【講談社大賞受賞作品】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?

花澄そう

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転校生

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「え!?何って……講師と生徒?」
……だよね。それしかないよね。

「ふーん、そうなん?なんの関係もないんか……」
と、意味深に聞いてくるから首を傾げた。

「……?ディオンは、ただ変な奴なのよ」
「せやなぁ、あれは変やわ」
「アランは分かってくれるの!?みんなカミヅキ様カミヅキ様って拝んで誰も分かってくれなかったのに!!」
目を輝かせてこっちから手を握ると驚かれる。

「アラン、あの講師は鬼畜サイコパスよ」
「えっ!?鬼畜……!?なんやそれ。でも確かにそっち系っぽいやんな」
「でしょ!?」
と言ってから手を離すと残念そうな顔をされる。

「始めっからそういう奴だって知ってたら、もうちょい態度考えたんやけどなぁ。下手したらホンマに殺されてたかもしれんし。シエルちゃん止めてくれてありがとうな」
「そ、そんな。当然の事をしただけだよ」
どうしてか、たまたま止めれてしまったけど……なんで成功したのか未だに分からない。


「シエルちゃんは命の恩人やわ」
大袈裟おおげさよ。でも……ほ~んと訳わかんないよね!なんであんな事をするかな……アランは何もしてないのに」

「まぁ、だいたいは分かるけど」
「え!?アラン分かるの?」

「うん。確信があるわけじゃないけど、それ以外に考えられへんし」
「えぇ!?凄い!で、なんなの?」
「多分やねんけど、あの講師は…………あっ」
ドヤ顔で話し始めた会話がいきなり止まってしまって、ふと横を歩くアランを見上げた。


すると、しまった、というようなアランの顔が映った。

「……どうしたの?」
「あー、なんでもないわ。俺の気のせいや、勘違い」
誤魔化すように笑うアランに、私の頭の上にはハテナマークが浮かぶ。

「何よ、違ってもいいから教えてよ」
「……まぁ、あれや。シエルちゃんはそれだけ可愛いってことや」
笑い飛ばすように言うと背中をポンポンと叩いてくる。

「なんか今、誤魔化したでしょ?」
「ほんまの話や。シエルちゃんは可愛い!もうそれは誰もが認めてるくらいにな!」

「遊び人の言葉は信じません」
「ハハ、それだけは否定できんわ」

「あと、また近いんで離れてください」
「え~」


…………

……
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