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本当の名前と家系と目覚め
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北条氏の使い、風魔小太郎さんから援軍を頼まれて二日後···
私と美代は予定どおり兵百を率いて北条氏の小田原城へと馬で進んでいた。
「美恵様、今回は信綱様と美恵様の将二人による援軍となってるそうです!」
美代は笑顔で私に微笑む。
「美恵殿、今回も期待してますぞ?」
「そんな···まぁ、お父様の期待には応えますけどね!」
そういって私は両拳を鳴らす。
「そういえば、信綱様の後ろにいる将の方は?」
「そういえば紹介してなかったな」
「私は森田 凛(もりた りん)と申します。信綱様の家臣で新参の将です」
そう名乗った彼はスタイルの良い男の娘で長すぎる刀を背中に背負い馬に乗っている。
「凛、よろしく!」
「はい!」
「なぁ、突然で悪いのだが凛。今回は美恵殿と組んでくれるか?」
「ははぁ! よろしくお願いします」
「こちらこそ、だけど信綱様...何故?」
「...いや、その方が凛も成長できると思うしな」
「なるほど」
「(......美恵殿、私の家臣である凛と絆を深め結ばれていただきたい。そうすれば、義清様への反乱も起こしやすくなる)」
二日ほど行軍してようやく北条の城、小田原城に到着した...のだが、私達は驚いた。
何故なら、私達は小田原城前にて伏兵により囲まれたからである。
すると、風魔小太郎様が城から出てきた。
「風魔小太郎殿! これはどういうことでしょうか!」
次の瞬間、風魔小太郎さんの投げた槍が信綱様の身体を貫いた。
「信綱様!?」
私と美代と凛の兵は混乱して逃走し、伏兵にてほとんど殲滅されてしまった。
「市川 信綱...討ち取ったり...」
「そんな...何で信綱様を殺し私達を消そうとするんです! 風魔小太郎様!」
私も混乱していた。
「...罠だ、我ら北条は武田と手を組んだのだ。上杉の重臣である村上義清を討ち取るために、驚異であるお主を討ち取るのだ」
「くそ...美代、凛」
「信綱様ぁ...」
「凛!」
私は凛の頬をビンタする。
「うぅ...」
「泣く暇があるなら、主を失った悲しみはわかるけどここから逃げるのよ!!」
「出来るとでも?」
風魔小太郎は、また槍を投げてきて私も避けれない。私の存在は戦国時代の流れを乱してる?
...なら良いのかもしれない。美代と表太郎には悪いがここで死んでも、
その時、私の目の前で血の花火があがった。だがそれは、切田美代の血だった。
「美代ぉ!」
私は、美代を抱き抱え急いで応急措置を試みる。
「もう駄目ですよ...自分の命の終わりは分かります。凛と共にお逃げください...」
「やだぁ!」
私は涙が止まらない。ヤンキーの私からしたら美代は私のものなのだ。手放したくない。
「...私...満足...美恵.....きだったから...ないで良かった」
「何? もう喋らないで! 死んじゃうぞ!」
「ありがとう...大好きです!」
振り絞った告白を最期に私の中で美代は美しい花が散るように脱力して永遠の眠りについた。
「美恵!」
凛は私をおんぶし、必死に来た道を戻る。
「凛...わたじ...」
「お互い失ったものは大きい! でも義清さまに報告してからでしょ! 貴女だけは私がお守りします!」
美代...信綱様...置いていくことを許して...このつけは割に合わないほどに北条に返すから!
そして、美代...私も大好きだよ。
「主従関係じゃなくて、親友としてね...」
北条は、武田と組んで上杉討伐に乗り出したらしく村上義清軍は将を二人失い、かなり士気が下がっていた。
お父様は、私に主を失った凛を側につけて何とか助かり、帰った後すぐに自分の屋敷の部屋に二人にしてくれた。
私は部屋で大泣きしながらうずくまり凛に慰めてもらっていた。
「美恵...」
「凛...私は立ち直れない...美代は大事な私の家臣だったの!」
私は関係のない凛の首もとを掴んでいた。
「美恵...気持ちは僕も同じだ。信綱様を討たれ辛いよ!」
「凛...ごめん」
私はうつむきながら凛を優しく離す。
「この戦乱の世はこういうことで溢れてる...だから僕と前を向こう? これも何かの縁...僕は君に仕える」
「凛...凛!!」
私はどれだけ泣いたのだろう?一日中泣いて泣きつかれて凛に抱き締められたまま眠っていた。
凛も私を抱いたまま寝ていた。
目が覚めた。そこは、ホームレス時代を過ごしていた自作ハウスだった。
「え...?」
[後書き]
これは、夢オチなのだろうか?
凛、美代、表太郎は本当に架空の存在だったのか?
何故、有名な将ではなく村上義清だったのか...
彼女の捨て子になる前の本名は、
「村上 美恵」
私と美代は予定どおり兵百を率いて北条氏の小田原城へと馬で進んでいた。
「美恵様、今回は信綱様と美恵様の将二人による援軍となってるそうです!」
美代は笑顔で私に微笑む。
「美恵殿、今回も期待してますぞ?」
「そんな···まぁ、お父様の期待には応えますけどね!」
そういって私は両拳を鳴らす。
「そういえば、信綱様の後ろにいる将の方は?」
「そういえば紹介してなかったな」
「私は森田 凛(もりた りん)と申します。信綱様の家臣で新参の将です」
そう名乗った彼はスタイルの良い男の娘で長すぎる刀を背中に背負い馬に乗っている。
「凛、よろしく!」
「はい!」
「なぁ、突然で悪いのだが凛。今回は美恵殿と組んでくれるか?」
「ははぁ! よろしくお願いします」
「こちらこそ、だけど信綱様...何故?」
「...いや、その方が凛も成長できると思うしな」
「なるほど」
「(......美恵殿、私の家臣である凛と絆を深め結ばれていただきたい。そうすれば、義清様への反乱も起こしやすくなる)」
二日ほど行軍してようやく北条の城、小田原城に到着した...のだが、私達は驚いた。
何故なら、私達は小田原城前にて伏兵により囲まれたからである。
すると、風魔小太郎様が城から出てきた。
「風魔小太郎殿! これはどういうことでしょうか!」
次の瞬間、風魔小太郎さんの投げた槍が信綱様の身体を貫いた。
「信綱様!?」
私と美代と凛の兵は混乱して逃走し、伏兵にてほとんど殲滅されてしまった。
「市川 信綱...討ち取ったり...」
「そんな...何で信綱様を殺し私達を消そうとするんです! 風魔小太郎様!」
私も混乱していた。
「...罠だ、我ら北条は武田と手を組んだのだ。上杉の重臣である村上義清を討ち取るために、驚異であるお主を討ち取るのだ」
「くそ...美代、凛」
「信綱様ぁ...」
「凛!」
私は凛の頬をビンタする。
「うぅ...」
「泣く暇があるなら、主を失った悲しみはわかるけどここから逃げるのよ!!」
「出来るとでも?」
風魔小太郎は、また槍を投げてきて私も避けれない。私の存在は戦国時代の流れを乱してる?
...なら良いのかもしれない。美代と表太郎には悪いがここで死んでも、
その時、私の目の前で血の花火があがった。だがそれは、切田美代の血だった。
「美代ぉ!」
私は、美代を抱き抱え急いで応急措置を試みる。
「もう駄目ですよ...自分の命の終わりは分かります。凛と共にお逃げください...」
「やだぁ!」
私は涙が止まらない。ヤンキーの私からしたら美代は私のものなのだ。手放したくない。
「...私...満足...美恵.....きだったから...ないで良かった」
「何? もう喋らないで! 死んじゃうぞ!」
「ありがとう...大好きです!」
振り絞った告白を最期に私の中で美代は美しい花が散るように脱力して永遠の眠りについた。
「美恵!」
凛は私をおんぶし、必死に来た道を戻る。
「凛...わたじ...」
「お互い失ったものは大きい! でも義清さまに報告してからでしょ! 貴女だけは私がお守りします!」
美代...信綱様...置いていくことを許して...このつけは割に合わないほどに北条に返すから!
そして、美代...私も大好きだよ。
「主従関係じゃなくて、親友としてね...」
北条は、武田と組んで上杉討伐に乗り出したらしく村上義清軍は将を二人失い、かなり士気が下がっていた。
お父様は、私に主を失った凛を側につけて何とか助かり、帰った後すぐに自分の屋敷の部屋に二人にしてくれた。
私は部屋で大泣きしながらうずくまり凛に慰めてもらっていた。
「美恵...」
「凛...私は立ち直れない...美代は大事な私の家臣だったの!」
私は関係のない凛の首もとを掴んでいた。
「美恵...気持ちは僕も同じだ。信綱様を討たれ辛いよ!」
「凛...ごめん」
私はうつむきながら凛を優しく離す。
「この戦乱の世はこういうことで溢れてる...だから僕と前を向こう? これも何かの縁...僕は君に仕える」
「凛...凛!!」
私はどれだけ泣いたのだろう?一日中泣いて泣きつかれて凛に抱き締められたまま眠っていた。
凛も私を抱いたまま寝ていた。
目が覚めた。そこは、ホームレス時代を過ごしていた自作ハウスだった。
「え...?」
[後書き]
これは、夢オチなのだろうか?
凛、美代、表太郎は本当に架空の存在だったのか?
何故、有名な将ではなく村上義清だったのか...
彼女の捨て子になる前の本名は、
「村上 美恵」
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