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◆床入り

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 甘ったるい香の匂いが立ち込める寝室。蝋燭の光のみがぼんやりと部屋を照らす中、ヨミと恵菜は寝台の上に腰掛けていた。膝の上できゅっとこぶしを握りしめ、身を硬くしている恵菜にヨミはくすりと笑うと、背中を撫でながら言った。

「緊張しておるのか」
「う……うぅ……そう、かも。その……初めてだから……私、あの、お、お手柔らかに」
「ふふ、当然だ。愛する妻を手酷く抱いたりなど断じてせぬ」

 彼は恵菜を抱き寄せ、その身体を包み込んだ。大柄で筋肉質というわけではないが、背丈もありそれなりに体格が良いこともあり、ヨミの胸に恵菜の身体はすっぽりおさまってしまう。彼は彼女の身体から力が抜けるまで抱きしめたまま、背中を撫でたり指で戯れに髪を梳いたりしていた。

「それに……実を言うと、余も女人と身体を交えるのは、エナが初めてだ」

 驚きに声をあげると、ヨミのくぐもった笑い声が聞こえる。彼は恵菜を正面から見つめると、柔らかく微笑んで言った。

「慣れぬことゆえ、不安はあるが……。なに、手ほどきは受けてきた、案ずることはない。そなたは身を任せておればよい」

 穏やかな声色はしっとりと臓腑に染み入って。それを聴きながら背中を撫でられていると、自然と身体からは力が抜けていった。ヨミはそっと恵菜の顎に手を添え顔を上げさせると、優しく口付けた。
 恵菜の体温よりもややひんやりした唇が重なり、何度か軽いキスを繰り返した後、彼の濡れた舌がお伺いを立てるように控えめに唇をなぞってきた。戸惑いつつも、促されるまま唇をおそるおそる開ければ、するりと舌が侵入してくる。丁寧に舌が歯列をなぞり、上顎の裏を撫で、奥で縮こまっていた舌まで愛でられる。舌を絡ませ吸いあげられ、互いの唾液を擦りつけるような濃厚なキスにくらくらした。息を逃がそうと身を引こうとするも、いつの間にかうなじをしっかりと固定され、さらに口付けは深まっていく。
 解放された頃には、酸欠で頭がぼうっとして、恵菜は弛緩した身体をヨミに預けた。彼は少し慌てた様子で言った。

「すまぬ、エナとの口吸いがあまりにも心地よかったゆえ……苦しかったであろう」
 
 苦しげに浅い呼吸をする息をする恵菜を心配そうに見つめ、気遣うようなことを言うものだから、なんだか可愛く思えてしまい、恵菜も彼の気持ちに応えるようにきゅっと抱きついた。
 ヨミは嬉しそうにもう一度触れるだけのキスをすると、そっと恵菜の身体を寝台の上へ横たえる。恵菜の艶のある長髪が枕に波打つように広がった。
 押し倒され、見下ろされる形になると、彼の長い髪が紗のように恵菜の視界を遮った。彼女の目に少しの不安がよぎったのを見て、ヨミは落ち着かせるように頬を撫でる。

「エナ、恐れることはない。今から余とそなたは愛し合うのだ。きっと心地よいものであろう。」
「うん……そうだね。」

 素直にこくりと頷いた恵菜にヨミは微笑むと、また唇を重ねる。そして耳の後ろや首筋にキスを落としていき、湯上がりの柔らかな肌を味わうように舌を這わせ始める。ゆっくりと舌でねぶられ、時折薄い皮膚に吸い付かれる度びくりと身体が跳ねた。そして、ついにガウンの紐がほどかれて、胸元がはだけられる。

 そっと開いた襟元からヨミは手を忍ばせて、恵菜の胸の膨らみを丁寧に愛でた。大きな手のひらで全体を包み込むようにすると、ゆっくりと揉み込み、その柔らかな感触を楽しんでいる。暗闇で静かな空間の中、愛する人に身体をじっくりと愛撫され、じんわりと身体に火がともってくる。胸の膨らみを堪能するような彼の手つきに、羞恥からか快楽からか分からない、妙な疼きを感じた。そして、気づけば胸の中心、淡く色づいた果実は芯をもち始めてしまっていた。ヨミは嬉しそうに目を細めると色を乗せた声で言う。

「エナ……余に触れられて、そなたも喜んでくれているのか?ここが、硬くなっている」
「んっ……あ、それ、だめ……」
「駄目なものか。触れてもいないのにここが硬くなってくるのは、女人が心地よくなっておる証拠と薫瑛から聞いたぞ。」

 その言葉に、薫瑛が屏風の向こう側に控えていることを思い出した恵菜は羞恥のあまり息を詰めた。こんな、乳首を硬くしてることも全部筒抜けなんて恥ずかしすぎる。だが、部下が身の回りの世話をするのに慣れているヨミは、褥での様子を聞かれても特に羞恥はないらしく、構わず愛撫を続ける。

「ね、や、薫瑛が聞いてるの、恥ずかしいっ……」
「うん?ただの見届け人であろう、気にせずともよい、そなたは余に身を委ねればよいのだ。」

 ヨミは硬く芯をもった感触を楽しむように、胸の果実をいじめ抜いた。先端を指の腹で優しくスリスリと撫でたかと思えば、時折緩急をつけてきゅっと捻ったり、潰したりして飽きさせない。しまいには胸に顔をうずめ、赤く腫れ上がった果実を口に含み、唾液で濡らして舌で転がしては、赤子のように吸って絶妙な強さで甘噛みさえした。
 恵菜は声をこらえようにも我慢ならず、甘い声を漏らしながら身悶えた。彼の責めは丹念で、しつこかった。口や舌でそれは熱心に愛撫され、恵菜はびくんと身を跳ねさせては悩ましげな声をあげ、腰をくねらせていた。

 肌がほてり、甘い嬌声をあげる恵菜に、ヨミはようやく胸を責める手を止めた。そして目の前に広がる絶景に、彼は乾いた唇を舐め劣情の滲んだ声で言う。

「なんと美しい……」

 組み敷いた彼女は快楽に蕩けた表情で、目を潤ませヨミを見つめている。そして柔らかく弾力に富んだ肌は、上気してヨミを誘っていた。そして胸の膨らみの頂にある果実は赤く熟れ、今にもはち切れんばかりに充血して硬くしこっている。しつこいほどヨミの舌で愛された両の果実は彼の唾液に塗れて、てらてらといやらしく光っていた。

 愛する人の痴態に、ヨミも自身に熱が集まるのを感じた。そして、誰よりも愛している妻が、もじもじと膝を擦り合わせたのを見逃すはずもなく。どろりとした執着の色を宿した真紅の瞳が、嬉しそうに細められた。

「うん?どうしたエナ。何やら膝を擦り合わせたように見えたが……」
「な、なんでも、ないっ……から……!」
「ふふ、余とそなたは夫婦(めおと)になるのだ、遠慮はいらぬ。余はただ、そなたにこの上ない愉悦を与えたいだけ……。さぁ、恥ずかしいかもしれぬが、そなたの秘められた場所に触れるのを許してはくれぬか」

 恵菜は羞恥のあまり耳まで真っ赤にしてうつむいてしまったが、ヨミがそっと内腿に手を忍ばせても、本気で嫌がる素振りは見せなかった。ヨミは満足げに笑うと、大腿を撫でながら、ついに足の付け根へたどりつく。湯浴みの後は下着などつけない決まりだった。つまり、ガウンの下には秘部を覆うものなど何もなく。

 ヨミの長い指先が濡れそぼった秘裂をなぞり、くちゅり、と恥ずかしい水音がたってしまう。恵菜はあんまりの恥ずかしさで枕に顔を埋めるように背けてしまった。ヨミは笑いながらそれを制し、顎を優しく掴むと自分の方を向かせた。そして彼女が目を逸らすことなど許さず、視線を合わせながら秘部への愛撫を続ける。

「あっ……あぁ、や、こんな、だめ、」
「気持ちよいのだな、エナ。こんなにもたっぷり濡らしてくれるとは……これほど余に心を許してくれているのだと思うと、たまらぬ。もっとしてやろう」
「あ、やぁあ、くちゅくちゅするのだめっ……あ、あぁっ!?」

 彼の指が蜜をこぼす秘裂の少し上、秘められた花芽をとらえ、恵菜は背を弓なりに反らせてびくんと身を跳ねさせた。ほくそ笑んだヨミはそんな彼女の反応を楽しみながら、愛液に濡れた肉粒を見失わないように指の腹で優しく押さえつけては、円を描くように刺激をしていく。

「あ、あぁ~~~ッッ……!あ、これだめっ!変になるっ!びりびりしてこれなんか変っ!!」
「ふふ、やはり女人はここが良いのだな、薫瑛に教えを請うた甲斐があった。なぁエナ、ここはサネと言うらしい。女人の体は興奮すると、女の孔から蜜をこぼし、ここが硬くなるのだそうだ。そして硬く腫れている時に触れられると、それはもう気持ちいいのだとか」

 ヨミは愛する妻が自分の手で愉悦に溺れ、終わりのない快感にむせぶのを見るのが、心底好きなようだった。それに気づいた時には遅く、彼は夢中でその赤く腫れ上がった淫靡な珊瑚を、それはそれは丹念に、そして執拗になぶった。半分皮から顔を出したそれを優しく捏ねるように刺激し、絶頂させたかと思えば、今度は皮をそっと剥きあげ、露わになった無防備な花芽を直接可愛がり。それで達して、ひくひくとうごめく蜜口からこぼれた愛液をまた塗りつけると、次は二本の指で挟み、根本からしごいたりなど、手を変え品を変えて恵菜の淫らな肉芽をなぶるのだった。

「あっあっあっ、もうだめっ!むりっ!むりなのっ!あんっ、ヨミ……!もうイけないよぉっ!」
「うん?慣れれば平気ゆえ、案ずるな。女人は何度気をやっても果てなく達することができると聞いた。余は、そなたをたっぷりと愛したいのだ。ふふ、それにしても、気をやる姿のなんと可愛らしいことか……足りぬ、余はもっとそなたを気持ちよくしたい」

 彼の指で長いこといじめ抜かれた花芽は赤く腫れ上がり、ふっくらと充血してしまっていた。恵菜の秘部は花芽での絶頂のたびに切なく震え、蜜口からはとろりと濃厚な蜜をこぼし、早く雄をくわえこみたいとひくついていて。ヨミはうっとりした目で荒い息をこぼしながら、その膨らんだ花芽を指の腹で押しつぶすと、グリグリと捏ね、潰し、極め付けに根元からしごいた。痛みを感じない、絶妙な加減での力強さに暴力的なまでの快感が襲う。恵菜は切羽詰まった掠れた嬌声をあげ、その白い喉を反らすと、派手な絶頂を迎えたのだった。秘部からは淫液が吹き出し、大腿はガクガクと痙攣して、腰をびくんと跳ねさせながら深い余韻に浸る。虚ろな視線を天井に向け、とろけた顔で身を震わせるばかりの恵菜を、ヨミは愛液にまみれた指を舐めながら、満足そうに見下ろしていた。
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