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11年越しの告白
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「そもそも遥ちゃんがこうなったのは、アキラが原因だろ?」
「は?なんで」
「ちょうどマンションに荷物を取りに帰ろうと前を通りがかった時、男たちに拉致されている遥ちゃんが見えたんだよ」
「えっ……嘘だろ」
「そこで慌てて助けに行ったら、遥ちゃん、何故か傘も差さずにずぶ濡れで……目が死んでたよ。今は幾分かはマシに見えるけど」
そう話すタカシお兄ちゃんは静かに怒りを抑えているかのように見えた。
その言葉を聞いたアキラは勢いよく私を見る。
その顔は、とても酷いものだった。
「何があったのか分からないけど、こんなになるまで放置したアキラは怒れる立場じゃないんじゃない?
寧ろ俺に感謝してほしい位だね。
あっ……でも無理やりホテルに連れ入ったんだから『感謝』はおかしいかもね」
その言葉を聞いて、ビックリした。
こんなに良くしてくれていたのに、それだとタカシお兄ちゃんが悪者になってしまう。
「待って、それだとタカッ……んぐ!」
誤解を解こうとした私の口は、近付いて来ていたタカシお兄ちゃんの手で塞がれ、小さな声が耳元の入って来た。
「遥ちゃん、ここは俺に任せて」
その言葉に頭の上にハテナマークを浮かべると、すぐに怒りに震えたようなアキラの声が鼓膜を刺した。
「おい。いつの間にそんなに仲良くなってんだよ!
昔っからそうだよな。お前らは……いつだって……。
まさか俺が何も知らないとでも思っているのか?」
私とタカシお兄ちゃんは憎悪に満ちた目で睨まれる。
でも、言ってる意味が全く分からない。
「俺が会うなって言っても、いつもいつも俺の目を盗んで、こそこそ二人で会いやがって……」
「……え」
その言葉と鋭い視線が、私の心に刺さる。
それはとても痛くて、苦しい。
「知らないとでも思ってんのかよ!」
確かに、昔、よくアキラが居ない時に二人で会ってた。
絶対にバレてないと思っていたのに、アキラはそれを知ってたんだ。
「そんなに好きかよ。…………崇ニィが」
「へ?……ちっ、違う!」
確かに昔は好きだった。
でもそれは過去のこと。
今はアキラが好き。
顔を見るだけで、『関わらないで』と言った自分を覆したくなる程に。
あんなに恨んでた過去さえも、許してしまいたくなるくらいに。
……それ程に好きなのに。
「は?なんで」
「ちょうどマンションに荷物を取りに帰ろうと前を通りがかった時、男たちに拉致されている遥ちゃんが見えたんだよ」
「えっ……嘘だろ」
「そこで慌てて助けに行ったら、遥ちゃん、何故か傘も差さずにずぶ濡れで……目が死んでたよ。今は幾分かはマシに見えるけど」
そう話すタカシお兄ちゃんは静かに怒りを抑えているかのように見えた。
その言葉を聞いたアキラは勢いよく私を見る。
その顔は、とても酷いものだった。
「何があったのか分からないけど、こんなになるまで放置したアキラは怒れる立場じゃないんじゃない?
寧ろ俺に感謝してほしい位だね。
あっ……でも無理やりホテルに連れ入ったんだから『感謝』はおかしいかもね」
その言葉を聞いて、ビックリした。
こんなに良くしてくれていたのに、それだとタカシお兄ちゃんが悪者になってしまう。
「待って、それだとタカッ……んぐ!」
誤解を解こうとした私の口は、近付いて来ていたタカシお兄ちゃんの手で塞がれ、小さな声が耳元の入って来た。
「遥ちゃん、ここは俺に任せて」
その言葉に頭の上にハテナマークを浮かべると、すぐに怒りに震えたようなアキラの声が鼓膜を刺した。
「おい。いつの間にそんなに仲良くなってんだよ!
昔っからそうだよな。お前らは……いつだって……。
まさか俺が何も知らないとでも思っているのか?」
私とタカシお兄ちゃんは憎悪に満ちた目で睨まれる。
でも、言ってる意味が全く分からない。
「俺が会うなって言っても、いつもいつも俺の目を盗んで、こそこそ二人で会いやがって……」
「……え」
その言葉と鋭い視線が、私の心に刺さる。
それはとても痛くて、苦しい。
「知らないとでも思ってんのかよ!」
確かに、昔、よくアキラが居ない時に二人で会ってた。
絶対にバレてないと思っていたのに、アキラはそれを知ってたんだ。
「そんなに好きかよ。…………崇ニィが」
「へ?……ちっ、違う!」
確かに昔は好きだった。
でもそれは過去のこと。
今はアキラが好き。
顔を見るだけで、『関わらないで』と言った自分を覆したくなる程に。
あんなに恨んでた過去さえも、許してしまいたくなるくらいに。
……それ程に好きなのに。
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