておりました。
なぜでしょう?
これが強制力?という事なのでしょうか?
怖かったです。
ですが今回は殿下が助けてくださいました。
今回のミスを教訓にイベントに巻き込まれないように気をつけたいと思います。
コンコン、
「お嬢様、バロン侯爵令嬢様とリード伯爵令嬢様がお見えになっています。」
「まぁ、マリアとリリアが?ミニムお二人をリビングルームにご案内して頂戴」
「はい、かしこまりました。」
リ)「ルーナ、突然きちゃったけど、大丈夫だった?」
ル)「ええ、お母様にお手紙書いていただけよ、丁度書き終わったとこなのよ。それよりどうしたの?なにかあったの?」
マ)「何かあったのはルーナでしょ!あの変な子に絡まれてたでしょ?ほら、前に話していたお花畑ヒロイン?だっけ?もしかしてあの子がそうなんじゃない?」
リ)「そうそう、私もそう思ったわ!あの子がおば様が気をつけてって言っていた、パルス伯爵令嬢でしょ!例の入学式でやらかした令嬢!」
ル)「そうかもしれないわ、お母様が言っていた通り瞳がピンク色だったからパルス伯爵令嬢だと思うわ!それにシュヴァ様に対する態度も……あの入学式の時の令嬢と同じだったから、きっとそうね。シュヴァ様はだいぶ怒っていたし」
リ)「ただ、初対面な筈なのにいきなりルーナ指差して虐められたって言うなんて、しかも殿下の前で、頭おかしすぎでしょ!」
マ)「そうそう、あの時の殿下は……やばかったわ…。」
リ)「?やばい?…とても頼もしくて…素敵でしたよ…優しかったですし」
リ、マ)「「ふふ、ルーナにはね…」」
ル)「???…」
リ)「それより、今回はレオン様達と一緒だからと私の護衛以外は外してしまったのは失敗だったわね!今後はそれぞれの護衛は教室外では常にいてもらうようにしましょう。
前は遠目にイベント?見てみたいと思ったけど、…あの子に関わるのは危険だわ、」
ル)「そうね、私も以前はチャンスがあったら見たいと思っていたけど……、凄く怖かったから…大人しく地味にモブらしく過ごすわ。でも、パルス伯爵令嬢って…凄く…なんというか……エネルギッシュよね……流石ヒロインよね。モブの私とは存在感がまるで違ったわ」
リ、マ)「「………(いやいや、正統派ヒロインのルーナの方が存在感半端ないって、)ルーナ…ちょっと…残念ね(あなたの思考が)」
え?残念?残念なことあったかしら?
リ)「そういえばレオン様が来週から7日間、3年生全員泊まりで魔法実践演習で魔獣駆除に出るから、しばらく会えないって言っていたわよ」
ル)「え!…魔獣駆除?…そう、なの?(シュヴァ様に暫く会えない……)」
リ)「あら、ルーナそんな寂しそうな顔しないで…暫くと言っても殿下に会えないのは約10日間ぐらいよ!」
ル)「…え?…別に…寂しいなんて……ただ、怪我などしなければいいなって…」
リ)「はいはい、まぁいいわ!(まだ自覚しないか…態度は既に…)無事に帰って来る事を祈って待ちましょう」
マ)「そもそも、殿下とレオン様が怪我って……想像つかないけど…まぁ、ありえないけど…一応人間だから絶対はないわね!…そうだ!ルーナ、殿下にハンカチに刺繍して送ったらどう?糸に保護魔法付与できるんでしょ!」
リ)「マリア!いいわねそれ!ルーナ、私の糸にも付与して、レオン様にハンカチ送るわ!」
ル)「ええ、いいわよ!…でも…受け取ってくれるかしら?こういうのって、婚約者とか恋人から贈られるものじゃないの?」
リ、マ)「「大丈夫!そんなこと気にせず送りなさいよ!」
ル)「う、うん」
******専属侍女ミニムは思った。
眼福です。
至福です。
ご褒美いただきました。
ああ、お嬢様方…最高のバランスです。
見目はもちろんそれぞれ極上です。その中でも我が主は…文句なしのNo.1でございます。
見目の良さに加えちょっと思考が残念な方向に向かう傾向にあるがそれがまた更に魅力を引き出し周りを魅了させてしまうのです。
最近ではご本人は自覚がまだないようですが、ふふ、だいぶ殿下に惹かれているようです。
ただ、あれ程あからさまな溺愛っぷりなのに殿下に愛されているご自覚がないのは不思議でございますね。
やはり言葉って大事ですね。殿下もそこに気がついて頂ければいいのにと思っておりますが、殿下自身も長い片思いで肝心な所が抜けてしまわれたのでしょう。
早くお二人の思いが通じて欲しいと思う次第でございます。
そういえば、お嬢様方のお話にあったパルス伯爵令嬢は相当ヤバイ人物のようです。
護衛であり影でもあるライトは密かに要注意人物として行動調査をしていますが……、常識が全く通じない御令嬢のようです。
我が主人に危害を加えるならば我々はたとえ相手が貴族でも容赦致しませんよ!
この我々の至福の時間はなんとしても守る所存でございます。
あ!そろそろこの至福のお時間も終わりのようです。
『『ルーナ、また明日ね~、』』
『『ミニム、あなたが作ってくれたアップルパイ、とても美味しかったわ!ご馳走様!』』
『お気に召して頂き光栄でございます。』
学園生活にも慣れ、楽しく過ごしております。
楽しさ故に、モブとしてあってはならないミスを犯してしまったようです。
偶然にもヒロインさんらしき方のイベントに遭遇してしまいました。
お母様から頂いた“モブの心得“に書いてあった通り噴水で楽しくないイベントが起こりました。
(仮)教科書水浸しイベントです。
私は通りかかっただけで、ヒロインさんともお会いしたことなかったのですが、彼女は私に虐められたと申しておりました。
なぜでしょう?
これが強制力?という事なのでしょうか?
怖かったです。
ですが今回は殿下が助けてくださいました。
今回のミスを教訓にイベントに巻き込まれないように気をつけたいと思います。
コンコン、
「お嬢様、バロン侯爵令嬢様とリード伯爵令嬢様がお見えになっています。」
「まぁ、マリアとリリアが?ミニムお二人をリビングルームにご案内して頂戴」
「はい、かしこまりました。」
リ)「ルーナ、突然きちゃったけど、大丈夫だった?」
ル)「ええ、お母様にお手紙書いていただけよ、丁度書き終わったとこなのよ。それよりどうしたの?なにかあったの?」
マ)「何かあったのはルーナでしょ!あの変な子に絡まれてたでしょ?ほら、前に話していたお花畑ヒロイン?だっけ?もしかしてあの子がそうなんじゃない?」
リ)「そうそう、私もそう思ったわ!あの子がおば様が気をつけてって言っていた、パルス伯爵令嬢でしょ!例の入学式でやらかした令嬢!」
ル)「そうかもしれないわ、お母様が言っていた通り瞳がピンク色だったからパルス伯爵令嬢だと思うわ!それにシュヴァ様に対する態度も……あの入学式の時の令嬢と同じだったから、きっとそうね。シュヴァ様はだいぶ怒っていたし」
リ)「ただ、初対面な筈なのにいきなりルーナ指差して虐められたって言うなんて、しかも殿下の前で、頭おかしすぎでしょ!」
マ)「そうそう、あの時の殿下は……やばかったわ…。」
リ)「?やばい?…とても頼もしくて…素敵でしたよ…優しかったですし」
リ、マ)「「ふふ、ルーナにはね…」」
ル)「???…」
リ)「それより、今回はレオン様達と一緒だからと私の護衛以外は外してしまったのは失敗だったわね!今後はそれぞれの護衛は教室外では常にいてもらうようにしましょう。
前は遠目にイベント?見てみたいと思ったけど、…あの子に関わるのは危険だわ、」
ル)「そうね、私も以前はチャンスがあったら見たいと思っていたけど……、凄く怖かったから…大人しく地味にモブらしく過ごすわ。でも、パルス伯爵令嬢って…凄く…なんというか……エネルギッシュよね……流石ヒロインよね。モブの私とは存在感がまるで違ったわ」
リ、マ)「「………(いやいや、正統派ヒロインのルーナの方が存在感半端ないって、)ルーナ…ちょっと…残念ね(あなたの思考が)」
え?残念?残念なことあったかしら?
リ)「そういえばレオン様が来週から7日間、3年生全員泊まりで魔法実践演習で魔獣駆除に出るから、しばらく会えないって言っていたわよ」
ル)「え!…魔獣駆除?…そう、なの?(シュヴァ様に暫く会えない……)」
リ)「あら、ルーナそんな寂しそうな顔しないで…暫くと言っても殿下に会えないのは約10日間ぐらいよ!」
ル)「…え?…別に…寂しいなんて……ただ、怪我などしなければいいなって…」
リ)「はいはい、まぁいいわ!(まだ自覚しないか…態度は既に…)無事に帰って来る事を祈って待ちましょう」
マ)「そもそも、殿下とレオン様が怪我って……想像つかないけど…まぁ、ありえないけど…一応人間だから絶対はないわね!…そうだ!ルーナ、殿下にハンカチに刺繍して送ったらどう?糸に保護魔法付与できるんでしょ!」
リ)「マリア!いいわねそれ!ルーナ、私の糸にも付与して、レオン様にハンカチ送るわ!」
ル)「ええ、いいわよ!…でも…受け取ってくれるかしら?こういうのって、婚約者とか恋人から贈られるものじゃないの?」
リ、マ)「「大丈夫!そんなこと気にせず送りなさいよ!」
ル)「う、うん」
******専属侍女ミニムは思った。
眼福です。
至福です。
ご褒美いただきました。
ああ、お嬢様方…最高のバランスです。
見目はもちろんそれぞれ極上です。その中でも我が主は…文句なしのNo.1でございます。
見目の良さに加えちょっと思考が残念な方向に向かう傾向にあるがそれがまた更に魅力を引き出し周りを魅了させてしまうのです。
最近ではご本人は自覚がまだないようですが、ふふ、だいぶ殿下に惹かれているようです。
ただ、あれ程あからさまな溺愛っぷりなのに殿下に愛されているご自覚がないのは不思議でございますね。
やはり言葉って大事ですね。殿下もそこに気がついて頂ければいいのにと思っておりますが、殿下自身も長い片思いで肝心な所が抜けてしまわれたのでしょう。
早くお二人の思いが通じて欲しいと思う次第でございます。
そういえば、お嬢様方のお話にあったパルス伯爵令嬢は相当ヤバイ人物のようです。
護衛であり影でもあるライトは密かに要注意人物として行動調査をしていますが……、常識が全く通じない御令嬢のようです。
我が主人に危害を加えるならば我々はたとえ相手が貴族でも容赦致しませんよ!
この我々の至福の時間はなんとしても守る所存でございます。
あ!そろそろこの至福のお時間も終わりのようです。
『『ルーナ、また明日ね~、』』
『『ミニム、あなたが作ってくれたアップルパイ、とても美味しかったわ!ご馳走様!』』
『お気に召して頂き光栄でございます。』
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