338 / 395
招かざる訪問者
32
しおりを挟む
『絶対お前をぶっ殺してやるからな……』
明らかに、この発言をした人が犯人なんだろうと思う。
でも、何故かその発言をした人物の顔には、ずっと靄がかかっていて、無理に思い出そうとすると決まって酷い頭痛に襲われてしまう。
しかも、その人物の髪型は長かったり、短かったりする。
と言う事は、結構長い付き合いだったんだろうか?時系列が全く分からない。
光に目が慣れて来た感じに、寝返ってからすっと瞼を開けた。
すると、女の子らしい可愛い花柄の壁紙と、ポツンと置かれた一人掛けのソファが目に入って来た。
身を起こして天井に伸びをする。
「うーん……」
すると、微かに波の音が耳に飛び込んで来た。
音に誘われて窓の外に目を向けると、そこにはまるで無数のダイヤモンドが散りばめられたかのように輝く、朝の海が広がっていた。
そんな景色が、先ほどまでの嫌な気持ちをそっと和らげていくのを感じた。
驚くことに、この場所はなんとディオンの別荘らしい。
あの衝撃の告白?をされた海辺から、何時間も空を飛び続けてやっと着いた遠い場所だ。
ここは、徒歩30分もあれば一周できそうな程の小さな島で、建物はここしかない。だからここは無人島という事になるんだろう。
別荘を持っていたなんて初耳で、初めて聞いた時は本当にひっくり返りそうなほどに驚いたのを思い出す。
確かに、ディオンは世界でたった2人しかいない大魔法使いだし、あのヴァイスという人は城まで持っているらしい。
だから、ディオンが1つくらい別荘を持っていてもなんら不思議ではないのだろう。
部屋を出てリビングに向かってみるが、そこにはディオンの姿はない。
「また居ない……」
ふとダイニングテーブルの上に目を向けると、そこにはもち手付きのバスケットがあった。
掛けられている布巾を外すと、玉子サンドが顔を出した。
やっぱり不思議だ。
ディオンは、私をここに連れて来て、一体何がしたいんだろう?
一緒に暮らそう、なんて言うから、ついつい自分の都合にいいように考えてしまったけど……
明らかに、この発言をした人が犯人なんだろうと思う。
でも、何故かその発言をした人物の顔には、ずっと靄がかかっていて、無理に思い出そうとすると決まって酷い頭痛に襲われてしまう。
しかも、その人物の髪型は長かったり、短かったりする。
と言う事は、結構長い付き合いだったんだろうか?時系列が全く分からない。
光に目が慣れて来た感じに、寝返ってからすっと瞼を開けた。
すると、女の子らしい可愛い花柄の壁紙と、ポツンと置かれた一人掛けのソファが目に入って来た。
身を起こして天井に伸びをする。
「うーん……」
すると、微かに波の音が耳に飛び込んで来た。
音に誘われて窓の外に目を向けると、そこにはまるで無数のダイヤモンドが散りばめられたかのように輝く、朝の海が広がっていた。
そんな景色が、先ほどまでの嫌な気持ちをそっと和らげていくのを感じた。
驚くことに、この場所はなんとディオンの別荘らしい。
あの衝撃の告白?をされた海辺から、何時間も空を飛び続けてやっと着いた遠い場所だ。
ここは、徒歩30分もあれば一周できそうな程の小さな島で、建物はここしかない。だからここは無人島という事になるんだろう。
別荘を持っていたなんて初耳で、初めて聞いた時は本当にひっくり返りそうなほどに驚いたのを思い出す。
確かに、ディオンは世界でたった2人しかいない大魔法使いだし、あのヴァイスという人は城まで持っているらしい。
だから、ディオンが1つくらい別荘を持っていてもなんら不思議ではないのだろう。
部屋を出てリビングに向かってみるが、そこにはディオンの姿はない。
「また居ない……」
ふとダイニングテーブルの上に目を向けると、そこにはもち手付きのバスケットがあった。
掛けられている布巾を外すと、玉子サンドが顔を出した。
やっぱり不思議だ。
ディオンは、私をここに連れて来て、一体何がしたいんだろう?
一緒に暮らそう、なんて言うから、ついつい自分の都合にいいように考えてしまったけど……
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる