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2巻

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 第一話 のんびりまったり四年間。


 俺、岡崎おかざき椿つばきがクリムゾン王国ガートリン領……まあ、田舎いなかなんだけど、そこの領主ガートリン男爵だんしゃく家三男のユーリ・ガートリンとなってからすでに八年目に突入していた。
 貴族の三男とはいえ俺は庶子しょうしだから、正妻せいさいさんや二人の兄にはめちゃくちゃきらわれている。
 その代わり、屋敷にいる人達――メイドのローラや指南役しなんやくのディランには随分ずいぶん可愛かわいがってもらい、わりと楽しくダラダラと過ごせている。
 そんな俺が転生した理由は、二十六年後に崩壊ほうかいする世界を救えと神様に言われたからだ。
 その際に【超絶ちょうぜつ】という何もしなくてもレベルが上がっていくチートスキルをもらったんだけど……今のところ、崩壊についてなんの手がかりもないし、何より面倒めんどうだからのんびりやっていこうと思っている。

「んー、ローラ……外がさわがしい。いつもみたいにみんなの口にパンでも突っ込んできてよ」

 ローラが今日も、俺のことを起こしにきてくれた。

「私は、そのようなことはしておりませんので」
「ふぁ……せっかく朝の修練しゅうれんがお休みだというのに……」

 ガートリン家は代々武門ぶもんほまれ高い家らしく、俺は四歳の頃から朝の稽古けいこを義務づけられている。
 しかし今日は、元冒険者で今はお父様の護衛ごえいと俺の指南役をしているディランがいない。
 というのも、クリムゾン王国の男爵以上が集まる会議にお父様と正妻さんが招集しょうしゅうされたため、護衛としてともに出かけてしまったのである。
 なんの会議かローラに聞いてみたところ、国家間の平和協定がむすばれるらしく、その取り決めの確認や課題の調査をするためのものとのこと。
 こちらの世界には、元々一つの巨大な国家があったんだけど、三百年ほど前に分裂してしまい、戦国時代を経て、現在の四つの大国――ルーカス、ポワゼル、シャンゼリゼ、そして俺の住んでいるクリムゾンにまとまったのである。
 それぞれの国ごとに独自の文化や民族が存在していて、例えばクリムゾン王国は魔法や農業が他の国に比べて発展している。
 ただ、その四つの国も数十年くらい前まで、それぞれの国が覇権はけんを勝ち取るために、毎年のごとく大規模な戦争をしていたそうだ。
 戦争の当事者でない俺が何か言うのはナンセンスだろうが面倒くさいな。
 それでも長引く戦火は四つの大国を同じように疲弊ひへいさせ、十年くらい前からは冷戦状態だったんだと。
 そして、ここ最近は人や物の交流がさかんになってきたことで、えらい人達の間でもいい加減かげんしっかりとした協定を結ぶべきだって声が強くなり、色々と調整していたようだ。
 つまり、お父様達が参加しているのはその努力がついに実を結ぶ、すごく重要な会議だってことだね。
 それで、会議が無事に終了して四カ国平和協定を結んだことが書かれた手紙が昨日、屋敷にとどいた。
 さらにこのしらせは、同日中にガートリン領一帯にもほうじられて……領内最大の街クルシノは、お祭り騒ぎになっているみたい。

「ユーリ様。いつまでもダラダラしていてはいけませんよ」
「ふぁ……起きるかな。そういや、昨日聞いたけど、今、街の方ではお祭りみたいになってるんだって?」
「ええ、クルシノは昨日から、にぎやかなようですね」
「なんかあの街はいつも祭りが開かれている気がするよ」
「ふふ、クルシノはガートリン領最大の街ですからね。それに、騒ぎたい人もいるのでしょう。どこかの国といつ戦争になるか分からない状況から解放されたんですから。これで安心して暮らせると分かれば、騒ぎたくもなると思いますよ」
「そんなもんかね」
「そんなもんです。それと『屋敷の使用人にお休みを与えるように』と、お館様やかたさまからのお手紙がありましたので、屋敷と別館には私を含めて数人しか残っておりません。ご不便ふべんをおかけするかと思いますが……」
「いいんじゃない? まぁ……盗賊にめ込まれたりしたら、大変だけどね」

 俺がそう言うと、ローラはカーテンを開けて、窓の外を指差す。

「そこはガートリン家がほこる衛兵であるカットさんとピートさんに頑張がんばってもらわないといけませんね」
「んー、あいつらで大丈夫かな? 少し心配かもしれない」
「ふふ。あ、そういえば、クルシノの街に吟遊詩人ぎんゆうしじんが訪れていると聞きましたよ? おひまなら、見に行くのもいいかもしれないですね」
「へぇ、それは楽しみだなぁ。あ、一緒に行かない?」

