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18 攫われたリリィ 続
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魔道具をつけた瞬間に飛ばされた先は深い森の奥?のようだった。目の前に見える建物は…こんな所に…神殿?そう、まるで神殿だった。
「さぁ、姫様中をご案内しましょう。どうぞこちらですよ。」
中に入るとこんな森の中に不釣り合いな程の綺麗なというより豪華な神殿のような建物だった。
こんなに綺麗な神殿が、なぜこんなところに?
この建物は上空からは森の木々に隠されてここに建物があるなんて気づけないだろうというぐらいに建物を結界が覆うような形に木々が生い茂っていた。
中と外の景観の違いに驚いていたら、静かな口調だが僅かに怒気を孕んだ声が後ろから聞こえた。
「ここは、初代竜王が2人の番と永遠を誓った場所だったそうですよ。なんの因果でしょう、少し昔話を聞いていただけますか?」
聞いてと言われても私に拒否権はあるのか?と逆に聞きたいが、思考の歪んでいそうなこの男には今はまだ、大人しく従った方がいいみたい。
「私がまだ子供だった頃、共に考古学が好きで歴史学者だった父と母がこの神殿を発見し、調べていました。ある日、この森の入り口で傷を負った獅子の獣人を見つけ自宅に連れ帰り介抱していたそうですが、傷が治るとその獣人と母は姿を消しました。いや、姿を消したんじゃないな、見目のいい獣人に母が懸想して、獣人の国について入ってしまった。要するに私と父を捨てたんだよ。獅子の獣人のたかが愛人になるためにね。あんな獣人なんか助けなければよかったのに、それから父は荒れてさぁ、母似の私をうとましく思うようになり、幼い私は放置され、餓死寸前の所をマリア様が救ってくれて従者にしてくれたんだ。あの方が私に光をくれたんだ。マリア様は私の全てなんだ!…それなのに__、クインズの王にみそめられ子供を産まされ、果ては獣人の番だなんて、…皮肉な運命ですね。私と父は親子揃って愛する人を獣人に取られたんですよ。ハハハハ、」
取られたって、…それは違うでしょ…思考がふつうじゃない。
「マリア様の母国もクインズ国も獣人との交流はなく番の事は知ってはいたが番の紋様についての知識は乏しかったので、当時の姫様の白い羽の紋様に気づいているものは居なく、ただ、子供だから、一部皮膚の色素が薄いのだと、勝手に勘違いしてくれた、おかげで、簡単に呪術かけられ上手くいっていたのに、…」
淡々と恨みを話す彼に生い立ちについては少し同情するが、完全な逆恨みじゃないか、それに一方的に母に恋慕して父に愛人がいるとでっち上げ、卑怯な方法で手に入れようとして多くを巻き込み失敗、更にそれをも他人のせいにして、……こんな男に私は長年振り回されていたなんて!悔しい!
「あなたは、一体何がしたいの?こんな事したって、母は手に入らないし何にもならないわ、ねぇ、兄は?何処?」
「王子?ああ、そうでした、私としたことが、忘れてましたよ。王子はほら、後ろですよ、その白い布を取って見てください!」
う,し、ろ?……私の背丈程の大きさの置き物?に白い布がかけてあった。
バサリと布を外すと……!!
何、これ?私の記憶のままの兄が、大きく透明な……水晶のような物の中で眠っている?あの頃のまま、……8歳の….姿で、……一体これは…どう言う事?
「これは何?…一体?なぜ?」
「これ、_ね?私も困ってるんですよ?本来なら、既に存在していないはずだったんですが、王子の持ってる特殊な固有スキル魔法なんでしょうねぇ、幼い頃から、かなり魔力が高かったですからね!どうやら防御に特化していたようで、危険を感じて発動したらしいんですよ。簡単に言えば殻に籠り冬眠したってとこですかねぇ、一切物理攻撃も魔法も聞かないんですよ、不思議ですよねぇ~でも転移で移動させる事はできるんですよ、ですから、私の願いを聞いてくれれば王子をお返ししますが聞いて頂けなければどこか適当に転移させちゃいますよ!」
「あなたの願い?」
願いを聞いた所で素直に兄を解放してくれる保証はないわ、逆恨みに支配された、この歪んだ思考は危険だ、どうしよう。
魔法は封じられてるし、考えるのよ、何か、方法はないか、_。
「さぁ、姫様中をご案内しましょう。どうぞこちらですよ。」
中に入るとこんな森の中に不釣り合いな程の綺麗なというより豪華な神殿のような建物だった。
こんなに綺麗な神殿が、なぜこんなところに?
