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1巻

1-2

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 異世界に転生して、二年が経った。
 二歳になると、一日中ぐうたら昼寝しているのはよくないと思ったのか、ローラが俺を別館の庭先までれて出ることが多くなった。
 今も庭先に引っ張り出されている訳なんだけど、だるいので芝生しばふに寝っ転がっている。
 そんな俺の様子を少し離れて見ているローラは、とても心配そう。
 もしかして、俺が病気なんじゃないかと考えているのでは?
 ちなみに俺がこうしているのは面倒だからとか、昼寝したいからってだけではない。
 注意しないと、すぐにレベルが上がってステータスがとんでもないことになるからである。
 ローラにそれとなく聞いたところ、一般成人男性のHPやMPの値は、数百ちょいってところらしい。
 つまり、俺は二歳にして一般の成人男性のいきを越えているってことになる。
 世界の崩壊を回避できたあかつきには、田舎でのんべんだらりとした生活を送りたい俺は、危機感を覚えずにはいられなかった。
 ただ、そんな願いもむなしく……。
 例えば、本を読んだだけで『【超絶】のレベルが5から6に上がりました』という具合で、どんどんレベルが上がってしまうのだった。
 この前も、馬鹿兄二人が絡んできたので魔法を使って撃退げきたいしたところ、水魔法のレベルが上がってしまった。
 このままだと、三歳には水魔法をきわめてしまいそうなので、色々と注意している。
 しかし、この腹痛魔法はかなり使えるかもしれない。
 トイレにけ込んでうめき声を上げている兄達がおもしろ……いや……この魔法が戦闘で使えそうだからである。
 どんな強者であっても、身体の中を強くするってのは難しいだろう。
 今後も兄二人には、ぎせ……じっけ……モルモッ……じゃなくて、崩壊の危機を回避するために協力してもらわねば。
 あ、そういえば、腹痛を起こす水魔法には、腹痛を意味する英単語から取って【コリック】って名前を付けた。
 さらに、どうにも暑くて水魔法でなんとか出来ないかと試行しこう錯誤さくごした結果、氷魔法を取得したみたい。
 この魔法は、暑い夏には必要だったのだ。仕方ない。
 とりあえず【クーラー】という自分の周囲の温度を下げる魔法を作って、あまりあるMPを消費してみたんだが……使いすぎて夏が終わる頃にはレベルが5まで上がってしまった。
 そして季節が流れて冬になった頃、朝方の寒さに負けた俺は、意図せず火魔法を取得してしまった。
 これも氷魔法と同じ理由。単純に寒かったのである。
【ヒーター】という温度を上げる魔法を作り、結果として冬が終わる頃には火魔法のレベルが5になっていた。
 ちなみに【隠匿】はとても有用なスキルだった。
 このスキル……どうやら俺が魔法とかスキルを使う時に隠したいと念じることで、効果や影響を隠せるっぽい。
 ただ、今のところステータスを偽ったりするのは出来ないみたいだ。
 すごく残念である。
 こんな訳で、俺のレベルとステータスはどんどん上がってしまうので、それを防ぐためにも今は寝ていなければならないのだ。


 ……では、早速……おやすみなさい。


 ◆


 異世界に転生して、三年が経った。
 三歳になっても相変あいかわらず一日中昼寝しているだけの俺に、ローラの堪忍袋かんにんぶくろがとうとう切れ、勉強会が行われることになった。
 今は部屋で算数と文字の勉強中である。
 とはいえ、算数は一瞬で暗算あんざんできるレベルの問題だし、文字についても【言語対応】スキルで理解できてしまった。
 しかし、ポンポンと答えるのはやめている。
 天才だとおだてられるのは気恥きはずかしいし、目立つことで周囲から変な期待を寄せられても困る。
 こうして、俺は全く分からない子供の振りをするという結論にいたった。
 しかし、これが本当に……つらく、疲れるのである。

