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第五章 山道鍛練でEは無理かな?
第十七話 とりあえず温泉回と…私のスキルをマーシャンが解説したり…ですよね…
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一週間ほど掛けてパンドラーネに到着。
その道中はたまに血迷ったゴブリンやコボルトが襲ってくるだけの楽なものだった。闇深き森にでてくるモンスターはゴースト系や植物系ばかりなので儲けは無い。
…ゴースト系には討伐証明部位なんてあるわけないし…アンデッドは臭いからイヤだし…植物系は種か葉っぱしか残らないからダメだし…。
マーシャンが何故か「この種は拾え」やら「魔瘴石はワシがもらう」やらとしつこかったので渋々集めたけど…重い!だけで終わったら折檻ね、折檻。
「…なんじゃサーチ。ワシの顔をマジマジと眺めて…」
…ホントに何を考えてるのかよくわからん…。
「ワシの美貌に惚れるでないそぴぎゃっ!」
マーシャンに炸裂した左手を擦りながらもマーシャンの真意がわからなかった。
「お帰りなさいませ」
ひとまず烈刀館に戻って身形を整えないと。
ていうか温泉♪温泉♪
「今日は句読点はどうなさいますか?」
「…………ほどほどに」
「承りました」
……。
普通…旅館で「句読点どうなさいますか?」なんてこと聞かないと思う…。
「どうしたんですか?サーチ大丈夫?」
あ、うん。なんか精神的ダメージくらっただけだから…大丈夫。
「「「「はあ~…♪」」」」
極楽極楽~♪
…え?言い方が古い?
いいのよ。私、精神年齢は40は過ぎてるから。
…でも明日から背後気をつけてね♪隙があったら逝っちゃうよ♪
「エイミア~…近う寄れ~…♪」
「嫌です!」
…よっぽどイヤなのか最近すっかり忘れられていた“未完の棍棒”を持って風呂に浸かるエイミア。
そういえば必殺技開眼と同時に釘棍棒って炭になってたわね。
“未完の棍棒”だと釘が刺さってないからって死蔵されてたけど…これで使うようになるかな?
「エイミア。変態には関わらないほうがいいぜ…サーチも。行こ行こ」
リルが私を誘って違う露天風呂へ行こうとする。
「私はここでいいわ。マーシャンが他の子を襲わないか見張ってないと…」
私達パーティの信用に関わるし。
「………そういやそうだな……頼むわ」
「サーチ。襲われそうになったら遠慮なく殺っちゃってくださいね!」
はいはい。
「…リルや」
「な、なんだよ!」
「少しは大きくなったか?」
「!!…バカヤロー!」
リルは真っ赤になってエイミアを引っ張っていった。
…ああ…あの時ね…。
「ふぅ…さてと、サーチや」
…きたか。
「妾の手の内は見せた。次はそなたぞ?」
…うーん。どこまで話せばいいやら…。
「全て話すのじゃぞ。そなたも妾の愛が欲しいのならば話は別じゃが」
話すしかないじゃないのこんちくしょう。
私は前世のことは掻い摘んで説明し、転生してからのことはかなり詳しく説明した。
「転生とな…」
さすがのマーシャンも驚いていた。
「妾の永い生の中でも…二度ほどしか聞いたいたことがない」
え”!?二度!?
「私以外にもいたの?」
「まあ、あくまで自己申告じゃから真実か否かは定かではないがの。数十年ほど前の男は『RPGかよ!』という奇妙な口癖があったと聞いておる」
「間違いないです」
RPGなんて単語連発してる時点で確定。
「そうか…その男は魔術の大家として名を残した。其奴が編み出した爆発魔術は現在でも最強の魔術として語り継がれておってな、其奴の口癖から≪爆滅斬≫と名付けられた」
……使いたくない魔術No.1だわ。
「何故か妾は使う気にならぬのじゃ…」
いい判断です。
「そうそう、そなたが転生者ならば変わったスキルを持っておろう?」
「え…?」
何かあったっけ?
「≪前世の記憶≫」
ああ!あったあった!
