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何事もほどほどがちょうど良い
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本日のお風呂は『レモン風呂』お肌すべすべ効果と柑橘系のさっぱりとした香りが癒やしてくれる。
「なんだか酸っぱい気持ちになるのだ!」
「レモンティーの中にいる気になるのだー」
バシャバシャと喜ぶ二人。私もお湯にゆっくり浸かって、くつろぐ。湯気と一緒に立ち上る香りが心地良い。久しぶりにトトとテテとのんびり温泉に入った気がする。
「またイーノ兄様が来てるのだ」
「不快なのだ」
ゼイン殿下とイーノが度々『花葉亭』に遊びに来ている。王宮は息が詰まるらしい。
たまに顔を見るらしく、嫌そうな双子ちゃんらしい。
「トトとテテはなんでイーノと気が合わないの?」
「フォスター家はもともと王宮魔道士の家系なのだ」
「我らは異端児であったから、色んな嫌がらせを受けていたのだっ!特にイーノはひどかったのだー」
そうなのねと頷くと、回想し始める双子ちゃん。
「おまえら魔力を持ちながら、なぜ真面目に魔法を学ばないんだ!?」
そう最初に怒ったのは叔父だった。当主たる母は王都で過ごすことが多く、父は強気の叔父にはあまり言えなかった。
「トトとテテは好きなことをするのだ!」
「魔力をこめた道具を作ることも、魔法と関わっているのだ!」
二人だったから、平気で言い返していたが……。
「フォスター家の面汚しだな」
そう辛辣に言うのはイーノだった。小さい頃から高い魔力を持ち、将来は王宮魔道士になることは確実だと言われ、いつも我らを下に見ていた。
「うるさいのだ!」
「やつは敵!敵と見なしたのだ!」
ぎゃあああとイーノが庭で叫ぶ。どうやら、落とし穴にはまったらしい。
ある日のことだった。
「エスマブル学園に行くんだって?金の無駄遣いだろ。フォスター家のために花嫁修業でもしていたらどうだ?」
父様と母様は我らの特殊な技能を認めてくれ、親戚達に何を言われようと、伸ばしてくれようとしていた。魔道士にならないかもしれない道を歩こうとしていることにイーノは面白くなく、そうやって嫌味をいってくる。
「こ、これはなんだーー!?」
イーノの体に巻き付くベトベトの網。部屋のドアを開けると落ちてきた。
「あ、あいつらああああ!」
ドドドドドドと走ってくるが………運動能力はトトとテテの方が高い。軽やかな走りを見せてやる。
「追いつけるものなら追いついてみるのだ!」
「今日こそ、決着をつけるのだ!」
こっのおおおお!と魔法を使おうとした瞬間にバッとトトとテテは杖のような物を構えた。ギクッとして立ち止まるイーノ。
「動くな、なのだ~!」
「動いたら撃つのだ~!」
ま、待て!と後ずさりするイーノ。発射ー!!とポンポンポンと煙と共にイーノに襲いかかる………臭い匂い。激臭が立ち込める。屋敷の使用人達も大騒ぎしだす。
「臭っ!臭すぎる!!動いていないのに、けっきょく撃つんじゃないかーーー!?」
………ちょっと待って?と二人の回想を止めた。
「あの……王宮魔道士になれと周りから言われて、それで……えーと……嫌がらせを受けてた?と?」
チャポンとお湯の中で足を伸ばして、そうなのだと言う双子ちゃん。
「さっきから聞いていたら、むしろイーノの方が酷い目にあってるのは気のせいなのかしら?」
「気のせいなのだ!」
「ちなみに他の嫌がらせする兄弟達も同じ目に合わせてやったのだ!」
まだ被害のあった兄弟がいるらしい……ちょっとフォスター家の面々に同情した。
「フォスター家が嫌だから、あまり帰らないの?」
「ちがうのだー。単なるめんどくさいだけなのだ」
「親戚のやつらと兄弟はうるさいが、別に負けたことはないのだ」
『常勝なのだっ!』
……あれっ?勝ち負けの問題の話してたっけ!?