この建物は上空からは森の木々に隠されてここに建物があるなんて気づけないだろうというぐらいに建物を結界が覆うような形に木々が生い茂っていた。
中と外の景観の違いに驚いていたら、静かな口調だが僅かに怒気を孕んだ声が後ろから聞こえた。
「ここは、初代竜王が2人の番と永遠を誓った場所だったそうですよ。なんの因果でしょう、少し昔話を聞いていただけますか?」
聞いてと言われても私に拒否権はあるのか?と逆に聞きたいが、思考の歪んでいそうなこの男には今はまだ、大人しく従った方がいいみたい。
「私がまだ子供だった頃、共に考古学が好きで歴史学者だった父と母がこの神殿を発見し、調べていました。ある日、この森の入り口で傷を負った獅子の獣人を見つけ自宅に連れ帰り介抱していたそうですが、傷が治るとその獣人と母は姿を消しました。いや、姿を消したんじゃないな、見目のいい獣人に母が懸想して、獣人の国について入ってしまった。要するに私と父を捨てたんだよ。獅子の獣人のたかが愛人になるためにね。あんな獣人なんか助けなければよかったのに、それから父は荒れてさぁ、母似の私をうとましく思うようになり、幼い私は放置され、餓死寸前の所をマリア様が救ってくれて従者にしてくれたんだ。あの方が私に光をくれたんだ。マリア様は私の全てなんだ!…それなのに__、クインズの王にみそめられ子供を産まされ、果ては獣人の番だなんて、…皮肉な運命ですね。私と父は親子揃って愛する人を獣人に取られたんですよ。ハハハハ、」
取られたって、…それは違うでしょ…思考がふつうじゃない。
「マリア様の母国もクインズ国も獣人との交流はなく番の事は知ってはいたが番の紋様についての知識は乏しかったので、当時の姫様の白い羽の紋様に気づいているものは居なく、ただ、子供だから、一部皮膚の色素が薄いのだと、勝手に勘違いしてくれた、おかげで、簡単に呪術かけられ上手くいっていたのに、…」
淡々と恨みを話す彼に生い立ちについては少し同情するが、完全な逆恨みじゃないか、それに一方的に母に恋慕して父に愛人がいるとでっち上げ、卑怯な方法で手に入れようとして多くを巻き込み失敗、更にそれをも他人のせいにして、……こんな男に私は長年振り回されていたなんて!悔しい!
「あなたは、一体何がしたいの?こんな事したって、母は手に入らないし何にもならないわ、ねぇ、兄は?何処?」
「王子?ああ、そうでした、私としたことが、忘れてましたよ。王子はほら、後ろですよ、その白い布を取って見てください!」
う,し、ろ?……私の背丈程の大きさの置き物?に白い布がかけてあった。
バサリと布を外すと……!!
何、これ?私の記憶のままの兄が、大きく透明な……水晶のような物の中で眠っている?あの頃のまま、……8歳の….姿で、……一体これは…どう言う事?
「これは何?…一体?なぜ?」
「これ、_ね?私も困ってるんですよ?本来なら、既に存在していないはずだったんですが、王子の持ってる特殊な固有スキル魔法なんでしょうねぇ、幼い頃から、かなり魔力が高かったですからね!どうやら防御に特化していたようで、危険を感じて発動したらしいんですよ。簡単に言えば殻に籠り冬眠したってとこですかねぇ、一切物理攻撃も魔法も聞かないんですよ、不思議ですよねぇ~でも転移で移動させる事はできるんですよ、ですから、私の願いを聞いてくれれば王子をお返ししますが聞いて頂けなければどこか適当に転移させちゃいますよ!」
「あなたの願い?」
願いを聞いた所で素直に兄を解放してくれる保証はないわ、逆恨みに支配された、この歪んだ思考は危険だ、どうしよう。
魔法は封じられてるし、考えるのよ、何か、方法はないか、_。
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