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三種の神器

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 鉱山の採掘量が上がり、一般家電も王都で好調で売れまくっている。
 経理のジーニーはグラフを作り出し、執務室に貼った。

「すごい伸び率だ。鉱山の買ったお金を取り戻し、すでに黒字になった。思っていた以上のスピードだ」

「そーいえば、母さんが言ってたが、王都では家電を買い揃えることを目標にしてる人が多いみたいだな」

 リヴィオがまったりと冷たい果実ジュースを飲みながら言う。サウナに入ってきたらしく、首にタオルを巻いているが、イケメンのため、オッサンには見えないのが、羨ましいところである。

 それはさておき、ニホンでも、そんな時期あったのよね。テレビ、冷蔵庫、洗濯機だっけ?三種の神器とか言われてたはずだ。
 あのワクワク感を味わっているのだろうか?

「うーん……まだ贅沢かなぁ?私、実はすごくすごーく欲しい物があるのよね」

 リヴィオがガバッと起き上がってくる。興味津々である。

「欲しいもの?珍しいな!?なんだ!?」

「図書館を作ろうと思うのよ。それこそ世界中から本を集めるくらいの巨大図書館!」

「本か……」

 興味が失せると、またソファに寝転び、ゴロゴロするリヴィオ。猫……ほんとに猫ねっ!『黒猫』健在ね。と呆れる。
 一方、お財布係のジーニーは真面目な顔をして頷く。

「学園の時もセイラは本が好きだったな。良いんじゃないか?公的な図書館だろ?税金を教育に使うことは長い目で見ると悪いことは1つもない。本が買えない子供も中にはいるだろうから喜ぶと思う」

 学園長らしさが垣間見える。そして手早く資金の計算もしてくれるジーニー。

「大きい図書館建てれるぞ」

「ほんと!?やったー!」

 本のリスト作らなくちゃ!
 夜、のんびりと温めの温泉に浸かりながら本を読むのが最高の贅沢なのよねぇ。学園時代は時間があったから読んでいたけど、最近は忙しくて、夜の空いた時間しか読書の時間がとれない。

「この屋敷にも蔵書は沢山あるけど……バシュレ家の本宅にも良い本があったのよね。どうせあの家の人達は読まないんだからくれればいいのに……」

 貴重な祖父の蔵書があるんだよね。リヴィオがオレがとってきてやろーか?と言うが、平和的に解決しようとしていないのがわかるので、丁重にお断りしておく。

「いいのよ。自分で集めていくのも楽しいんだし」

 そうだ!まずは旅館の1スペースに図書コーナーがあってもいいかも!私は秋の読書会を開催することにした。
 本に防水の魔法をかけて、お風呂でのんびりと読む!……っていうのも、良いんじゃないかな?

「フフフ。我ながら趣味に走ったイベントだけどいい感じよね」

 悦に入った瞬間、廊下から声がした。

「おじょーさまーっ!大変です!」

 ……え、デジャヴ。クロウの『大変です』ですは最近、嫌な予感しかしない。ジーニー、リヴィオも同様であるらしい。

「どうしたの?」

「きゅ、急なことと思いますが、ゼキ=バルカン様が来ましたーっ!」

 へぇ~っとジーニーが言う。初めて会うなぁとワクワクしているようだ。リヴィオが素早くタオルをポイッと捨てて立ち上がった。金色の目に好戦的な雰囲気を漂わせる。

 お待ちくださいっ!という声を無視してカツカツと足音高く乗り込んできた。

「やあ!久しぶりだねっ☆」

 祖父と同じくらいの年齢だろうに、若々しい雰囲気を保ち続けるなぁと関心してしまう。ホワイトアッシュの髪が以前より少し伸びている。ゼキ=バルカンだ。後ろに大男のハリトを連れてきて控えさせている。

「何しに来た!」

 リヴィオがシャーッと猫のように威嚇する。

「……何しにとはご挨拶だね。君らが撒いた種のせいで、今期の航海終わってからすぐにこちらにくることになったんだ☆」

 ジーニーがああ、思ったより早かったなと呟いた。

「君の案かい?ジーニー=エスマブル?若いながらもあのエスマブル学園を掌握していると評判だね☆」

「僕のこと、ご存知だったんですね」

 ニッコリとジーニーが笑う。外面良いバージョンのジーニーにいつの間にか変換されている。

「もちろんだよ☆ところでめんどくさい事案を押し付けてくれちゃったね☆航海が終わって、女王陛下に報告しに行ったらさ、ゼイン殿下に捕まっちゃったよ☆」

「どんな話を持ってきたの?」

 私は結論を促す。

「ちゃ~んと、断っておいたよ☆だって、わたしの好みの男じゃないからね☆変な虫がセイラ嬢に寄っていかないようにしなきゃ、シンに怒られそうだしね☆……ハリトとリヴィオ、殺気の飛ばし合いやめてくれないかな?話をしにくいなぁ」

「申し訳ありません、そこの男が睨みつけるので、つい……」

 ハリトが謝る。

「はぁ!?おまえの目つきが悪いんだろうが!」

 リヴィオはさりげなく私の傍にいながら、ハリトを警戒している。

「前回は悪かったって!リヴィオはセイラ嬢の婿に悪くないなと思っているから、攻撃はしないよ☆でもなにかセイラに仕出かしたら許さないからねっ☆……っと、王子の話だけど……」

「あ、それ、もういいです。なんとなくどうやって断ったのか頭に浮かびました」

 私は首を横にふる。ジーニーも確かにと呟く。たぶんリヴィオにしたように……何があったのか、むしろ怖くて聞けないわ!

「あの王子、騎士団に入団してるわりに手応えがなかった」
  
 ハリトが退屈そうに言う……そうだねっ☆とゼキ。

「えーと、でもごめんなさい。私のせいでゼキさんも立場が悪くなるでしょう?」

「そんなことで『コロンブス』のわたしらがどうにかなるものではないよ☆王家はわたしたちには敵わない☆……まぁ、そのくらいの犠牲を払って外海へ行ってるってことさ。危険なんだよ」

 語尾はあまり見たことのない真剣な顔つきになり明るさが一瞬だけスッと消えた。

「女王陛下にはもちろん、このことは話しておいたよ☆殿下を甘やかしてしまったと困っていたよ。『コロンブス』で鍛え直してあげてもいいよ☆って言っておいたけどね☆」

 ゼキ=バルカンを扱えたのは祖父だけだったのかもしれない。鎖から解き放たれた彼を誰が御することができるのか?……私は苦笑するしかなかった。

「ゼキ様、お時間があまりありません」

「あー!そうだったね☆さっさとお土産渡して帰ろう☆」

『お土産!?』 
 
 私達3人の声がハモった。

 玄関の荷馬車に積み上げられた物はすごかった!見たことのない異国の物ばかり……。

「フッフッフッ!すごいだろう☆旅館に何か使えるかなぁと思って持ってきたんだよ☆」

 私は思わず叫んだ。白い細かい粒!白く光輝いているように見えるその物体は。

「こっ!これはっ!!お米ーーーっ!!!」

 ゼキ=バルカンがやはりね!と笑う。

「それ、シンも大好物だったんだ☆同じ血が入ってる君なら喜ぶと思ったよ☆」

「あ、あの……ありがとうございます!」

 私は感激した。ニホンの記憶があって以来食べたくて仕方なかったのだ!

「シンは他にも……ミソ、ショウユとか作ってたよ☆『コロンブス』のシンの部屋はまだ置いてあるから、今度来る?」

「その調味料ッ!!行きまーーすっ!!!」

「おい!セイラ!」

 リヴィオの制止する声。いやいや、米、味噌、醤油……でしょ!?行くしかないでしょ!?私はいつになく真剣だった。この現世で一番、心熱くなった瞬間だった。

「リヴィオ……私はどーーしても、米、味噌、醤油がほしいの!これは私の三種の神器よっ!」

「オイ、おまえ、おかしいこと言い出してるが、それまさかと思うけどな、アレか?」

 前世の記憶か?とさりげなく尋ねてくるリヴィオ。

「お察しの通りよ。良い?この世界にこの3つが存在可能ならばよ?私は『コロンブス』に入って船に乗っ……」

 バッ!とリヴィオが青ざめて手で私の口を塞ぐ。

「落ち着けええええ!それは口にすんな!そこで嬉しそうにセイラを見てるヤバいやつがいるだろうがっ!」

 フガフガと手で抑えられて喋れない私は迂闊でしたと頷く。

「大丈夫だよ☆シンも見つけたとき、すごく興奮して喜んでたし、そうなるかなぁって、予想していたよ☆孫娘の君も食べたことあったんだね☆わたしはあまり口にあわなかったけど、シンの作るカレーライスは好きだったな」

 ……カレーライス!!!お祖父様は食べさせてくれなかったわよ!?
 私の目の輝きがハンパなかったのだろう。ジーニーもちょっと落ち着けと声をかけてくる。

 私は深呼吸して、どうにか自制心を取り戻す。

「今度、お伺いします!」

「春になる前においで☆また春がきたらわたしたちは『外』への航海にでるからね☆」

 はいっ!と私は力強く返事をしたのだった。

 その夜、炊きたてご飯の薫りがフワフワと部屋中に漂う。手に水をつけてなじませる。塩もつける。両手でギュッと三角の形を作る。艷やかな白い粒をうっとりと私は眺めて、お皿に並べる。

「なんだ?これ?」

 リヴィオが不思議な物体だと眺める。私はお茶も用意した。

「リヴィオも1つどうぞ」

「後、5つもあるけど……」

 全部食うのかよとマジマジと私の顔を見る。

「これは譲れない」

「そんなに旨いのか?」

 うんと私は頷く。パクっとリヴィオは一口食べる。

「………フツーじゃね??」

 私も一口食べる。……美味しい!ニホンの米とは違うけど!米の品種もあるのだろう。炊くときに水分、あとちょっと少なくてもいいわね。でも久しぶりのお米は私に満足感を与えてくれた。

「美味しすぎる……」

 感動している私を見て、マジで?と首を傾げている。

「故郷の味。ニホンのソウルフードよ!」

「いや、セイラが旨いならそれで良いとは思うけどな、1つ気になったんだが、おまえのじーさんも前世の記憶があったってわけか?」

 ピタッと私は食べるのをやめた。お米に浮かれて忘れていた。

「そうなのよねぇ……間違いなくニホン人の記憶がありそうなのよ」

「バシュレ家の特殊能力でもなさそうだよな。現当主は何もなさそうだよな」

 うーん……記憶がひきだされる何かがあるのだろうか?バシュレ家に??

「どうなのかしらね……私にもさっぱりわからないのよね。『コロンブス』のお祖父様の部屋を見ればわかるかもしれない」

 リヴィオはやれやれ……と嘆息する。

「『コロンブス』に行きたいんだな?オレ的には行かせたくないけど仕方ない。いつもどおり付き合うさ」

「悪いわねぇ」

「一人で行かれるより良いさ。オレの知らないところで危険な目に合うよりは」

 私がお茶のおかわりを注ぐのを見て……リヴィオは形の良い顎に手をやり、眉をひそめる。

「それ、本気で、今、全部食うのかよ?太るぞ?」

「今日だけ!今日だけよっ!」

 ダイエット中の言い訳みたいになってしまった。おにぎり……確かに炭水化物だしと手に持ってマジマジと見てしまったのだった。いや、私、そんな太ってないよね!?今日だけ……いいよね?

 次の家電はカウプ指数も測れるデジタル体重計にしようかな。
 


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