「ま、まぁ、わかったようなわからなかったような気がしたけど、つまり、話をまとめると、トトとテテの自由を奪う者は敵ということなのね」
『なのだーっ!』
アハハハと笑って、二人は打たせ湯の所で打たれている。
「セイラ、フォスター家に行ってみたくはないのだ?」
「え!?そ、そうねぇ……まぁ、興味はあるわね」
「それは良い案なのだ!セイラとなら帰っても楽しそうなのだ!」
トトとテテがヒャッホーイと盛り上がっている。たまには他の地を見ても良いかもしれないわと私は二人の喜びようを見ると、断れそうになかった。
お風呂上がりにレモンシャーベットやレモンスカッシュ、レモンの砂糖漬け、レモン水、レモンのお茶、レモネードを用意してあった。
「どうだった?お客様にもレモン風呂を味わってもらおうと思ってるんだけど?」
二人は言った。酸っぱい顔をしている。
「お風呂上がりのレモンづくしは美味しいけど、自分もレモンになったような気がするのだ」
『やり過ぎなのだー』
二人にやり過ぎと言われると本当にやり過ぎたと思える私なのだった。
「なんだか酸っぱい気持ちになるのだ!」
「レモンティーの中にいる気になるのだー」
バシャバシャと喜ぶ二人。私もお湯にゆっくり浸かって、くつろぐ。湯気と一緒に立ち上る香りが心地良い。久しぶりにトトとテテとのんびり温泉に入った気がする。
「またイーノ兄様が来てるのだ」
「不快なのだ」
ゼイン殿下とイーノが度々『花葉亭』に遊びに来ている。王宮は息が詰まるらしい。
たまに顔を見るらしく、嫌そうな双子ちゃんらしい。
「トトとテテはなんでイーノと気が合わないの?」
「フォスター家はもともと王宮魔道士の家系なのだ」
「我らは異端児であったから、色んな嫌がらせを受けていたのだっ!特にイーノはひどかったのだー」
そうなのねと頷くと、回想し始める双子ちゃん。
「おまえら魔力を持ちながら、なぜ真面目に魔法を学ばないんだ!?」
そう最初に怒ったのは叔父だった。当主たる母は王都で過ごすことが多く、父は強気の叔父にはあまり言えなかった。
「トトとテテは好きなことをするのだ!」
「魔力をこめた道具を作ることも、魔法と関わっているのだ!」
二人だったから、平気で言い返していたが……。
「フォスター家の面汚しだな」
そう辛辣に言うのはイーノだった。小さい頃から高い魔力を持ち、将来は王宮魔道士になることは確実だと言われ、いつも我らを下に見ていた。
「うるさいのだ!」
「やつは敵!敵と見なしたのだ!」
ぎゃあああとイーノが庭で叫ぶ。どうやら、落とし穴にはまったらしい。
ある日のことだった。
「エスマブル学園に行くんだって?金の無駄遣いだろ。フォスター家のために花嫁修業でもしていたらどうだ?」
父様と母様は我らの特殊な技能を認めてくれ、親戚達に何を言われようと、伸ばしてくれようとしていた。魔道士にならないかもしれない道を歩こうとしていることにイーノは面白くなく、そうやって嫌味をいってくる。
「こ、これはなんだーー!?」
イーノの体に巻き付くベトベトの網。部屋のドアを開けると落ちてきた。
「あ、あいつらああああ!」
ドドドドドドと走ってくるが………運動能力はトトとテテの方が高い。軽やかな走りを見せてやる。
「追いつけるものなら追いついてみるのだ!」
「今日こそ、決着をつけるのだ!」
こっのおおおお!と魔法を使おうとした瞬間にバッとトトとテテは杖のような物を構えた。ギクッとして立ち止まるイーノ。
「動くな、なのだ~!」
「動いたら撃つのだ~!」
ま、待て!と後ずさりするイーノ。発射ー!!とポンポンポンと煙と共にイーノに襲いかかる………臭い匂い。激臭が立ち込める。屋敷の使用人達も大騒ぎしだす。
「臭っ!臭すぎる!!動いていないのに、けっきょく撃つんじゃないかーーー!?」
………ちょっと待って?と二人の回想を止めた。
「あの……王宮魔道士になれと周りから言われて、それで……えーと……嫌がらせを受けてた?と?」
チャポンとお湯の中で足を伸ばして、そうなのだと言う双子ちゃん。
「さっきから聞いていたら、むしろイーノの方が酷い目にあってるのは気のせいなのかしら?」
「気のせいなのだ!」
「ちなみに他の嫌がらせする兄弟達も同じ目に合わせてやったのだ!」
まだ被害のあった兄弟がいるらしい……ちょっとフォスター家の面々に同情した。
「フォスター家が嫌だから、あまり帰らないの?」
「ちがうのだー。単なるめんどくさいだけなのだ」
「親戚のやつらと兄弟はうるさいが、別に負けたことはないのだ」
『常勝なのだっ!』
……あれっ?勝ち負けの問題の話してたっけ!?
「ま、まぁ、わかったようなわからなかったような気がしたけど、つまり、話をまとめると、トトとテテの自由を奪う者は敵ということなのね」
『なのだーっ!』
アハハハと笑って、二人は打たせ湯の所で打たれている。
「セイラ、フォスター家に行ってみたくはないのだ?」
「え!?そ、そうねぇ……まぁ、興味はあるわね」
「それは良い案なのだ!セイラとなら帰っても楽しそうなのだ!」
トトとテテがヒャッホーイと盛り上がっている。たまには他の地を見ても良いかもしれないわと私は二人の喜びようを見ると、断れそうになかった。
お風呂上がりにレモンシャーベットやレモンスカッシュ、レモンの砂糖漬け、レモン水、レモンのお茶、レモネードを用意してあった。
「どうだった?お客様にもレモン風呂を味わってもらおうと思ってるんだけど?」
二人は言った。酸っぱい顔をしている。
「お風呂上がりのレモンづくしは美味しいけど、自分もレモンになったような気がするのだ」
『やり過ぎなのだー』
二人にやり過ぎと言われると本当にやり過ぎたと思える私なのだった。
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