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第九章 大会の賞品はEカップ?
第十三話 リルの様子がおかしいと思ってたら…けっきょくリジーに泣かされちゃうんですよね…
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甘味処の奥の部屋を借りてそこでリルの取り調べ…もとい事情を聞くことにした。
「げっ!?じゃあサーチが私の代わりに試合に出てくれたのか!?」
「そうよ。余すことなくボッコボコにしておいたから安心しなさい」
「余すことなくって……まさか貴族だったりは…」
「そのまさかです…一時期追手が放たれて大変だったんです…」
あらら、リルがムンクの叫び状態に…。
「…貴族至上主義の帝都で何してくれたんだよ…」
「な、何よ!元はと言えばあんたが予選すっぽかすからいけないんじゃない!」
「し、仕方ねえだろ!マーシャンのバカが変な所に置いてくから…」
私はリジーを指差して怒鳴る。
「じゃあなんでリジーは間に合ったのよ!!」
「そういやリジー!お前あれからどこほっつき歩いてたんだ!」
いきなり矛先を向けられたリジーの目が泳ぐ。
「あー…えー…リルを探してた」
「嘘つけええええっ!!私がどんだけ心配して探しまわってたと思ってんだ!」
そういうとリルはリジーの首を左手でロックして右手のグーでグリグリし始めた。
あー…地味に痛いヤツだ。
「いたたたたたたた」
「お前は反省してんのか!?」
「いたたたたたたたたたた!!いったあっ!!」
…なんかリルが「あべしっ」しそうな勢いの叫びね、リジー…。
「リル、ストップよ。ストップ!」
話が進まない!いつものことだけど!
とりあえずリルがクールダウンしたので聴取を…もとい何があったかを聞く。
「…なんか私が犯罪者みたいな扱いじゃねえか?」
「そんなことないわよ~リルが気にしすぎよ~」
「おもいっきり棒読みじゃねえか!」
気のせいよ気のせい。
「それに…!この無意味に用意された電気スタンドとさっき注文してたカツ丼は何なんだよ!!」
ちっ!見てたか。
「まあ、あれよ。『やってみたかった』ってヤツ?」
「犯人役やらされるヤツの気持ちも考えろ!」
…ごもっとも…。
また話が脱線したので戻します。
…肝心な話が脱線するのはうちのパーティの伝統になりつつある。
「で、リル。なんで帝都に向かってるはずのあんたがスパシールにいるわけ?」
「…逆に聞くけどさ、何でお前らもここにいるんだよ?」
「何でって…ねえ?」
せーの。
「「「温泉に入りたいから」」」
リルはガクッとなった。
「そういうことじゃなくてだな…」
「わかってるわよ…私達は一回戦が前半に集中したからさ、二回戦が始まるまで間が空いちゃったのよ」
「…それで温泉か…らしいっちゃらしいな…」
「何言ってんのよ。あんたもその一味でしょうが」
「…違いない」
「さてリル。さっさと白状しなさい」
「わかったよ…私の目的は魔導温泉だ」
魔導温泉?何それ?
「知らねえのか?魔力によって効能を変化させられる魔術形式の温泉だ」
…知らない。聞いたこともない。
もしあるんなら願ったり叶ったりなんだけど…。
エイミアとリジーを見るけど…2人とも首を傾げてるから知らないみたいね。
「私が聞いた限りだと魔術次第でダイエット効果もあるそうだ」
「…誰に聞いたの?」
「私が直接聞いたわけじゃねえよ。魔導温泉を紹介したパンフレットに体験談がいっぱい書いてあったんだ」
…体験談。
「しかもだ!今なら50人限定で『自分が望む効能をセットしてもらえる』っていう特典付きなんだ!」
…特典。
「更にだぜ!今なら特別価格で半額なんだ!半額だぜ!これは入るしかねえだろ!」
…特別価格で半額。
……はああああぁぁぁぁ……。
…先が思いやられるわ…。
「…なんだよ、サーチ」
…こういうのって…信じきってる人を納得させるの大変なのよね…。
「…とりあえず久々の再会なんだからさ。少し飲まない?」
私はリルを酒場に誘う。
「あ、ああ…そうだな。久々だしな。パーッといくか」
「そうこなくっちゃ!リジー、リルを連れて先に入ってて。私はエイミアと少しだけ買い出ししてくるから」
「わかった」
「買い出し…?今じゃなくても」
「いいから行った行った!リジーお願いね」
「リル姉飲み比べ~」
「…?…ああ、わかったよ…」
リルは怪訝な顔をしながら酒場へ入っていった。
「エイミア行くわよ!」
「え?え?買い出しなんて何かありましたっけ?」
「バカ!あんた気がつかなかったの!?」
「はい?…リルが言ってた魔導温泉ですか?すごいですよね!二の腕とかの部分痩せもできるでしょうか?」
……はああああぁぁぁぁ……。
…頭が痛い。
「…どうしたんですか?」
