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4カ月遅れの誕生日

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あごを上げて言われた言葉に、一瞬『復讐』という文字が浮かんでくる。


そんな物騒な言葉を、誕生日祝いとして使うなんてあり得なくて、私は慌てて頭を振ってかき消した。

それにしても、やりたい事かぁ……。

真面目に考えると、やっぱり『復讐』しか思い浮かばない。
復讐は生まれ変わった私の使命みたいなものだし……


「もう1回、魔書資料室に入りたい」
「は?マジで言ってんのか?」
予想通り、豆鉄砲を食らったような顔をされる。

私の事情を知らない人からすると、『なんでも好きな願いを言え』なんて言われて、『資料室に入りたい』って言い出す人なんて、ある意味変人だと思うのかもしれない。

前世の記憶がなかったら、私はなんて答えたんだろうか。


「うん」
「他にいくらでもあるだろ。綺麗な服が欲しいとか、ネズミーランド行きたいとか」
口をゆがめて言ったディオンの言葉に、思わず目をパチクリさせてしまう。

「……へ?今、なんて?」


「だから、服が欲しいとかネズミーランドに行きたいとか……うわ!」
ディオンの言葉に、勢いよくベットから飛び降りてディオンの両腕を思いっきり掴んだ。

「そ、それって、もしかして、私が行きたいって行ったら、今すぐ連れてってくれるって事!?卒業してからとかじゃなく?」
ディオンの顔を覗き込むように見上げた私の頭の中は、信じられない気持ちでいっぱいになっていた。

「あっ……ああ。そのつもりだけど……ってか、近けぇな。もう俺の忠告忘れたのかよ。そこで思い出させてやろうか?」

目と鼻の先にあるディオンのあごが何処かを差したから、それを辿たどるように首を振った。
すると、その視線は私のベッドにぶつかった。
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