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5 嫌悪と憎悪と迷い
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東国で生活初めて、半年経ったある日、手紙が、届いた。
母からだ。
内容は、到底理解できる内容ではなかった。
母は、いや、彼女は母であるより女である事を選んだ。吐き気がする。
父と母は政略結婚だった。美しい容姿の父を慕っていたそうだ。でも父には既に母以外に愛妾がいたそうだ。それでも父は母に王妃の義務として、王子と王女を産ませ、その後父の愛が愛妾に向かっていて、孤独を感じていた時に王弟殿下に出逢い自分が殿下の番だと知ったそうだ。
いくら番でも、既に一国の王妃、国捨て子供達を置いていけないと、ひたむきに向けられる愛に答えることはできないと断っていたが、唯一無二だと、向けられる深い愛にいつしか、母も王弟殿下を愛していた。
竜族は番ただ1人を生涯の伴侶として愛してくれる、母は私たちを捨てて出て行こうとしたが父がそれを許さなたった。
母を監禁して暴力を振るった父に王弟殿下は番を傷つけられたと激怒。
番を傷つけられた事がきっかけとなり、結果戦うことになり兄は巻き込まれ死亡、父は王弟殿下が手を下し、私は行方不明になったが、きっと、父の色を持つ私がその場にいたなら、きっと殺されていただろう、母も父と同じ色を持つ私を疎ましく思っていたのだろうなぜなら、私を探しもしなかったからだ。
その証拠に私が生きていたことを喜ぶ文面はなく番は大切に愛されるから、竜族の番で幸せだとグラシオスの元に行けと書かれていた。
番とは特定の者にだけが惑わされる魅了と同じじゃないのか?それは本当に愛か?番という枷がなければ見向きもされないのに。
それは本当に愛と言える?
実の子を死に至らしめ孤児にした原因の男に夜毎抱かれて幸せだと、愛されてると、自分が捨てた娘に父と兄を殺した竜族の番になれと平気でいえる彼女に虫唾が走る。他の誰でもない血の繋がった彼女の言葉が私を闇に落とす。
そんな彼女に手作りのプレゼントを持って行こう。必ず完成させて。
__3年後__
時が経つのは早いのもので、私が東国に来てから、早、3年が経ち昨日めでたく20歳になりました。
すっかり大人?に?多分なってます。一応出るとこ出てますから、ただ、魔力が高いので長生きできる分ここからの成長は見た目はゆーーーっくり老化するので当分このまま変わりません。
それと私の店はもうウハウハ繁盛ですよ。クチコミで他国からの依頼も多く、今はすっかり共同経営者となったトーヤさんには冒険者用の魔道具製作、私は美容に力を入れ時々オーダーで手のかかる魔道具を作って儲からせて貰ってます。
ここは獣人が入って来れないので安心して生活できます。
勿論、おじ様とおば様には定期的に連絡取ってますよ。
手紙は面倒くさいので、魔通信遠距離バージョンを開発して送りました。元論、映像通信できるんです、顔見れないと寂しいでしょ。
先日は遠征ついでにおじ様が東国に寄ってくれたので、おば様へのおみあげに美容製品をたっぷり入れたマジックバックを持たせましたよ。おじ様は改良されたマジックバックにご満悦。なぜなら、時間停止魔法付き、つまり冷えた飲み物がたっぷり入ってるんですよ。
家に着く頃には無くなってそうだけどね。
そんなわけで、毎日楽しくやってます。あと、月に一度来る国王経由のグラシオスと元母からの手紙はかなり溜まった。
一度も返事書いてないですが。
今や、オーダー魔道具のお得意様の東国の国王様、が気軽にお手ずから手紙を持ってくるんですよ。驚きですね。
そろそろ、今月分を持ってくる頃かな、ほら来た!
