281 / 357
第十四章 シリアスにDなんだぜ!
第二十話 なぜかまたダンジョン巡りになりそうな予感…またまたエイミアのスキル開眼…ですよね…
しおりを挟む
「…つまり…“八つの絶望”のどれかに現れると?」
『そういう事じゃな』
「…このひっろい世界のあちこちに点在する“八つの絶望”をまた巡れと?」
『そういう事じゃな』
ウソでしょおおおおおおおおっ!?
『良いではないか。汚泥内海は、その限りではないぬおうっ!?』
「あんたの言い方は何かムカつくのよ!!」
『無体な真似をするでないわ!それを八つ当たりというのじゃ!』
「んなことは百も承知よ!けど大魔導であるあんたは、どうせ不死身なんでしょ!?」
『む?…まあ余程は消滅することは無いな』
「だったら私に八つ当たられなさいよっ!!」
『何故そうなる!!…ぎゃあ!待て!待つのじゃあ!いくら我とてミスリルで攻撃されれば致命的じゃ!止めぬかあああ!』
「腕の1本や2本すぐ再生するでしょ!大人しく八つ当たらせろおお!」
『う、腕の1本や2本!?じょ、女性に千切られるならば本望…』
う゛っ!
「い、いやああああっ!ヘンタイのスイッチが入ったあああ!」
『待て!待たぬか!腕の1本とは言わず、足もあばらも背骨もある!人体には200以上の骨があるのじゃぞおお!』
「きゃあああっ!誰か助けてえええっ!」
「…サーチが馬鹿やってる間に対策を考えるか」
「そうですね…リジー、あなたの呪いセンサーには七冠の魔狼は反映されますか?」
「…半径10kmはカバーできる。七冠の魔狼かどうか特定できるかは不透明」
「半径10kmでしたら十分です。エイミア、あなたの意思伝達能力はドラゴンのみが対象ですか?」
「あ、はい。今のところは。堕つる滝には親しくしているワイバーンもいますよ」
「親しいワイバーンは有難いですね。リルの鼻は広範囲の探知は可能ですか?」
「…風向きによるな……ははぁ、ヴィーの考えてることがわかってきたぞ。ドラゴンとソレイユの力を借りるんだな?」
「あ、リルにはわかりましたか?そうです。魔王様には私からお願いして軍勢を動かしていただきます。あとはエイミアの伝を頼ってドラゴンの力を借ります」
「え?七冠の魔狼と戦うんですか?」
「………あなたは話を聞いていなかったのですか?七冠の魔狼と戦うなんて無謀な事を防ぐ為の布石なんですよ?」
「え?あ、そうなんですか?」
「エイミア姉、要は魔王軍とドラゴンによって“八つの絶望”を監視してもらうの。後は私とリル姉で細かな位置を割り出す手筈」
「え?そんな事ができるんですか?」
「「「それを可能かどうか話し合ってる」んです!!」んだろが!」
「す、すいません…」
「じゃあ私は魔王様にお願いしてみます」
「…じゃあ私もアブドラさんに…」
「アブドラさん?」
「はい、堕つる滝にいるワイバーンの隊長さんです……あぁ!思い出しました!」
「?」
「アブドラさんから貰ったモノがあったんでした!確か『困った時に吹きなさい』って…」
「え?ま、まさか……それは…!ドラゴンの角笛…!」
「あ、そうです。アブドラさんが自分の角を加工して作ったって」
「あらエイミアは≪竜の絆≫を!?…でしたら大変な戦力になります」
「??…あの…?…≪竜の絆≫って何ですか?」
「≪竜の絆≫とは……」
「っはあはあ…げほげほ、ぜえぜえ……どうにか…逃げ切った…」
つ、疲れた…。
あまりにもしつこいから、大魔導の頭を蹴って崖に落とした…。
『我が頭は此処ぞ!我が身体よ、早く拾うてくれいい!じゃが放置されるもまた良し!』
…あいつとは関わりたくない…。
「お、サーチ。やっと間抜けな追いかけっこは終わったか?」
い、言い返せない…!
