36 / 395
Fクラス-14歳-
3
しおりを挟む
一目見ただけで、この人は女子達に騒がれるような存在の人なんだろう、と感じた。
肩をグッと掴まれて振り返らされると、顔を真っ赤にした友人のメイが映った。
「ちょっと!シエルってサオトメ様と知り合いなの!?」
手を添えて小声で聞かれる。
「サオトメ……?」
その名前は聞いた事がある。
下級クラス棟でもかなりの有名で、何度も話題に出てきた人物だ。
確か名家の一人息子で、5歳でこの学園に入り、8歳でこの学園から勝手に出ようとした事でも有名だ。
歳は私より1つ年上だった気がする。
そして、久しぶりに飛び級を出すんじゃないかと騒がれるくらいに、かなりの魔力の持ち主だったはず。
なのに試験当日は体調を崩す事が多く、本当なら卒業してないとおかしいくらいの魔力を持っているのに、まだ卒業してないんだとか。
上級クラスと建物も違うというのもあって、噂では何度も耳にしていたけど、初めて実物を見た。
女子が騒ぐのも頷ける美貌だわ。
「余計なお世話だったかな」
申し訳なさそうな尊顔に、思わずブンブンと顔を振って否定しながらも、そんな綺麗な目を向けられると勝手に頬に熱を持つ。
「い、いえ。でもこれくらい大丈夫ですので。ありがとうございます」
本が落ちないように気を付けながら小さく頭を下げて通り過ぎようとすると、本のタワーに手を添えられた。
その事に驚くと、そっと肩を掴まれ目を向ける。
すると、私に合わせて少し屈むサオトメさんの尊顔が間近に見えて、心臓が跳ねた。
「遠慮しているだけなら手伝わせて欲しいな。女の子がこんな重そうなのを持って歩くなんて、ほっとけなくって」
ひぇ~!!
顔が良いだけじゃなく中身まで良いだなんて!!完璧?!
「でも、女子寮まで遠……」
断ろうとした私の口はメイの手に塞がれてしまう。
その事に目をパチクリさせると、メイが囁いて来た。
「いいじゃない!せっかくこんなに親切に言ってくれてるんだし。仲良くなれる絶好のチャンスよ!寮まで結構距離もあるんだし持ってもらいなよ!」
確かに、ここから寮まで結構な距離がある。
正直、この量の本を持って帰宅したら、明日は腕が上がらないだろう。
でも、友人でもない人にこんな重い本を持って貰うなんて、かなり気が引けてしまう。
あと、こんなに綺麗な男の子が近くに居るなんて、落ち着かないし……(ここが最重要!!)。
「私の為と思ってOKしてよぉ。私、一度話してみたかったの」
メイにお願いされると、断れるものも断れない。
まぁいいか、そこまで言うのなら。メイもいるし。
「すみません。じゃあお言葉に甘えて……何冊かお願い出来ますか?」
私の言葉にメイがガッツポーズをした、その時――
「Dクラス、マジマ・メイさん、Dクラス~マジマ・メイさん。至急講師室まで来てください」
と園内放送が流れた。
肩をグッと掴まれて振り返らされると、顔を真っ赤にした友人のメイが映った。
「ちょっと!シエルってサオトメ様と知り合いなの!?」
手を添えて小声で聞かれる。
「サオトメ……?」
その名前は聞いた事がある。
下級クラス棟でもかなりの有名で、何度も話題に出てきた人物だ。
確か名家の一人息子で、5歳でこの学園に入り、8歳でこの学園から勝手に出ようとした事でも有名だ。
歳は私より1つ年上だった気がする。
そして、久しぶりに飛び級を出すんじゃないかと騒がれるくらいに、かなりの魔力の持ち主だったはず。
なのに試験当日は体調を崩す事が多く、本当なら卒業してないとおかしいくらいの魔力を持っているのに、まだ卒業してないんだとか。
上級クラスと建物も違うというのもあって、噂では何度も耳にしていたけど、初めて実物を見た。
女子が騒ぐのも頷ける美貌だわ。
「余計なお世話だったかな」
申し訳なさそうな尊顔に、思わずブンブンと顔を振って否定しながらも、そんな綺麗な目を向けられると勝手に頬に熱を持つ。
「い、いえ。でもこれくらい大丈夫ですので。ありがとうございます」
本が落ちないように気を付けながら小さく頭を下げて通り過ぎようとすると、本のタワーに手を添えられた。
その事に驚くと、そっと肩を掴まれ目を向ける。
すると、私に合わせて少し屈むサオトメさんの尊顔が間近に見えて、心臓が跳ねた。
「遠慮しているだけなら手伝わせて欲しいな。女の子がこんな重そうなのを持って歩くなんて、ほっとけなくって」
ひぇ~!!
顔が良いだけじゃなく中身まで良いだなんて!!完璧?!
「でも、女子寮まで遠……」
断ろうとした私の口はメイの手に塞がれてしまう。
その事に目をパチクリさせると、メイが囁いて来た。
「いいじゃない!せっかくこんなに親切に言ってくれてるんだし。仲良くなれる絶好のチャンスよ!寮まで結構距離もあるんだし持ってもらいなよ!」
確かに、ここから寮まで結構な距離がある。
正直、この量の本を持って帰宅したら、明日は腕が上がらないだろう。
でも、友人でもない人にこんな重い本を持って貰うなんて、かなり気が引けてしまう。
あと、こんなに綺麗な男の子が近くに居るなんて、落ち着かないし……(ここが最重要!!)。
「私の為と思ってOKしてよぉ。私、一度話してみたかったの」
メイにお願いされると、断れるものも断れない。
まぁいいか、そこまで言うのなら。メイもいるし。
「すみません。じゃあお言葉に甘えて……何冊かお願い出来ますか?」
私の言葉にメイがガッツポーズをした、その時――
「Dクラス、マジマ・メイさん、Dクラス~マジマ・メイさん。至急講師室まで来てください」
と園内放送が流れた。
3
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる