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1000~2000人に1人の存在
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しおりを挟む「調べ通りだな。君は世間の事は何も知らないのだろう?」
「え……?」
どういう事?
前々から私の事を調べていたの?
たまたま偶然攫われたんじゃなくて?
じゃあ、今日言いつけを守らなかった事とは関係ない?
「入園の前に簡単に説明しよう」
入園!?いま入園って言った!?
って事は、まさかここは保育園!?そんな馬鹿な!
どう見ても、目の前の人達は保育士さんとは程遠い人相にしか見えない。
丸眼鏡は目の前にスッと手をかざす素振りをすると、何もなかった所に半透明のボードが出て来た。
そして、そのボードに人の形や円グラフが浮かび上がってくる。
「この世には、1000~2000人に1人くらいの確率で魔法の力を秘めてこの世に生まれてくる」
えっ!?
「絵本とかで『魔法』の存在は知っているとは思うが、君は魔法が本当に存在すると思っているか?」
その言葉に軽く引きながら首を振ると、丸メガネの人は鼻で笑って手の平を天井に向けた。
「残念ながら、それは不正解だ。魔法の力は……」
ボッと火が付くような音がしたと思うと、丸メガネの手の先から青い火の塊のようなものが現れた。
「このように存在している」
火の玉……!?嘘っ……。
「魔法にはこういった分かりやすく視覚で分かるものや、さっき君がここに来た時のような移動型の魔法、他にも様々なものがある。
魔力は生まれ持ったもの。
魔力を持ってない人間がいくら訓練をしたところで、魔法が使えるようにはならない。
魔力はほとんどの場合、3歳から6歳に検査機で感知できるくらいになる。
だから3歳から6歳まで、毎年魔力検診を受ける事を国民の義務としている」
そんな話、嘘だと思いたいのに、いくら言っても家から出して貰えなかった事や、愛してくれているはずなのに、私が病気になっても病院に連れていってくれなかった事。
他にも今まで感じていた不信感や違和感を思い出してしまい、その話を完全に否定することが出来なかった。
「……なのに両親は君にその検診を一度も受けさせなかった。まぁ、元々そういうつもりだったんだろう。君の出生届も出されていなかったからな。だから捕獲が大幅に遅くなってしまった」
出生届が、出されていなかった?
そんな……なんで!?
不安感を感じてネックレスを服越しに触ると、ここまで運んできた男が話し出す。
「……ったく。自分の事しか考えてねぇよな。魔力を持つ子供をそのままにすると大変な事になるって、いい大人なら誰でも知ってる事なのになぁ……」
「大変な事って……?」
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