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サークル飲み会
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データさえ消せれば、こんな地獄を半年も耐える必要なんて無いじゃない。
どうにかしてアキラが居ないタイミングを作って、バックアップとスマホのデータを消せばいいのよ!
スマホのデータは、もしロック解除が難しければ水没させればいい。
一番難しそうなのはバックアップ側なんだと思う。
バックアップの王道は、やっぱりパソコンの中か……サーバーとかに保存するクラウド系?
でも、パスワードとかどうするの?
サーバーに保存していたら、パソコンを水没させても意味ないでしょ?
あんな発言しておいて、パスワードが王道の誕生日なんてあり得ないだろうし……。
「うーん⋯⋯」
「何さっきから唸ってんだ?」
あんたのせいでしょ!あんたの!
…………
……
「遥ちゃーん!やっと来てくれたーー!」
抱きついて出迎えてくれたのは、優しくて面倒見のいいサークルリーダーの美月さん。
私が大好きな人。
美月さんが好きだから、男まみれになってしまったサークルでもまだ辞めていないと言っても過言ではない。
「ごめんなさい、遅れちゃって」
このサークルが男まみれになってから長らく参加してなかったサークル飲み会。
参加するのは何ヶ月ぶりだろう。
「いいのよ、いいのよー。無理言ってごめんね。もう遥ちゃんは来てくれただけで十分だから」
そう言って手を合わす。
あぁ、やだな。
美月さんがわざわざ教室まで来て、参加するように泣きつかせたゴミ屑達を今から拝まないといけないなんて。
思い出しただけで怒りが湧いてくるわ。
「あ、白藤さんだー。今日は参加されるんですね」
貸し切ってる部屋までの道で、バッタリと会ったサークルメンバーに二人声をかけられる。
「そうなの。久しぶりにね。あれ、でも二人とももう帰るの?」
逆流して来たからそう聞いたけど、よく見ると二人の手には可愛い化粧ポーチ。
「違うんです。今から二人でお化粧直しに行くところなんです」
「ねっ!」
そう言って二人が仲良さそうに顔を合わす。
「そ、そーなんだ。行ってらっしゃい」
そう手を振りながらも、首をひねった。
何、それ。変なの。
あの2人って普段そんなことするタイプじゃなかったのに。
そして服の趣味変わった?
二人とも胸元開きすぎじゃない?
いつもと違う二人の雰囲気に違和感を抱きながらながらも予約している個室前に到着する。
「もう靴いっぱいで入らないから、そのままでいいんだって」
小さな靴箱がいっぱいで、脱いだヒールを手にした私に教える美月さん。
「そうなんですね」
揃えられた靴や雑に脱がれてる靴の中、揃えて置くと美月さんが襖を開けた。
その瞬間、低い歓声が上がる。
予想していた通り、獲物を見るような熱い視線が刺さりまくる。
一瞬で、今すぐ帰りたい衝動に駆られたけど美月さんの事を考えるとそれは出来ない。
そんな視線に気付かないふりをしながら、チラっと美月さんを見る。
「さっ、どこでもいいから座って」
立ち尽くしている私に、美月さんがそう声をかけると、浮かれた顔した男どもが一斉に手を挙げて
「こっち空いてまぁーす!」
とテンション高く言ってくる。
「結構です!」と心の中で丁重にお断りして無言でニコリと愛想笑いを返すと、男どもが胸を押えてもがく。
馬鹿すぎる。
それ、酔ってんの?シラフなの?
他の方にも目をやると、グラス片手に話しかけるタイミングを見計らってるゴミ屑がパッと見ただけで数名。
ごめんなさい、美月さん。
もう帰りたいです。
とりあえずザッと見て一番女子が多く見えた入り口付近に腰を下ろすと、すぐ隣の人に話しかけられた。
「おせーよ」
めちゃくちゃ聞き覚えのあるその声にドキっとして勢いよく振り返るとーー
ヤツがいた。
おい、悪縁⋯⋯っ!!
