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手紙の謎
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しおりを挟む私の問いかけに、向かい側に座るディオンは空から私に視線を戻した。
「ん?」
「また実技?」
「あーそうだな」
「ここんところ、ずっと実技ばっかだよね」
口を膨らませると、机の上に居るラブは私を見てからマネするように口を膨らませた。
「実技を伸ばせって言われてんだよ。あのメガネ野郎に」
「やっぱりそうなんだ」
「やっぱり、ってなんだ」
「他の授業もほとんど実技ばっかりなんだもん。おかしい位に」
「他の授業も?」
驚いた言葉が返ってきて、ディオンは何も知らないんだと思った。
こんなに実技ばかりが続いているのに。
本当に学園の事に興味ないよね。
訓練場に出来た穴について聞いた時も、全部綺麗に元通りになった後の復帰だったからか、『なんだそれ』の一言で終わったし。普通もっと気にならない?
「うん。夏前くらいからかな?だんだん増えて行って、今ではどの授業の大半は実技になってるよ。別に実技が嫌いなわけじゃないけど、こうも授業内容が偏ってると嫌になってくるというか……」
「その話、本当か?」
「うん。って……こんな嘘つくわけないじゃん!ここ1か月はずっと火の玉当てに、風を起こし。水が出せる人は氷を出す練習をさせられたり……あとは治癒魔法が得意な人ばそればっかりさせられてるよ」
「その話が本当なら……、変だな」
「でしょ!?」
「明らかにおかしいから一応調べといてやる。ってか学園長に聞いた方が早いか……」
穴の事は全く気にならなかったのに、この事は気になるんだ。
ディオンの気になる基準が分からなさすぎる。
「あ、そうだ。ほら」
指をさされたと思った時に、何もない空間から現れたのは、懐かしさを感じる碧い石の付いたネックレス。
コトッと机の上に置かれて、戸惑いが隠せない。
「え!?これ……っ」
十何年もつけていて、たった半年くらい目にしていなかっただけで、その姿が酷く懐かしいと思った。
「どうして……!?」
誰か来たことはないし、いつも貸し切りの屋上ではあるけど、禁忌である闇魔法がかかっている物を、こんな所に置いちゃ駄目でしょ!
私は、慌てて辺りを警戒しながら、石に触れないように手で覆い隠す。
「もう大丈夫だ」
あたふたしている間に言われた言葉に、私は目を丸くした。
「大丈夫って、何が?」
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