「…もう御免よ…ていうか何してんの?」
「お前がいない間に対策会議」
…すいませんでした…。
「で、対策に関してはメドが立ったんだが…」
「…だが?」
「エイミアのスゲエ特技が発覚した」
エイミアの特技?
「≪竜の絆≫っていうスキルがあってだな…………」
「あってだな……で?」
「………ヴィー、出番」
お前もわからないんかよ!
さっきまでの偉そうな態度は何だよ!
「っ…何故私が引っ張り出される事に?」
「リルの無知」
「あ、成る程…≪竜の絆≫の事ですね?」
「そうなの。教えてもらえる?」
そう言われたヴィーは、突然手を合わせて乙女モードに移行した。
「ある島で、両想いのドラゴンと人間の少女がいました」
…はい?
「しかし2人は別々に生きる事になり…その時ドラゴンは、自分の角を追って渡しました。そして『もし僕の助けが必要な時は角笛を』」
「ちょっと待って待て待てチョイ待ち!!そこから先はいろいろとマズいから!」
「え?あ…すいません、違う話に逸れてましたね…あー恥ずかしい」
赤くなった顔を両手でパタパタしながら、ヴィーは話を切り替えた。
…こういう仕草が絵になるのっていいなあ…。
「ドラゴンは自分達以外の異種族に信頼を寄せる事は、まずありません」
「…でしょうね。元々排他的な種族だし」
「その代わりに一度信頼できると認めた相手には、種族をあげてとことん好意的になってきます。その証として身体の一部を渡す習慣があるんですが…角を渡されたということは、最上位の信頼ですね」
「ちょっと待って。とことん好意的になるって下りの前に、『種族をあげて』って聞こえたんだけど…」
「言った通りです。ドラゴンは種族間の絆が非常に強固です。ですから一匹のドラゴンが寄せた信頼と好意は、種族全体からの信頼と好意と同じなんです」
それって…スゴいことよね?
「ですから信頼された相手には≪竜の絆≫というスキルが発生します。効果はドラゴンからの無制限の支援です」
「…つまり…エイミアからの頼みを断わるドラゴンは…」
「あり得ません」
…下手にエイミアに危害を加えようものなら、ドラゴンの団体さんの集中ブレスが降ってくるわけか。
「その≪竜の絆≫のスイッチとなる道具が、エイミアが貰った竜の角笛なのです」
「…だったらここでは吹かないほうがいいわね」
「え?何故ですか?」
「だって…大魔導も元ドラゴンじゃない」
「あ…竜人でしたね」
ぶおおおおお~♪
「「あ…」」
…今の音って…。
『何と!お主は≪竜の絆≫の持ち主であったか!我が力、存分に使うと良いぞ!』
「きいあああああああああああ!!骸骨が!骸骨が迫ってきますうううっ!」
…今度はエイミアと変態骸骨との追いかけっこになった。
「…猫とネズミのケンカよね…」
あの有名なアニメの、だけど。
『そういう事じゃな』
「…このひっろい世界のあちこちに点在する“八つの絶望”をまた巡れと?」
『そういう事じゃな』
ウソでしょおおおおおおおおっ!?
『良いではないか。汚泥内海は、その限りではないぬおうっ!?』
「あんたの言い方は何かムカつくのよ!!」
『無体な真似をするでないわ!それを八つ当たりというのじゃ!』
「んなことは百も承知よ!けど大魔導であるあんたは、どうせ不死身なんでしょ!?」
『む?…まあ余程は消滅することは無いな』
「だったら私に八つ当たられなさいよっ!!」
『何故そうなる!!…ぎゃあ!待て!待つのじゃあ!いくら我とてミスリルで攻撃されれば致命的じゃ!止めぬかあああ!』
「腕の1本や2本すぐ再生するでしょ!大人しく八つ当たらせろおお!」
『う、腕の1本や2本!?じょ、女性に千切られるならば本望…』
う゛っ!