「この石を六個、ユーリ様が持っています。その中から二個を私にプレゼントしてくれました。では、残りはいくつでしょう?」

 こんな感じで、ローラが一生懸命いっしょうけんめい教えてくれるのはうれしいのだが……つらいです。
 どうしたものか……とりあえず、すぐ答える訳にもいかないし。

「ん~」

 問題を解く振りをして、別のことを考えることにした。
 まぁ、勉強会を通じてローラに気軽に質問できるようになったのは、数少ない利点りてんだ。
 そのおかげで、この世界のことが色々と分かってきた。
 この世界には、俺の住んでいるガートリン領のあるクリムゾン王国を含めた四つの大きな国が存在し、それぞれが冷戦状態で常ににらみあっているらしい。
 この四つの国、もともとは一つの国だったが……三百年ほど前に分裂したそうだ。
 最近は冷戦状態も緩和かんわきざしが見えてきて……徐々に人や物の交流が進んでいるという。
 そんな訳で……魔法やスキルの知識も緩やかに拡散かくさんされ始めて、どんどん発達しているんだとか。
 そうそう、スキルといえば……。
 最近、本館の玄関にかざられていた大きな絵画かいがながめていた時、り方が随分ずいぶんざつだったので偽物にせものでは? と疑問に思った瞬間、俺は【鑑定かんてい】スキルを取得していた。
 なんぞこれ? と、適当に周りのものを観察してみたところ、色々な情報が分かる超便利なスキルであることが判明した。ちなみに、玄関の絵は贋作がんさくという悲しい結果に。
 あぁ……それから二歳から三歳にかけて【クーラー】や【ヒーター】を使っていたら、氷魔法と火魔法がレベル8まで上がっていた。
 ちなみに今のステータスはこんな感じだ。


 ユーリ・ガートリン レベル3


 HP 224/224  MP 233/233


 攻撃力 406  防御力 333


 スキル   【超絶レベル8】【言語対応レベル5】【隠匿レベル6】【鑑定レベル1】
 魔法    【水魔法(小)レベル3】【氷魔法(小)レベル8】【火魔法(小)レベル8】


 ――さて、そろそろローラの問題に答えを出さないと。

「えっと、四つかな?」

 俺は十分に時間をかけて、ローラの質問に答えた。

「はい、正解です。よく分かりましたね。えらいですよ。ユーリ様……じゃ、次の問題ですよ」

 ……拷問ごうもんはまだまだ続くようだ。



 幕間まくあいの物語 ローラの日常1


 こんにちは、ユーリ様専属メイドのローラです。
 これは、ユーリ様が四歳になって間もない頃のことです。
 ガートリン男爵家の三男としてお生まれになったユーリ様は、本館の屋敷から少し離れた別館にて生活を送られています。
 どうやら、お館様は正妻のサリー様の目からユーリ様を離したかったようですが……。
 その別館は古くさびれており、使用人の数も少ないために手入れが行きとどいておらず、警備けいびもカットとピートの二人だけなんです。
 これじゃあ、いくら養子とはいえ……不憫ふびんでなりません。
 まぁ、愚痴ぐちをこぼしても仕方ないですね。
 気分転換に、ここ最近のことについて話しましょう。
 私はユーリ様に文字や算数を教えているんですが、頭のよさと言いますか……理解力については普通くらいだと思います。
 ただ、たまに教えていないことを、唐突とうとつに口にするのが不思議なんですが……。
 それと、お館様やかたさまが思ってもみなかったことをおっしゃったんです。なんと、今日からユーリ様に剣の稽古けいこを始めさせるとか。
 突然のことにおどろいていたのですが、さらにディランさんが指導されると聞いて、二度、驚きました。というのも、ディランさんはお館様の警護を担当している元冒険者でして、相当お強いと聞いております。
 そんな彼がユーリ様の指南役になった理由は……ユーリ様に自立できるような力を身につけて欲しいとお館様がお考えになったからかもしれません。
 とはいえ、ディランさんの口の悪さまでは学んでほしくはないですけど……。
 あっ。そろそろ、ディランさんを案内しないと。


 こうして今、屋敷の本館からディランさんを案内して別館へとやってきました。

「別館に顔を出すのは何年振りだろう……。意外ときれいだな」
「使用人の数は少ないですが、最低限の手入れはしておりますので」
「しかし、お館様も……分からんな。指南役なんて俺より適当な奴が沢山いるだろうに……俺もひまではないしなぁ」
「恐らく、剣術の腕を買われてのことかと……」

 ただ、男爵家につかえている兵士の中には、剣道場の次男や三男みたいな方もいらっしゃいますから……そういった方々の方が適任かもしれませんね。

「それに、三男のユーリ様とは会ったことないんだわ。長男と次男がアレだからな……三男も同じようなもんか?」
「違います! ユーリ様は……あのお二人とは……あっ……すみません」

 赤ちゃんの頃から身の回りの世話をしていたからでしょうか。
 ユーリ様のことになると、少々、熱くなってしまいます。

「くく、メイドにそこまで言わせるとは……俺も会うのが少し楽しみになってきたぜ」

 こうしてディランさんを中庭まで案内したところ、ユーリ様は芝生で横になってお昼寝なさっていました。

「あ、イーナさん。ユーリ様を見てくださって、ありがとうございます。変わりはありませんでしたか?」

 ユーリ様の横には、メイドのイーナさんがいらっしゃいました。

「何もなかったですです。あそこでずっとお昼寝なさっていたのですです」
「そう……ありがとう。仕事に戻ってください」
「はいですです」

 イーナさんを見送ると、心の中で小さくため息をついてしまいました。
 ユーリ様はどこにいても寝てばかり……やっぱり何かの病気なのかしら……。

「あそこで寝ているのが……ユーリ様か?」

 振り返ると、ディランさんが何やら真剣な表情になっています。

「ええ、そうです。いつもあそこでお昼寝……って、ディランさん!?」

 私の返事を聞くなり、ディランさんは木刀ぼくとうを片手にユーリ様に向かって走りだしました。

「しっ!」

 そして、寝ているユーリ様目がけて、木刀を思いっきり振り下ろしたのです。
 ――ガッ!!
 その一閃いっせんをユーリ様は寝返りをうつことでかわしました。
 驚くべきことに、木刀は地面にめり込んでいます。

「なん……だと……!?」

 ディランさんが再び木刀を振り下ろしましたが、ユーリ様は再び寝返りをうって、避けました。
 すると、ユーリ様の目がぱっちりと開いて……。

「うるさい」

 と、近くにあった小石をディランさんに投げつけました。

「……っ!?」

 ディランさんはすんでのところで躱しましたが、その勢いで、尻もちをついてしまいました。
 ユーリ様の方を見ると、何やらブツブツと呟いています。

「……剣を向けて俺の眠りを邪魔じゃまするなんて……ローラがいなかったら……」

 混乱していた私はようやく落ち着きを取り戻し、急いでユーリ様とディランさんのところへけつけました。

「こ、これは……どういうことですか!? 剣術のことは分かりませんが、ディランさんの一振りは、ユーリ様が死んでしまうようなものだったかと! それに……稽古をつけるにしても……ユーリ様は四歳になったばかりの子供です! 大人なら手加減てかげんというものをですね……!!」

 ディランさんとユーリ様を交互こうごに見ながら、精一杯の力で注意したのですが……ディランさんは私のことなど意にかいさずに、ユーリ様を見据みすえて問いかけています。

「坊主……お前、本当に四歳かよ……」

 寝ぼけまなこのユーリ様はしばらく私を見てから、ディランさんに視線を向けると、何やら納得したような表情に。

「そうだよ。あぁ、そうか……おっさんがローラの言っていた剣の稽古をつけてくれるっていう」
「おっさん……俺は、まだ三十代前半だ。おっさんではないが……そうだよ。俺が稽古をつけてやるよ」
「あ、もしかして……これから稽古なんて野暮やぼったいことは言わないよね? 今日はいい天気なんだ。外で日向ひなたぼっこしないなんて、人生そんするよ?」
「今日……いや、今からやる。すぐに動きやすい格好に着替えてこい」
「うへ……はぁ。まぁ剣術は学んでおきたかったし仕方ないか。ローラ、行くよ」