「…リルが言ってたヤツってどう考えてもサギでしょ…」
「え!?えーーー!!」
…頼むわよ、ホントに…。
「…ええ。間違いなく魔導サギですね」
…やっぱり…。
「そ、そんな!?」
エイミアを納得させるために闇ギルドで情報の照会をしてみたんだけど…。
…ビンゴでした。
ていうかずいぶんわかりやすいサギだったわね…。
「あると思ってたのに…!二の腕が痩せる温泉があると思ってたのに…!」
…ピンポイントな温泉ね…。
「…あのねエイミア。そんなに便利な温泉作れる魔術があるんだったら…ぜっったいにソレイユが巨乳温泉作ってるでしょ」
「………確かにそうですね」
一発で納得させられる魔王様の説得力すごい。
「とりあえずどうします?」
「大丈夫よ。すいません、サクッと潰しておいてもらえます?」
私は袋から銀貨を5枚出して依頼する。
「わかりました。サクッと潰しておきます」
「え?え?これで解決するんですか?」
「…こういう犯罪者への対処は闇ギルドに任せたほうが賢明よ」
関わり合いになりたくないしね。
詐欺師とかはめんどくさいヤツ多いから。
「はあ…そういうものですか」
「盗賊みたいに『力』で対処するのは私達冒険者。詐欺師みたいな『賢さ』で対処するのは闇ギルドなのよ。要は畑違いってことね」
「勉強になりました……あ!リ、リルには何て言えばいいんですか!納得させるの大変じゃ…」
「それも大丈夫よ。何のためにリジーを置いてきたと思ってんのよ」
「…はい?」
その頃。
酒場にて。
「…じゃあ!じゃあさ!体験談書いてる人達はどうなるんだよ!」
「嘘に決まってる。本当に効果があるのなら、リル姉を勧誘した人も試してるはず。そこは聞いた?」
「うっ!…でも、『私の望みも叶いました』って言ってたし!」
「具体的に何を?どういう風に?いつどこで?」
「ううっ!…プ、プライベートなことだろうから…」
「体験談もプライベートじゃないの?」
「うううっ!」
「もっと言えば『温泉』に限定してる時点で怪しい。本当にそんな魔術があるなら『飲物』とかにして幅広く売ったほうがもっと効率的で儲かる」
「ううううっ!……うわああああああああん!」
…散々リジーに論破されてリルが泣いていた。
「げっ!?じゃあサーチが私の代わりに試合に出てくれたのか!?」
「そうよ。余すことなくボッコボコにしておいたから安心しなさい」
「余すことなくって……まさか貴族だったりは…」
「そのまさかです…一時期追手が放たれて大変だったんです…」
あらら、リルがムンクの叫び状態に…。
「…貴族至上主義の帝都で何してくれたんだよ…」
「な、何よ!元はと言えばあんたが予選すっぽかすからいけないんじゃない!」
「し、仕方ねえだろ!マーシャンのバカが変な所に置いてくから…」
私はリジーを指差して怒鳴る。
「じゃあなんでリジーは間に合ったのよ!!」
「そういやリジー!お前あれからどこほっつき歩いてたんだ!」
いきなり矛先を向けられたリジーの目が泳ぐ。
「あー…えー…リルを探してた」
「嘘つけええええっ!!私がどんだけ心配して探しまわってたと思ってんだ!」
そういうとリルはリジーの首を左手でロックして右手のグーでグリグリし始めた。
あー…地味に痛いヤツだ。
「いたたたたたたた」
「お前は反省してんのか!?」
「いたたたたたたたたたた!!いったあっ!!」
…なんかリルが「あべしっ」しそうな勢いの叫びね、リジー…。
「リル、ストップよ。ストップ!」
話が進まない!いつものことだけど!
とりあえずリルがクールダウンしたので聴取を…もとい何があったかを聞く。
「…なんか私が犯罪者みたいな扱いじゃねえか?」
「そんなことないわよ~リルが気にしすぎよ~」
「おもいっきり棒読みじゃねえか!」
気のせいよ気のせい。
「それに…!この無意味に用意された電気スタンドとさっき注文してたカツ丼は何なんだよ!!」
ちっ!見てたか。
「まあ、あれよ。『やってみたかった』ってヤツ?」
「犯人役やらされるヤツの気持ちも考えろ!」
…ごもっとも…。
また話が脱線したので戻します。
…肝心な話が脱線するのはうちのパーティの伝統になりつつある。
「で、リル。なんで帝都に向かってるはずのあんたがスパシールにいるわけ?」
「…逆に聞くけどさ、何でお前らもここにいるんだよ?」
「何でって…ねえ?」
せーの。
「「「温泉に入りたいから」」」
リルはガクッとなった。
「そういうことじゃなくてだな…」
「わかってるわよ…私達は一回戦が前半に集中したからさ、二回戦が始まるまで間が空いちゃったのよ」
「…それで温泉か…らしいっちゃらしいな…」
「何言ってんのよ。あんたもその一味でしょうが」
「…違いない」
「さてリル。さっさと白状しなさい」
「わかったよ…私の目的は魔導温泉だ」
魔導温泉?何それ?