どうにかしてアキラが居ないタイミングを作って、バックアップとスマホのデータを消せばいいのよ!
スマホのデータは、もしロック解除が難しければ水没させればいい。
一番難しそうなのはバックアップ側なんだと思う。
バックアップの王道は、やっぱりパソコンの中か……サーバーとかに保存するクラウド系?
でも、パスワードとかどうするの?
サーバーに保存していたら、パソコンを水没させても意味ないでしょ?
あんな発言しておいて、パスワードが王道の誕生日なんてあり得ないだろうし……。
「うーん⋯⋯」
「何さっきから唸ってんだ?」
あんたのせいでしょ!あんたの!
…………
……
「遥ちゃーん!やっと来てくれたーー!」
抱きついて出迎えてくれたのは、優しくて面倒見のいいサークルリーダーの美月さん。
私が大好きな人。
美月さんが好きだから、男まみれになってしまったサークルでもまだ辞めていないと言っても過言ではない。
「ごめんなさい、遅れちゃって」
このサークルが男まみれになってから長らく参加してなかったサークル飲み会。
参加するのは何ヶ月ぶりだろう。
「いいのよ、いいのよー。無理言ってごめんね。もう遥ちゃんは来てくれただけで十分だから」
そう言って手を合わす。
あぁ、やだな。
美月さんがわざわざ教室まで来て、参加するように泣きつかせたゴミ屑達を今から拝まないといけないなんて。
思い出しただけで怒りが湧いてくるわ。
「あ、白藤さんだー。今日は参加されるんですね」
貸し切ってる部屋までの道で、バッタリと会ったサークルメンバーに二人声をかけられる。
「そうなの。久しぶりにね。あれ、でも二人とももう帰るの?」
逆流して来たからそう聞いたけど、よく見ると二人の手には可愛い化粧ポーチ。
「違うんです。今から二人でお化粧直しに行くところなんです」
「ねっ!」
そう言って二人が仲良さそうに顔を合わす。
「そ、そーなんだ。行ってらっしゃい」
そう手を振りながらも、首をひねった。
何、それ。変なの。
あの2人って普段そんなことするタイプじゃなかったのに。
そして服の趣味変わった?
二人とも胸元開きすぎじゃない?
いつもと違う二人の雰囲気に違和感を抱きながらながらも予約している個室前に到着する。
「もう靴いっぱいで入らないから、そのままでいいんだって」
小さな靴箱がいっぱいで、脱いだヒールを手にした私に教える美月さん。
「そうなんですね」
揃えられた靴や雑に脱がれてる靴の中、揃えて置くと美月さんが襖を開けた。
その瞬間、低い歓声が上がる。
予想していた通り、獲物を見るような熱い視線が刺さりまくる。
一瞬で、今すぐ帰りたい衝動に駆られたけど美月さんの事を考えるとそれは出来ない。
そんな視線に気付かないふりをしながら、チラっと美月さんを見る。
「さっ、どこでもいいから座って」
立ち尽くしている私に、美月さんがそう声をかけると、浮かれた顔した男どもが一斉に手を挙げて
「こっち空いてまぁーす!」
とテンション高く言ってくる。
「結構です!」と心の中で丁重にお断りして無言でニコリと愛想笑いを返すと、男どもが胸を押えてもがく。
馬鹿すぎる。
それ、酔ってんの?シラフなの?
他の方にも目をやると、グラス片手に話しかけるタイミングを見計らってるゴミ屑がパッと見ただけで数名。
ごめんなさい、美月さん。
もう帰りたいです。
とりあえずザッと見て一番女子が多く見えた入り口付近に腰を下ろすと、すぐ隣の人に話しかけられた。
「おせーよ」
めちゃくちゃ聞き覚えのあるその声にドキっとして勢いよく振り返るとーー
ヤツがいた。
おい、悪縁⋯⋯っ!!
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