154 / 337
遅すぎる自覚
14
しおりを挟む
「私は、ただタカシお兄ちゃんと……」
「喋んな!お前の口からアイツの名前なんて聞きたくねぇ」
とても低い声でまた怒鳴られたと思うと、鋭い目で睨まれて、そのせいでまた溢れて来た涙が頬を伝った。
その瞬間、アキラは再びハッとした顔をすると、困ったように前髪をグシャっと握ってため息をついた。
「聞きたくねぇって言っただろ」
「でも……」
そう言うと噛み付くように唇を塞がれた。
「んぅ……」
舌が入ってこようとした時、顔を背ける。
「待って!まっ、まだ話が……っ」
でも、話なんてさせないとばかりに、強引に再び奪われる唇。
アキラは直したばかりのガウンの中手を突っ込み、いきなり私の胸の頂点に触れてきた。
「んっ……あ……」
どうして?
なんでそこまでして話させてくれないの?
名前を聞きたくないって、何?
揺らぐ視界でアキラの顔を見る。
「……あっ」
アキラの舌や指の動きに合わせて全身が震えてしまう。
「俺の前で、二度とアイツの名前を出すな」
そんな胸元なんかで喋らないで。
そう思っていると、リップ音を鳴らしながら更に下に下に降りて行く。
「なん……で……んぁっ!!そこ……」
……どうして……?
…………
……
「おはよー」
「ユイユイ、おはよー」
久しぶりに登校すると、いきなりユイユイに声をかけられた。
「また一緒に大学通えるの、嬉しい!!」
「私もー!」
会うなりガッシリと抱き合う私達。
「……でも、これから半期分はアキラに養われてるみたいで、めちゃくちゃ嫌。いくら言っても『返済なんて要らねぇ』の一点張りだし」
「あー、さすが東十条さん、なかなか凄い事するよね。好きな子の大学費用を勝手に払っちゃうなんて」
「だーかーら!好きな子なんかじゃないから」
即座に訂正を入れる。
「はいはい。本当、私のその話信じてくれないよねー。
どっからどう見ても好きなのに。遥と一緒で、顔に『好き』って書いてあるじゃん」
ユイユイは私と違って恋愛経験がかなり豊富。
だから話をしていると『なるほど!』って思うことが多い。
でもアキラの話だけは信じられない。
だって……
「写真で脅す奴よ?好きな相手に普通そんな事しないでしょ!?」
「確かにそうなんだけどね。詳しくは分からないけど、色々と事情があるのかもよ?」
「脅す事情なんてあってたまるか!」
それを聞いて眉を下げてクスクスと笑うユイユイ。
「まだ写真ってバラ撒かれて無かった?」
「写真?大丈夫よ。前も言ったけど、そんな事、絶対東十条さんはしないと思うけどね」
「分からないじゃん。前から何考えてるのか訳分からなかったけど、最近は更にそれが酷くなった感じだし」
「そうなの?」
「一度アキラの頭の中を見れたらいいのに。
……あっ!でもそんな事したら、私がアキラにとって人間以下の存在だって確定してしまうじゃん。そんなの絶対精神キツイ……」
頭を抱えて悩む私を見て、また楽しそうに笑う。
「ふふっ、また要らない心配してるし。とりあずそろそろ授業始まるから行こう」
…………
……
「喋んな!お前の口からアイツの名前なんて聞きたくねぇ」
とても低い声でまた怒鳴られたと思うと、鋭い目で睨まれて、そのせいでまた溢れて来た涙が頬を伝った。
その瞬間、アキラは再びハッとした顔をすると、困ったように前髪をグシャっと握ってため息をついた。
「聞きたくねぇって言っただろ」
「でも……」
そう言うと噛み付くように唇を塞がれた。
「んぅ……」
舌が入ってこようとした時、顔を背ける。
「待って!まっ、まだ話が……っ」
でも、話なんてさせないとばかりに、強引に再び奪われる唇。
アキラは直したばかりのガウンの中手を突っ込み、いきなり私の胸の頂点に触れてきた。
「んっ……あ……」
どうして?
なんでそこまでして話させてくれないの?
名前を聞きたくないって、何?
揺らぐ視界でアキラの顔を見る。
「……あっ」
アキラの舌や指の動きに合わせて全身が震えてしまう。
「俺の前で、二度とアイツの名前を出すな」
そんな胸元なんかで喋らないで。
そう思っていると、リップ音を鳴らしながら更に下に下に降りて行く。
「なん……で……んぁっ!!そこ……」
……どうして……?
…………
……
「おはよー」
「ユイユイ、おはよー」
久しぶりに登校すると、いきなりユイユイに声をかけられた。
「また一緒に大学通えるの、嬉しい!!」
「私もー!」
会うなりガッシリと抱き合う私達。
「……でも、これから半期分はアキラに養われてるみたいで、めちゃくちゃ嫌。いくら言っても『返済なんて要らねぇ』の一点張りだし」
「あー、さすが東十条さん、なかなか凄い事するよね。好きな子の大学費用を勝手に払っちゃうなんて」
「だーかーら!好きな子なんかじゃないから」
即座に訂正を入れる。
「はいはい。本当、私のその話信じてくれないよねー。
どっからどう見ても好きなのに。遥と一緒で、顔に『好き』って書いてあるじゃん」
ユイユイは私と違って恋愛経験がかなり豊富。
だから話をしていると『なるほど!』って思うことが多い。
でもアキラの話だけは信じられない。
だって……
「写真で脅す奴よ?好きな相手に普通そんな事しないでしょ!?」
「確かにそうなんだけどね。詳しくは分からないけど、色々と事情があるのかもよ?」
「脅す事情なんてあってたまるか!」
それを聞いて眉を下げてクスクスと笑うユイユイ。
「まだ写真ってバラ撒かれて無かった?」
「写真?大丈夫よ。前も言ったけど、そんな事、絶対東十条さんはしないと思うけどね」
「分からないじゃん。前から何考えてるのか訳分からなかったけど、最近は更にそれが酷くなった感じだし」
「そうなの?」
「一度アキラの頭の中を見れたらいいのに。
……あっ!でもそんな事したら、私がアキラにとって人間以下の存在だって確定してしまうじゃん。そんなの絶対精神キツイ……」
頭を抱えて悩む私を見て、また楽しそうに笑う。
「ふふっ、また要らない心配してるし。とりあずそろそろ授業始まるから行こう」
…………
……
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
義兄の執愛
真木
恋愛
陽花は姉の結婚と引き換えに、義兄に囲われることになる。
教え込むように執拗に抱き、甘く愛をささやく義兄に、陽花の心は砕けていき……。
悪の華のような義兄×中性的な義妹の歪んだ愛。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる