112 / 357
第八章 新大陸でEになる!
第三話 いよいよ新大陸に到着!…する前に…リジーの新たなスキルと…私とエイミアの伏線できたりするんですよね…
しおりを挟む
『陸地が見えてきましたよ』
昼ご飯を食べてから1時間くらい。
腹ごなしにエイミアとリジー相手に軽く運動していた時にニーナさんからの朗報が届いた。
私は真っ先に甲板に走り出る。
「…やったーー!!1ヶ月ぶりの陸地だーー!!」
私は歓声をあげた。
「ぐニャ!」
すると後ろで猫が潰れたような声がした。
「いてて…変な例えをするんじゃねえ!」
「そりゃ失敬…それより何かあったの?」
「お前の声にびっくりして屋根から落ちたんだよ!」
…つまり寝てたわけね。
「はあー…ひー…はあー…ひー…」
「…今度は…エイミアか」
「何でそこまで息切れてんだよ…」
ドアから出てきたリジーに引き摺られてエイミア登場。
「さ、サーチが…ひー…ひー…剣の練習でも…ひー…ひー…しよっかって…ひー…軽くやるからって…ひー…」
「ああ、軽く練習しようと言われたけど目一杯しぼられたわけか」
エイミアはガクガクと頷いた。
「エイミア姉体力無さ過ぎる」
「ま、心配しなくても1分もあれば回復するから大丈夫よ…あんたは大丈夫なの?」
「…平気、まだいける」
リジーは多少汗で濡れている程度。しぼったら樽一杯汗が溜まりそうなエイミアとは大違いだ。
「それよりサーチ姉化け物。汗一つかいてない」
「それは違うぞリジー。サーチはほとんど裸に近い格好だから暑くなぐぼぉ!」
「…裸じゃないわよ、さすがに…」
脇腹をド突かれてのたうち回るリルを隅に退かす。
「『体力』ならたぶんリルやリジーには負けるわよ」
リジーは首を傾げる。
…エイミアの影響?
「なら何故サーチ姉は息切れしない?」
「うー…簡単に言うと…あんた達はムダな動きが多すぎるのよね」
「「ムダな動き?」」
いつの間にか復活していたエイミアも首を傾げる。
…リジーが真似するからやめなさい。
「これは難しいからね~…もう少しステップアップしてからね」
私だって口で説明しようがないわよ。
「どれくらいで教えてくれる?」
…エイミアには一生かかっても無理だと思う…。
その前に静電気で周りを吹っ飛ばしたほうが早いか…。
ん?待てよ?
「エイミアって≪蓄電池≫の静電気で周りを探知したりできない?」
「え?ええ!?せいでんきで周りを!?」
…うーん…エイミアが悩み始めた。
すると意外にもリジーが助言をし始めた!
「エイミア姉。身体中から手が生えてあちこちを触るイメージで」
なんか千手観音が落としたコンタクト探す姿を想像しちゃったよ…。
「手を…身体中から…ん~~~…」
パリ…パリパリ…
お?
エイミアから静電気がアチコチに伸びてるみたいね…私の周りもパチパチいってる…。
「…リジーの言ってることがなんとなくわかりました」
エイミアはそのまま目を閉じる。
「私の斜め後ろにサーチ…あ、いま右側に動きましたね」
おお!
ちょっとだけ動いてみたけどちゃんとわかってるみたいね。
「…さらに後ろにリジーがいます…いま右手を上げてますね…右手を下げました…左手を上げました…左手を下げ…あ、下げません!代わりに右手を上げました…左手を下げて上げて下げて右手も下げて左手右手上げて下げて上げて下げて」
ぽかっ!ぽかっ!
「うっとおしいわ!やめなさい二人とも!」
「「…はい」」
「おい、沿岸警備隊がきたぞ…今回は気を付けろよな」
わかってるわよ!
「大丈夫。今度こそ私だけで全滅うきゅ」
「だからダメだって言ってんだろ!」
『私が対応しましょうか?』
ニーナさんが?
…確かにこの中では一番の常識人だろうけど…。
「…どうやって?」
…船がしゃべったらマジでパニックだよ?
『任せて下さい。サーチ達はゆっくりお茶でも飲んでいてください』
そう?
…なら任せますか。
「…なんとなく厄介払いされた気もするな…」
いや、実際に厄介払いだと思うよ。
「そうそう、リジーに聞きたかったんだけど」
「ごきゅごきゅごきゅごきゅ」
「…一応高いお茶なんだから味わって飲みなさいよ…」
「水分補給だからいいじゃん」
…まあいいけどさ…。
「サーチ姉、何?」
あ、そうだった。
「さっきエイミアに解説してたじゃない。リジーにもエイミアの静電気に似た力があるの?」
「ある」
知らなかったわよ!
「何で言わなかったの!?」
「言わなきゃダメ?」
「…あのね、戦闘のときに味方がどういう能力があるかを把握してるかしてないかで全然違うのよ!」
「…ソーナノ?」
「そうなのよ!…期待されてもそーなんす!なんて言わないからね!」
「残念」
…って話を逸らすな!
「で!どういう能力なの?」
リジーは装備していた盾を見せた。
「この盾の呪い。魔力で構成された手を伸ばして相手の魂を奪って貪り食らう」
「怖いわよ!そんな不気味な手伸ばさないでよ!」
「大丈夫」
パチンッ
ゴト!
「え?ええ!?何でビキニアーマーのホックが外れたの!?」
「こんな感じで完全に制御できる。スキル名は≪驚愕の手≫」
…いろいろと応用がきくスキルみたいね。
だけど。
「何でわざわざ私のビキニアーマーを外したのかしら…?」
「エイミア姉のリアクションに飽きたから今度はサーチ姉をからかうことにイタタタタタタ」
「いい度胸ね…?そういうことは私相手に一本とれるようになってからしなさい…」
「イタタタタタタタタタタタなんだか洒落にならないのでやめてイタタタタタタ…がくっ」
がくっまで棒読みかよ!
「ねえ、エイミア。あんたさっきのヤツさ、もっと訓練してみない?」
「さっきの…ってせいでんきアンテナですか?」
「何よその緊張感の無いネーミングは…そう、それよ。ちゃんとコントロールできるようになれば私との一対一でもいい勝負できるわよ」
「本当に!?」
「ホントに。ただ容赦は一切しないけど…」
「うぐっ」
いきなり躓いたわね…。
「で、でも!私も≪蓄電池≫ばかりに頼ってるわけにはいきません!サーチ、お願いします!」
…でもさ…あんたが言うところの「せいでんきアンテナ」も…≪蓄電池≫の一部なんだけどね…。
なんとなく始めたこの訓練だったんだけど。
根気よく続けた結果。
エイミアにとっても。
私にとっても。
とんでもない結果をもたらすことになります…。
昼ご飯を食べてから1時間くらい。
腹ごなしにエイミアとリジー相手に軽く運動していた時にニーナさんからの朗報が届いた。
私は真っ先に甲板に走り出る。
「…やったーー!!1ヶ月ぶりの陸地だーー!!」
私は歓声をあげた。
「ぐニャ!」
すると後ろで猫が潰れたような声がした。
「いてて…変な例えをするんじゃねえ!」
「そりゃ失敬…それより何かあったの?」
「お前の声にびっくりして屋根から落ちたんだよ!」
…つまり寝てたわけね。
「はあー…ひー…はあー…ひー…」
「…今度は…エイミアか」
「何でそこまで息切れてんだよ…」
ドアから出てきたリジーに引き摺られてエイミア登場。
「さ、サーチが…ひー…ひー…剣の練習でも…ひー…ひー…しよっかって…ひー…軽くやるからって…ひー…」
「ああ、軽く練習しようと言われたけど目一杯しぼられたわけか」
エイミアはガクガクと頷いた。
「エイミア姉体力無さ過ぎる」
「ま、心配しなくても1分もあれば回復するから大丈夫よ…あんたは大丈夫なの?」
「…平気、まだいける」
リジーは多少汗で濡れている程度。しぼったら樽一杯汗が溜まりそうなエイミアとは大違いだ。
「それよりサーチ姉化け物。汗一つかいてない」
「それは違うぞリジー。サーチはほとんど裸に近い格好だから暑くなぐぼぉ!」
「…裸じゃないわよ、さすがに…」
脇腹をド突かれてのたうち回るリルを隅に退かす。
「『体力』ならたぶんリルやリジーには負けるわよ」
リジーは首を傾げる。
…エイミアの影響?
「なら何故サーチ姉は息切れしない?」
「うー…簡単に言うと…あんた達はムダな動きが多すぎるのよね」
「「ムダな動き?」」
いつの間にか復活していたエイミアも首を傾げる。
…リジーが真似するからやめなさい。
「これは難しいからね~…もう少しステップアップしてからね」
私だって口で説明しようがないわよ。
「どれくらいで教えてくれる?」
…エイミアには一生かかっても無理だと思う…。
その前に静電気で周りを吹っ飛ばしたほうが早いか…。
ん?待てよ?
「エイミアって≪蓄電池≫の静電気で周りを探知したりできない?」
「え?ええ!?せいでんきで周りを!?」
…うーん…エイミアが悩み始めた。
すると意外にもリジーが助言をし始めた!
