【講談社大賞受賞作品】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?

花澄そう

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時を超えた狂愛の檻

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「あれ、なんで……死んだんじゃ……」

「勝手に殺すな。あんな状況だ、シールドくらい張ってるに決まってるだろ」
言われてみれば……

「じゃあ、どうしてさっき動かなくなったの……?」

「それは……シールドのおかげで毒はほぼ無効化できたけど、少しは体に入った。だから一瞬意識を失いかけただけだ。まぁ……正直気が抜けたってのもあるけどな」

「気が抜けた……?」
「ああ、ずっと、お前を探し回ってたせいで疲れ切ってたからな。
奴が魔力制御の手錠のせいで、毒がほぼ無効になっているって気付かなくてラッキーだった」

探し疲れるほど、私の事を探してくれてたんだ……

「ディオン……」
嬉しい……

「ありが……」


「で?俺の事好きなんだって?」


ディオンは片眉を上げて、軽く笑みを浮かべながらも、どこか目が真剣だった。
その視線に耐えきれず、私は一気に恥ずかしくなり、「キャーー!!」と叫びながら両手で顔をおおって勢いよく立ち上がった。

そのせいで、ディオンの頭が落ちてゴンッとにぶい音が鳴る。
「ってーな。いきなり立ち上がんな」
 ディオンは頭を押さえながら、片膝を立てて起き上がる。

そんな様子を見て、思わず指を差して叫んだ。
「し、信じらんない!!しかも普通に座ってるじゃん!本当はからかったのね!?」

「からかってねーって。お前が勝手に勘違いしただけだろ?痛てぇダルいのは本当だ」
そう言われると、確かにそんな感じがしてきて、もう何も言えなくなる。


「うっ……、ディオンの馬鹿!!」
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