 俺のこんな返事を想定していなかったのか、ローラはおどろきながら応じた。

「へ? あ、え? 私もですか?」

 そういえば、ローラと二人でクルシノまで出かけるのは、初めてかもしれない。

「うん、ローラにはいつもお世話になってるからね。色々とおごっちゃる。それに、休日なのに屋敷で働いてくれているやつらにも、いいもん食わせてやりたいからお土産みやげでも買ってこよう」
「は、はぁ。私は構いませんが……」
「そいじゃ、よっと、着替えるかな」

 少し呆気あっけに取られた様子のローラを気にしつつ、俺はベッドから起き上がる。

「はい、着替えはこちらに……。では、私は……」
「うん、ローラは街娘みたいな服に着替えてきてね。こういう祭りはおしのびで行った方が面白おもしろいから」

 こうして俺は、ローラと二人でクルシノの街に出かけることになった。


「今日は、本当にいい天気だな」

 屋敷の前でローラの支度したくが終わるのを待っていると、門のはしに隠れるような感じでボロボロの洋服をまとった男がいることに気づく。
 あの位置からだと、カットとピートには見えていないっぽいな。
 明らかにあやしいが……二人とも休日出勤してくれている訳だし、ここは俺が出向いてやろう。

「おっさん、何か用か?」

 扉を開けて顔を出すと、男はニヤリと笑って俺に封筒ふうとうを渡した。

「おー坊主、これを男爵に渡してくれねーか? ヒィヒィ」
「ん? これは? 差出人の名前が書かれていないけど?」
「ああ……名前は中に書いてある。絶対にガートリン男爵に渡せよ。いいな」
「分かった」
「頼んだぜ。ヒィヒィ」

 それだけ言い残して男は立ち去った。変な笑い方だなぁ。
 ていうか今、お父様は王都にいるんだけど、どうしよう。
 まぁ……俺の【危険予知】スキルも反応しなかったし、執務室しつむしつに置いておけばいいかと封筒をふところにしまったところで、ローラが来た。

「ユーリ様。お待たせしました」

 青いワンピースに、髪を赤いリボンで結んでサイドテールにしている。
 普段の見慣れたメイド服とは違って新鮮しんせんな感じがして、いいな。
 はぁ、あと十年早く生まれていたらと少しだけくやしく思ってしまう。
 すると俺がうなっていたのを不審ふしんに思ったのか、ローラが心配そうに声をかけてきた。

「あの? どうされました?」
「いや、なんでもないよ。ローラの私服が可愛いなって、驚いただけ」

 そうげると、ローラはボッと顔を赤くめてモジモジとうつむく。

「か、可愛……も、もう……ユーリ様は……」
「あ、クルシノでは俺に『様』をつけるのは禁止ね? さ、行こうか?」

 俺はローラの手をつかんで、クルシノに向かうのだった。


 ◆


 ここはガートリン領のとある山にある廃屋はいおく
 男達が酒を飲みつつ、け事や馬鹿話にきょうじていた。
 その中で体も態度も一際ひときわデカイ男が、ユーリに手紙を渡した男に話を振る。

「ちゃんと、渡してきたんだろうな。ゲイラ」
「ヒィヒィ、確かに持って行きやしたぜ。シンゲのかしら
「ならいい」

 シンゲは大きなさかずきを持って、ゴクゴクと豪快ごうかいに飲んでいく。

「しかし、頭。わざわざ、相手がわに知らせなくてもいいんでは?」
「バッカヤロウ。それが俺様の流儀りゅうぎってもんよ。ガハハハ。この『火山のシンゲ』が攻め込むつったら、貴族様は尻尾しっぽを巻いて逃げちまうから楽でいいんだぜ」

 クリムゾン王国では、金貨以上の賞金首に対して通り名がつけられる。
 この山賊団の頭領とうりょうであるシンゲは二メートルをえる身長で、愛用の魔導具『ファイアーアックス』を軽々と使いこなす。その姿から、『火山』の二つ名がついた。
 さらにこの男、単なる力自慢ではなく自身の盗賊団を手足のごとく自在にあやつる有能な司令官であり、クリムゾン王国中をらし回っていた。

「ヒィヒィ、なるほど、逃げる奴らをおそう訳ですかい」
「おうよ。野郎ども。攻め込むのは今日の日暮れの時間だ! 平和協定なんぞでかれている奴らを地獄じごくに叩き落してやるんだ!! 準備しておけよ!?」
「「「おう!」」」

