186 / 357
第十一章 運搬作業でCまでダウン?
第四話 ハーティア新公国について説明回…なんですよね………奇襲付きかよ!
しおりを挟む
ハーティア新公国。
帝国の東側に位置する新興国である。
領土は日本で例えると北海道に四国をくっつけたくらい。この世界の国としては比較的小さい方だ。
ただ、領土の9割以上が竜骨砂漠にであるため、人口は国の規模にしては少ない。
「竜骨砂漠って?」
「砂が真っ白な砂漠。別名竜の墓場って言われててさ、砂自体が竜の骨が風化したものだ…って伝説があるのよ」
もちろんそんなわけないけどね。所謂都市伝説だろう。
「真っ白な砂漠だから照り返しもハンパない、おまけに火山が点在しててマグマを吐き出しまくってるから…動物はおろか虫すらいない死の砂漠」
当然人間が生活できるわけがない。
「そこに唯一存在したオアシスが発展してハーティア旧公国が成立したのよ」
「ちょっと待て。旧?」
「そこからは私が説明しましょう」
外を眺めていたロザンナさんが話を引き継いだ。
「砂漠周辺を荒らし回っていた盗賊がオアシスに拠点を置いたのがハーティア旧公国の始まりです。帝国からハーティア国公爵の地位を与えられて今の国名になりました」
つまり帝国の属国だったわけだ。
「成立したての頃は悲惨な状態だったようです。国公自身が元盗賊という国ですから犯罪のるつぼと化していました」
国公自ら近隣の村から女性を連れ去ってはハーレムを形成してたらしい。最低だな。
「しかしそんな状態で国が保たれるはずもなく…初代国公は己が築いたハーレムの女性達に殺され、あっけなく滅びます」
あっけなさすぎでしょ…。
「その後ハーレムの女性達がハーティア旧公国を再平定し…」
すげえなハーレム構成員!!
「彼女達の努力によって治安が回復し、国力も上昇し…現在へ至ります」
「…だからハーティア新公国なのね…」
「そういうことです…私は新公国となってから3代目の国公にあたります」
その3代目国公様は、もう1回深い深ーいため息を吐いた。
「ただし…新公国には困った風潮がありまして…」
…なるほど…そういうことか…。
「国の成り立ちが成り立ちなだけに…男性軽視が色濃いんでしょ?」
「…サーチさんはなかなか優秀な方ですね。その通りです」
ロザンナさんの話を聞くと…男の人がよく住んでたなあ、と言えるくらいヒドい。
例その1…国の要職は100%女性。
例その2…男性への課税は女性の2倍。
例その3…男性からの求婚は禁止。ちなみに一妻多夫制。
例その4…この世界では珍しく奴隷あり。ただし男性限定。相当ヒドい扱いらしい。
…エトセトラエトセトラ。
聞いていたエイミアとリルは完全にドン引き。
外でズゥン!ズゥン!とスキップしているリジーには当然聞こえていない。
「…2代の国公は更にエスカレートしてしまい…奴隷以外の男性の居住を禁止したのです…」
「…………男いないんじゃ国そのものが成り立たないんじゃ…」
「その通りです!結婚していた夫婦をムリヤリ別れさせて男のみ追放なんてのはザラ。なかには産まれたばかりの赤ん坊が『男だから』という理由だけで他国へ養子に出される始末」
「…それって別れさせられた奥さんも旦那さんを追っかけていってしまうのでは?…女性も減っちゃうのではないでしょうか?」
ま、普通ならそうなんだけど…。
「…国家として存続してるだけでも奇跡でしょ…どうやって人口増やすつもりなの?」
「『外部から女性だけを引き入れればいい』と…」
バカだ。
「そんな魅力のない国に移住しようなんて、普通なら思わねえぜ」
「ええ、普通なら。ハーティア新公国の過剰なまでの女性優遇政策が、結果として魅力的に感じられているようなので…」
つまり…。
男性に不満を抱く女性や、男性に虐げられてきた女性にとっての受け皿になってるのか…。
「…駆け込み寺みたいなものなのね…」
「かけこみでら?」
「あ…うん。他所の国でね、男から逃げたい女の人が逃げ込む場所があってね…それが駆け込み寺って言うのよ」
厳密に言うとちょっと違うんだけど…まあいいか。
「あー、そういうことか…どこの国にもしつこい男っているもんだしな」
「暴力を振るう男性から逃げてきた人もいるんでしょうね…」
ちょっとちょっと!エイミアもリルもしんみりしないでよ!
