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第九章 大会の賞品はEカップ?
第二話 エイミアと敵を視察したんだけど…あまり強そうなのはいなかったんですよね…
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組合わせ抽選会が終わって日程も公開された。
「リルは当然初日かあ…」
1日に12試合消化していく日程だから…。
「私が2日目の一番最初の試合、エイミアが4日目の最初よ」
「予選トーナメント開始は3日後…ふああ、今から緊張してきました~…」
…今からガクブルしだしてどうすんのよ…。
「さて…私はもう少し会場にいるけどあんたはどうする?」
「会場にって…あ、そうですね。私もサーチと一緒にいます」
…ふーん…私の意図を汲んだのかしら。
「わかった。じゃ、行こ」
「ほら、あそこ」
「あ、私の対戦相手ですね」
会場にはいくつか闘技場があって練習ができるように開放されている。
ただし試合以外で負ったケガは感知しません、という建前付きで。
「ケガはしないようにやってるみたいね…危なっかしいけど」
「そうなんですか?」
「例えるなら…大振りエイミアが『寸止めできますっ!』て言い張って本気で戦ってる感じ」
「何で私を例えに使うんですか!…わかりやすいんですけど!ですけど!!」
なんか不満があるみたいだけどスルー。
「ま、大丈夫よ。あれなら余裕じゃない」
「ん~…どうなんでしょうか…」
「…私と対戦相手とどっちに勝てそう?」
「そりゃあ比べる間でもないです」
「エイミア。あんたは私にも勝ったんだから大丈夫よ。自信持ちなさい」
「…はい。わかりました」
さて、次は私の対戦相手はと。
「……いました。奥から3番目の」
「…ああ…あれ」
私の対戦相手は格下の相手になってあげてる感じだった。
…なかなか身のこなしはいいけど…。
「ムダな動きが多いわね。避けたときにあと半歩前に着地してれば倍は早く対処できるのに」
どうやらナイフの二刀流みたいだけど…。
「…あの戦い方なら短剣の二刀流のほうがいいわね。ナイフで攻撃を受けるのは割に合わないから避けたほうが効率いいし」
「あっちの方が私は勝てそうな気がします」
「かもね」
ま、どちらにしても…こんなまる見えな場所で訓練してるようじゃダメね。
「…やっぱクラスの高い冒険者はいないわね…仕方ない、行こ」
「はい」
それじゃ帰りますか…と会場を出ようとすると。
「へへへ…」
私達の行き先を大柄な男が遮った。
「よし、袋のネズミだな…」
私達の背後を3人の男が囲む。
「…何か用?」
「ん?いやあな。この辺りじゃ見かけないツラだから挨拶くらいしとこうと思ってな」
ウザ。
「挨拶ですか?わかりました。はじめまして、エイミアです」
エイミアが天然で返すと後ろの男達が失笑した。
「ふふ、これであいさつは終わったわ。じゃね」
そのままエイミアを連れて通り過ぎようとする。
「はあ!?ふざけてんじゃねえよ」
大柄な男が私に向かって手を伸ばす。
が。
「!?とと…ありゃ?」
男の手は空を切った。
「どこに…おい!待てお前ら!」
…しつこいわね。
私はエイミアを離れさせると、再び伸ばしてきた男の手を掴み。
ぐるんっ
バタン!
「かは!…」
男の身体は空中で一回転して地面に叩きつけられた。
「な!…何しやがった!」
「もう手加減抜きだ!やっちまえ!」
残った男達が武器を取り出す。
そして私達に斬りかかる…はずだったが。
「うっ!」「がっ!」「な…!」
…男達の足が止まった。
「…どうしたの?入ってきていいのよ?私の領域に」
死にたければね。
「ぐ…!」
男達が冷や汗を垂らした時。
「何をしている!!ここでの戦闘は禁止だぞ!」
警備隊が騒ぎを聞きつけてやってきた。
タタタンッ
その間に男達の意識を刈り取って転がしておく。
「何が…あったんだ?」
「こいつらがスケベな顔をして迫ってきたのでシメておきました」
「…お前達は?」
「私はサーチ。この子がエイミアです」
「パーティか?」
「はい。竜の牙折りというパーティを…」
「何…竜殺しの?」
「まさか獄炎谷を攻略した!?」
おお…何だか有名になってきてる。
「わ、わかった…もう行っていいぞ」
…膝がガクブルになってるヤツに言われても迫力のカケラも無いわね。
「あそ。じゃ、あとはよろしく~♪」
そう言って無料のスマイルを振りまきながら歩き去った。
「あの…サーチ」
「何?」
「よかったんですか?サーチの手の内見せちゃって」
「…あんた気づいてたの?」
「え、だって。あからさま過ぎませんでした?」
エイミアが気づいてるとは思わなかったわ。
ちょっとは成長してたのね、胸以外も。
「…サーチ…」
顔が険しい。また気づかれたのかな。
まあサクッと無視して。
「知られて困るようなものじゃないしね」
「そうなんですか?」
私の場合は知られても防げないから問題無し。
「問題は…誰の差し金かってことね」
「私達が特別注目されるようなパーティだとは思えませんし」
うーん…一応獄炎谷を攻略したことになってるから…その辺りが探られる要因だろうか。
「…考えても仕方ないわ。とりあえず旅館へ退散しましょ」
「…わかりました。汗かきましたからお風呂に入りたいですし」
エイミア!こういう場所でそういうこと言わない!
「「「………」」」
…ほら…男共が無言で私達を注目してるじゃない…。
…旅館に戻るまでの間にどれだけ尾行を撒いたか覚えてない…。
「あんたの余計な一言が原因よ!少しは考えてしゃべりなさい!」
「いひゃい!いひゃい!いひゃい!…ごめんなさ~い」
…たく。
エイミアの頬っぺたを離してから湯船に浸かる。
「…ふえ~ん」
「そんなに強く引っ張ってないわよ」
「そんなに強くないのに何でこんなに痛いんですか!!」
これも技よ技。
「あと少しですよ…リル達は大丈夫なんでしょうか…?」
「大丈夫よ。信じて待つしかないわ…」
…たく。ホントに何してんのやら…。
その頃。
リルとリジーは。
「ぎゃあああ!何で落とし穴の底からドラゴンが出てくるんだよ!?」
「ニャンコ先生の婆様、無茶苦茶だったあああ!」
「ニャンコ先生言うなって何回言わせるんだあああ!」
『ほれほれ♪早くせんと大会に間に合わないどころかドラゴンのエサじゃぞ♪』
「「うっぎゃああああああああああああ!!!」」
…一応こっちへ向かっているが…。
無事に着けるかは微妙だった
「リルは当然初日かあ…」
1日に12試合消化していく日程だから…。
「私が2日目の一番最初の試合、エイミアが4日目の最初よ」
「予選トーナメント開始は3日後…ふああ、今から緊張してきました~…」
…今からガクブルしだしてどうすんのよ…。
「さて…私はもう少し会場にいるけどあんたはどうする?」
「会場にって…あ、そうですね。私もサーチと一緒にいます」
…ふーん…私の意図を汲んだのかしら。
「わかった。じゃ、行こ」
「ほら、あそこ」
「あ、私の対戦相手ですね」
会場にはいくつか闘技場があって練習ができるように開放されている。
ただし試合以外で負ったケガは感知しません、という建前付きで。
「ケガはしないようにやってるみたいね…危なっかしいけど」
「そうなんですか?」
「例えるなら…大振りエイミアが『寸止めできますっ!』て言い張って本気で戦ってる感じ」
「何で私を例えに使うんですか!…わかりやすいんですけど!ですけど!!」
なんか不満があるみたいだけどスルー。
「ま、大丈夫よ。あれなら余裕じゃない」
「ん~…どうなんでしょうか…」
「…私と対戦相手とどっちに勝てそう?」
「そりゃあ比べる間でもないです」
「エイミア。あんたは私にも勝ったんだから大丈夫よ。自信持ちなさい」
「…はい。わかりました」
さて、次は私の対戦相手はと。
「……いました。奥から3番目の」
「…ああ…あれ」
私の対戦相手は格下の相手になってあげてる感じだった。
…なかなか身のこなしはいいけど…。
「ムダな動きが多いわね。避けたときにあと半歩前に着地してれば倍は早く対処できるのに」
どうやらナイフの二刀流みたいだけど…。
「…あの戦い方なら短剣の二刀流のほうがいいわね。ナイフで攻撃を受けるのは割に合わないから避けたほうが効率いいし」
「あっちの方が私は勝てそうな気がします」
「かもね」
ま、どちらにしても…こんなまる見えな場所で訓練してるようじゃダメね。
「…やっぱクラスの高い冒険者はいないわね…仕方ない、行こ」
「はい」
それじゃ帰りますか…と会場を出ようとすると。
「へへへ…」
私達の行き先を大柄な男が遮った。
「よし、袋のネズミだな…」
私達の背後を3人の男が囲む。
「…何か用?」
「ん?いやあな。この辺りじゃ見かけないツラだから挨拶くらいしとこうと思ってな」
ウザ。
「挨拶ですか?わかりました。はじめまして、エイミアです」
エイミアが天然で返すと後ろの男達が失笑した。
「ふふ、これであいさつは終わったわ。じゃね」
そのままエイミアを連れて通り過ぎようとする。
「はあ!?ふざけてんじゃねえよ」
大柄な男が私に向かって手を伸ばす。
が。
「!?とと…ありゃ?」
男の手は空を切った。
「どこに…おい!待てお前ら!」
…しつこいわね。
私はエイミアを離れさせると、再び伸ばしてきた男の手を掴み。
ぐるんっ
バタン!
