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第十一章 運搬作業でCまでダウン?
第七話 リルが水攻め!湯攻め!最後は…「…意外といいかも…」…ですよね…
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「ちょっと…!傷痕になったらどうしてくれるのよ…!」
湖の周辺を散策しながら、私はリルに文句を言った。
私の剥き出しの背中には、キレイな爪の引っ掻き傷がついている。
水面に背中を映して確認中だけど…めっちゃ目立つよね!?
「やかましいわ!私の心に散々傷痕残してるヤツが言うセリフかっ!」
「はあっ!?あんたのがさつな鉄製の心に傷がつくはずないでしょ!?」
「がさつだあっ!?お前みたいな露出狂のほうがよっぽどがさつだろうが!普段から風雨に肌晒してても平気な割には、それっぽっちの傷でギャアギャア騒ぐんだな!」
「はああっ!?普段から胸が小さいだの貧乳だの真っ平らだの洗濯板だのギャアギャア騒ぐあんただけには言われたくないわよっ!」
「小さい…!貧乳…!真っ平ら…!洗濯板…!……マジでぶち殺す!|≪獣装≫《アーマード》!」
「え!?リル姉落ち着いて!」
「はん!猫になったぐらいで私に勝てるつもり?…たっぷり躾してあげるわよ…|≪偽物≫《イミテーション》」
「え、両手盾!?…サーチそれは危ないですよ!」
「アニャアアアアアアアッッッ!!」
「…来なさい…叩きのめしてあげる」
「エイミア姉逃げよう!」
「で、でもこれで被害が出たら…!多額の弁償が…!」
ぴくっ。
弁償…?
…周りには建物も多いし…。
人も…いっぱいいる。
最近出費がかさんでるから…財政難になりつつある…。
…パーティ破産しかねない…!
「ニアアアアアッッ!!」
考え事してる間にリルが迫ってた!とりあえず攻撃を受ける。
ガギィッ!
ピシッピシピシ…
たった一撃でミスリル製の盾にヒビいれますか…!凄まじい一撃ね。
「けど!攻撃に特化しすぎて防御が甘い!」
ぐりんっ!
「ニャッ!?」
私は盾でリルの一撃を捌き、態勢を崩させる。
「せいやああああっ!」
どごっ!
「ふぎゃあっ!」
崩れたリルのお尻に渾身のハイキックを叩きこみ。
がしぃ
「飛んでけええええっ!っ!!」
お尻を押さえて涙ぐむリルの足をつかんで、一本背負いモドキでぶん投げた。
「アニャアアアアアアアァァァァァァァァ……」
…どぼーん…
…リルは背後に広がる湖に落っこちた。
「ふう…」
「サ、サーチ?」
「エイミアありがとう!おかげで冷静になれたわ」
あれが無かったら、リルと際限なく大暴れしてたわね…。
「よ、良かったあ…破産したらどうしようって…」
「エイミアのおかげで何とか回避できたわ。今度から気をつけるわ…」
「…それよりリル姉が…」
あ。
「あ、足がつかないニャッ!!足がつかないニャッ!!誰か!誰か助けてニャ~!!助けてニャごぼ!…がぼがぼ…ぶくぶく…」
ボコボコ…………ぶく
あ、沈んだ。やばい。
…私は急いで湖に飛び込んだ。
「リル!しっかりして下さい!リル!」
「…ごぼ…ああ…死んだ婆様が私の前を泳いでる…」
リル、あんたのお婆さんまだ生きてるはずよね?
「……婆様……脂がのってる…じゅるり」
婆様を食うなよ。
「サーチ姉、エイミア姉ちょっと下がって」
リジーはバケツ一杯の水を持って立っていた。溺れた人を水ぶっかけて起こすのは可哀想な気がする。
「いくよー」
ばしゃあ
「ぎにゃああああああああああっっっ!!!」
な、何かスゴい勢いで飛び起きたわね。
「あっち!あち!あち!あっちいいいっ!」
…どぼーん…
へ!?リルが自分で湖へ!?
「リジー、あんた何をかけたの?」
「んー…水だと思ってたけど…?」
『誰だああ!沸かしたばっかりのお湯を持っていったヤツはああっ!!』
近くの家から怒鳴り声が聞こえてくるんだけど…まさか。
「…てへ☆」
…てへ☆じゃないわよ…。
「サーチ!またリルが!」
「足がつかないニャ!!足がつかないニャ!!熱かったり溺れたり散々ニャアアアアアァァァ…ぶくぶく」
ああもう!また沈んでいったじゃない!
また助けないと!
なかなかの火傷を負ったリルは治療所へ行った。
「責任とってリジーがちゃんと付き添ってね」
「元々はサーチ姉が原因じゃ」
「私はお湯ぶっかけてないわよ!」
「…はい」
私は半泣き…いや、もうマジ泣きか…のリルに向き直って。
「何かホントにごめんなさい…」
謝った。
「いや、お互いに大人げなかったしな…」
「え?リルよりはマシだったと思うけど…」
「は?サーチよりは私のほうが…」
「「………」」
「…近いうちに誰もいない場所で」
「…そうだな…砂漠なら周りの被害の心配もねえしな」
「「はははは…」」
…なぜかエイミアが半泣きで逃げてったのは何でだろう…。
リルが治療中は暇なので、エイミアと街をブラブラしていた。
ちょうど旅館や民宿が建ち並ぶ区域に入ったので。
「エイミア、どこに泊まりたい?」
と聞いたら。
「!?…お城じゃないんですか!?」
「…………城がいいの?」
なんで?
「サーチはイヤなんですか!?お城ですよお城!一生に1回泊まれるかどうかですよ!?」
…だって。
「…露天風呂ないし」
「あ…!そうですね…」
お城みたいなVIP専用の場所に「どうぞ狙って下さい!」的な露天風呂なんかあるわけがない。
「それに滞在する間さ、ずっっとついてくるのよ…侍女さんが」
鬱陶しいったらありゃしない。
「あ~…慣れないとキツいでしょうね」
慣れないとって…。
「…経験あるの?」
「サーチ…私が貴族だって忘れてませんか?」
「元でしょ?」
「うぐ…」
あ、しょげた。
「そう言えば…大会のときにエイミアのお父さん残ってたわよね?何でなの?」
私が散々脅したのに。
「………思い出させないでください………」
…何があったの?
「……縁談を」
…なるほど。
今度はそうやって利用するつもりだったのね。
「…相手はアプロース公爵の?」
…エイミアがめっちゃ嫌そうな顔をしたので…当たりだったんだと思う。
…一応ロザンナさんに露天風呂の所在を聞いてみたところ。
「…城に露天風呂ですか?似たような物でしたらありますよ」
「あるの!?」
エイミアにムリヤリ連れてこられたけど大正解だった!
ついエイミアの手を掴んで小踊りしてしまった。
「あの…?」
「あ…な、何でもないです!…どんな露天風呂なんですか?」
それを聞いて、ロザンナさんはニヤリとした。な、何事…?
「…あなた方が思い描いてる露天風呂とは少し違いますよ?」
…はい?
…なるほど。
確かに普通の露天風呂とは違うわね…。
あー気持ちいい。
「お、おい…サーチ?」
「え、エイミア姉…?」
治療を終えて城にやってきたリル達は…私とエイミアを見て唖然としていた。
「リルとリジーもどうですか?見た目よりも全然気持ちいいですよ」
顔を上気させたエイミアがリル達を誘う。最初はあんなに嫌がってたのに…今は完全にハマってるな。
「いや、それよりも…」
「サーチ姉もエイミア姉も」
「「何で埋まってるの?」」
そう。
日本ではお馴染みであろう、湯に浸からない露天風呂…砂風呂だ。
ここの砂風呂は温泉ではなく砂漠の熱を利用したものらしい。細部は魔術でコントロールしてるそうだけど…それだけに絶妙な砂加減だ。
「マジで気持ちいいわよ~…あんた達も入り…違うな、埋まりなさいよ」
「…わかった」
リジーは恐る恐る横になった。
「…わかったよ…私もやってみるけどよ…」
…けど?
