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手紙の謎
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……
「シエル~!」
「本当に来た!」
「え!?嘘!?シエルお姉ちゃん!?」
初めての大浴場に足を踏み入れると、バスタオルを巻いた友人が集まって来る。
「え!?どうしてどうして!?シエルお姉ちゃん大浴場に入って大丈夫なの?」
「うん」
「嬉しい!シエルお姉ちゃん初めてでしょ!?お風呂案内してあげるよ!お外にもお風呂があるんだよ!脱衣所はこっちだよ」
と言って、キラキラと目を輝かせたFクラスの時の友人に引っ張られる。
「待って待って。まだ靴が……」
…………
……
「ふわぁ~……いい気持ち……」
お風呂に浸かるの、いつぶりだろう。
シャワーと違ってすっごく癒される~。
と思いながら肩までお湯に浸かり、目を閉じると、
「なんで今まで一緒に入らなかったの?部屋のシャワーなんてすっごく狭いのに」
と、待っていたように質問して来る元Fクラスの友人。
「なんとなく……?」
ポリっと頬を掻いて視線を逸らすと、食い入るように視線の先に入ってくる友人。
「なんとなくなんかじゃないでしょ!?なんで教えてくれないの!?」
「うーん……」
「教えてよ~!気になる~~!」
駄々こねるように言う友人に苦笑いを返すと、小突いて入って来たのはメイ。
「もういいでしょ!シエルが言いたくないんだから!」
「だって……」
「それよりさ、あの訓練場の穴はなんだと思う?」
「もしかしてメイお姉ちゃん、あの穴見たの!?」
と、Fクラス友人が食い入るように目を輝かせた。
「見たわよ。周りの木はなぎ倒されてるし、訓練場の破片もグランドの遠くの方まで飛んでて、酷いありさまだったわ」
暫くこの話題で持ち切りになるだろう話にすり替えてくれたメイに、心の中で拍手を送る。
「らしいよねっ。私も見たかったなー。
訓練場が大変な事になってるって聞いて、すぐに駆け付けたのに、着いた時には壁みたいなのが出来て見れなくなってたんだよね……」
今は見えないような魔法壁が張られてるって聞いたけど、本当だったんだ。
「……なんで隠すんだろね?怪しくない?」
「隠してるの?普通に危ないからとかじゃないの?」
「えっ、そうよね……。言われてみればそうかも?」
メイは顎に手を当てて、なるほど、と呟く。
「穴が開いてるから何かが落ちて来たんじゃないかって、みんな言ってるんだけど、メイお姉ちゃんは何か見た?」
「ううん、何も。確かめようとして近付いたら管理事務員にこれ以上近付くなって言われて追い返されたし……、シエルは何か見えた?」
と、メイから振られてクラスメイトの会話を思い出した。
「ううん。私も何も……。でも、たまたまその時に上級クラス棟から空を見ていたクラスメイトが、隕石のような光る玉が空から落ちて来るのを見たって」
「隕石!?やっぱりそうなんだ!」
目を輝かせるFクラス友人。
「でも、おかしいよ。私はたぶん隕石じゃないと思う」
「え?どうして?」
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