「かは!…」
男の身体は空中で一回転して地面に叩きつけられた。
「な!…何しやがった!」
「もう手加減抜きだ!やっちまえ!」
残った男達が武器を取り出す。
そして私達に斬りかかる…はずだったが。
「うっ!」「がっ!」「な…!」
…男達の足が止まった。
「…どうしたの?入ってきていいのよ?私の領域に」
死にたければね。
「ぐ…!」
男達が冷や汗を垂らした時。
「何をしている!!ここでの戦闘は禁止だぞ!」
警備隊が騒ぎを聞きつけてやってきた。
タタタンッ
その間に男達の意識を刈り取って転がしておく。
「何が…あったんだ?」
「こいつらがスケベな顔をして迫ってきたのでシメておきました」
「…お前達は?」
「私はサーチ。この子がエイミアです」
「パーティか?」
「はい。竜の牙折りというパーティを…」
「何…竜殺しの?」
「まさか獄炎谷を攻略した!?」
おお…何だか有名になってきてる。
「わ、わかった…もう行っていいぞ」
…膝がガクブルになってるヤツに言われても迫力のカケラも無いわね。
「あそ。じゃ、あとはよろしく~♪」
そう言って無料のスマイルを振りまきながら歩き去った。
「あの…サーチ」
「何?」
「よかったんですか?サーチの手の内見せちゃって」
「…あんた気づいてたの?」
「え、だって。あからさま過ぎませんでした?」
エイミアが気づいてるとは思わなかったわ。
ちょっとは成長してたのね、胸以外も。
「…サーチ…」
顔が険しい。また気づかれたのかな。
まあサクッと無視して。
「知られて困るようなものじゃないしね」
「そうなんですか?」
私の場合は知られても防げないから問題無し。
「問題は…誰の差し金かってことね」
「私達が特別注目されるようなパーティだとは思えませんし」
うーん…一応獄炎谷を攻略したことになってるから…その辺りが探られる要因だろうか。
「…考えても仕方ないわ。とりあえず旅館へ退散しましょ」
「…わかりました。汗かきましたからお風呂に入りたいですし」
エイミア!こういう場所でそういうこと言わない!
「「「………」」」
…ほら…男共が無言で私達を注目してるじゃない…。
…旅館に戻るまでの間にどれだけ尾行を撒いたか覚えてない…。
「あんたの余計な一言が原因よ!少しは考えてしゃべりなさい!」
「いひゃい!いひゃい!いひゃい!…ごめんなさ~い」
…たく。
エイミアの頬っぺたを離してから湯船に浸かる。
「…ふえ~ん」
「そんなに強く引っ張ってないわよ」
「そんなに強くないのに何でこんなに痛いんですか!!」
これも技よ技。
「あと少しですよ…リル達は大丈夫なんでしょうか…?」
「大丈夫よ。信じて待つしかないわ…」
…たく。ホントに何してんのやら…。
その頃。
リルとリジーは。
「ぎゃあああ!何で落とし穴の底からドラゴンが出てくるんだよ!?」
「ニャンコ先生の婆様、無茶苦茶だったあああ!」
「ニャンコ先生言うなって何回言わせるんだあああ!」
『ほれほれ♪早くせんと大会に間に合わないどころかドラゴンのエサじゃぞ♪』
「「うっぎゃああああああああああああ!!!」」
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