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スーパー銭湯をオープン!

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 王都にスーパー銭湯をオープンさせた。その中で新しい物が登場した。

 トトとテテが会心の出来なのだ!と腰に手を当てて椅子を指さした。

 リヴィオが驚いて、目を見開く。

「コレは、まさかとは思うが、マッサージチェア!?」

 私とトトとテテはニヤリとして頷いた。

「前々から開発はしていたのだ」

「ようやく完成したのだ!」

 マッサージチェアの説明はかなり難しくて、私はトトとテテは何度も話をし、改良し続けてきていた。

 座ってみるリヴィオ。

「………まさしくマッサージチェアだ。すごいな。風呂の後に使いたくなる!」

 トトとテテも良い感じなのだーと座ってみている。

 ジーニーが他の部屋を見て回っていたらしく、顔をだした。

「すごいな。食事できる食堂のようなところやヘアーカット、図書室、休憩室って……これ、一日滞在できるんじゃないのか?」

「ウフフフ。それがスーパー銭湯なのよ」

 私はまだ改装中の部屋もあることを明かさずに笑う。まだまだ進化するわよ!と。

「はー……マッサージチェアいいなー」

 まだ座っていたリヴィオはそう言う。ジーニーはおそるおそる座ってみている。

「お風呂!お風呂にも行くのだ!」

「新しいお風呂へ行くのだ!」

 トトとテテは早くお風呂へ!と私の手を引っ張っていく。

「そうだな!お風呂の後のマッサージチェアに座ったほうが真の効果は発揮される!行くぞ!ジーニー!風呂へ!」

 リヴィオが目をキラキラさせて、力強く言った。あ、ああ?と気圧されてるジーニーを連れて行く。はりきってるなぁ。

「このお風呂、なんだかシュワシュワしているのだ」 

「シュワシュワの泡が手にくっつくのだ」

 高濃度炭酸泉のお風呂にトトとテテが面白いのだ!と、お湯の中の手を見ている。
 
 私はゴロンと横になり、寝湯を楽しむ。リラックスしすぎて、気を抜くと本当に寝てしまいそうだ。

 露天風呂、内湯、ジャグジー、打たせ湯、薬湯、サウナは他の温泉と変わらないが、追加でいろいろ作ってみた。

 壺のような五右衛門風呂にトトとテテが一つに一人ずつ入っているのが見える。なぜか可笑しいのだ!笑えるのだ!と二人が笑い合う声が聞こえる。

 私はゆったりと足を伸ばして目を閉じる。寝湯が一番好きかも………とウトウトしかけたが、トトとテテが起きるのだ!溺れるのだ!と起こしてくれた。

 私達がお風呂から出ていくと、ハンモックで揺られつつ、雑誌を読んでいるジーニーがいた。

「あら?リヴィオは?」

「サウナだよ。付き合いきれず、出てきて、先にゆっくりしてたよ。これは、ハンモックというものなのか?気にいってしまった。学園長室にも一つ置きたいな。休憩に良いなー」

 学園長室!?それはヤメてと私は苦笑した。部屋に入った生徒がびっくりするし、威厳もなくなってしまう。

 トトとテテはアイスクリームコーナーで好きなアイスクリームを買ってきて幸せそうにソファに座って食べている。

「季節限定さくらんぼアイスクリームが美味しいのだ」

「変わり種のパチパチカラフルソーダーアイスもいけるのだ!」

 お風呂あがりのアイスは格別なのだー!と双子ちゃんも満足げだ。

 そこへリヴィオがやってきた。

「スーパー銭湯、めちゃくちゃ良かった!ナシュレの銭湯もちょっと広げないか?絶対喜ばれる!」 

 とてもとても気にいったらしい……タオルを首から下げて、水を片手にそう言うと機嫌よく、小腹空いたなぁと食堂の方へ行った。

 確かにナシュレの銭湯も人気で利用者は多いし、広げてもいいわね。いろんな楽しみ方ができるスーパー銭湯はきっと喜ばれるだろう。

 私はそう思い、マッサージチェアに座る。手がすぐ届く横のミニテーブルには冷えた飲むヨーグルトを置いた。最近、発売してみた飲むヨーグルトはけっこう好評だったりする。

 リヴィオが食堂のメニュー表をヒラヒラさせて私に言う。

「カレーにラーメンにうどん……これは流行る!」

「そうでしょ?」

 ああ……と真剣な顔つきの彼は言った。

「それでさ、売店でカップラーメン売ってみていいか?」 

「ええっ!?まだ開発してみていたの!?」

 いいだろー!?と言う。カップラーメンの完成品まで頑張ったのね………私は売店に置くことを許可した。

 スーパー銭湯がオープンして、王都の人々は驚く。『一日過ごせる銭湯』『時間を持っていかれる銭湯』と時間泥棒なスーパー銭湯は王都の人々にゆったりとした時間を今日も与えているようだ。
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