「い、いやああああっ!ヘンタイのスイッチが入ったあああ!」
『待て!待たぬか!腕の1本とは言わず、足もあばらも背骨もある!人体には200以上の骨があるのじゃぞおお!』
「きゃあああっ!誰か助けてえええっ!」
「…サーチが馬鹿やってる間に対策を考えるか」
「そうですね…リジー、あなたの呪いセンサーには七冠の魔狼は反映されますか?」
「…半径10kmはカバーできる。七冠の魔狼かどうか特定できるかは不透明」
「半径10kmでしたら十分です。エイミア、あなたの意思伝達能力はドラゴンのみが対象ですか?」
「あ、はい。今のところは。堕つる滝には親しくしているワイバーンもいますよ」
「親しいワイバーンは有難いですね。リルの鼻は広範囲の探知は可能ですか?」
「…風向きによるな……ははぁ、ヴィーの考えてることがわかってきたぞ。ドラゴンとソレイユの力を借りるんだな?」
「あ、リルにはわかりましたか?そうです。魔王様には私からお願いして軍勢を動かしていただきます。あとはエイミアの伝を頼ってドラゴンの力を借ります」
「え?七冠の魔狼と戦うんですか?」
「………あなたは話を聞いていなかったのですか?七冠の魔狼と戦うなんて無謀な事を防ぐ為の布石なんですよ?」
「え?あ、そうなんですか?」
「エイミア姉、要は魔王軍とドラゴンによって“八つの絶望”を監視してもらうの。後は私とリル姉で細かな位置を割り出す手筈」
「え?そんな事ができるんですか?」
「「「それを可能かどうか話し合ってる」んです!!」んだろが!」
「す、すいません…」
「じゃあ私は魔王様にお願いしてみます」
「…じゃあ私もアブドラさんに…」
「アブドラさん?」
「はい、堕つる滝にいるワイバーンの隊長さんです……あぁ!思い出しました!」
「?」
「アブドラさんから貰ったモノがあったんでした!確か『困った時に吹きなさい』って…」
「え?ま、まさか……それは…!ドラゴンの角笛…!」
「あ、そうです。アブドラさんが自分の角を加工して作ったって」
「あらエイミアは≪竜の絆≫を!?…でしたら大変な戦力になります」
「??…あの…?…≪竜の絆≫って何ですか?」
「≪竜の絆≫とは……」
「っはあはあ…げほげほ、ぜえぜえ……どうにか…逃げ切った…」
つ、疲れた…。
あまりにもしつこいから、大魔導の頭を蹴って崖に落とした…。
『我が頭は此処ぞ!我が身体よ、早く拾うてくれいい!じゃが放置されるもまた良し!』
…あいつとは関わりたくない…。
「お、サーチ。やっと間抜けな追いかけっこは終わったか?」
い、言い返せない…!
「…もう御免よ…ていうか何してんの?」
「お前がいない間に対策会議」
…すいませんでした…。
「で、対策に関してはメドが立ったんだが…」
「…だが?」
「エイミアのスゲエ特技が発覚した」
エイミアの特技?
「≪竜の絆≫っていうスキルがあってだな…………」
「あってだな……で?」
「………ヴィー、出番」
お前もわからないんかよ!
さっきまでの偉そうな態度は何だよ!
「っ…何故私が引っ張り出される事に?」
「リルの無知」
「あ、成る程…≪竜の絆≫の事ですね?」
「そうなの。教えてもらえる?」
そう言われたヴィーは、突然手を合わせて乙女モードに移行した。
「ある島で、両想いのドラゴンと人間の少女がいました」
…はい?
