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一瞬の再会-東十条彰Side-

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あれから二年――

「くそ!ほら!もっとケツ上げろよ!」
「東十条くん!激しいよぉ!もっと……優しく……」
「るせぇ!こういうのが好きなクセに」

そう言うと背中が弓のようにしなって痙攣《けいれん》する。

「何許可なくイッてんだよ」
そう言って大きなケツを叩くと、叩く度にビクビクと震える。


むしゃくしゃする。

この前、緊急帰国した時に遥と会ってしまったせいだ。
遥はいつも俺の心を乱す。

それにしても、遥に悪さしようとした屑野郎共くずやろうどもには二度と近付かないように恐怖を植え付けたつもりだったけど、
もっと……もう生きていたく無くなるくらいでも良かったんじゃないかと、今更思って後悔する。

遥……めちゃくちゃ雰囲気が変わってたな……。

その辺の芸能人よりも綺麗だったけど……なんでかはかなくて、もろく見えた。

一瞬しか会ってねぇのに、ほっとけねぇような……傍で見守って行きたくなるような……そんな気持ちにさせられた。

何があってあんな事になったんだ?
めちゃくちゃ気になるのに、クソ親父のせいで何も分からない。




『彰……』
遥の声が頭の中でこだまする。

「あぁん、東十条くん……」
「るせぇ!」
そう言って自分でも驚く程早くに自分を放った瞬間、マシに見えていたはずの目の前の女が、今すぐ俺の視界から消えて欲しい程の存在に早変わりする。

なんでこの女を抱こうと思えたのかも分からない程に。
ここまで落差があったのは初めての経験。


そして、まさか俺…………遥でイッた?


その事に不快な気分になった。

「ほんと、なんなんだよ……」
「どうしたの?東十条くん」

あぁ、やっぱアイツを思い出すと落ち着かなくなるし気分が悪くなる。

この苛立ちの正体が一体なんなのか分からない。
分からないからどうにもする事が出来ない。

解決しないのなら、
もういっそ……俺の中から消えてくれ……。



そう願っていたはずなのに……

数年後、呆気なく再会する事となってしまった。




…………

……



「嬉しいですぅ。あの東十条さんと一緒に飲めるだけじゃなくって、ご自宅にまで入れてもらえるなんて」
隣で媚びるように話す女は頬を染める。

俺はその女に無言で愛想笑いをすると反対側の男友達、亮介の方を向く。
「おい。俺、女を呼ぶなんて聞いてないんだけど」
「いいじゃん。花があった方が」

花ってなんだよ。『人』の間違いだろ。
この場に女なんて本当に必要か?
男だけでいいだろうが。
女なんて面倒くさい事極まりない存在なんだから。


ってかそもそも、ここ俺の家なんだけど。
呼ぶ前に許可取れよ。


日本の一流大学に首席入学した俺がさっそく仲良くなったのは、酷い女好きだったよう。
他の話は合うのに、そこは正反対みたいだ。

「これで全員?」
この場には俺を合わせて男は3人、女は2人いた。

「まだだよ。あと2人女の子を呼んでるんだけど」

げっ、まだ来るのかよ。しかも2人。
勘弁してくれ。

「もう、遅れて来るのなら先に始めよう」
そしてその分、さっさとお開きにしてやる。

そう思いながら冷蔵庫に酒とつまみを取りに行った時、ちょうどインターホンが鳴った。
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