 先ほど殺されかけたにもかかわらず、ユーリ様は普段通り部屋に戻って、お着替えをなさってます。

「ユーリ様」
「ん~?」
「ユーリ様……ディランさんは危険です。やはり、剣術の稽古は別の方にお願いした方がいいかと。お館様には私から伝えておきますので」
「ん? なんで? 俺は彼でいいよ? ……屋敷の中で一番の実力者で元冒険者なんだろ? それにさっき分かったけど、この家にいることが不思議なくらいの凄腕すごうでじゃないか。彼に稽古をしてもらうのが一番効率的だし、面倒くさくないんじゃないかな?」

 そう言うと、ユーリ様は修練場しゅうれんじょうに行ってしまわれました。
 それでも、やっぱり心配だったので、こっそりと修練場を覗きに行くと……。


 ユーリ様とディランさんは、まるで兄弟のように笑っていました。
 男の人って分からないって思いつつも少しだけ……ディランさんに嫉妬しっとしてしまったのは、ユーリ様には内緒です。


 ◆


 異世界での四度目の春をむかえ、俺の身体も少しだけ大きくなった。

「ユーリ様。ユーリ様、起きてください。ユーリ様」
「んん~。あと二時間だけ~」

 四歳になっても、いつもと同じようにローラが起こしにきてくれるなんて、やっぱ貴族は最高だ。

「二時間って……剣術の稽古の時間が終わってしまいますよ。旦那様だんなさまから稽古はサボらないように言われていますよね?」
「うぐぅ……じゃあ、風邪かぜっぽいし……」
「風邪かどうかは私がちゃんと見ていますので、ご心配なく。さあ起きてください。そんな様子ですと、私からお館様に報告しちゃいますよ?」
「うぐぅ……ローラが優しくない。俺、まだ四歳なのに」
我慢がまんしてください。ガートリン男爵家は、代々武門ぶもんほまれ高い家柄いえがら……家督かとくぐことが難しいとしても……ガートリン家の名に恥じないように稽古にはげんでくださいな」
「クハァ……仕方ないなぁ……」

 しぶしぶ起き上がり、ローラが俺にタオルを渡してくれたので顔をく。
 それから準備してくれていた服に着替えていると、ローラは寝癖ねぐせが気になったのか、れタオルで髪をととのえてくれた。

「はあ……。それじゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃいませ。ユーリ様」

 一通りの準備が整ったので、俺は別館にある修練場へと向かうことにした。
 そういえば、この一年でステータスがだいぶ上がっていたので確認しておこう。


 ユーリ・ガートリン レベル5


 HP 701/701  MP 790/790


 攻撃力 950  防御力 987


 スキル   【超絶レベル9】【言語対応レベル5】【隠匿レベル8】【鑑定レベル6】
       【剣術(小)レベル3】【危険予知レベル3】
 魔法    【水魔法(小)レベル3】【氷魔法(中)レベル2】【火魔法(中)レベル2】


 この一年での大きな変化として、氷魔法と火魔法のランクが小から中になった。どうやら、レベルが10に達すると、ランクが上がるみたい。
 このことで、どういった変化があったのかはよく分かっていないんだけど……。
 使える魔法の種類が増えたりするのだろうか?
 まぁ……俺は【クーラー】と【ヒーター】さえ使えれば、それでいいし……。
 また、【危険予知】、【剣術】なんていうスキルも取得していた。
 成長を止めようとするのは、もうあきらめた。
 成長期なもんで、ステータスが上がるのは仕方ない。
 それよりも、このステータスの値を上手うまく偽る方法を探すことに努力している。
 最近だと目がえて暇な時とかに、ローラにお願いしてスキルや魔法の本を持ってきてもらっていた。勉強の成果は出ていないけど。

