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光る木
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月が雪を照らし、雪明りで銀色に光っている。誰も踏んでいない雪の上には、獣の足跡がある。
「寒い……」
ボソッと呟くと、隣りにいたリヴィオが、だから言っただろと返してくる。
「だって、この時期にしかない特別な温泉って聞いたら、行きたくなるわよ~」
「噂だろ?本当にあるのかよ?まぁ……そう言いつつ、しっかり温泉セット持ってきてるけどな」
サクサクと雪を踏みしめ、静かな山道を歩いていく。
「トーマスが言っていたから、間違いないわ!」
「まぁ、トーマスなら……嘘は絶対言わねーけど」
庭師のトーマスは素朴で真面目な性格で、私の小さい頃から信頼のおける人だ。彼が言うには、山に光る木があり、そこに湧く温泉は、この世のものと思えないほど美しいという。
この辺りなんだけど……と、足を止めた。
「おい。あそこじゃないか?薄っすら白いような黄色いような光が見える」
リヴィオが指差す方向へ歩みを足早に進めていくと、岩場に囲まれた湯気の出ている温泉を発見した。
「うわぁ……」
私はその景色に思わず感嘆の声をあげた。
木々に白く光る星のような形の実がなっている。その実が、温泉の中へ落ちるとシュワッと音をたてて、発光し泡を出しながら溶けていく。その効果なのか、温泉のお湯が黄色味がかった白い光を帯びて淡く優しい光で温泉は輝いている。
「これぞ異世界温泉って感じたな」
リヴィオも見惚れていたらしく、やっと声をあげた。
「まるで銀河の温泉ね!」
私達の持ってきたランタンの魔法の明かりはもう不必要なほど、明るかった。雪に明かりが反射してキラキラしている。
「この世界はすべて見たと思っていたが、それは誤りであった。この星は本当に美しいのぅ」
「星?フフフッ。なんなのー?アオの宇宙人的な発言は?」
感動しているアオが初めて地球を見た宇宙人みたいなことを言うので、私は笑った。
「なんじゃ?そのウチュウジンとは?」
「アオに宇宙人とか言ってもなー。わかんねーだろー」
リヴィオがヒョイッと持ち上げる。
「セイラ、先に入ってこいよ。周りを見ててやる」
「ほんと?」
良いよとリヴィオが言った後に……おまえ、そういえばと付け加える。
「最初に温泉見つけた時、オレのこと意識してなくて、無防備に服脱いでただろ?」
「キャアアアア!忘れてっ!それは忘れてほしいわ」
そんなこともあった。もはや懐かしいのに、わざわざ思い出さないでほしいものだ。赤面する私にリヴィオはからかうようにニヤッ笑った。
「ちょっとショックだった。今だから言うけどな」
「すいません……」
顔に手をやり、手で隠す私。
「イチャイチャしてないで、さっさと風呂へ入るのじゃ」
し、してないわよ!と私は言い返す。
「アオ、おまえ留守番しててよかったんだぞ?」
そしたら思う存分イチャイチャできたんだが?と言うリヴィオの言葉にアオはフッと鼻先で笑う。
「こんな楽しいそうなことを逃すわけがあるまい!他の神にも自慢するのじゃ。今度、連れてきてやろう」
そんな言い争いじみたことをしながら二人は少しだけ離れた場所へといった。
私は光輝くシュワッと音のする温泉を堪能した。温泉はちょうどいい温度で、温かく、炭酸のような泡がくっついてくる。手足を伸ばし、空を見上げると、星々が煌めいていた。
「最高ね~」
そう呟いた声と共に白い息が出て、星が瞬く夜空に溶けた。
「寒い……」
ボソッと呟くと、隣りにいたリヴィオが、だから言っただろと返してくる。
「だって、この時期にしかない特別な温泉って聞いたら、行きたくなるわよ~」
「噂だろ?本当にあるのかよ?まぁ……そう言いつつ、しっかり温泉セット持ってきてるけどな」
サクサクと雪を踏みしめ、静かな山道を歩いていく。
「トーマスが言っていたから、間違いないわ!」
「まぁ、トーマスなら……嘘は絶対言わねーけど」
庭師のトーマスは素朴で真面目な性格で、私の小さい頃から信頼のおける人だ。彼が言うには、山に光る木があり、そこに湧く温泉は、この世のものと思えないほど美しいという。
この辺りなんだけど……と、足を止めた。
「おい。あそこじゃないか?薄っすら白いような黄色いような光が見える」
リヴィオが指差す方向へ歩みを足早に進めていくと、岩場に囲まれた湯気の出ている温泉を発見した。
「うわぁ……」
私はその景色に思わず感嘆の声をあげた。
木々に白く光る星のような形の実がなっている。その実が、温泉の中へ落ちるとシュワッと音をたてて、発光し泡を出しながら溶けていく。その効果なのか、温泉のお湯が黄色味がかった白い光を帯びて淡く優しい光で温泉は輝いている。
「これぞ異世界温泉って感じたな」
リヴィオも見惚れていたらしく、やっと声をあげた。
「まるで銀河の温泉ね!」
私達の持ってきたランタンの魔法の明かりはもう不必要なほど、明るかった。雪に明かりが反射してキラキラしている。
「この世界はすべて見たと思っていたが、それは誤りであった。この星は本当に美しいのぅ」
「星?フフフッ。なんなのー?アオの宇宙人的な発言は?」
感動しているアオが初めて地球を見た宇宙人みたいなことを言うので、私は笑った。
「なんじゃ?そのウチュウジンとは?」
「アオに宇宙人とか言ってもなー。わかんねーだろー」
リヴィオがヒョイッと持ち上げる。
「セイラ、先に入ってこいよ。周りを見ててやる」
「ほんと?」
良いよとリヴィオが言った後に……おまえ、そういえばと付け加える。
「最初に温泉見つけた時、オレのこと意識してなくて、無防備に服脱いでただろ?」
「キャアアアア!忘れてっ!それは忘れてほしいわ」
そんなこともあった。もはや懐かしいのに、わざわざ思い出さないでほしいものだ。赤面する私にリヴィオはからかうようにニヤッ笑った。
「ちょっとショックだった。今だから言うけどな」
「すいません……」
顔に手をやり、手で隠す私。
「イチャイチャしてないで、さっさと風呂へ入るのじゃ」
し、してないわよ!と私は言い返す。
「アオ、おまえ留守番しててよかったんだぞ?」
そしたら思う存分イチャイチャできたんだが?と言うリヴィオの言葉にアオはフッと鼻先で笑う。
「こんな楽しいそうなことを逃すわけがあるまい!他の神にも自慢するのじゃ。今度、連れてきてやろう」
そんな言い争いじみたことをしながら二人は少しだけ離れた場所へといった。
私は光輝くシュワッと音のする温泉を堪能した。温泉はちょうどいい温度で、温かく、炭酸のような泡がくっついてくる。手足を伸ばし、空を見上げると、星々が煌めいていた。
「最高ね~」
そう呟いた声と共に白い息が出て、星が瞬く夜空に溶けた。
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