カラン_
「リリィ、ほれ、今月分だ!毎月律儀よのう、中身を読んでいるのか?」
「……気が向いたら、…読むかも。」
「読むだけ、読んでやったらどうだ、せめて母親のだけでも。」
「母親?私の母はもういませんよ、この手紙は王弟殿下の奥方様からですので、恐れ多くて読めません、読みませんけど、奥方様へのプレゼントが完成したので、グラント王国のおじ様の家で一度面会しようと思ってます。彼と王弟殿下と奥方にプレゼントを渡しに行ってきます。2人の愛が再確認できる素敵なプレゼントなんですよきっと歴史も大きく変わる程の代物ですよ。」
「拗らしてるのう。まぁ気持ちは分からんでもないが、…方をつけたら帰ってくるんじゃろ?」
「ええ、もちろん。」
「なら、良い、リリィの魔道具がないと寂しいからのう」
「寂しいってほぼ娯楽系の手間ばっかりかかるしょうもないやつばかりじゃないですか!なくても困りませんよ」
「そう言うなって、ボケ防止じゃ!いい頭の体操になるんじゃよ、それに子供達にも評判いいぞ!」
「はいはい」
閉店後、グラシオスからの手紙だけを読んだ。
正直彼に責任はないが、いつも謝罪から始まる。いつもと言うのは結局彼のだけは読んでるんです。彼には罪はないたまたま竜族に生まれ、たまたま私が番だっただけ、彼の不幸は番が私だったこと、他の人なら今頃結婚してそれなりに番効果でそれなりに幸せになっていただろう。なぜ?依りに寄って私だったんだろう?彼は誠実な人なんだと文面から伝わる、彼がいい人だから、私では駄目、私はこれから彼を傷つけるから、
彼を私から解放するにはこれしかない。私に彼を愛することができないから、彼にも普通の恋をして幸せになって欲しい。私以外と普通の恋を。
私は強制的な感情じゃなく自ら望んでの恋愛がしたいだけだ、愛されたいだけだ、どう考えても番システムは偽物の感情だとしか思えない、確かに浮気の心配はいらないがその心は?本物?竜族になればわかるのかな?考えれば考えるほどわからない。
そもそも、なぜ人族が番に選ばれる?どうやって決まるの?その組み合わせは正しいの?疑問だけが残る。
__私は完成した薬と魔道具を持って、おじ様の家に向かった。__
母からだ。
内容は、到底理解できる内容ではなかった。
母は、いや、彼女は母であるより女である事を選んだ。吐き気がする。
父と母は政略結婚だった。美しい容姿の父を慕っていたそうだ。でも父には既に母以外に愛妾がいたそうだ。それでも父は母に王妃の義務として、王子と王女を産ませ、その後父の愛が愛妾に向かっていて、孤独を感じていた時に王弟殿下に出逢い自分が殿下の番だと知ったそうだ。
いくら番でも、既に一国の王妃、国捨て子供達を置いていけないと、ひたむきに向けられる愛に答えることはできないと断っていたが、唯一無二だと、向けられる深い愛にいつしか、母も王弟殿下を愛していた。
竜族は番ただ1人を生涯の伴侶として愛してくれる、母は私たちを捨てて出て行こうとしたが父がそれを許さなたった。
母を監禁して暴力を振るった父に王弟殿下は番を傷つけられたと激怒。
番を傷つけられた事がきっかけとなり、結果戦うことになり兄は巻き込まれ死亡、父は王弟殿下が手を下し、私は行方不明になったが、きっと、父の色を持つ私がその場にいたなら、きっと殺されていただろう、母も父と同じ色を持つ私を疎ましく思っていたのだろうなぜなら、私を探しもしなかったからだ。
その証拠に私が生きていたことを喜ぶ文面はなく番は大切に愛されるから、竜族の番で幸せだとグラシオスの元に行けと書かれていた。
番とは特定の者にだけが惑わされる魅了と同じじゃないのか?それは本当に愛か?番という枷がなければ見向きもされないのに。
それは本当に愛と言える?
