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学園最弱の存在 Fクラス-16歳-

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「私の私物を勝手にゴミ箱に捨てた事?それか私が給食当番の時のエプロンをわざと……」
「うっ、うるさい!煩い煩ーい!!黙れ黙れ!」
髪の長い方が私の話を、大声でさえぎった。


「魔力もろくにない出来損ないのくせに、サオトメ様の隣に立つなんて図々しいって言ってんだよ!!身の程を知れ!!」
と言うと空に向かって勢いよく手を振り上げた。

その瞬間、彼女の姿は前世の記憶と重なり、親に叩かれた時の光景がフラッシュバックした。

恐怖が細胞の奥底から湧き上がり、身体が意志に反してちぢこまった、その時――



「何やってんだ」

男性の声に、つむった目を急いで開けた。


すると……

「…………えっ」

この世で最も会いたくなかった奴が、私に手を振り上げようとした女の真後ろに立っていた。
奴は、なぜかその女の手をしっかりとつかんでいる。
その様子は、まるで私を助けてくれているかのようにしか見えない。


白銀の髪が揺れ、
白く長いまつげにふち取られた輝くあおい瞳を見た瞬間、頭が真っ白になった。


「離せよ!って、きゃあああっ~~」

女は男を見た途端、ほほだけでなく耳まで真っ赤になり、さっきまでの威勢いせいが嘘のような高い声を出した。

そして、掴まれている自分の手を見て「あう……」と変な声をらす。


そんな時、学園内にチャイムがひびき渡り、渡り廊下にその音が反響はんきょうした。


私の悪口を言っていた2人組は、さっきまでとは別人のように恥じらいながら、何度も奴の方を振り返りつつ上級クラスの建物へと消えて行った。

その様子を不思議な気持ちで見届けたあと、奴を見る。
すると、鋭く冷ややかな奴の目と目が合い、ギクリとした。

「久しぶりだな。クソガキ」

クソガキじゃないし。
っていうか、それより……
「な、なんでいるの?……卒業したんじゃ……ないの?」


私の言葉に、奴は片眉を釣り上げる。
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