「しかし2人は別々に生きる事になり…その時ドラゴンは、自分の角を追って渡しました。そして『もし僕の助けが必要な時は角笛を』」
「ちょっと待って待て待てチョイ待ち!!そこから先はいろいろとマズいから!」
「え?あ…すいません、違う話に逸れてましたね…あー恥ずかしい」
赤くなった顔を両手でパタパタしながら、ヴィーは話を切り替えた。
…こういう仕草が絵になるのっていいなあ…。
「ドラゴンは自分達以外の異種族に信頼を寄せる事は、まずありません」
「…でしょうね。元々排他的な種族だし」
「その代わりに一度信頼できると認めた相手には、種族をあげてとことん好意的になってきます。その証として身体の一部を渡す習慣があるんですが…角を渡されたということは、最上位の信頼ですね」
「ちょっと待って。とことん好意的になるって下りの前に、『種族をあげて』って聞こえたんだけど…」
「言った通りです。ドラゴンは種族間の絆が非常に強固です。ですから一匹のドラゴンが寄せた信頼と好意は、種族全体からの信頼と好意と同じなんです」
それって…スゴいことよね?
「ですから信頼された相手には≪竜の絆≫というスキルが発生します。効果はドラゴンからの無制限の支援です」
「…つまり…エイミアからの頼みを断わるドラゴンは…」
「あり得ません」
…下手にエイミアに危害を加えようものなら、ドラゴンの団体さんの集中ブレスが降ってくるわけか。
「その≪竜の絆≫のスイッチとなる道具が、エイミアが貰った竜の角笛なのです」
「…だったらここでは吹かないほうがいいわね」
「え?何故ですか?」
「だって…大魔導も元ドラゴンじゃない」
「あ…竜人でしたね」
ぶおおおおお~♪
「「あ…」」
…今の音って…。
『何と!お主は≪竜の絆≫の持ち主であったか!我が力、存分に使うと良いぞ!』
「きいあああああああああああ!!骸骨が!骸骨が迫ってきますうううっ!」
…今度はエイミアと変態骸骨との追いかけっこになった。
「…猫とネズミのケンカよね…」
あの有名なアニメの、だけど。
0
お気に入りに追加
192
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。
お父様、ざまあの時間です
佐崎咲
恋愛
義母と義姉に虐げられてきた私、ユミリア=ミストーク。
父は義母と義姉の所業を知っていながら放置。
ねえ。どう考えても不貞を働いたお父様が一番悪くない?
義母と義姉は置いといて、とにかくお父様、おまえだ!
私が幼い頃からあたためてきた『ざまあ』、今こそ発動してやんよ!
※無断転載・複写はお断りいたします。
連帯責任って知ってる?
よもぎ
ファンタジー
第一王子は本来の婚約者とは別の令嬢を愛し、彼女と結ばれんとしてとある夜会で婚約破棄を宣言した。その宣言は大騒動となり、王子は王子宮へ謹慎の身となる。そんな彼に同じ乳母に育てられた、乳母の本来の娘が訪ねてきて――
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
【完結】今更告白されても困ります!
夜船 紡
恋愛
少女は生まれてまもなく王子の婚約者として選ばれた。
いつかはこの国の王妃として生きるはずだった。
しかし、王子はとある伯爵令嬢に一目惚れ。
婚約を白紙に戻したいと申し出る。
少女は「わかりました」と受け入れた。
しかし、家に帰ると父は激怒して彼女を殺してしまったのだ。
そんな中で彼女は願う。
ーーもし、生まれ変われるのならば、柵のない平民に生まれたい。もし叶うのならば、今度は自由に・・・
その願いは聞き届けられ、少女は平民の娘ジェンヌとなった。
しかし、貴族に生まれ変わった王子に見つかり求愛される。
「君を失って、ようやく自分の本当の気持ちがわかった。それで、追いかけてきたんだ」
夫が正室の子である妹と浮気していただけで、なんで私が悪者みたいに言われないといけないんですか?
ヘロディア
恋愛
側室の子である主人公は、正室の子である妹に比べ、あまり愛情を受けられなかったまま、高い身分の貴族の男性に嫁がされた。
妹はプライドが高く、自分を見下してばかりだった。
そこで夫を愛することに決めた矢先、夫の浮気現場に立ち会ってしまう。そしてその相手は他ならぬ妹であった…
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる