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サークル飲み会
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向かいの友達が、じっと見つめてそんな事を言うから慌てて否定する。
「え!?そ、そんな事ないよ!」
「そうですか?」
私は顔を覗き込まれ、つい目が泳ぎそうになる。
「目も潤んでますし、そんなにお酒弱かったですか?」
「じ、実は、今日あんまり体調がよく無くて⋯⋯」
「プッ」
真横から出たその声に振り向くと、アキラは手で顔を覆って肩を震わせていた。
「どうしたんですか?東十条さん」
「ごめん、ちょっとクシャミが出そうになって」
はぁ!?クシャミだぁ!?
そんなワケないでしょ!?
確実に今、顔を隠してほくそ笑んでいたじゃない!
くそー!
写真さえ無ければ、前の私みたいにアキラを完全無視出来るのに!
その時、アキラの手が緩むのを感じてすぐさま繋いでくる手から逃れる。
やっとアキラから開放された私は、もう何もされないように、アキラを睨みつけてからすぐに席を立った。
「おい、どこに行くんだよ」
「何処だっていいでしょ!?」
そう言ってトイレに向かった。
トイレの個室の扉を閉めると、どっと疲れが押し寄せて大きなため息をつく。
「アキラめ……。はー、もう、こんなの心臓がもたないよ。1日でも早くデータを消す方法を考えないと」
あれから考えたけど、考えても考えてもいい作戦なんて浮かばなかったのよね。
自分から進んでアキラの家に行ったところで、警戒されて何も出来ずにヤラれるのがオチだろうし。
「あぁー!警戒さえ解ければなんとかなりそうなのに!」
そう叫んで頭を抱えていると、トイレの入口ドアが開く音と同時に話し声が耳に飛び込んできた。
「ねー、意外だったね。東十条さんと白藤さんの話。でも本当に何も無いのかな」
「何も無いって言ってたけど絶対怪しいよね。仲良さげだったしー」
その声と話しぶりから、前と斜め向かいに座っていたサークル友達だと分かった。
いやいや、だから、何処に仲良い要素があるのよ。
それに私はアキラとじゃなくて、前にいたあなたと話してたじゃない。
「あっそういえば白藤さんトイレじゃないの?」
「え!?そ、そんな事ないよ!」
「そうですか?」
私は顔を覗き込まれ、つい目が泳ぎそうになる。
「目も潤んでますし、そんなにお酒弱かったですか?」
「じ、実は、今日あんまり体調がよく無くて⋯⋯」
「プッ」
真横から出たその声に振り向くと、アキラは手で顔を覆って肩を震わせていた。
「どうしたんですか?東十条さん」
「ごめん、ちょっとクシャミが出そうになって」
はぁ!?クシャミだぁ!?
そんなワケないでしょ!?
確実に今、顔を隠してほくそ笑んでいたじゃない!
くそー!
写真さえ無ければ、前の私みたいにアキラを完全無視出来るのに!
その時、アキラの手が緩むのを感じてすぐさま繋いでくる手から逃れる。
やっとアキラから開放された私は、もう何もされないように、アキラを睨みつけてからすぐに席を立った。
「おい、どこに行くんだよ」
「何処だっていいでしょ!?」
そう言ってトイレに向かった。
トイレの個室の扉を閉めると、どっと疲れが押し寄せて大きなため息をつく。
「アキラめ……。はー、もう、こんなの心臓がもたないよ。1日でも早くデータを消す方法を考えないと」
あれから考えたけど、考えても考えてもいい作戦なんて浮かばなかったのよね。
自分から進んでアキラの家に行ったところで、警戒されて何も出来ずにヤラれるのがオチだろうし。
「あぁー!警戒さえ解ければなんとかなりそうなのに!」
そう叫んで頭を抱えていると、トイレの入口ドアが開く音と同時に話し声が耳に飛び込んできた。
「ねー、意外だったね。東十条さんと白藤さんの話。でも本当に何も無いのかな」
「何も無いって言ってたけど絶対怪しいよね。仲良さげだったしー」
その声と話しぶりから、前と斜め向かいに座っていたサークル友達だと分かった。
いやいや、だから、何処に仲良い要素があるのよ。
それに私はアキラとじゃなくて、前にいたあなたと話してたじゃない。
「あっそういえば白藤さんトイレじゃないの?」
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