実の子を死に至らしめ孤児にした原因の男に夜毎抱かれて幸せだと、愛されてると、自分が捨てた娘に父と兄を殺した竜族の番になれと平気でいえる彼女に虫唾が走る。他の誰でもない血の繋がった彼女の言葉が私を闇に落とす。
そんな彼女に手作りのプレゼントを持って行こう。必ず完成させて。
__3年後__
時が経つのは早いのもので、私が東国に来てから、早、3年が経ち昨日めでたく20歳になりました。
すっかり大人?に?多分なってます。一応出るとこ出てますから、ただ、魔力が高いので長生きできる分ここからの成長は見た目はゆーーーっくり老化するので当分このまま変わりません。
それと私の店はもうウハウハ繁盛ですよ。クチコミで他国からの依頼も多く、今はすっかり共同経営者となったトーヤさんには冒険者用の魔道具製作、私は美容に力を入れ時々オーダーで手のかかる魔道具を作って儲からせて貰ってます。
ここは獣人が入って来れないので安心して生活できます。
勿論、おじ様とおば様には定期的に連絡取ってますよ。
手紙は面倒くさいので、魔通信遠距離バージョンを開発して送りました。元論、映像通信できるんです、顔見れないと寂しいでしょ。
先日は遠征ついでにおじ様が東国に寄ってくれたので、おば様へのおみあげに美容製品をたっぷり入れたマジックバックを持たせましたよ。おじ様は改良されたマジックバックにご満悦。なぜなら、時間停止魔法付き、つまり冷えた飲み物がたっぷり入ってるんですよ。
家に着く頃には無くなってそうだけどね。
そんなわけで、毎日楽しくやってます。あと、月に一度来る国王経由のグラシオスと元母からの手紙はかなり溜まった。
一度も返事書いてないですが。
今や、オーダー魔道具のお得意様の東国の国王様、が気軽にお手ずから手紙を持ってくるんですよ。驚きですね。
そろそろ、今月分を持ってくる頃かな、ほら来た!
カラン_
「リリィ、ほれ、今月分だ!毎月律儀よのう、中身を読んでいるのか?」
「……気が向いたら、…読むかも。」
「読むだけ、読んでやったらどうだ、せめて母親のだけでも。」
「母親?私の母はもういませんよ、この手紙は王弟殿下の奥方様からですので、恐れ多くて読めません、読みませんけど、奥方様へのプレゼントが完成したので、グラント王国のおじ様の家で一度面会しようと思ってます。彼と王弟殿下と奥方にプレゼントを渡しに行ってきます。2人の愛が再確認できる素敵なプレゼントなんですよきっと歴史も大きく変わる程の代物ですよ。」
「拗らしてるのう。まぁ気持ちは分からんでもないが、…方をつけたら帰ってくるんじゃろ?」
「ええ、もちろん。」
「なら、良い、リリィの魔道具がないと寂しいからのう」
「寂しいってほぼ娯楽系の手間ばっかりかかるしょうもないやつばかりじゃないですか!なくても困りませんよ」
「そう言うなって、ボケ防止じゃ!いい頭の体操になるんじゃよ、それに子供達にも評判いいぞ!」
「はいはい」
閉店後、グラシオスからの手紙だけを読んだ。
正直彼に責任はないが、いつも謝罪から始まる。いつもと言うのは結局彼のだけは読んでるんです。彼には罪はないたまたま竜族に生まれ、たまたま私が番だっただけ、彼の不幸は番が私だったこと、他の人なら今頃結婚してそれなりに番効果でそれなりに幸せになっていただろう。なぜ?依りに寄って私だったんだろう?彼は誠実な人なんだと文面から伝わる、彼がいい人だから、私では駄目、私はこれから彼を傷つけるから、
彼を私から解放するにはこれしかない。私に彼を愛することができないから、彼にも普通の恋をして幸せになって欲しい。私以外と普通の恋を。
私は強制的な感情じゃなく自ら望んでの恋愛がしたいだけだ、愛されたいだけだ、どう考えても番システムは偽物の感情だとしか思えない、確かに浮気の心配はいらないがその心は?本物?竜族になればわかるのかな?考えれば考えるほどわからない。
そもそも、なぜ人族が番に選ばれる?どうやって決まるの?その組み合わせは正しいの?疑問だけが残る。
__私は完成した薬と魔道具を持って、おじ様の家に向かった。__
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