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魔導の大家
遭遇
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――『魔法』。
現代世界においては多くの人類が頼らなくなってしまった、この星の叡智。それは密かに、しかし確実に現在まで存在している。
連綿と続く人類の歴史において、魔法は純然たる学問――『魔導』として時に科学以上の認知を得ていた超常の力であった。
かつては全ての人類が身近に感じ、生活に取り入れられた魔法は、今や『科学』として認知されているそれに人類史の観点からしても急速に取って代わられた。
しかし、全ての人々が魔法を忘れてしまった訳では無い。
産業革命の真っ只中にあるこのイングレア王国においても、未だにある一定以上の力を持つ『魔導』。その深淵に極めて近づいていると言わしめる一族や一門が十数あった。
ウェルズ家もその一つだ。
当代の当主ドナルド・トーマス・ウェルズも、魔導の大家『ウェルズ家』の名に恥じぬ力量を持ち、魔法使いたちを牽引する立場にあり、イングレア王室から侯爵位を賜る上級貴族でもあった。
少年時代からその才覚を遺憾なく発揮してきたドナルドは、当時のイングレア社交界一の美姫と名高いフェリシアとの間に一男三女の子を授かった。
上から順に、ジャクリーン、カトリーナ、ロレッタと名付けられた三姉妹とは歳が離れて生まれてきたのが、アルベルトだ。上の三姉妹を出産してから十年の時を経てアルベルトを身ごもったフェリシアは、当時の常識で言っても超高齢出産であったことが災いし、彼の出産を機に体の不調を訴えることが多くなった。アルベルトが二歳の誕生日を迎えるより前に天へと旅立ってしまった。
すでに家督を継いでいたドナルドは、妻フェリシアのことを殊更愛していたし、三人の姉達もよく懐いていた。ウェルズ家にとっての太陽であったフェリシアを喪ったことは、家族にとって最大の不幸であったのは確かだ。彼女の葬儀の日は世界がその死を悼むかのようにどんよりとした雨模様であった。子どもたちは静かに、しかし滂沱の涙を流し、家長たるドナルドは血が滲むほどその拳を握りしめていた。幸せであった家族が壊れたのはこのあとからのことだ。
ドナルドは元々が寡黙な人物であったが、それまで以上に仕事に没頭し家に帰らぬ日が徐々に増えていった。それでも上級貴族であるウェルズ家には使用人が多く居た故、子どもたちが成長することは出来た。家庭教師も多く居たので教養についても習得は可能であったし、魔法についてもある程度は学ぶことは不可能ではなかった。しかし子どもたちは母と同時に父をも亡くしたのと同然であった。
長女ジャクリーンでさえ齢十六になったばかり。まだまだ大人とは言えない少女であったが、弟妹たちに気を配り父母の代わりを果たさねばならぬほどにはウェルズ家の親子関係は無視できない綻びが出来ていた。年に数度だけ帰ってくる父ドナルドに対し、弟妹たちには父親が必要であると訴え続けること数年、事態は動いた。
アルベルト・トンプソン・ウェルズは父母との記憶を持たぬまま六歳を迎えた。母を喪って以降の彼は、すぐ上の姉ロレッタに付いて回ることが多くなり、彼女が家庭教師から受ける講義の数々に顔を出し、スポンジが水を吸うがごとく数々の知識を吸収していった。読み書き計算はもちろんのこと、礼儀作法、歴史、錬金術、魔導学、果ては紋章学までもを。
侯爵家に出入りする学者らの知識を粗方吸収すると、アルベルトはロレッタに付いて授業を受けることが減っていった。これに安心したのは学者達だけでなくロレッタ自身もであった。学者はこれ以上教えることが困難であったし、ロレッタとしても自身よりも遥かに知識を得た一回りほど下の弟というのは気味が悪かったのだ。講義を受けている時の弟の顔はとてもではないが物心がついて数年の少年とは思えないほど強烈な印象を与えたのだ。
救いがあったとすれば、講義以外のアルベルトは年相応の振る舞いをしていたことで、ロレッタが拒絶するほどの忌避感をもたなかったことであろう。
アルベルトが講義に行かなくなってから半年ほど経った頃のことだ。それまで講義を受けていた時間がぽっかり空いてしまった彼は、領主館の敷地内にある庭園にいることが多かった。生前の母が愛でていたという草花を眺め一人で時間を潰していたのだ。それは今までに得た知識を反芻したり、簡単な魔法をそれと分からぬように試してみたり、母と同じように季節の草花を愛でてみたりと色々だ。
その日も同じようにぼうっと指先に火を灯したり、水を浮かべたりといった魔法の実践をしていた。いつもと変わらない夕食までの暇つぶし……、そのはずだった。それは唐突に起きた。
その日は普段よりもどんよりとした曇り空で、暇つぶしの魔法の修練すら億劫だったのだが、アルベルトが気付いた時には辺りは初夏を感じられる暖かさと一面の青い空があった。周りの景色さえも領主館の敷地内にある庭園ではなく、裏手にある森の中の少しひらけた草原のような場所であったのだ。
「……こ、こは……?」
まるで不思議の国に迷い込んだかのような突如とした景色の変化に言い様のない不安感を覚えたアルベルトだが、遠くから聞こえる声に気が付いた。
「これは……、子どもの声?」
ちょうど自分と同じか少し上くらいの子どもの笑い声が数人分、草原の中にある小さな丘の向こうから聞こえてきたのだ。ここが侯爵家の裏手にある森の中ならば、いつ獣や魔獣が出てきてもおかしくない場所で、子どもの声だけが聞こえてくるというのは、いくら彼が貴族に生まれ世情に疎いとしても考えられない程おかしなことであった。
「……っと、それどころじゃないな」
森が危険であるからこそ、アルベルトは早く子どもたちを街へ避難させなければならないと意気込み、声の聞こえる方へと駆けていった。丘に近づくに連れ、子どもらの声は大きくなっていった。声の感じからすると、追いかけっこをしているようで、皆がはしゃいでいる。
アルベルトは丘を上りきるや否や目いっぱいの声で子どもたちに警告した。
「おい、お前たち!子どもだけで森の中へ入るな、と……――え?」
幼子に叱りつけるかのように語気を強めて注意しようとした彼の声は、目の前に広がる光景を受け尻すぼみになってしまった。
声だけで判断して、ずっと人の子どもだと思いこんでいたそれは、大きなキツネのような生き物の集団であった。キツネと断定出来なかった理由は、その見た目がキツネとは大きく違ったからだ。青い毛皮に覆われた体躯に、頭にはヤギのように立派な濃紺の角が生えていたのだ。
「ま、魔獣……!」
アルベルトとそう変わらない大きさのキツネのバケモノ達はその声に反応するかのように一斉に振り向いた。笑い声を上げながら駆け回っていた彼らが皆一様に立ち止まり、糸のように細めていた目をうっすらと開ける。先程まで晴れていた空に暗雲が立ち込め、心なしか寒気を覚えるアルベルトにゆっくりと一匹のキツネが歩み寄ってくる。薄く開いた口からは肉食獣特有の鋭い牙が覗き、煙のような呼気が延びている。
《魔獣……?あんナもノと一緒にしテェくれルナよ、ニンゲン》
その声は酷く不気味なものであった。子どものように高いかと思えば、突如として大人の男のように低くもなり、女の猫なで声にも、しゃがれた老人のようにも聞こえ、不快と怖気をないまぜにした感じがした。さらに言えば、目の前のキツネの口から聞こえる声と、頭の中に直接響くような声とが二重に聞こえてくるのだ。
あまりの恐怖に思わず後ずさろうとしたアルベルトだが、腰のあたりに何かがぶつかり後ずさることは出来なかった。ゆっくりと振り返ると、正面に居るキツネとは別の個体が大きな牙を剥きながらこちらを睨んでいた。
《ボクらとアレじゃァ何もカもが違ウゥだろ?》
「は、話せるからかっ?!」
《そンナことじゃァなイ。あイツらは世界ノ――》
《おイ、喋りすギだ》
後ろの個体に気を取られている間に、顔前まで近寄ってきていた青いキツネが仲間を嗜める。その声にはどこか呆れが混じっている。いつの間にか自身の周囲を五体の獣に囲まれたアルベルトだが、先程までのような寒気は少し収まっており、改めて彼らがどういったものなのかを問う。
「……、キミ達が魔獣とは違う存在だというのは分かった。じゃあキミ達は一体何なんだ?……っ?!」
問いかけると同時、いきなり右手を舐められたアルベルトは反射的に大きな声を上げそうになるが、なんとか抑え込んだ。少々恨めしげにそちらを見やると舐めた犯人は目尻を下げてからころと笑いながら問いに答えた。
《僕ラは三神にヨって生を受けタ。夢幻の獣、三神かラはそう呼ばれタヨ》
「三神……?」
《ハァ……。喋りすギだガ、まぁイイ。我ラに見つかっタノが運ノ尽キダ》
眼前のバケモノが薄く目を開き、舌舐めずりをしながら嗤う。周囲の温度が一気に冷え込んだような張り詰めた空気が広がり、アルベルトの背筋に一筋の汗が伝う。
《……ニンゲン、名ハ?》
「――アルベルト。アルベルト・トンプソン・ウェルズだ。家族からはアルと呼ばれてる」
《ククク、ソうか。……ならば、アル!》
名を呼び一呼吸置いたバケモノ。周りを見渡せば少々の違いはあれど五匹の獣は皆思い思いに笑みを浮かべている。自身の生命もこれまでか、などと長くはない走馬灯が過ぎろうかといったその瞬間。
遊ブぞ!!
「……、はい?」
現代世界においては多くの人類が頼らなくなってしまった、この星の叡智。それは密かに、しかし確実に現在まで存在している。
連綿と続く人類の歴史において、魔法は純然たる学問――『魔導』として時に科学以上の認知を得ていた超常の力であった。
かつては全ての人類が身近に感じ、生活に取り入れられた魔法は、今や『科学』として認知されているそれに人類史の観点からしても急速に取って代わられた。
しかし、全ての人々が魔法を忘れてしまった訳では無い。
産業革命の真っ只中にあるこのイングレア王国においても、未だにある一定以上の力を持つ『魔導』。その深淵に極めて近づいていると言わしめる一族や一門が十数あった。
ウェルズ家もその一つだ。
当代の当主ドナルド・トーマス・ウェルズも、魔導の大家『ウェルズ家』の名に恥じぬ力量を持ち、魔法使いたちを牽引する立場にあり、イングレア王室から侯爵位を賜る上級貴族でもあった。
少年時代からその才覚を遺憾なく発揮してきたドナルドは、当時のイングレア社交界一の美姫と名高いフェリシアとの間に一男三女の子を授かった。
上から順に、ジャクリーン、カトリーナ、ロレッタと名付けられた三姉妹とは歳が離れて生まれてきたのが、アルベルトだ。上の三姉妹を出産してから十年の時を経てアルベルトを身ごもったフェリシアは、当時の常識で言っても超高齢出産であったことが災いし、彼の出産を機に体の不調を訴えることが多くなった。アルベルトが二歳の誕生日を迎えるより前に天へと旅立ってしまった。
すでに家督を継いでいたドナルドは、妻フェリシアのことを殊更愛していたし、三人の姉達もよく懐いていた。ウェルズ家にとっての太陽であったフェリシアを喪ったことは、家族にとって最大の不幸であったのは確かだ。彼女の葬儀の日は世界がその死を悼むかのようにどんよりとした雨模様であった。子どもたちは静かに、しかし滂沱の涙を流し、家長たるドナルドは血が滲むほどその拳を握りしめていた。幸せであった家族が壊れたのはこのあとからのことだ。
ドナルドは元々が寡黙な人物であったが、それまで以上に仕事に没頭し家に帰らぬ日が徐々に増えていった。それでも上級貴族であるウェルズ家には使用人が多く居た故、子どもたちが成長することは出来た。家庭教師も多く居たので教養についても習得は可能であったし、魔法についてもある程度は学ぶことは不可能ではなかった。しかし子どもたちは母と同時に父をも亡くしたのと同然であった。
長女ジャクリーンでさえ齢十六になったばかり。まだまだ大人とは言えない少女であったが、弟妹たちに気を配り父母の代わりを果たさねばならぬほどにはウェルズ家の親子関係は無視できない綻びが出来ていた。年に数度だけ帰ってくる父ドナルドに対し、弟妹たちには父親が必要であると訴え続けること数年、事態は動いた。
アルベルト・トンプソン・ウェルズは父母との記憶を持たぬまま六歳を迎えた。母を喪って以降の彼は、すぐ上の姉ロレッタに付いて回ることが多くなり、彼女が家庭教師から受ける講義の数々に顔を出し、スポンジが水を吸うがごとく数々の知識を吸収していった。読み書き計算はもちろんのこと、礼儀作法、歴史、錬金術、魔導学、果ては紋章学までもを。
侯爵家に出入りする学者らの知識を粗方吸収すると、アルベルトはロレッタに付いて授業を受けることが減っていった。これに安心したのは学者達だけでなくロレッタ自身もであった。学者はこれ以上教えることが困難であったし、ロレッタとしても自身よりも遥かに知識を得た一回りほど下の弟というのは気味が悪かったのだ。講義を受けている時の弟の顔はとてもではないが物心がついて数年の少年とは思えないほど強烈な印象を与えたのだ。
救いがあったとすれば、講義以外のアルベルトは年相応の振る舞いをしていたことで、ロレッタが拒絶するほどの忌避感をもたなかったことであろう。
アルベルトが講義に行かなくなってから半年ほど経った頃のことだ。それまで講義を受けていた時間がぽっかり空いてしまった彼は、領主館の敷地内にある庭園にいることが多かった。生前の母が愛でていたという草花を眺め一人で時間を潰していたのだ。それは今までに得た知識を反芻したり、簡単な魔法をそれと分からぬように試してみたり、母と同じように季節の草花を愛でてみたりと色々だ。
その日も同じようにぼうっと指先に火を灯したり、水を浮かべたりといった魔法の実践をしていた。いつもと変わらない夕食までの暇つぶし……、そのはずだった。それは唐突に起きた。
その日は普段よりもどんよりとした曇り空で、暇つぶしの魔法の修練すら億劫だったのだが、アルベルトが気付いた時には辺りは初夏を感じられる暖かさと一面の青い空があった。周りの景色さえも領主館の敷地内にある庭園ではなく、裏手にある森の中の少しひらけた草原のような場所であったのだ。
「……こ、こは……?」
まるで不思議の国に迷い込んだかのような突如とした景色の変化に言い様のない不安感を覚えたアルベルトだが、遠くから聞こえる声に気が付いた。
「これは……、子どもの声?」
ちょうど自分と同じか少し上くらいの子どもの笑い声が数人分、草原の中にある小さな丘の向こうから聞こえてきたのだ。ここが侯爵家の裏手にある森の中ならば、いつ獣や魔獣が出てきてもおかしくない場所で、子どもの声だけが聞こえてくるというのは、いくら彼が貴族に生まれ世情に疎いとしても考えられない程おかしなことであった。
「……っと、それどころじゃないな」
森が危険であるからこそ、アルベルトは早く子どもたちを街へ避難させなければならないと意気込み、声の聞こえる方へと駆けていった。丘に近づくに連れ、子どもらの声は大きくなっていった。声の感じからすると、追いかけっこをしているようで、皆がはしゃいでいる。
アルベルトは丘を上りきるや否や目いっぱいの声で子どもたちに警告した。
「おい、お前たち!子どもだけで森の中へ入るな、と……――え?」
幼子に叱りつけるかのように語気を強めて注意しようとした彼の声は、目の前に広がる光景を受け尻すぼみになってしまった。
声だけで判断して、ずっと人の子どもだと思いこんでいたそれは、大きなキツネのような生き物の集団であった。キツネと断定出来なかった理由は、その見た目がキツネとは大きく違ったからだ。青い毛皮に覆われた体躯に、頭にはヤギのように立派な濃紺の角が生えていたのだ。
「ま、魔獣……!」
アルベルトとそう変わらない大きさのキツネのバケモノ達はその声に反応するかのように一斉に振り向いた。笑い声を上げながら駆け回っていた彼らが皆一様に立ち止まり、糸のように細めていた目をうっすらと開ける。先程まで晴れていた空に暗雲が立ち込め、心なしか寒気を覚えるアルベルトにゆっくりと一匹のキツネが歩み寄ってくる。薄く開いた口からは肉食獣特有の鋭い牙が覗き、煙のような呼気が延びている。
《魔獣……?あんナもノと一緒にしテェくれルナよ、ニンゲン》
その声は酷く不気味なものであった。子どものように高いかと思えば、突如として大人の男のように低くもなり、女の猫なで声にも、しゃがれた老人のようにも聞こえ、不快と怖気をないまぜにした感じがした。さらに言えば、目の前のキツネの口から聞こえる声と、頭の中に直接響くような声とが二重に聞こえてくるのだ。
あまりの恐怖に思わず後ずさろうとしたアルベルトだが、腰のあたりに何かがぶつかり後ずさることは出来なかった。ゆっくりと振り返ると、正面に居るキツネとは別の個体が大きな牙を剥きながらこちらを睨んでいた。
《ボクらとアレじゃァ何もカもが違ウゥだろ?》
「は、話せるからかっ?!」
《そンナことじゃァなイ。あイツらは世界ノ――》
《おイ、喋りすギだ》
後ろの個体に気を取られている間に、顔前まで近寄ってきていた青いキツネが仲間を嗜める。その声にはどこか呆れが混じっている。いつの間にか自身の周囲を五体の獣に囲まれたアルベルトだが、先程までのような寒気は少し収まっており、改めて彼らがどういったものなのかを問う。
「……、キミ達が魔獣とは違う存在だというのは分かった。じゃあキミ達は一体何なんだ?……っ?!」
問いかけると同時、いきなり右手を舐められたアルベルトは反射的に大きな声を上げそうになるが、なんとか抑え込んだ。少々恨めしげにそちらを見やると舐めた犯人は目尻を下げてからころと笑いながら問いに答えた。
《僕ラは三神にヨって生を受けタ。夢幻の獣、三神かラはそう呼ばれタヨ》
「三神……?」
《ハァ……。喋りすギだガ、まぁイイ。我ラに見つかっタノが運ノ尽キダ》
眼前のバケモノが薄く目を開き、舌舐めずりをしながら嗤う。周囲の温度が一気に冷え込んだような張り詰めた空気が広がり、アルベルトの背筋に一筋の汗が伝う。
《……ニンゲン、名ハ?》
「――アルベルト。アルベルト・トンプソン・ウェルズだ。家族からはアルと呼ばれてる」
《ククク、ソうか。……ならば、アル!》
名を呼び一呼吸置いたバケモノ。周りを見渡せば少々の違いはあれど五匹の獣は皆思い思いに笑みを浮かべている。自身の生命もこれまでか、などと長くはない走馬灯が過ぎろうかといったその瞬間。
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