「別に解決法は他にもあるんだから。ハーティア新公国が絶対に必要ってわけじゃないからね?」
実際にしつこい男と縁を切りたい女の人がギルドに依頼してくるケースもあるんだし。
「…そうだな」
「…そうですね」
…よくよく考えれば私達が悩むことでもないんだし。
「あの…国公の前で公国の存在意義を論議するのは止めてもらえます?」
あ。忘れてた。
「ごめんなさい……ていうかあなた自身も今の公国に含むところがあるような言い方してなかった?」
「含むところ?ありすぎて困るくらいありますよ」
おーおー…はっきり言ってくれましたよこの人…。
「国公のロザンナさん自身が自分の国に不満?…自分の国だろ?自分で解決すりゃいいじゃねえか」
…リルはロザンナさんの言い様が気に入らないみたい。確かに他人事みたいな言い方だったしね。
「私の…国ではありません…」
はい?
「私は名ばかりの国公…実権は未だに先代の国公が…私の母が握っているのです…」
…黒幕が実の母。
これはめんどくさいことになってきた…。
私達はハーティア新公国まであと2日ほどの場所にあるオアシスで野営することにした。
「う~~…もう走れない~…」
…過重制限で馬車に乗れないリジーがついにダウンしたのだ。
いや、今までよく走ってくれたとは思うけど…。
「サーチ姉…絶対に『血塗れの小手』買ってね?」
「わかってる。約束だからね」
…着く町着く町で呪われアイテムを買わされるのがキツい。
りょ、旅費が…。
「おいサーチ。気づいてるか?」
「…1㎞くらい離れてついてくる馬車のこと?」
「…時期的に見ても…ロザンナさん目当てか?」
「…でしょうね。このオアシスからギリギリ見えない位置で止まったまま動かないみたいだし…」
リルはエイミアを見るが…諦め顔になって。
「………私達だけで何とかしよう」
………そうね。
着くなり水中へダイブしたエイミアには期待しない方がいいわね。
「サーチ!リル!一緒に泳ぎましょうよ~!」
…危機感ってのが無いのか、あの子…。
私達は肩を落としてエイミアの歓声をスルーした。
ザ…ザ…
(…ロザンナは?)
(テント。近衛が囲んでいるやつだ)
(わかった。女の冒険者が増えているが?)
(面倒だ。一緒に始末してしまえ)
(わかっ)
ドスッ
「うぐっ!………」
(どうしたっ!?)
「もう小声じゃなくても大丈夫よ…バレバレだから」
「なっ!?」
「失敗その1。現場で段取りを決めるようなことじゃダメ。小声でも聞き取れる獣人がいる可能性を考えてなかったんじゃない?」
「く…!散れ!」
ガッ!ゴッ!ズガン!
ドサッドサッ
「…!どうした!?」
「失敗その2。後ろから敵が迫ってることに気づかなかった点。奇襲する際は後ろががら空きだってことには留意しないと」
リルが背後から攻撃してくれたのだ。さすが≪猫足≫。
「失敗その3♪」
「うぶっ!」
私は最後の1人の背後をとり…耳元で呟く。
「…私に闇討ちしようなんて100年早いのよ」
「むぐっ!…かは…」
…喉を斬り裂かれた最後の1人は、私を恨めしそうに睨んでから倒れた。
「恨んで死ぬのは勝手だけど」
|≪偽物≫《イミテーション》の針を霧散させながら呟いた。
「…私には届かないわよ」
帝国の東側に位置する新興国である。
領土は日本で例えると北海道に四国をくっつけたくらい。この世界の国としては比較的小さい方だ。
ただ、領土の9割以上が竜骨砂漠にであるため、人口は国の規模にしては少ない。
「竜骨砂漠って?」
「砂が真っ白な砂漠。別名竜の墓場って言われててさ、砂自体が竜の骨が風化したものだ…って伝説があるのよ」
もちろんそんなわけないけどね。所謂都市伝説だろう。
「真っ白な砂漠だから照り返しもハンパない、おまけに火山が点在しててマグマを吐き出しまくってるから…動物はおろか虫すらいない死の砂漠」
当然人間が生活できるわけがない。
「そこに唯一存在したオアシスが発展してハーティア旧公国が成立したのよ」
「ちょっと待て。旧?」
「そこからは私が説明しましょう」
外を眺めていたロザンナさんが話を引き継いだ。
「砂漠周辺を荒らし回っていた盗賊がオアシスに拠点を置いたのがハーティア旧公国の始まりです。帝国からハーティア国公爵の地位を与えられて今の国名になりました」
つまり帝国の属国だったわけだ。
「成立したての頃は悲惨な状態だったようです。国公自身が元盗賊という国ですから犯罪のるつぼと化していました」
国公自ら近隣の村から女性を連れ去ってはハーレムを形成してたらしい。最低だな。
「しかしそんな状態で国が保たれるはずもなく…初代国公は己が築いたハーレムの女性達に殺され、あっけなく滅びます」
あっけなさすぎでしょ…。
「その後ハーレムの女性達がハーティア旧公国を再平定し…」
すげえなハーレム構成員!!
「彼女達の努力によって治安が回復し、国力も上昇し…現在へ至ります」
「…だからハーティア新公国なのね…」
「そういうことです…私は新公国となってから3代目の国公にあたります」
その3代目国公様は、もう1回深い深ーいため息を吐いた。
「ただし…新公国には困った風潮がありまして…」
…なるほど…そういうことか…。
「国の成り立ちが成り立ちなだけに…男性軽視が色濃いんでしょ?」
「…サーチさんはなかなか優秀な方ですね。その通りです」
ロザンナさんの話を聞くと…男の人がよく住んでたなあ、と言えるくらいヒドい。
例その1…国の要職は100%女性。
例その2…男性への課税は女性の2倍。
例その3…男性からの求婚は禁止。ちなみに一妻多夫制。
例その4…この世界では珍しく奴隷あり。ただし男性限定。相当ヒドい扱いらしい。
…エトセトラエトセトラ。
聞いていたエイミアとリルは完全にドン引き。
外でズゥン!ズゥン!とスキップしているリジーには当然聞こえていない。
「…2代の国公は更にエスカレートしてしまい…奴隷以外の男性の居住を禁止したのです…」
「…………男いないんじゃ国そのものが成り立たないんじゃ…」
「その通りです!結婚していた夫婦をムリヤリ別れさせて男のみ追放なんてのはザラ。なかには産まれたばかりの赤ん坊が『男だから』という理由だけで他国へ養子に出される始末」
「…それって別れさせられた奥さんも旦那さんを追っかけていってしまうのでは?…女性も減っちゃうのではないでしょうか?」
ま、普通ならそうなんだけど…。
「…国家として存続してるだけでも奇跡でしょ…どうやって人口増やすつもりなの?」
「『外部から女性だけを引き入れればいい』と…」
バカだ。
「そんな魅力のない国に移住しようなんて、普通なら思わねえぜ」
「ええ、普通なら。ハーティア新公国の過剰なまでの女性優遇政策が、結果として魅力的に感じられているようなので…」
つまり…。
男性に不満を抱く女性や、男性に虐げられてきた女性にとっての受け皿になってるのか…。
「…駆け込み寺みたいなものなのね…」
「かけこみでら?」
「あ…うん。他所の国でね、男から逃げたい女の人が逃げ込む場所があってね…それが駆け込み寺って言うのよ」
厳密に言うとちょっと違うんだけど…まあいいか。
「あー、そういうことか…どこの国にもしつこい男っているもんだしな」
「暴力を振るう男性から逃げてきた人もいるんでしょうね…」
ちょっとちょっと!エイミアもリルもしんみりしないでよ!
「別に解決法は他にもあるんだから。ハーティア新公国が絶対に必要ってわけじゃないからね?」
実際にしつこい男と縁を切りたい女の人がギルドに依頼してくるケースもあるんだし。
「…そうだな」
「…そうですね」
…よくよく考えれば私達が悩むことでもないんだし。
「あの…国公の前で公国の存在意義を論議するのは止めてもらえます?」
あ。忘れてた。
「ごめんなさい……ていうかあなた自身も今の公国に含むところがあるような言い方してなかった?」
「含むところ?ありすぎて困るくらいありますよ」
おーおー…はっきり言ってくれましたよこの人…。
「国公のロザンナさん自身が自分の国に不満?…自分の国だろ?自分で解決すりゃいいじゃねえか」
…リルはロザンナさんの言い様が気に入らないみたい。確かに他人事みたいな言い方だったしね。
「私の…国ではありません…」
はい?
「私は名ばかりの国公…実権は未だに先代の国公が…私の母が握っているのです…」
…黒幕が実の母。
これはめんどくさいことになってきた…。
私達はハーティア新公国まであと2日ほどの場所にあるオアシスで野営することにした。
「う~~…もう走れない~…」
…過重制限で馬車に乗れないリジーがついにダウンしたのだ。
いや、今までよく走ってくれたとは思うけど…。
「サーチ姉…絶対に『血塗れの小手』買ってね?」
「わかってる。約束だからね」
…着く町着く町で呪われアイテムを買わされるのがキツい。
りょ、旅費が…。
「おいサーチ。気づいてるか?」
「…1㎞くらい離れてついてくる馬車のこと?」
「…時期的に見ても…ロザンナさん目当てか?」
「…でしょうね。このオアシスからギリギリ見えない位置で止まったまま動かないみたいだし…」
リルはエイミアを見るが…諦め顔になって。
「………私達だけで何とかしよう」
………そうね。
着くなり水中へダイブしたエイミアには期待しない方がいいわね。
「サーチ!リル!一緒に泳ぎましょうよ~!」
…危機感ってのが無いのか、あの子…。
私達は肩を落としてエイミアの歓声をスルーした。
ザ…ザ…
(…ロザンナは?)
(テント。近衛が囲んでいるやつだ)
(わかった。女の冒険者が増えているが?)
(面倒だ。一緒に始末してしまえ)
(わかっ)
ドスッ
「うぐっ!………」
(どうしたっ!?)
「もう小声じゃなくても大丈夫よ…バレバレだから」
「なっ!?」
「失敗その1。現場で段取りを決めるようなことじゃダメ。小声でも聞き取れる獣人がいる可能性を考えてなかったんじゃない?」
「く…!散れ!」
ガッ!ゴッ!ズガン!
ドサッドサッ
「…!どうした!?」
「失敗その2。後ろから敵が迫ってることに気づかなかった点。奇襲する際は後ろががら空きだってことには留意しないと」
リルが背後から攻撃してくれたのだ。さすが≪猫足≫。
「失敗その3♪」
「うぶっ!」
私は最後の1人の背後をとり…耳元で呟く。
「…私に闇討ちしようなんて100年早いのよ」
「むぐっ!…かは…」
…喉を斬り裂かれた最後の1人は、私を恨めしそうに睨んでから倒れた。
「恨んで死ぬのは勝手だけど」
|≪偽物≫《イミテーション》の針を霧散させながら呟いた。
「…私には届かないわよ」
0
お気に入りに追加
192
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
【完結】番を監禁して早5年、愚かな獣王はようやく運命を知る
紺
恋愛
獣人国の王バレインは明日の婚儀に胸踊らせていた。相手は長年愛し合った美しい獣人の恋人、信頼する家臣たちに祝われながらある女の存在を思い出す。
父が他国より勝手に連れてきた自称"番(つがい)"である少女。
5年間、古びた離れに監禁していた彼女に最後の別れでも伝えようと出向くと、そこには誰よりも美しく成長した番が待ち構えていた。
基本ざまぁ対象目線。ほんのり恋愛。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる