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第17話 番が番を誤認事件 (ゼロ・東園慈・バハム&ダーグリオン7)

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リーシャとキャロルが本事件とはまったく関係ない話に花を咲かせてる頃、ゼロとダーグリオン7はそれぞれの目的地に
到着していた。

No4マリム(馬獣人)No5カリオン(狼獣人)No6カケル(人族と兎獣人のハーフ)は監禁されている4人の救出に向かった。



首謀者の屋敷から2キロほど離れた場所に建てられている自称保護施設の地下3階、表向きは地下1階(食品貯蔵庫)となっているが、隠し扉の先に地下2階(研究室)3階(監禁室)がある。

この構造は普通では発見できないが、これもリーシャとキャロルの発明した前世でいうところのX線と赤外線を利用した
透視スコープがゴーグルに内蔵されているおかげで迷わず入口を発見できるし、ステルス機能であっさり侵入できた。

ダーグリオンの3人は難なく監禁されていた部屋を見つけ4人を救出できた。

「マリムとカケルはこの4人を連れてすぐリーシャ様の所へ向かってくれ、カリオンはここの研究室に残ってる資料を回収してを破壊してから向かうよ!」

「おお、わかった、リーシャ様からの任務は対象者の救出だけど、あの禍々しい研究室は処分しておいた方がいいと思う」

「そうだな、処分はおまえカリオン1人で大丈夫か?」

「ああ、勿論問題無い!もしも、は無いと思うが、緊急用転移スクロールをリーシャ様から頂いてるから心配するな!」

「そうか、じゃぁ、建物には影響ないと思うが念のため俺たちマリム&カケルが地上に出たら始めてくれ」




無事に保護対象者4人とマリム達が地上にでた事を確認したカリオンは研究室を破壊するために1人地下研究室に向かった。


研究室に残されている資料を全て回収し、後はを破壊して任務は完了する。

今回初実戦となるnew魔道具、凍結銃を照射するとあっという間に凍結しかもその後は軽く対象を専用ハンマーで叩くと木っ端微塵に粉砕された。


(スゲー!爆発させることなく木っ端微塵て、爆発させるのと違って振動も周りを破壊することなく対象だけをピンポイントで処分できる!これまたとんでもねぇ魔道具だな、しかも粉砕された残骸は吸引魔道具で綺麗に跡形もなく片付くし時間効率効率めちゃくちゃいいな、)

カリオンは処理完了し確認のため一応透視スコープで空になった部屋を見渡した。


(あれ?この奥に空間、なんか不自然だな、ん?ここか?これもしかして隠し扉じゃね?とすると開けるには、なんか仕掛けがあるはずだな)

4人が監禁されていた地下3階と研究室ある2階との間に僅かな空間を発見したカリオンは研究室の調剤機があった場所の横にある帽子かけフックを回転させた。

するとカシャンと何かが外れる音がして壁がズレた。

(ビンゴ!こんな所にも隠し部屋かよ!一体何隠してんだ?)


壁を押し込み中に入るとムワッと異臭がした。

(なんだ?この匂いは、なんか塊?メット越しでも匂いが強烈すぎて、まさか人か?なんだ?)

壁の中に1人の人族が倒れていた。

(こりゃ、ひでぇ、生きてんのか?弱いけど鼓動は聞こえるな、だが、今にもしんじまいそうだな)

身体中鞭を打たれた後がありボロボロの洋服にはたくさんの血がこびり付き、固まり、異臭を発していた。

かろうじて生きているがかなり衰弱しているようで意識もないカリオンは恐らくリーシャ様なら迷わず助けるだろうと判断しこの人族も保護し連れて行くことにした。

予定外のことではあったが容態からいつ事切れてもおかしくない人族を念の為と渡されていた回復薬を口の中に流した。

「おい、聞こえてるかわかんねぇが飲めなくてもいいから薬を口に入れるぞ!」

カリオンが与えた回復薬は飲まれる事なく口からすぐさま溢れたが少し体内にも入ったのか切れた口元と口内は少し回復しほんの僅かだが呼吸音が聞こえた。

「すぐ助けてやっからな、リーシャ様ならお前をなんとかしてくれるこれから転移すっからな!痛いかもしれないが抱き上げるぞ」

カリオンが抱き上げるとウウっと僅かに声がした。


転移スクロール発動させリーシャの所に連れて行った。









「リーシャ様、この子の治療お願いします。」

丁度先についていた4人を治療していたリーシャの元にカリオンに抱かれた子が運ばれてきた。

瞬時に状態を把握したリーシャは、

「カリオンそのままその子を治療ポッドに入れるわよ!キャロ!は完成してるわよね!この子はかなり状態が悪いわ!多分治癒魔法やエリクサーでもチョット難しいかも、」

「ええ、中に入れる治療液の調合は済んでるわ!すぐ用意するわ!ザック、テリオン様と一緒に第2倉庫から治療液タンク3本持ってきて!」

「「わかった」」



治療ポットに寝かせ気道確保して全身を治療液に浸した。
白乳色の治療液が発光しながら傷んだ体を修復していく時間にして1時間といったところだろうか、表面的な外傷は綺麗になくなっていた。

「あら、この子女の子よ!キャロ、このままじゃアレよね、でもまだもう少し治療したいからビキニ着せちゃう?」

「そうね、とりあえず、男性には退出してもらって、他の保護した子達の女の子3人の世話もあるし、…そうだ!ダーグリオンの奥様達にお願いしようか!」

「そうね、彼女達なら任せても安心だわ!カリオン、レバノンリーダーに連絡してもらえる?そろそろあっちも任務完了してる頃だと思うわ!」

「ラジャー!」

「あ!そうだ、ゼロにで戻って来い!って伝えてくれる?不本意だけどこの子はゼロじゃないと治せない所があるのよ!」

「東園慈様には直接こちらに来るようにお伝えすればいいのですね。かしこまりました。」











『姉ちゃーん、リーちゃんで戻ったよ~。』

「……、う、うん、早かったね!とりあえずこっち来て!」

「ヘラヘラしてないで、さっさと来な!」

『イデデデデ、姉ちゃん、耳、引っ張んないで~ってなに?これ?スゲー治療ポッド?』

まじか!姉ちゃんとリーちゃんやばいもん作ってんなぁ、

「うん、前世の酸素カプセルイメージしてキャロと作ったんだよね、治癒魔法は使える人少ないからね、ここまでの性能はいらないと思うからこれの軽いやつ平民街の治療院にどうかなってさ!」

『どうかなって、リーちゃん、俺違う意味でどうかなって思うよ!』

商品化する前に旦那達がブレーキかけてくれると思うけど、

「それより、この子をゼロに治療して欲しいの!」

『このカプセルの中にいる子?リーちゃんの治癒魔法でって……、見たところ綺麗に治ってそうだけど?』

「身体的にはね、ほぼ完治してるんだけど、チョット見てて」

リーちゃんが手をかざすと女の子を光が包み金色の糸が複雑に絡み合って見える。これって

『これ?今糸のように見えてんのって』

「そう、魔力回路よ!通常はこんなに絡みあうことないの、それとここ、臍の位置見て!魔力の中心部見えるでしょ?本来なら球体であるはずの中心部が歪に変形して今にも消えてしまいそうなの、これが消えてしまうとこの子は数年も生きられなくなるわ!
ここまで壊れてしまうと私でも直せないのよ、でもゼロならできるんじゃないかって!
前世で色んなもの復元するの得意だったでしょ、
私もキャロもこの世界に転生してわかったのは前世で得意な分野が今世はもっと得意になってるのよ!」

『確かに言われてみればそうかも、特に意識したことなかったな、でも見る限りではなんとなくできそうな気がする。
やってみるよ。
多分この治療液に浸かったままの方がいいな』


「お願いね、」



俺は目を瞑り手を臍の辺りにある魔力回路の中心に自分の魔力を流し傷ついてる箇所を精密にたどり修復作業に取り掛かった。

チョットでも集中力が散ってしまうとすぐ変形してしまう中心部を慎重に慎重に修復させる。

時間にして3時間、やっと中心部の修復完了次は絡みにからまった回路を正常な流れに戻す作業。

これがまた時間を要する、全ての修復が終わったのは次の日の昼だった。流石にタフな俺でも疲れたかも、

『お、終わった、』



もうだめだ、

眠い。

腹減ったなぁ。

でも動きたくないや。


寝る。


治療が完了した安堵感と長時間の作業に意識は薄れ、ずるずると床に沈みそのまま深い眠りについた。











ゼロ・東園慈・バハム 番が番を誤認事件に協力したら、超過労働を強いられ床に沈んだ。





まじで姉ちゃん達スゲー、
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