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1 要らない選択

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今 私の目の前には女神のような神々しいそれはそれは美しいご尊顔のこの国の女王様がいらっしゃいます。

この麗しの美女の口からそれはそれは美しい声で我が耳を疑う、…聞いてはいけない…聞かなかった事にしたい言葉が発せられてしまいました。


「さあ、可愛いリーシャ、答えて頂戴!あなたが選んだのは、
グラント第1王子金の変態プルート第2王子銀の変態?それとも
ザルバ第3王子黒の変態?それとも全員かしら?ふふふふ、勿論よね、そうだとわかってるんだけどね、可愛いリーシャの口からはっきり聞きたいの!」

「え?……、」

王妃様、逆に聞きたいのは私ですよ?選ぶどころかなぜ既に選んだことになっているんでしょう?

それに100歩いえ、10000歩譲りに譲ってなぜこの3人なのでしょう?

選ぶの?選んだことになってるの?この3人から?他にもたくさんいたはずですが?

私に求婚した方、たくさんいましたよ!私の記憶ではお父様方が厳選して50人まで絞ってくださいました。

その方達はどうなりました?

実はその中から私は5人まで絞ったんですよ!私の中でほぼ決まっていましたよ!

つい昨日の事ですけどね!そしてその中にはこの3人変態は間違いなく入っていませんよ!

候補にすらけど……、

それに、私王子達変態から求婚書貰ってませんし私からも王子に変態求婚書送っていませんが、…どういうことですか?

それはそうと、はっきり言ってもいいんですか?




********


この国は女性の出生率が低く男女比50:1なのです。

なので恐ろしい事に国の法律で女性は夫を3人持つ事を義務化されています。

我が国は男女共16歳が成人となり婚姻可能になります。早い人では12、3歳で婚約し16歳の誕生を迎えてすぐに結婚する人が大半ですね。

私は16歳になったばかりですが、結婚?まだ、いいですって感じですかね。
(許されるなら面倒だから独身でいたいのですけどね)

3人ですよ!恐ろしい、1人でも手一杯な気がしますが、かく言う私にも4人の父がいます。

残念ながら独身なんて許されなのです。

勿論、選択権は女性にあります。なんですけど……。


ただ、いくら女性主導でも男性にもきちんと権利があります。

それは、過去に女性からの求婚は断れないという時代がありました。

要するに数少ない女様に選ばれたんだから断るなってことですよ。

過去、本人が望んでなくても強引に気に入った男性と結婚した事により鬱になる男性が増えた事と、ある時身分の高い女性に求婚されたある男性は他の身分が低い女性との結婚を望んでいてお互い相愛だったにもかかわらず、身分をかさに強引にその男性を夫にしたそうです。

その後どうなったと思います?

悲しいことが起こったのですよ。

その後無理矢理引き離されたその男性と女性は手に手をとって身投げしてしまうという悲しい出来事が起こりました。

ただでさえ少ない女性を減らす事になった事と、傍若無人に振る舞う女性にぞんざいに扱われる男性が増えた事で取られた救済措置とも言える法案が男女ともに選ぶ権利として

男性は結婚したい相手を自分で選び求婚書を送り女性はその求婚書の中から結婚相手を選ぶ。どんなに恋慕しようが求婚書が届かない相手に女性は結婚を迫ることも強要することも禁ずるという法律ができた。

その事により以前はかなり傲慢だった女性も昔よりはマシになったようですが、それでも蝶よ花よと甘やかされて育った女性は我が儘で高飛車な気の強い方が大半を占めています。

男性は生涯1人としか結婚できませんので、意外と慎重に選んで求婚しているようです。
(死別した場合は再婚可)

中には女性が少ないので、誰でもいいから夫になりたいという男性もいますが、結婚後の不貞不倫は極刑なのでそこは慎重になりますよね。

こんな男性にとって厳しい婚活事情にもただ一つ例外がございます。

はい!お約束の王族に生まれた男性です。


この王族に限り女性から求婚書を送り男性が選ぶということが可能なのです。
“ただし処女に限る“という条件がつきますが……、非処女でもいいじゃないか、と個人的には思います。

だって相性ってあるでしょ?

そんで、女性からの求婚は1回限り、一度断られた者は王族に求婚してはならないので、女性の方も求婚するタイミングに慎重にならないといけないのです。



現在王族には3人の独身王子がいます。

第1王子グラント、27歳、金髪赤目の186センチの見た目爽やかイケメン
第2王子プルート、25歳、銀髪赤目の187センチ見た目クールイケメン
第3王子ザルバ、20歳、黒髪赤目の185センチ見た目セクシーイケメン

さて、気がつきましたか?赤い瞳は我が国の王族の証この瞳は王族にしか生まれません。

しかも王家に嫁いで王妃となった女性と王族の男性からしか生まれない。不思議ですね。

つまり王弟が臣籍降下して結婚した場合その子供は妻の瞳の色を受け継ぎます。

逆に王妃が王族の血を持たない一般人を第4夫にした場合も勿論赤い瞳は生まれません。(当たり前の事でしたね。)

要するに代々なぜか王族男子は兄弟で女性の好みが似ているのか国王の妻(王妃)の第2、第3夫に王弟たちが収まっているんですよ。
早い話が、現王妃の夫は国王とその弟なので息子3人揃って赤い目なんです。

ちなみに王妃様は銀髪に紫の瞳、第2王子が似ていますね。クールビューティーでボン、キュ、ボンのエロボディの持ち主です。



第3王子はまだしもこの王子達は10年も前から少ない独身女性のほぼ全てと言っても過言ではない程の多くの求婚書が届き選びたい放題という世の男性の妬みを一心に集めてしまいそうな状況の中、なんと罰当たりにも毎年断り続けているそうな。
(さっさと身を固めてくれた方が世の男性、いえ、女性の為、なんでまだ独身なんだよ!)


見目麗しい3兄弟、そうです、あくまで見た目ですよ!悔しいけど見た目ならこの3人はピカイチなんですよ!…ですがこの美貌を丸ごと台無しにしてしまうほど、この3人が3人ともかなり癖のある…変態性癖をお持ち……だと断言できます。

なぜそのことを私が知っているかって?

その話になりますと私の特殊能力と生まれに関する説明が必要ですので私が7歳の頃まで遡らなければなりませんが、お付き合いいただけます?

え?いいんですか?

ありがとうございます。(ホロリ)

ほら、ストレスは誰かに話すと軽くなるって言いますでしょう?

聞いてくださいますか?

この変態3人との出会いの話を………、まずはその前に軽く私の自己紹介しないといけませんね!


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