 シンゲは、仲間達の野太い声を聞いて満足そうにまた酒をあおるのだった。


 ◆


 屋敷を出て十数分、特に何事もなくクルシノに到着。
 今は街の広場で、吟遊詩人の語りを聞いている。
 二人組のようで、女性が歌うかたわらで男性がギターみたいな楽器を演奏していた。
 女性が歌い上げる内容は三人の英雄がドラゴンを倒すというもの。
 女性の表現力に思わず息をむ。
 演奏が終わりをむかえ、拍手はくしゅが鳴り響いた。
 街の広場が熱気に包まれる中、俺はとなりにいるローラに少し興奮気味こうふんぎみで話しかける。

「ローラ、すごかったな」
「そうですね。ユーリさ……ユーリ」
「なんだ? まだ慣れないの? あと敬語けいごも禁止だから」
「は……う、うん。分かった。ユーリさ……ん」
「ふふ、どんだけ不器用ぶきようなんだよ」

 俺が投げた銀貨を吟遊詩人が取ったのを確認してから、ローラをれてその場を後にした。
 街中をローラとぶらついていると、色々なお店が目に入ってくる。

「なんかめずらしいものないかなぁ」
「お、おそらく、ガスト商会のお店なら、様々な物を取り扱っていると思い……思うよ」
「あー、あそこでしょ? クルシノの商会で一番でっかい店だ」

 俺が指差す方には、辺りの店と比べ一段と大きな構えの店があり、沢山たくさんの客でにぎわっていた。
 ローラの手を引き、人々の間をすり抜けてガスト商会の店へと行くと、細身ほそみの店員が大きな肉のかたまりをドンと店先に並べていた。


「でっかい肉の塊だな」
「ふふふ、坊ちゃん。お目が高いですね。この肉は今日入荷したばかりのドングピークっていう豚の魔物の肉なんです。焼くとこうばしい香りが肉汁とともにあふれてくるんです。ワインと煮込にこめば、とろけるようなやわらかさになるんですよ」
「マジか。美味おいしそうだ。いくらだ?」

 屋敷には何人くらいの使用人が残っているだろうか? まぁ、余ったら余ったでいいか。できるだけ多く買っておこう。

「えーと、はい。このサイズだと。銀貨七枚……いや、今日は祭りです。銀貨六枚にまけましょう」

 細身の店員がローラの方を見て、そう告げる。まあ、ローラが金を払うと思うもんな。

「ハハ、いいね。じゃ買おうかな」

 そう言うと、店員はギョッとして俺に向き直り頭を下げた。

「おっと、私としたことが失礼しました」

 俺は懐から硬貨を取り出して細身の男性に手渡す。
 その様子を見ていたローラが驚きの声をあげた。

「ええ!? ユーリさ……ん。そんなお金、どこから?」

 前に賭場とばで得た金だけど……なんて言えない。
 そもそも、賭場で俺がめちゃくちゃかせいだことをローラは知らないし、伝えていない。なぜなら、怒られそうだからだ。

「ハハ、多少は貯金していたからね。まだお祭りを見て回りたいし、お金を払っておくから、肉はこのお店で保管しておいてくれる?」
「はい。私、ガスト商会のロトアが責任を持って保管しておきますので」

 それから俺達はクルシノを一通ひととおり観光した後にロトアからお土産のお肉を受け取って屋敷に戻ると、ドングピークの肉をさかなに、どうせうちにられるものなんてないだろうとカットやピートにも声をかけて、宴会えんかいを開くことにしたのだった。


 ◆


 ユーリ達がうたげを楽しんでいた時、シンゲの盗賊団はガートリン家の屋敷を包囲していた。
 しかし、一向に動き出す様子を見せない。

「どういうことだ。衛兵すらいない。どうやら屋敷の中で宴会しているようですわ。こいつは……どう考えてもおかしいでさ。ひょっとして……ねらわれているのが分かっていないってことですかね? そうじゃなけりゃわなかもしれねぇですぜ」

 ゲイラが、ガートリン家の状況をシンゲに伝える。
 シンゲは手に持っている酒を飲もうとしたところで、ニヤリと笑いつぶやく。

「この『火山のシンゲ』を相手に……無策むさくなんてことはないだろう。俺達を前にして、逃げんということは……実は膨大ぼうだいな兵士をひそませているとみたり! ……そんな罠にまんまとはまるシンゲではない。野郎ども、撤退てったいじゃ!!」

