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1000~2000人に1人の存在
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しおりを挟む「あっ……」
風を感じるのなんていつぶりだろうか。
風を懐かしみながら風が吹く方向に顔を向けると、一面に広がるピンク色に染まった雲が目に飛び込んで来た。
その光景はとても幻想的で、私の中の時計の針がピタリと止まってしまった。
「き……綺麗……」
「もうすぐ夕方だから染まり始めてるな」
少し視線を見上げると、空にはサイズ違いの月のようなものが3つ。
そして足元をよく見ると、へんてこな形の何がどうなっているのかも分からないような建物やスカイツリーに東京タワーが見えた。
この景色は近未来的とも言えそうだけど、何かそういう次元ではないような気がした。
言うならばSF映画のように思えた。
今の状況もちゃんと理解出来ないのに、この景色がなんなのかなんて分かるわけがない。
半放心状態でそんな景色を見ていると、背後から後ろの人とは別の声が飛んで来た。
「おいクリフ。また座標ズレてるぞ」
その声に、私をぬいぐるみみたいに抱える男は私ごとグルリと振り返る。
「ひっ」
すると、後から来たコスプレ男も私達と同じように浮いている様子が目に飛び込んできて来て、目が釘付けになった。
「分かってますよ~。昨日飲みすぎたせいで集中力足りてないっぽいですよ」
「酒が残ってるくらいでコントロールが利かなくなるとか、お前学生からやり直せ」
「はは、それは嫌ですよ」
「じゃあさっさと学園長に所に行け。お前ら以外とっくにみんな着いてるんだぞ」
それだけ言うと、目の前の男は忽然と視界から消えた。
「言われなくても分かってるのになぁ」
私は、いきなり目の前で人が消えた事に驚いて目をゴシゴシと擦る。
そしてゆっくり目を開けると――
今度は空ではなく、偉い人が使ってそうな趣のある洋風の部屋が映った。
「……へっ……?」
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