「あ、おはよう。ディラン」

 修練場に到着すると、一人の男が待ち構えていた。
 男の名前はディラン。金色の髪の毛を短くり揃え、身体はガッチリとした筋肉質。太もものあたりなんかはまるで馬のようだ。
 年齢は三十代前半くらいで、お父様の警護担当としてガートリン家にやとわれている。
 若い頃は冒険者として、ブイブイいわせていたそうな。

「おう、坊主。来たな」
「ん。もう疲れたから休んでいい?」
「おう、そうか? 休憩きゅうけいも必要だからな。……ってまだ何もやってねぇだろうが。さっさと木刀を持ってこいや」
「ディランは元気だよねぇ」
「ふ、お前みたいな強い奴と戦えるんだ。楽しいに決まっているだろ」
「こんな幼気いたいけな少年をいじめて、楽しいのかねぇ」
「難しい言葉を知ってやがるな……それに虐めるって……初めて会った時、俺の攻撃を避けて見事なカウンターを出してきた奴が何を言う」

 うむ、見た目は子供、頭脳ずのうは大……これ以上はやめとこう。

「あの時は、いきなりディランがおそって来たからでしょ? 正当防衛だよ。正当防衛」
「強い坊主を、わざわざ弱いとお館様に報告してやっているんだ。そうやって、はぐらかすな」
「まぁ、それには感謝しているけどね」
「はぁ……坊主が次期当主になるってんなら、どんなことでも協力してやるのになぁ」
「はは、次期当主ってどんなばつゲームだい? 面倒くさいよ? 無気力な俺より、バズやカールみたいにやる気のある人になってもらった方がいいよ。うん」
「ん~。やる気は確かに大事だが、アレじゃあな……。将来が不安だぜ」
「……あぁ、また何かやらかしたの?」

 ディランは、なんとも言えないにがい顔で言う。

「……剣術はまぁまぁなんだが、あの態度がなぁ。この前なんか、メイドに手を上げたらしいぞ。そういう訳で、とことんメイドや兵士達に人気にんきがないんだよ。誰に似たんだか……」

 誰に、とは言うが、恐らく正妻さんのことをほのめかしているんだろう。

「うわ……ひどいね。ただ、バズもあと二年したら十二歳だし、王都の騎士学校に入学するんだろ?」
「ああ。学校で、ある程度は矯正きょうせいされてから戻ってきてくれれば、ありがたいんだが……」
「ああ、そうだな……」

 騎士学校とは、クリムゾン初代国王が国を守る騎士を育成するために創設そうせつしたらしい。
 入学に際して『十二歳~十五歳までの力ある者』という条件があり、貴族と平民を分けへだてなく受け入れることにしていたようだ。
 しかし聞いた話によれば、創設から約二百年が経ち、かなり腐敗ふはいしているみたい。
 例えば、平民の入学希望者は多いものの、実際には身分だけで選別され、学生のほとんどは貴族でめられているとか聞いた。

「まぁ……坊主も、騎士学校へ入学することは決まっているがな」
「ああ~、そうなんだよ。どうしたもんかね? 俺みたいにやる気のないぐうたら三男は、騎士学校なんて行く必要ないと思うんだけど。面倒くさいし。成人したらさっさとお金をもらって、どっか遠くの村で平民になって、のんびりしたいんだけど。うん、だらだらしたいよ。だらだらと」
「はは、本当にお前、四歳かよ。夢がねぇな。それにしても平民になりたい、か……。俺を含めて、坊主の周りにいる……ローラあたりは特にお前に期待しているんだろうけどな……。まぁ、先のことは分からないし、とりあえず稽古を始めるか」

 修練場の空気が一変した。


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