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~序章~
此花白也の物語の始まり
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こんなことを思ったことは無いだろうか?
「空を飛びたい」「魔法が使いたい」
「異世界に行ってみたい」
俺、此花白也の答えとしては「はい」だ。
『いつも』の通学『いつも』の学校
『いつも』の授業『いつも』の昼食
『いつも』の部活『いつも』の下校
そんな『いつも』続きに俺は言い様の無い不安感を覚えた。
「俺はこのまま『いつも』続きの生活を送っていくのだろうか?」
「それは嫌だ!」
誰か俺をこの『いつも』続きの世界から連れ出してくれ。
そんな事を考えている、いつもの通学路で。
いつも通りの通学を流し作業の様に行っている俺にいつも通り、後ろから近づく足音が聞こえる。
「今日も相変わらずダルそうね」
峰山 薫子
話しかけてくるのは同じく気だるそうな顔をした女だ。
彼女、峰山薫子は 俺の幼なじみである。
幼稚園から高校までずっと同じでとても長い時間一緒にいた、所謂、親友ってとこだ。
「ルコも相変わらずダルそうだな」
「何も変化がないもの。しょうがないじゃない」
俺と並んで足並みを合わせてくれる彼女は少し憂鬱な顔をして、俺の言葉を返してきた。
そんな他愛もない話をしていると、また一つ足音が近づいて来た。
「やっほー!おはよう!シロー、ルコ!」
奈良川 朱莉
彼女も薫子と同じく幼なじみだ。
明るい笑顔を振り撒きながら俺と薫子の横に並ぶ彼女は今日も楽しそうだ。
「おはよーう」
「おはよう」
そんな明るさとは対称的に昨日もした挨拶を返す。
「お二方さん?そんなゆっくりで大丈夫?」
「何が?」
「ほら、本鈴まで後三分しかないよ?」
そんな朱莉のスマホの時刻を見ると8:27を写し出している。
「ほら 走るよ!」
薫子に背中を押され、いつも通りの通学路を三人で走っていった。
無事、本鈴には間に合い、授業を済ませ、今は
帰宅中。
「今日も部活やるよね!」
目をキラキラさせて朱莉は俺と薫子に言った。
「また俺の家かよ! まぁ別に良いけど」
「私も大丈夫よ」
と帰宅中の会話じゃないと思うが、これで合っているのだ。
俺と朱莉、薫子は部活をやっている。
正しくは部活の『ふり』なのだが。
入学初日に朱莉が
「この三人で部活を作りたいんです!」
と先生に相談しに行き、
「どんな部活だい?」
といわれ、
「ゲーム部です!!!」
とはち切れんばかりの笑顔で言った朱莉の顔は今でも鮮明に思い出される。
もちろん「駄目だ」と突き返され、
がくっと肩を落とした朱莉はその日の帰宅中に
「じゃあ、部活ぽいのをしよう!」
と言い、今の状況が完成した。
そして家に着き、二階にある俺の部屋に三人が寛いでいる状態だ。
回想中にも合ったように今は「ゲーム部」として活動している感じだ。
「昨日、面白いの見つけて来たんだよね~」
と朱莉が鞄の中を漁り、
「これだよ!」
と10~15くらいのソフトが音を立てて鞄から溢れ出してきた。
「よく、そんなに見つけてくるよなー」
「そうね、大体一つか二つくらいのものなのにね」
「全部、面白そうだんたんだよ~」
「だから、今日はこれを遊ぼう!」
「じゃあ、準備しとくわね」
「じゃあ、俺はお菓子やら飲み物やら準備してくるわ」
朱莉の持ってきた山(ゲーム)を遊んでいると時間が経つのが早い。
この時だけは現実のいつもを忘れられるから俺は好きだ。
だからゲームは楽しい。
きっと二人もそう思っているだろう。
「いや~遊んだ遊んだ~」
「楽しかったね!」
「そうね」
「良い時間だし、続きは明日にでもするか」
「そうね、また明日にしましょう」
「よし!また面白いソフト探しておくね!」
こんな会話を少しし、お互いの帰路についた。
あの二人と遊ぶのは本当に楽しい。
でも、いつかそれも終わってしまう。
ゲーム部が終わった後はいつもそんな事を考えてしまう。楽しい時間にもいつか終わりはくる。それは分かっているが、どうしても終わらないで欲しいという気持ちは心の中に残り続ける。
そしてまた『いつも』に戻ってくる。
『いつも』の食事『いつも』の入浴
そして『いつも』の就寝へ
そして『いつも』は繰り返されるはずだった。
目を覚ます。
いつも通りだ。
日の光が目に入る。
うん、いつも通りだ
朱莉と薫子がいる。
いつも通りじゃないか。
草原に立っている。
近くには高くそびえ立つ城壁が見える。
見たこともない動物が見たこともない人形をした何かに荷物を運ばせている。
「ここは何処だ…?」
俺の『いつも』が終わった瞬間だった。
~序章~ 完
「空を飛びたい」「魔法が使いたい」
「異世界に行ってみたい」
俺、此花白也の答えとしては「はい」だ。
『いつも』の通学『いつも』の学校
『いつも』の授業『いつも』の昼食
『いつも』の部活『いつも』の下校
そんな『いつも』続きに俺は言い様の無い不安感を覚えた。
「俺はこのまま『いつも』続きの生活を送っていくのだろうか?」
「それは嫌だ!」
誰か俺をこの『いつも』続きの世界から連れ出してくれ。
そんな事を考えている、いつもの通学路で。
いつも通りの通学を流し作業の様に行っている俺にいつも通り、後ろから近づく足音が聞こえる。
「今日も相変わらずダルそうね」
峰山 薫子
話しかけてくるのは同じく気だるそうな顔をした女だ。
彼女、峰山薫子は 俺の幼なじみである。
幼稚園から高校までずっと同じでとても長い時間一緒にいた、所謂、親友ってとこだ。
「ルコも相変わらずダルそうだな」
「何も変化がないもの。しょうがないじゃない」
俺と並んで足並みを合わせてくれる彼女は少し憂鬱な顔をして、俺の言葉を返してきた。
そんな他愛もない話をしていると、また一つ足音が近づいて来た。
「やっほー!おはよう!シロー、ルコ!」
奈良川 朱莉
彼女も薫子と同じく幼なじみだ。
明るい笑顔を振り撒きながら俺と薫子の横に並ぶ彼女は今日も楽しそうだ。
「おはよーう」
「おはよう」
そんな明るさとは対称的に昨日もした挨拶を返す。
「お二方さん?そんなゆっくりで大丈夫?」
「何が?」
「ほら、本鈴まで後三分しかないよ?」
そんな朱莉のスマホの時刻を見ると8:27を写し出している。
「ほら 走るよ!」
薫子に背中を押され、いつも通りの通学路を三人で走っていった。
無事、本鈴には間に合い、授業を済ませ、今は
帰宅中。
「今日も部活やるよね!」
目をキラキラさせて朱莉は俺と薫子に言った。
「また俺の家かよ! まぁ別に良いけど」
「私も大丈夫よ」
と帰宅中の会話じゃないと思うが、これで合っているのだ。
俺と朱莉、薫子は部活をやっている。
正しくは部活の『ふり』なのだが。
入学初日に朱莉が
「この三人で部活を作りたいんです!」
と先生に相談しに行き、
「どんな部活だい?」
といわれ、
「ゲーム部です!!!」
とはち切れんばかりの笑顔で言った朱莉の顔は今でも鮮明に思い出される。
もちろん「駄目だ」と突き返され、
がくっと肩を落とした朱莉はその日の帰宅中に
「じゃあ、部活ぽいのをしよう!」
と言い、今の状況が完成した。
そして家に着き、二階にある俺の部屋に三人が寛いでいる状態だ。
回想中にも合ったように今は「ゲーム部」として活動している感じだ。
「昨日、面白いの見つけて来たんだよね~」
と朱莉が鞄の中を漁り、
「これだよ!」
と10~15くらいのソフトが音を立てて鞄から溢れ出してきた。
「よく、そんなに見つけてくるよなー」
「そうね、大体一つか二つくらいのものなのにね」
「全部、面白そうだんたんだよ~」
「だから、今日はこれを遊ぼう!」
「じゃあ、準備しとくわね」
「じゃあ、俺はお菓子やら飲み物やら準備してくるわ」
朱莉の持ってきた山(ゲーム)を遊んでいると時間が経つのが早い。
この時だけは現実のいつもを忘れられるから俺は好きだ。
だからゲームは楽しい。
きっと二人もそう思っているだろう。
「いや~遊んだ遊んだ~」
「楽しかったね!」
「そうね」
「良い時間だし、続きは明日にでもするか」
「そうね、また明日にしましょう」
「よし!また面白いソフト探しておくね!」
こんな会話を少しし、お互いの帰路についた。
あの二人と遊ぶのは本当に楽しい。
でも、いつかそれも終わってしまう。
ゲーム部が終わった後はいつもそんな事を考えてしまう。楽しい時間にもいつか終わりはくる。それは分かっているが、どうしても終わらないで欲しいという気持ちは心の中に残り続ける。
そしてまた『いつも』に戻ってくる。
『いつも』の食事『いつも』の入浴
そして『いつも』の就寝へ
そして『いつも』は繰り返されるはずだった。
目を覚ます。
いつも通りだ。
日の光が目に入る。
うん、いつも通りだ
朱莉と薫子がいる。
いつも通りじゃないか。
草原に立っている。
近くには高くそびえ立つ城壁が見える。
見たこともない動物が見たこともない人形をした何かに荷物を運ばせている。
「ここは何処だ…?」
俺の『いつも』が終わった瞬間だった。
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