「知らねえのか?魔力によって効能を変化させられる魔術形式の温泉だ」
…知らない。聞いたこともない。
もしあるんなら願ったり叶ったりなんだけど…。
エイミアとリジーを見るけど…2人とも首を傾げてるから知らないみたいね。
「私が聞いた限りだと魔術次第でダイエット効果もあるそうだ」
「…誰に聞いたの?」
「私が直接聞いたわけじゃねえよ。魔導温泉を紹介したパンフレットに体験談がいっぱい書いてあったんだ」
…体験談。
「しかもだ!今なら50人限定で『自分が望む効能をセットしてもらえる』っていう特典付きなんだ!」
…特典。
「更にだぜ!今なら特別価格で半額なんだ!半額だぜ!これは入るしかねえだろ!」
…特別価格で半額。
……はああああぁぁぁぁ……。
…先が思いやられるわ…。
「…なんだよ、サーチ」
…こういうのって…信じきってる人を納得させるの大変なのよね…。
「…とりあえず久々の再会なんだからさ。少し飲まない?」
私はリルを酒場に誘う。
「あ、ああ…そうだな。久々だしな。パーッといくか」
「そうこなくっちゃ!リジー、リルを連れて先に入ってて。私はエイミアと少しだけ買い出ししてくるから」
「わかった」
「買い出し…?今じゃなくても」
「いいから行った行った!リジーお願いね」
「リル姉飲み比べ~」
「…?…ああ、わかったよ…」
リルは怪訝な顔をしながら酒場へ入っていった。
「エイミア行くわよ!」
「え?え?買い出しなんて何かありましたっけ?」
「バカ!あんた気がつかなかったの!?」
「はい?…リルが言ってた魔導温泉ですか?すごいですよね!二の腕とかの部分痩せもできるでしょうか?」
……はああああぁぁぁぁ……。
…頭が痛い。
「…どうしたんですか?」
「…リルが言ってたヤツってどう考えてもサギでしょ…」
「え!?えーーー!!」
…頼むわよ、ホントに…。
「…ええ。間違いなく魔導サギですね」
…やっぱり…。
「そ、そんな!?」
エイミアを納得させるために闇ギルドで情報の照会をしてみたんだけど…。
…ビンゴでした。
ていうかずいぶんわかりやすいサギだったわね…。
「あると思ってたのに…!二の腕が痩せる温泉があると思ってたのに…!」
…ピンポイントな温泉ね…。
「…あのねエイミア。そんなに便利な温泉作れる魔術があるんだったら…ぜっったいにソレイユが巨乳温泉作ってるでしょ」
「………確かにそうですね」
一発で納得させられる魔王様の説得力すごい。
「とりあえずどうします?」
「大丈夫よ。すいません、サクッと潰しておいてもらえます?」
私は袋から銀貨を5枚出して依頼する。
「わかりました。サクッと潰しておきます」
「え?え?これで解決するんですか?」
「…こういう犯罪者への対処は闇ギルドに任せたほうが賢明よ」
関わり合いになりたくないしね。
詐欺師とかはめんどくさいヤツ多いから。
「はあ…そういうものですか」
「盗賊みたいに『力』で対処するのは私達冒険者。詐欺師みたいな『賢さ』で対処するのは闇ギルドなのよ。要は畑違いってことね」
「勉強になりました……あ!リ、リルには何て言えばいいんですか!納得させるの大変じゃ…」
「それも大丈夫よ。何のためにリジーを置いてきたと思ってんのよ」
「…はい?」
その頃。
酒場にて。
「…じゃあ!じゃあさ!体験談書いてる人達はどうなるんだよ!」
「嘘に決まってる。本当に効果があるのなら、リル姉を勧誘した人も試してるはず。そこは聞いた?」
「うっ!…でも、『私の望みも叶いました』って言ってたし!」
「具体的に何を?どういう風に?いつどこで?」
「ううっ!…プ、プライベートなことだろうから…」
「体験談もプライベートじゃないの?」
「うううっ!」
「もっと言えば『温泉』に限定してる時点で怪しい。本当にそんな魔術があるなら『飲物』とかにして幅広く売ったほうがもっと効率的で儲かる」
「ううううっ!……うわああああああああん!」
…散々リジーに論破されてリルが泣いていた。
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