「…今日は水にぶち込まれて湯をかけられ…最後は砂か…」
リルはそう呟いて横になった。
ぶちぶち言ってたわりにエイミア同様ハマったのは言う間でもない。
湖の周辺を散策しながら、私はリルに文句を言った。
私の剥き出しの背中には、キレイな爪の引っ掻き傷がついている。
水面に背中を映して確認中だけど…めっちゃ目立つよね!?
「やかましいわ!私の心に散々傷痕残してるヤツが言うセリフかっ!」
「はあっ!?あんたのがさつな鉄製の心に傷がつくはずないでしょ!?」
「がさつだあっ!?お前みたいな露出狂のほうがよっぽどがさつだろうが!普段から風雨に肌晒してても平気な割には、それっぽっちの傷でギャアギャア騒ぐんだな!」
「はああっ!?普段から胸が小さいだの貧乳だの真っ平らだの洗濯板だのギャアギャア騒ぐあんただけには言われたくないわよっ!」
「小さい…!貧乳…!真っ平ら…!洗濯板…!……マジでぶち殺す!|≪獣装≫《アーマード》!」
「え!?リル姉落ち着いて!」
「はん!猫になったぐらいで私に勝てるつもり?…たっぷり躾してあげるわよ…|≪偽物≫《イミテーション》」
「え、両手盾!?…サーチそれは危ないですよ!」
「アニャアアアアアアアッッッ!!」
「…来なさい…叩きのめしてあげる」
「エイミア姉逃げよう!」
「で、でもこれで被害が出たら…!多額の弁償が…!」
ぴくっ。
弁償…?
…周りには建物も多いし…。
人も…いっぱいいる。
最近出費がかさんでるから…財政難になりつつある…。
…パーティ破産しかねない…!
「ニアアアアアッッ!!」
考え事してる間にリルが迫ってた!とりあえず攻撃を受ける。
ガギィッ!
ピシッピシピシ…
たった一撃でミスリル製の盾にヒビいれますか…!凄まじい一撃ね。
「けど!攻撃に特化しすぎて防御が甘い!」
ぐりんっ!
「ニャッ!?」
私は盾でリルの一撃を捌き、態勢を崩させる。
「せいやああああっ!」
どごっ!
「ふぎゃあっ!」
崩れたリルのお尻に渾身のハイキックを叩きこみ。
がしぃ
「飛んでけええええっ!っ!!」
お尻を押さえて涙ぐむリルの足をつかんで、一本背負いモドキでぶん投げた。
「アニャアアアアアアアァァァァァァァァ……」
…どぼーん…
…リルは背後に広がる湖に落っこちた。
「ふう…」
「サ、サーチ?」
「エイミアありがとう!おかげで冷静になれたわ」
あれが無かったら、リルと際限なく大暴れしてたわね…。
「よ、良かったあ…破産したらどうしようって…」
「エイミアのおかげで何とか回避できたわ。今度から気をつけるわ…」
「…それよりリル姉が…」
あ。
「あ、足がつかないニャッ!!足がつかないニャッ!!誰か!誰か助けてニャ~!!助けてニャごぼ!…がぼがぼ…ぶくぶく…」
ボコボコ…………ぶく
あ、沈んだ。やばい。
…私は急いで湖に飛び込んだ。
「リル!しっかりして下さい!リル!」
「…ごぼ…ああ…死んだ婆様が私の前を泳いでる…」
リル、あんたのお婆さんまだ生きてるはずよね?
「……婆様……脂がのってる…じゅるり」
婆様を食うなよ。
「サーチ姉、エイミア姉ちょっと下がって」
リジーはバケツ一杯の水を持って立っていた。溺れた人を水ぶっかけて起こすのは可哀想な気がする。
「いくよー」
ばしゃあ
「ぎにゃああああああああああっっっ!!!」
な、何かスゴい勢いで飛び起きたわね。
「あっち!あち!あち!あっちいいいっ!」
…どぼーん…
へ!?リルが自分で湖へ!?
