番かぁ、わかってるんです。もう少しお待ちください。

キャロル

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第16話 番が番を誤認事件 (リーシャ・バレンティノの場合)

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ゼロ達が任務に向かった後任務が終わるまでリーシャ達はこの研究所の休憩室に移動した。

ここには普段それぞれのカップルがラブラブしながら寛げる様にとドーンとデカいラブソファが2脚向かい合わせに
置いてある。

勿論カップルというのはリーシャ夫婦とキャロル夫婦のとこだが、





ゼロ&ダーグリオン部隊が救出任務を着々と遂行してるな中この4人はいつものようにそれぞれのソファで
いつものように旦那に抱っこされた状態のまま愛でられながらこの夫達の妻イジリを気にする事なく、リーシャとキャロルは淡々と話をする。





リーシャは気になっていたことがある。

魅了に似せたこの薬の用途と効果は原料を特定できた時点である程度推測する事ができた。
過去にも惚れ薬と称した怪しい薬が出回った記録がある。

その時の被害者は人族の高位貴族の魔力の低い、もしくは無魔力の子息達だった。

そして今回の薬のターゲットは獣人、猫科を狙った者だった。

猫が好む素材を最後に加えることで完成しターゲットを絞り効果を発揮する。

その原料の割合と混合する順番も正しく配合しないと番がいる獣人には効果がない。

おそらく番がいない獣人には多少配合が雑でも効果を発揮しただろうと思う。


最初の実験で番がいない者が被害者だったようで番持ちが被害に遭うまで気づかれなかった、一体何人が被害にあったのか把握出来ないので、猫科の成人を集めて解毒剤を気付かれないようにミスト状に散布してまとめて解毒する場を早いうちに
設けないといけない。



ただ効果の持続は不明だし、魂合わせした後の獣人に効果があったかは不明だけど私の予想では効果はないだろう。

犯人の目的がなんだか解らないけど、犯人の種族は番という概念を持たない種族、すなわち人族、それも
自称神聖国の神官長の関係者だと思う。

予想が正しければクソみたいな動機だろう。



コイツらは番を軽視しすぎ!

番には唯一無二という深い繋がりがある事をどうも理解できないらしい。

だから、一般的に知られている番どうしが感じる香りを偽造出来れば番と誤認して番になれると思っていたのだろう。

番いって香りだけじゃないんだよね。

バカなんだろうか?

バカなんだね!うんバカ確定!

番の繋がり舐めるなって言いたいよ!
なんでこんな酷いことするんだろ?








「ねぇ、キャロル、マタタビの事どう思う?私たちが知らなかっただけでこの世界にもどこかに生息するのかな?」

「う~ん、どうだろ?成分が似ているだけでマタタビと違うって事はないかな?」

リーシャもそう思いたいんだけど、何度鑑定しても鑑定結果は同じ、マタタビだとしか思えないのよね」


[植物]

抽出成分 ーネペタラクトール マタタビラクトン



「ん?ねぇ、その成分って……、私たちは前世の記憶がギフトとして残ってるから、猫といえばマタタビって思ってるでしょ!」

「うん、だって、猫といえばマタタビじゃん!

「その抽出成分ってさ、キウイの木の枝や実にも含まれてるんじゃなかった?キウイならこの世界にもあるしこの世界にはマタタビがないからキウイのことは思いつかなかったけど、猫科の獣人はキウイが好きでしょ!それってネペタラクトールとマタタビラクトンが含まれてるからだわ!」

「そっか、確かに好きだわ!キウイか、キウイ食べて酩酊する事ないから、失念してたそっか、それなら納得だわ、濃度濃くするとマタタビと同じくらいの効果が出るのね。キャロありがと、思いこみは駄目だね、」

キウイ、か、それならそこまで心配しなくていいかな、この世界にないマタタビだったらどうしょうって不安だったよ
私たちの他の記憶持ちが知識悪用してるんじゃないかって、


「多分ね、でもこの薬をベースにそれそれポイントになる成分追加で獣人全種がターゲットになるわね!
妖精族は独特の番認識持ってるから偽造は無理だし、この件の被害者は獣人族だね!
あ、でも竜人だけは例外かな、ポイント成分ってないよね?
色んな意味で揺らがないよね竜人ってだから獣人の頂点は変わる事なく竜人なのかな?
今はリーシャも半分竜人?になるのかな?竜種と竜種との番とは異なるから、今のリーシャの体って獅子獣人じゃなくなってるよね?なんか以前とオーラの質が違うよね、
ってか、テリオン様も変わっちゃった?竜だけど、なんか違う?
なんとなく、どえらいオーラになってんだけど、チート化しちゃった?」


「キャロ、……せめてスキルアップって言ってくれない?確かに色々変わったっぽいけど根本は変わってないし、
見た目も変わってないし、まぁ、ちょっと以前よりレベルアップ?した感はあるけど、私は私リーシャはリーシャ
同じよ!テリオン様もちょーっと強くなっただけだし、そこまで大きな変化ない?とう思う?でも、キャロんとこみたいにGPS機能っぽいのついてコレは便利かなって思うけどね。」

「あ、やっぱついたんだ!GPS!どういう仕組みなのかわかんないけど便利だよね~、わざわざ居場所言わなくても
時間になるとザックが迎えに来てくれるんだよ!私夢中になるとつい連絡忘れちゃうじゃん!いちいち連絡しなくてもいいっての楽だよね~」

「そうそう、私もつい研究に夢中になると忘れちゃうのよ!うんうん、便利だよね!」


(こんな2人の会話を聞いたテリオンとアイザックはお互い顔を見合わせ、心の中で同じことを思っていた。
GPSという言葉はわからないが常に位置情報をチェックされて常時護衛に状況報告させているストーカー夫に全く気が付かず、便利と言い、キャッキャと楽しそうに話す妻に鈍くて良かったと思うのであった。)


「便利っていえばさ、私がキャロルがちょっと疲れてて、チョコケーキ食べたいなって呟いた日のお迎えにチョコケーキ持って迎えに来てくれたりとかさ!以心伝心っていうの?私は元々きが聞かないから、何も出来てないんだけど、何故かザックは言わなくてもすぐ気がついてくれるんだよ!
これって番効果だと思うの!
凄いよね!番って唯一無二って感じするよね、リーシャもでしょ」

「ええ、そうね、私も気が利かないけど、テリオンはなんでもわかるみたいで、気持ちが通じるって凄いわよね」



(またしても、色んな意味で純粋で鈍い妻達、愛しさが増し、さらにストーカーぶりに拍車がかかりそうな予感ですが、自称、自由を望んでいる記憶持ちの妻達鈍くて良かったと痛感する夫達であった。)







リーシャ・バレンティノ  番が番を誤認事件 現在捜査任務中のはずですが、話が脱線仕掛けてます。

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