「エイミア姉。身体中から手が生えてあちこちを触るイメージで」
なんか千手観音が落としたコンタクト探す姿を想像しちゃったよ…。
「手を…身体中から…ん~~~…」
パリ…パリパリ…
お?
エイミアから静電気がアチコチに伸びてるみたいね…私の周りもパチパチいってる…。
「…リジーの言ってることがなんとなくわかりました」
エイミアはそのまま目を閉じる。
「私の斜め後ろにサーチ…あ、いま右側に動きましたね」
おお!
ちょっとだけ動いてみたけどちゃんとわかってるみたいね。
「…さらに後ろにリジーがいます…いま右手を上げてますね…右手を下げました…左手を上げました…左手を下げ…あ、下げません!代わりに右手を上げました…左手を下げて上げて下げて右手も下げて左手右手上げて下げて上げて下げて」
ぽかっ!ぽかっ!
「うっとおしいわ!やめなさい二人とも!」
「「…はい」」
「おい、沿岸警備隊がきたぞ…今回は気を付けろよな」
わかってるわよ!
「大丈夫。今度こそ私だけで全滅うきゅ」
「だからダメだって言ってんだろ!」
『私が対応しましょうか?』
ニーナさんが?
…確かにこの中では一番の常識人だろうけど…。
「…どうやって?」
…船がしゃべったらマジでパニックだよ?
『任せて下さい。サーチ達はゆっくりお茶でも飲んでいてください』
そう?
…なら任せますか。
「…なんとなく厄介払いされた気もするな…」
いや、実際に厄介払いだと思うよ。
「そうそう、リジーに聞きたかったんだけど」
「ごきゅごきゅごきゅごきゅ」
「…一応高いお茶なんだから味わって飲みなさいよ…」
「水分補給だからいいじゃん」
…まあいいけどさ…。
「サーチ姉、何?」
あ、そうだった。
「さっきエイミアに解説してたじゃない。リジーにもエイミアの静電気に似た力があるの?」
「ある」
知らなかったわよ!
「何で言わなかったの!?」
「言わなきゃダメ?」
「…あのね、戦闘のときに味方がどういう能力があるかを把握してるかしてないかで全然違うのよ!」
「…ソーナノ?」
「そうなのよ!…期待されてもそーなんす!なんて言わないからね!」
「残念」
…って話を逸らすな!
「で!どういう能力なの?」
リジーは装備していた盾を見せた。
「この盾の呪い。魔力で構成された手を伸ばして相手の魂を奪って貪り食らう」
「怖いわよ!そんな不気味な手伸ばさないでよ!」
「大丈夫」
パチンッ
ゴト!
「え?ええ!?何でビキニアーマーのホックが外れたの!?」
「こんな感じで完全に制御できる。スキル名は≪驚愕の手≫」
…いろいろと応用がきくスキルみたいね。
だけど。
「何でわざわざ私のビキニアーマーを外したのかしら…?」
「エイミア姉のリアクションに飽きたから今度はサーチ姉をからかうことにイタタタタタタ」
「いい度胸ね…?そういうことは私相手に一本とれるようになってからしなさい…」
「イタタタタタタタタタタタなんだか洒落にならないのでやめてイタタタタタタ…がくっ」
がくっまで棒読みかよ!
「ねえ、エイミア。あんたさっきのヤツさ、もっと訓練してみない?」
「さっきの…ってせいでんきアンテナですか?」
「何よその緊張感の無いネーミングは…そう、それよ。ちゃんとコントロールできるようになれば私との一対一でもいい勝負できるわよ」
「本当に!?」
「ホントに。ただ容赦は一切しないけど…」
「うぐっ」
いきなり躓いたわね…。
「で、でも!私も≪蓄電池≫ばかりに頼ってるわけにはいきません!サーチ、お願いします!」
…でもさ…あんたが言うところの「せいでんきアンテナ」も…≪蓄電池≫の一部なんだけどね…。
なんとなく始めたこの訓練だったんだけど。
根気よく続けた結果。
エイミアにとっても。
私にとっても。
とんでもない結果をもたらすことになります…。
0
お気に入りに追加
192
あなたにおすすめの小説
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
【完結】番を監禁して早5年、愚かな獣王はようやく運命を知る
紺
恋愛
獣人国の王バレインは明日の婚儀に胸踊らせていた。相手は長年愛し合った美しい獣人の恋人、信頼する家臣たちに祝われながらある女の存在を思い出す。
父が他国より勝手に連れてきた自称"番(つがい)"である少女。
5年間、古びた離れに監禁していた彼女に最後の別れでも伝えようと出向くと、そこには誰よりも美しく成長した番が待ち構えていた。
基本ざまぁ対象目線。ほんのり恋愛。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる