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時を超えた狂愛の檻

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『お前を殺せばシエルが生まれる……。そうなれば、俺らは…………1からやり直せる』
『すぐに追いかけるから。……だから……』
前世で殺される前のやり取りや、記憶を消される瞬間が途切れ途切れに脳裏に浮かび始める。

『この平行世界から抜けれれば……』
ここに連れて来られてすぐに魔法陣の上に乗せられ、光が消えると酷く取り乱すディオン。
そして、私との過去の話をしても、いつも歯切れが悪い返事をするディオン。

『まさか……思い出した?』
前世を思い出し、怯える私に、魔法が使えなくなるピアスを付けるディオン……

『魔法が一切……使えなくなる?嘘よ!そんな物ないって言ってたじゃない!』
『それは俺じゃねぇ』
『もう、ディオンの事が全然分からない……っ!私をずっと騙して、嘘ついて……ずっと心の中で笑ってたのね!!』
『笑ってなんかねぇよ!』
『嘘よ!もう信じない!……前世で私を殺した犯人の言葉なんて、もう信じない!早く離して!!大っ嫌い!!』
『1からやり直す事は出来なかった……でも、お前がなんと言おうと、俺はもう、絶対……お前を離さない』



やっと思い出した……


「邪魔をするな!!」
そんな叫び声が耳に飛び込んできて、壁側を振り返った。
そこには、悔しそうに顔を歪めたのディオンが映っていた。

その瞬間、私の眉が寄り、キュッと下唇に力が入る。


記憶が戻った今、この男が――

前世で、私を殺した人物だと確信したからだ。


殺された無念むねんや、ラブを消したにくしみが、当然のように一気に湧き上がる。

でも、それと同時に、このディオンと過ごした穏やかな日々が浮かんでくる。

決して長い時間、一緒にいたわけではない。
でも、そんな短い間でも、不器用だけど優しさがにじむ言動がいくつもあった。

淋しいと言えば、魔法で謎の話相手を出してくれたり(微妙で却下になったけど)……
『もうすぐだ。悪いな』と言って、申し訳なさそうに頭をでてくれたこともあった。


偽物のディオンは、私を欲っして学園からさらい、私がここから逃げないように、魔法が使えなくなるピアスを付けて記憶操作したんだと思う。

その最終目的は――
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