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エピローグ

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そんな事を考えながら、グッとつま先に力を込めて背を高くしてからキスをした。

ついばむようなキスを二度落とした後、彰を見ると大きくな字で『物足りない』と書いてあった。

案の定言われる。
「もう終わり?」
って。

……あれぇ?
全然駄目そうなんだけど……。

もしかして、今回は初の本当に食べれないパターン?


「もういいや。そんなに食いたいわけじゃなさそうだし。隣のウィリアムズ夫婦と食ってこうかな」
そう言って玄関の方に一歩踏み出そうとする彰を、すかさず引き止める。
「待って!」
そしてそのままの勢いで首の後ろに手を回して、再び唇を重ねた。

自分から舌を差し入れて、彰の肉厚な舌と絡ませる。
ぬめった舌先で遊ぶように触れ合ったと思うと、深くまで触れ合う。
次第に吐息の熱まで感じ、身体の芯に熱が帯びて来る。
十分過ぎるくらいの長いキスをした後、唇をそっと離すと、自然とため息のような吐息が漏れた。

彰の顔には、もう物足りないなんて書いてない。

「……ねぇ、食べたい」

綺麗な顔が私見ると目を細めた。


「何を?」
「……え?」
その言葉に頭の上にハテナマークを浮かべる。

「あ……れ……?」
違った?
あの顔は『チーズケーキが食べたいのなら、あげたいと思わせてみろ』って顔じゃなかった?

「何ってチ……」
「食っていいよ」
突然の許可が下りたと思ったら、いきなり貪るようなキスをされる。

やってる事と言ってる事がめちゃくちゃだ。
こんなんじゃ食べれないじゃん。

と思ってる間に背中に回って来た手が下に降りて来て、スカートをまくし上げていく。

「んっ!?」
行動が予想外過ぎて、キスされて塞がれてる口から驚きの声が漏れる。

気付くともう一つの手は、いつの間にか服の中に侵入していて、胸を揉みしだいていた。
「ふっ……」

大きな手が私の胸を包み込み、ブラ越しに頂点を指でカリっとかく。
それだけで身体は大きく震えてしまう。
「んっ!」

「お前、敏感すぎ。まぁ、そんな身体にしたのは俺だけど」
満足げに話す彰は、ずっと掻く手を止めてくれないから腰まで震えてしまう。


「あき……ら……っ」
「……やっぱ、食われるより食いてぇな」
彰は、そんな謎の言葉を呟いて私をヒョイっと抱き上げた。
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