23 / 243
1000~2000人に1人の存在
8
しおりを挟むそんな恐怖のスピードでレストランを数箇所、大図書館、本屋、服屋、化粧品とかも売ってる雑貨屋、遠くまで見渡せる展望台、大きなグランドに体育館にジムにプールなどを案内された。
目が回りそうになりながらも、学園内は必要最小限のお店や娯楽までもあって、ここはまるで小さな町みたいだと思った。
制服なのか、みんな胸下までのローブで中は白シャツに女子はスカート、男子はズボンで同じような格好をしていた。
ステッキを持ってる人も何人か見かけた。
あの丸眼鏡の人が言ってた事、まだ完全に信じられないけど、多分本当なんだろうな。
ただの人さらいなら、騙す為だけに、こんな大がかりで手の込んだ事をしない気がする。なんのメリットもないし。
でも、認めたくない。
だって認めてしまうと、両親が私の出生届を出さなかった事や、町が吹き飛ぶ可能性があったのに検査を受けさせなかったという事実を――認めないといけなくなってしまうから。
俯く私の耳に、数人の笑い声が飛び込んで来た。
目をやると、『学生』と言うには年齢が行きすぎている人達が数人映った。
「オジサン。さっきから思っていたんですけど、学園の生徒って結構年齢が高くないですか?」
そう言って20代後半から30代前半くらいのグループを指さす。
「オジサンじゃないってさっき言っただろ?クリフ兄さんだよ、クリフ兄さん」
「クリフオジサン……」
「いやいや、こう見えてまだ20代だから!マジでそんな年に見えるかなぁ」
不貞腐れるクリフオジサンを見て、やっぱり悪い人には見えないと思った。
「疲れてるからもういいや。また明日説明されると思うけど、卒業までの最短は10年だ」
「えっ!?最短で10年!?な、長すぎないですか!?ってことは早くて15歳で卒業って事ですよね」
指折り数えて目を剥く。
「そうなるな。ってかお前賢いな。実は天才か?」
ただ前世の記憶があるだけなのに、天才と言われて頭を掻いた。
「そうだな。最短15歳って事になるな。まぁ、ごく稀に飛び級が出る事もあるけど、ここ何十年?も出した人はいないらしい。だから基本はそんなものは無いと思っていい。
進級に滑ったら、その分だけ卒業が遅くなる。だから上のクラスになればなるほど年齢はバラバラだし、あれくらいの年になっても卒業出来ない奴は結構いるな」
その話に大きく肩を落とすと入道雲がピタリと止まった。
「着いたぞ。ここがチビスケがこれから住む場所だ」
そう言われて、すぐ横の立派な建物を見た。
すると、建物の手前に少し年期の入った背の高い門があり、そこには『女子寮』と書いてあった。
1
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
彼女を妃にした理由
つくも茄子
恋愛
ファブラ王国の若き王が結婚する。
相手はカルーニャ王国のエルビラ王女。
そのエルビラ王女(王妃)付きの侍女「ニラ」は、実は王女の異母姉。本当の名前は「ペトロニラ」。庶子の王女でありながら母親の出自が低いこと、またペトロニラの容貌が他の姉妹に比べて劣っていたことで自国では蔑ろにされてきた。今回も何らかの意図があって異母妹に侍女として付き従ってきていた。
王妃付きの侍女長が彼女に告げる。
「幼い王女様に代わって、王の夜伽をせよ」と。
拒むことは許されない。
かくして「ニラ」は、ファブラ王国で王の夜伽をすることとなった。
転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
ヒョロガリ殿下を逞しく育てたのでお暇させていただきます!
冬見 六花
恋愛
突如自分がいる世界が前世で読んだ異世界恋愛小説の中だと気づいたエリシア。婚約者である王太子殿下と自分が死ぬ運命から逃れるため、ガリガリに痩せ細っている殿下に「逞しい体になるため鍛えてほしい」とお願いし、異世界から来る筋肉好きヒロインを迎える準備をして自分はお暇させてもらおうとするのだが……――――もちろん逃げられるわけがなかったお話。
【無自覚ヤンデレ煽りなヒロイン ✖️ ヒロインのためだけに体を鍛えたヒロイン絶対マンの腹黒ヒーロー】
ゆるゆるな世界設定です。
2人の婚約者が居る天使【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
幌暗い部屋にある大きなベッドの上、縄に服の上から拘束され、服の胸の部分だけ引き裂かれ、足を閉じる事を許されない女は、目隠しをされ、口はボールを咥えさせられ、秘所には違和感がある物の感触があった。
その女を傍観する気配。
睡眠薬を嗅がされ、意識が無い間に、何があって、何をされているのか、女が分かるのは、意識を取り戻して直ぐだった。
※過激なシーンが苦手な方はご注意下さい。
※【籠の中の小鳥、羽ばたくJade】のキャラを出してます。
お詫び(_ _*)ペコッ
感想承認をするつもりが、却下してしまった方が居ます。申し訳ありませんでした。
セカンド・ストーリー希望とありましたので、思案させて頂きます。後日番外編として、新たに公開しますので、お楽しみ下さい。
※9/26、0時より番外編公開します♫
6話完結です
ハルシャギク 禁じられた遊び
あおみなみ
恋愛
1970年代半ば、F県片山市。
少し遠くの街からやってきた6歳の千尋は、
タイミングが悪く家の近所の幼稚園に入れなかったこともあり、
うまく友達ができなかった。
いつものようにひとりで砂場で遊んでいると、
2歳年上の「ユウ」と名乗る、みすぼらしい男の子に声をかけられる。
ユウは5歳年上の兄と父親の3人で暮らしていたが、
兄は手癖が悪く、父親は暴力団員ではないかといううわさがあり、
ユウ自身もあまり評判のいい子供ではなかった。
ユウは千尋のことを「チビ」と呼び、妹のようにかわいがっていたが、
2人のとある「遊び」が千尋の家族に知られ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる