[完結] 伴侶は自分で選びます。

キャロル

文字の大きさ
上 下
32 / 34

32 伴侶は自分で選びます。(後)

しおりを挟む
城を出た私達はそのままダンテ侯爵邸つまり、お父様とその他大勢が待つ私の実家に向かった。

ついた途端ワラワラと人が集まり私達を囲み“おめでとう“の嵐、その中でトーヤはなんでお前がーとか、コンチクショーとか泣かすなよーとか兎に角もみくちゃにされていた。

その中、人をかき分けてお兄様が側に来て私に謝った。

「リリィ、ごめんね、」

「お兄様、そこは“おめでとう“と言ってください。私の背中を押したかったのでしょ?おかげで、ちょっと時間がかかりましたけど、見事に背中を押され、今こうして幸せなんですから、お兄様には感謝しています。ご自分の時は間違えないようにしてくださいね。恋愛は腹黒ではダメですよ。番だからとアグラをかかず、ルーナに愛想尽かされないようにしてください。」

「う、うん、肝に銘じるよ、アルスト殿下に薬を取られちゃったからね。ルーナが成人したらすぐ結婚できるように色々根回しして頑張ってるんだよー」

「そんなところが腹黒なのよ、真っ直ぐ気持ちを伝えているだけでいいのに……」

「え?なんか言った?」

「いえ、…何も……はぁ、(能力は随一だけど、恋愛はポンコツかもしれない…)」

私とは違う意味で拗れなきゃいいけど、………。


あ!お父様とお母様、うわ!ほんとに若くなってる…凄い!私って天才かも。

「リリィ!おめでとう!トーヤ君になら安心して嫁に出せるよー」

「お父様、お母様、ありがとうございます。はい、安心して嫁に出してください。あ!お母様お腹だいぶ大きくなりましたね、体調は大丈夫ですか?」

「ええ、順調すぎて驚きよ!それに体が若返ったおかげで、今私達新婚気分よ!結婚当初はライの仕事が忙しくてあまり一緒に過ごせなかったけど、今は引退してるから、時間だけはあるでしょーだから、せっかくだから新婚中出来なかったことをしてるの、リリィのおかげで、凄く幸せよ、リリィ私たちの所に来てくれてほんとにありがとう。」

「私の方こそ、ここまで育てて頂いてありがとうございます。」

それから、たくさんの人に祝福され、その日はみんなで夜遅くまでドンチャン騒いでいた。




__ある晴れた日、東国神殿で1組の夫婦が誕生した。__

新婦は世に稀な神獣を従えた絶世の美貌を持つ世界第3位の強さと魔力を持つ女性
新郎は神獣に選ばれし伴侶世界第2位の強さと魔力を持つ男性

ちなみに世界第1位は新婦の兄である。これは世界に周知される有名でな事柄である。
(余談ですが実は最強はクリスタ王国のアイザック=クライン(元魔王)他の物語のヒーローですが人外の強さの為ランク外)

新婦の美貌に恋慕するものが多数いたが誰もが、ひっそり心に秘める事になる。命大事ですからね。



__ある新婚夫婦の初夜__

「リリィ、お前、マジで綺麗すぎだな!今更だけど愛しすぎて胸が潰れそうだよ」

「ふふ、トーヤもかなりのイケメンよ。愛しすぎて…胸は潰れないけど…ふふ、愛してます。」

「確かにそんなにデカい胸は潰れねぇな、リリィ、今晩から覚悟しとけよ。おれ、抑えられねぇかんな」

「もう、トーヤったら、普通そこは優しくするよ!でしょ」

「いや、それ、無理だから、リリィと出会ってから、なんでだろ?おれ清い体なんだよ。セカンド童貞?だから、よろしく頼むよ」

「………セカンド?おかしいでしょその使い方……とりあえず?お手柔らかに…お願い…しま…」

「無理だあ、すまん」


__翌朝__

「リリィ、機嫌直してくれよーおれもさーまさか、なー、こんなの初めてーってなってよー」

「……獣か!鬼畜か!朝よ、朝、一体何時間たったと思ってるの!回復魔法はこんなことに使うためにあるんじゃないわよーしかも回復しきれない程の……ねぇ、私初めてって知ってるわよね!体力には自信あるけどさーこれはちょっと違うと思うの」

「……うーん、ボク、ナニイッテルカ…ワカラナイ…フロ…イコウ」

「ちょ!いや、私は後で、1人で入るから、おろして、ねぇ、トーヤ!」

「ほら、危ないだろ、脚立たないんだからしょうがないだろ、大人しく洗われとけよ。」

「や!ちょ!そこは!……」

(あるじ様、がんばれ!魔力の相性がいいとこうなるんだよ。初めて魔力交換した時、心地いいと感じたって言ってただろ?心地いいと気持ちいいは同じなんだよ。お互いの魔力を心地いいと感じる相手に出会えるのは砂漠で砂金を探すようなほど稀だから、2人は最初から結ばれる運命にあったんだよ。そして……)
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は反省しない!

束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢リディス・アマリア・フォンテーヌは18歳の時に婚約者である王太子に婚約破棄を告げられる。その後馬車が事故に遭い、気づいたら神様を名乗る少年に16歳まで時を戻されていた。 性格を変えてまで王太子に気に入られようとは思わない。同じことを繰り返すのも馬鹿らしい。それならいっそ魔界で頂点に君臨し全ての国を支配下に置くというのが、良いかもしれない。リディスは決意する。魔界の皇子を私の美貌で虜にしてやろうと。

あなたの運命になりたかった

夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。  コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。 ※一話あたりの文字数がとても少ないです。 ※小説家になろう様にも投稿しています

思い出しちゃダメ!? 溺愛してくる俺様王の事がどうしても思い出せません

紅花うさぎ
恋愛
「俺がお前を妻にすると決めたんだ。お前は大人しく俺のものになればいい」  ある事情から元王女という身分を隠し、貧しいメイド暮らしをしていたレイナは、ある日突然フレイムジールの若き王エイデンの元に連れてこられてしまう。  都合がいいから自分と結婚すると言うエイデンをひどい男だと思いながらも、何故かトキメキを感じてしまうレイナ。  一方エイデンはレイナを愛しているのに、攫ってきた本当の理由が言えないようで……  厄介な事情を抱えた二人の波瀾万丈の恋物語です。 ☆ 「小説家になろう」にも投稿しています。

あなたのためなら

天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。 その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。 アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。 しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。 理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。 全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。

[完結]私を巻き込まないで下さい

シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。 魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。 でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。 その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。 ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。 え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。 平凡で普通の生活がしたいの。 私を巻き込まないで下さい! 恋愛要素は、中盤以降から出てきます 9月28日 本編完結 10月4日 番外編完結 長い間、お付き合い頂きありがとうございました。

【完結】これでよろしいかしら?

ここ
恋愛
ルイーザはただの平民だった。 大人になったら、幼馴染のライトと結婚し、畑を耕し、子どもを育てる。 そんな未来が当たり前だった。 しかし、ルイーザは普通ではなかった。 あまりの魅力に貴族の養女となり、 領主の花嫁になることに。 しかし、そこで止まらないのが、 ルイーザの運命なのだった。

【完結】魂の片割れを喪った少年

夜船 紡
恋愛
なぁ、あんた、番【つがい】って知ってるか? そう、神様が決めた、運命の片割れ。 この世界ではさ、1つの魂が男女に分かれて産まれてくるんだ。 そして、一生をかけて探し求めるんだ。 それが魂の片割れ、番。 でもさ、それに気付くのが遅い奴もいる・・・ そう、それが俺だ。 ーーーこれは俺の懺悔の話だ。

王太子になる兄から断罪される予定の悪役姫様、弟を王太子に挿げ替えちゃえばいいじゃないとはっちゃける

下菊みこと
恋愛
悪役姫様、未来を変える。 主人公は処刑されたはずだった。しかし、気付けば幼い日まで戻ってきていた。自分を断罪した兄を王太子にさせず、自分に都合のいい弟を王太子にしてしまおうと彼女は考える。果たして彼女の運命は? 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...