「リジー、あんた何をかけたの?」
「んー…水だと思ってたけど…?」
『誰だああ!沸かしたばっかりのお湯を持っていったヤツはああっ!!』
近くの家から怒鳴り声が聞こえてくるんだけど…まさか。
「…てへ☆」
…てへ☆じゃないわよ…。
「サーチ!またリルが!」
「足がつかないニャ!!足がつかないニャ!!熱かったり溺れたり散々ニャアアアアアァァァ…ぶくぶく」
ああもう!また沈んでいったじゃない!
また助けないと!
なかなかの火傷を負ったリルは治療所へ行った。
「責任とってリジーがちゃんと付き添ってね」
「元々はサーチ姉が原因じゃ」
「私はお湯ぶっかけてないわよ!」
「…はい」
私は半泣き…いや、もうマジ泣きか…のリルに向き直って。
「何かホントにごめんなさい…」
謝った。
「いや、お互いに大人げなかったしな…」
「え?リルよりはマシだったと思うけど…」
「は?サーチよりは私のほうが…」
「「………」」
「…近いうちに誰もいない場所で」
「…そうだな…砂漠なら周りの被害の心配もねえしな」
「「はははは…」」
…なぜかエイミアが半泣きで逃げてったのは何でだろう…。
リルが治療中は暇なので、エイミアと街をブラブラしていた。
ちょうど旅館や民宿が建ち並ぶ区域に入ったので。
「エイミア、どこに泊まりたい?」
と聞いたら。
「!?…お城じゃないんですか!?」
「…………城がいいの?」
なんで?
「サーチはイヤなんですか!?お城ですよお城!一生に1回泊まれるかどうかですよ!?」
…だって。
「…露天風呂ないし」
「あ…!そうですね…」
お城みたいなVIP専用の場所に「どうぞ狙って下さい!」的な露天風呂なんかあるわけがない。
「それに滞在する間さ、ずっっとついてくるのよ…侍女さんが」
鬱陶しいったらありゃしない。
「あ~…慣れないとキツいでしょうね」
慣れないとって…。
「…経験あるの?」
「サーチ…私が貴族だって忘れてませんか?」
「元でしょ?」
「うぐ…」
あ、しょげた。
「そう言えば…大会のときにエイミアのお父さん残ってたわよね?何でなの?」
私が散々脅したのに。
「………思い出させないでください………」
…何があったの?
「……縁談を」
…なるほど。
今度はそうやって利用するつもりだったのね。
「…相手はアプロース公爵の?」
…エイミアがめっちゃ嫌そうな顔をしたので…当たりだったんだと思う。
…一応ロザンナさんに露天風呂の所在を聞いてみたところ。
「…城に露天風呂ですか?似たような物でしたらありますよ」
「あるの!?」
エイミアにムリヤリ連れてこられたけど大正解だった!
ついエイミアの手を掴んで小踊りしてしまった。
「あの…?」
「あ…な、何でもないです!…どんな露天風呂なんですか?」
それを聞いて、ロザンナさんはニヤリとした。な、何事…?
「…あなた方が思い描いてる露天風呂とは少し違いますよ?」
…はい?
…なるほど。
確かに普通の露天風呂とは違うわね…。
あー気持ちいい。
「お、おい…サーチ?」
「え、エイミア姉…?」
治療を終えて城にやってきたリル達は…私とエイミアを見て唖然としていた。
「リルとリジーもどうですか?見た目よりも全然気持ちいいですよ」
顔を上気させたエイミアがリル達を誘う。最初はあんなに嫌がってたのに…今は完全にハマってるな。
「いや、それよりも…」
「サーチ姉もエイミア姉も」
「「何で埋まってるの?」」
そう。
日本ではお馴染みであろう、湯に浸からない露天風呂…砂風呂だ。
ここの砂風呂は温泉ではなく砂漠の熱を利用したものらしい。細部は魔術でコントロールしてるそうだけど…それだけに絶妙な砂加減だ。
「マジで気持ちいいわよ~…あんた達も入り…違うな、埋まりなさいよ」
「…わかった」
リジーは恐る恐る横になった。
「…わかったよ…私もやってみるけどよ…」
…けど?
「…今日は水にぶち込まれて湯をかけられ…最後は砂か…」
リルはそう呟いて横になった。
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