正直忘れてたよ。
「まったく…どれだけ重要なスキルかわかっておらぬな…」
「重要?ただ単に前世の記憶でしょ?」
「それだけならばスキル扱いはされぬ」
…確かに。
「≪前世の記憶≫はな、生前に身につけておった技術をこの世界のスキルに置き換えることができる」
「…それで?」
何が凄いスキルなの?
「では聞くが…スキルを身につける上で密接に関係してくる事は何じゃ?」
「え?えっと…武器の熟練度だったり…魔術の基礎値だったり…あ、あと職業別で覚え…」
「わかったかの?」
え?
「ぬう…意外と察しが悪いの」
そりゃすいません。
「そなたの職業は?」
「じ、重装戦士」
「では覚えられるスキルは?」
「≪剣術≫だったり≪槍術≫だったり」
「実際そなたが覚えたスキルは?」
「え?≪短剣術≫に≪忍び足≫に≪早足≫に…て、あ!」
そうか!全部重装戦士では覚えられないスキルばかり!
「多分じゃがステータスも普通ではなかろ?」
はい!そのとおり!
「≪前世の記憶≫を上手く利用すれば普通では有り得ない組み合わせが可能、ということじゃ。そなたは知らず知らずのうちに実践しておるようじゃな。『素早さ』が異常に高くて『力』が弱い重装戦士なぞ聞いたことがないわい」
…そうなんだ。
私ってけっこう自分を細々とエディットしてたわけね…。
「…ただ『身軽な重装戦士』があまり有意義な選択ではないのが残念じゃな…」
うるさい!
まあ、そんなこんなで。
ゆっくりしすぎて。
「あ!ギルド行くの忘れた!」
「もういいだろ。明日だ明日…」
「うー…気持ちいいですぅ…」
「極楽じゃ~極楽じゃ~」
全員でマッサージを受けてた頃にはギルドは閉まっていた。
…ま、いいか。
ちなみにマーシャンの指示で集めた種と魔瘴石は意外と高く売れることが後日判明した。
マーシャン、さすがに歳とってなかった。
「歳の話は禁忌じゃ!」
ぽかっ
いた!
その道中はたまに血迷ったゴブリンやコボルトが襲ってくるだけの楽なものだった。闇深き森にでてくるモンスターはゴースト系や植物系ばかりなので儲けは無い。
…ゴースト系には討伐証明部位なんてあるわけないし…アンデッドは臭いからイヤだし…植物系は種か葉っぱしか残らないからダメだし…。
マーシャンが何故か「この種は拾え」やら「魔瘴石はワシがもらう」やらとしつこかったので渋々集めたけど…重い!だけで終わったら折檻ね、折檻。
「…なんじゃサーチ。ワシの顔をマジマジと眺めて…」
…ホントに何を考えてるのかよくわからん…。
「ワシの美貌に惚れるでないそぴぎゃっ!」
マーシャンに炸裂した左手を擦りながらもマーシャンの真意がわからなかった。
「お帰りなさいませ」
ひとまず烈刀館に戻って身形を整えないと。
ていうか温泉♪温泉♪
「今日は句読点はどうなさいますか?」
「…………ほどほどに」
「承りました」
……。
普通…旅館で「句読点どうなさいますか?」なんてこと聞かないと思う…。
「どうしたんですか?サーチ大丈夫?」
あ、うん。なんか精神的ダメージくらっただけだから…大丈夫。
「「「「はあ~…♪」」」」
極楽極楽~♪
…え?言い方が古い?
いいのよ。私、精神年齢は40は過ぎてるから。
…でも明日から背後気をつけてね♪隙があったら逝っちゃうよ♪
「エイミア~…近う寄れ~…♪」
「嫌です!」
…よっぽどイヤなのか最近すっかり忘れられていた“未完の棍棒”を持って風呂に浸かるエイミア。
そういえば必殺技開眼と同時に釘棍棒って炭になってたわね。
“未完の棍棒”だと釘が刺さってないからって死蔵されてたけど…これで使うようになるかな?
「エイミア。変態には関わらないほうがいいぜ…サーチも。行こ行こ」
リルが私を誘って違う露天風呂へ行こうとする。
「私はここでいいわ。マーシャンが他の子を襲わないか見張ってないと…」
私達パーティの信用に関わるし。
「………そういやそうだな……頼むわ」
「サーチ。襲われそうになったら遠慮なく殺っちゃってくださいね!」
はいはい。
「…リルや」
「な、なんだよ!」
「少しは大きくなったか?」
「!!…バカヤロー!」
リルは真っ赤になってエイミアを引っ張っていった。
…ああ…あの時ね…。
「ふぅ…さてと、サーチや」
…きたか。
「妾の手の内は見せた。次はそなたぞ?」
…うーん。どこまで話せばいいやら…。
「全て話すのじゃぞ。そなたも妾の愛が欲しいのならば話は別じゃが」
話すしかないじゃないのこんちくしょう。
私は前世のことは掻い摘んで説明し、転生してからのことはかなり詳しく説明した。
「転生とな…」
さすがのマーシャンも驚いていた。
「妾の永い生の中でも…二度ほどしか聞いたいたことがない」
え”!?二度!?
「私以外にもいたの?」
「まあ、あくまで自己申告じゃから真実か否かは定かではないがの。数十年ほど前の男は『RPGかよ!』という奇妙な口癖があったと聞いておる」
「間違いないです」
RPGなんて単語連発してる時点で確定。
「そうか…その男は魔術の大家として名を残した。其奴が編み出した爆発魔術は現在でも最強の魔術として語り継がれておってな、其奴の口癖から≪爆滅斬≫と名付けられた」
……使いたくない魔術No.1だわ。
「何故か妾は使う気にならぬのじゃ…」
いい判断です。
「そうそう、そなたが転生者ならば変わったスキルを持っておろう?」
「え…?」
何かあったっけ?
「≪前世の記憶≫」
ああ!あったあった!
正直忘れてたよ。
「まったく…どれだけ重要なスキルかわかっておらぬな…」
「重要?ただ単に前世の記憶でしょ?」
「それだけならばスキル扱いはされぬ」
…確かに。
「≪前世の記憶≫はな、生前に身につけておった技術をこの世界のスキルに置き換えることができる」
「…それで?」
何が凄いスキルなの?
「では聞くが…スキルを身につける上で密接に関係してくる事は何じゃ?」
「え?えっと…武器の熟練度だったり…魔術の基礎値だったり…あ、あと職業別で覚え…」
「わかったかの?」
え?
「ぬう…意外と察しが悪いの」
そりゃすいません。
「そなたの職業は?」
「じ、重装戦士」
「では覚えられるスキルは?」
「≪剣術≫だったり≪槍術≫だったり」
「実際そなたが覚えたスキルは?」
「え?≪短剣術≫に≪忍び足≫に≪早足≫に…て、あ!」
そうか!全部重装戦士では覚えられないスキルばかり!
「多分じゃがステータスも普通ではなかろ?」
はい!そのとおり!
「≪前世の記憶≫を上手く利用すれば普通では有り得ない組み合わせが可能、ということじゃ。そなたは知らず知らずのうちに実践しておるようじゃな。『素早さ』が異常に高くて『力』が弱い重装戦士なぞ聞いたことがないわい」
…そうなんだ。
私ってけっこう自分を細々とエディットしてたわけね…。
「…ただ『身軽な重装戦士』があまり有意義な選択ではないのが残念じゃな…」
うるさい!
まあ、そんなこんなで。
ゆっくりしすぎて。
「あ!ギルド行くの忘れた!」
「もういいだろ。明日だ明日…」
「うー…気持ちいいですぅ…」
「極楽じゃ~極楽じゃ~」
全員でマッサージを受けてた頃にはギルドは閉まっていた。
…ま、いいか。
ちなみにマーシャンの指示で集めた種と魔瘴石は意外と高く売れることが後日判明した。
マーシャン、さすがに歳とってなかった。
「歳の話は禁忌じゃ!」
ぽかっ
いた!
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