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ついに進級試験

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6日前の講師室――

「……塔って知ってるか?」
「知ってるよ。魔力を持った罪人が入る所でしょ」
「ああ、そうだ。そこに入れられた罪人たちは魔法が使えんのに、どうして逃げないと思う?」

「え?考えた事ないけど……その人達より強い魔力の監視員がいるとか、じゃないの?」
「それだと毎日、塔の中が戦場になるだろうな。そして、その監視員とやらが逃げ出そうとする奴に気を取られている隙にたくさんの罪人が逃げ出していくだろうし」
「確かに……。今思うと瞬間移動も使える人もいるし、それだと難しいよね」

「そうだ。お前も知っての通り、魔法が使えるのはほんの一部の人間だけだ。まず、そんな場所にそんな強い奴は配備されないし、下っ端の魔法使いでさえも配備されない。好き好んでやりてぇ奴が居たら別だけどな」
「え?じゃあその塔で働く人達は魔力の無い人達だけなの?」
「ああ、そうだ」
「その状況で逃げ出さないようにするなんて無理じゃない?……あっ、分かった!」


私は手をポンと叩いてから指を立てて続ける。
「外に出れないようなシールドが貼られてるからみんな初めから脱走を諦めてる!」

「確かに、塔の周りには逃げれないようなシールドを張ってある。でも、魔法で作ったものは魔法で壊せてしまうから、シールドは逃走してしまった時のただの時間稼ぎでしかない」
「そっか……」
「脱走防止というよりは、抑止力になってる程度だな」

ディオン、詳しいな。まるでその目で見て来たかのようだ。
学園外だとそういう情報も簡単に手に入るのかな?

「……じゃあなんだろう?もう!難しすぎるから答えを教えてよ。っていうか、なんで今そんな話をするの!?さっきまで闇魔法について教えてくれるって話だったじゃん。塔なんて関係ないでしょ?」

「関係あるから話してんだろ。ってか、もうギブかよ」
ダサっと鼻で笑われてほほが膨らむ。

「だって……分かんないし……」
「まぁ、答えを言うと、罪人たちはを使われてるせいで、逃げ出せねぇんだ」
「……逃げ出せ……ない?魔力のない人たちしか居ないのに?」


「ああ。塔に入る奴らは、みな闇魔法で作った魔道具を付けさせられる」
「えっ……」
「そしてその魔道具で魔力を封じ込めるんだ。だから、塔にいる間は使。そのせいで逃げられない。これが答えだ」
「そんな事……」
出来るの!?

「それがさっき言ってた、国が唯一認めている闇魔法の使用方法だ」

なんだろう。
なんか……これ以上、ディオンの話を聞きたくない……。

「闇魔法の事は分かったけど。でも、その闇魔法とこのネックレスは関係ない……でしょ?」

そうだよね?お父さん、お母さん。
これが、そんな恐ろしい物をなわけない。
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