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第十四章 シリアスにDなんだぜ!

第二十話 なぜかまたダンジョン巡りになりそうな予感…またまたエイミアのスキル開眼…ですよね…

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「…つまり…“八つの絶望”ディスペア・オブ・エイトどれか・・・に現れると?」

『そういう事じゃな』

「…このひっろい世界のあちこちに点在する“八つの絶望”ディスペア・オブ・エイトまた・・巡れと?」

『そういう事じゃな』

ウソでしょおおおおおおおおっ!?

『良いではないか。汚泥内海マッドインランドシーは、その限りではないぬおうっ!?』

「あんたの言い方は何かムカつくのよ!!」

『無体な真似をするでないわ!それを八つ当たりというのじゃ!』

「んなことは百も承知よ!けど大魔導リッチであるあんたは、どうせ不死身なんでしょ!?」

『む?…まあ余程は・・・消滅することは無いな』

「だったら私に八つ当たられなさいよっ!!」

『何故そうなる!!…ぎゃあ!待て!待つのじゃあ!いくら我とてミスリルで攻撃されれば致命的じゃ!止めぬかあああ!』

「腕の1本や2本すぐ再生するでしょ!大人しく八つ当たらせろおお!」

『う、腕の1本や2本!?じょ、女性に千切られるならば本望…』

う゛っ!

「い、いやああああっ!ヘンタイのスイッチが入ったあああ!」

『待て!待たぬか!腕の1本とは言わず、足もあばらも背骨もある!人体には200以上の骨があるのじゃぞおお!』

「きゃあああっ!誰か助けてえええっ!」


「…サーチが馬鹿やってる間に対策を考えるか」

「そうですね…リジー、あなたの呪いセンサーには七冠の魔狼ディアボロスは反映されますか?」

「…半径10kmはカバーできる。七冠の魔狼ディアボロスかどうか特定できるかは不透明」

「半径10kmでしたら十分です。エイミア、あなたの意思伝達能力はドラゴンのみが対象ですか?」

「あ、はい。今のところは。堕つる滝フォーレンフォールには親しくしているワイバーンもいますよ」

「親しいワイバーンは有難いですね。リルの鼻は広範囲の探知は可能ですか?」

「…風向きによるな……ははぁ、ヴィーの考えてることがわかってきたぞ。ドラゴンとソレイユの力を借りるんだな?」

「あ、リルにはわかりましたか?そうです。魔王様には私からお願いして軍勢を動かしていただきます。あとはエイミアの伝を頼ってドラゴンの力を借ります」

「え?七冠の魔狼ディアボロスと戦うんですか?」

「………あなたは話を聞いていなかったのですか?七冠の魔狼ディアボロスと戦うなんて無謀な事を防ぐ為の布石なんですよ?」

「え?あ、そうなんですか?」

「エイミア姉、要は魔王軍とドラゴンによって“八つの絶望”ディスペア・オブ・エイトを監視してもらうの。後は私とリル姉で細かな位置を割り出す手筈」

「え?そんな事ができるんですか?」

「「「それを可能かどうか話し合ってる」んです!!」んだろが!」

「す、すいません…」

「じゃあ私は魔王様にお願いしてみます」

「…じゃあ私もアブドラさんに…」

「アブドラさん?」

「はい、堕つる滝フォーレンフォールにいるワイバーンの隊長さんです……あぁ!思い出しました!」

「?」

「アブドラさんから貰ったモノがあったんでした!確か『困った時に吹きなさい』って…」

「え?ま、まさか……それは…!ドラゴンの角笛…!」

「あ、そうです。アブドラさんが自分の角を加工して作ったって」

「あらエイミアは≪竜の絆≫を!?…でしたら大変な戦力になります」

「??…あの…?…≪竜の絆≫って何ですか?」

「≪竜の絆≫とは……」


「っはあはあ…げほげほ、ぜえぜえ……どうにか…逃げ切った…」

つ、疲れた…。
あまりにもしつこいから、大魔導リッチの頭を蹴って崖に落とした…。

『我が頭は此処ぞ!我が身体よ、早く拾うてくれいい!じゃが放置されるもまた良し!』

…あいつとは関わりたくない…。

「お、サーチ。やっと間抜けな追いかけっこは終わったか?」

い、言い返せない…!

「…もう御免よ…ていうか何してんの?」

「お前がいない間に対策会議」

…すいませんでした…。

「で、対策に関してはメドが立ったんだが…」

「…だが?」

「エイミアのスゲエ特技が発覚した」

エイミアの特技?

「≪竜の絆≫っていうスキルがあってだな…………」

「あってだな……で?」

「………ヴィー、出番」

お前もわからないんかよ!
さっきまでの偉そうな態度は何だよ!

「っ…何故私が引っ張り出される事に?」

「リルの無知」

「あ、成る程…≪竜の絆≫の事ですね?」

「そうなの。教えてもらえる?」

そう言われたヴィーは、突然手を合わせて乙女モードに移行した。

「ある島で、両想いのドラゴンと人間の少女がいました」

…はい?

「しかし2人は別々に生きる事になり…その時ドラゴンは、自分の角を追って渡しました。そして『もし僕の助けが必要な時は角笛を』」
「ちょっと待って待て待てチョイ待ち!!そこから先はいろいろとマズいから!」

「え?あ…すいません、違う話に逸れてましたね…あー恥ずかしい」

赤くなった顔を両手でパタパタしながら、ヴィーは話を切り替えた。
…こういう仕草が絵になるのっていいなあ…。

「ドラゴンは自分達以外の異種族に信頼を寄せる事は、まずありません」

「…でしょうね。元々排他的な種族だし」

「その代わりに一度信頼できると認めた相手には、種族をあげて・・・・・・とことん好意的になってきます。その証として身体の一部を渡す習慣があるんですが…角を渡されたということは、最上位の信頼ですね」

「ちょっと待って。とことん好意的になるって下りの前に、『種族をあげて』って聞こえたんだけど…」

「言った通りです。ドラゴンは種族間の絆が非常に強固です。ですから一匹のドラゴンが寄せた信頼と好意は、種族全体からの信頼と好意と同じなんです」

それって…スゴいことよね?

「ですから信頼された相手には≪竜の絆≫というスキルが発生します。効果はドラゴンからの無制限の支援です」

「…つまり…エイミアからの頼みを断わるドラゴンは…」

「あり得ません」

…下手にエイミアに危害を加えようものなら、ドラゴンの団体さんの集中ブレスが降ってくるわけか。

「その≪竜の絆≫のスイッチとなる道具が、エイミアが貰った竜の角笛なのです」

「…だったらここでは吹かないほうがいいわね」

「え?何故ですか?」

「だって…大魔導リッチも元ドラゴンじゃない」

「あ…竜人ドラゴノイドでしたね」

ぶおおおおお~♪

「「あ…」」

…今の音って…。

『何と!お主は≪竜の絆≫の持ち主であったか!我が力、存分に使うと良いぞ!』

「きいあああああああああああ!!骸骨が!骸骨が迫ってきますうううっ!」

…今度はエイミアと変態骸骨との追いかけっこになった。

「…猫とネズミのケンカよね…」

あの有名なアニメの、だけど。
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