 シンゲと仲間達は馬にまたがり、その場をあとにする。


 ユーリは一人屋敷の窓際に佇んで、シンゲ達が去っていくのを眺めていた。

「【危険予知】のスキルが反応したから……確認しに来てみたが、意味が分からん。あの連中はなんだったんだろうか?」


 ◆


 俺がこの世界に転生してから九年がった。
 転生前が十七歳だった訳だから、あと九年経てば、こちらの世界の方が長くなるって考えると少し不思議な気分になる。
 ……幼馴染おさななじみのあの子――ふゆざきさくらはどうなったんだろうか。
 トラック事故に一緒に巻き込まれた訳だし、もしかしたら俺と同じくこちらの世界に転生していて……再会できたり? なんて思っていたんだけどね。
 まあ、クリムゾン王国だけでもかなり広いのに、同じくらいの規模の国があと三つもある。
 仮に転生していたとしても、普通の移動手段は馬車くらいしかないこの世界で、ただ一人を見つけるなんてのは、まさに奇跡みたいなもんだからなあ……。
 ふむ、なんで俺はこんな昔のことをしみじみ思い出しているんだろうか。
 最近ずっと続く嵐のせいで、気分がモヤモヤしているからかもしれない。
 ふぁ~……明日には晴れればいいんだけど。


「んー晴れたなぁ」

 ベッドの中から見える外の景色は、快晴の一言。
 数週間にわたってガートリン領の天気は大荒おおあれだったが、今日は一面の青空。本当に久しぶりだ。
 風が結構強く、窓から勢いよく部屋にき込んでくる。

「ローラ、風が強いから窓を閉めて。ついでにカーテンも閉めてくれ。今から二度寝にどねするから」

 俺がそう言うと、部屋で掃除や俺の着替えの準備を始めていたローラが口を開く。

「ユーリ様、早くベッドから出てきてください。シーツをしたいんです」
「……起きたくない」
「ようやく、晴れたんです。今日こそ、ユーリ様のお部屋を掃除しませんと……」
「ええ……今日は修練が終わったら、部屋にこもって芋虫いもむしのモノマネでもしようかと思っていたのに」
「なんですか、それは……」

 ローラがあきれたようにそう言うと、その横でローラを手伝っていたメイドのイーナが口を開く。

「ユーリ様! 私、お魚が食べたいですです」
「ん? いや……あの」
「ユーリ様、私も久しぶりにお魚を食べたいです」
「あ、り道具はちゃんと準備しているですです」

 ローラに続いてイーナがそう言いながら、入口の方にある竿ざおを指差す。

「君達ねぇ。昨日まですさまじい嵐だったでしょう? だから、川は土砂で濁って増水しているだろうね。いくら魚釣りが上手うまいからって魚は釣れないと思うよ?」
「……お魚」
「お魚ですです」

 俺の言葉を受けて、あからさまにガッカリとしているローラとイーナ。
 そんな顔をされても、釣りに行く気はない。面倒だし。
 さて、ローラ達のプレッシャーもすごいし……仕方ないから起きてこの場を去ろう。


 日課の修練を終えて部屋に戻ると、ローラ達が部屋の大掃除を始めていた。
 さすがに、そんな部屋でダラダラするのは大変居心地いごこちが悪いので、俺は散歩に行くことに。
 目の前には、ガートリン領を襲った嵐の爪あとが残されていた。
 本来、夏の終わりのこの時期は風になびくあざやかな緑の穂波ほなみを楽しめるのだが……。
 ここ数週間続いていた暴風雨ぼうふうう竜巻たつまきのせいで、ガートリン領の主力作物である麦の畑は大いにれている。
 そのため、秋の収穫は絶望的だと使用人達が言っていた。
 となると、当然ガートリン領の税収も期待できず、節制せっせいが必要になってくる。
 だからだろう、今日の朝食は味の薄い野菜のスープに薄っぺらいベーコン二枚、そしてカチカチのパンと、かなり質素な感じだった。春頃までは、ふわふわのオムレツや山盛やまもりのサラダがあったんだけどなあ。ラリー料理長も、かなり苦労しているんだろーな。
 まあ、食事に対するこだわりみたいなのはないけれど、さすがにこう品数が少ないとちょっと辛い。
 ちなみに、正妻さんは実家に一時帰省きせいしているそうだ。貧乏生活にえられないんだろう。
 明日は釣りに出かけて、俺の住む別館に魚を持っていくのもいいか。みんなも食べたいだろうし。
 さて、今日は何をするかな。
 前々から考えていた俺専用の小屋を建てる計画を進めるか。時間はあるし。
 ローラに追い出され続けて幾星霜いくせいそう、今日みたいに部屋に引きこもれない時用の小屋をてることは、俺の悲願ひがんだった。
 とはいえ、屋敷からすぐのところに作ったら即バレて色々とうわさになるだろうし、どうしよう。
 ユルドラの森あたりなら、大丈夫かな。あそこはそんなに人が来ないと思うし。
 よし、今日はユルドラの森をふらふらと探索して、素材探しや場所決めでもしようか。


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