男装令嬢物語

おもち

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永遠に求め愛

ep23:そして、終わりを迎える

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 あれから、ユーリは以前と同じように過ごせるようになった。しっかり眠れているし、顔色もいい。
 レックスやトワたちもユーリが元気になったことに安堵していた。

 ただ、ギルだけは……スッキリしない様子で、しかしそれを顔には出さなかった。




 ある夜。寝台に寝そべりユーリはいつも通り本を読み耽っていた。ユーリにしては珍しく物語だった。

 ある少女が騎士に助けられて結ばれる王道の恋愛小説。トワに流行っていると教えられて、読むことにしたのである。

 読めば読むほど、少女と騎士の関係にありがちだなと思えてユーリは冷たく笑った。
 この少女みたいに助けに来てくれる騎士なんて、現実にはいない。そう思うとトワとレックスは運命的だよなと感心した。

 あの二人の物語なら王道の展開にちゃんとなる。

 ユーリはそこまで考えて、ふっと笑う。自分はどうだ?と。

 捻くれ者の女騎士は誰かにとっての特別なお姫様を夢みて、結ばれたらその恋の記憶すら相手は失う。

 悲恋の中では王道なのかもなと自嘲した。

 ユーリは、あの日にギルを諦めた。抱いてくれた温もりをもう思い出せないのは、必死に忘れようとしているから。

「……ほんっとアホみてえ」

 哀れな自分に笑える。ふと、窓の外を見たら満月が部屋の中を照らしていた。
 『月が綺麗ですね』とこんな夜はギルが言ってたな思い出しながら、頭を横に振り否定する。
 もうギルとの思い出を探すのはやめたんだからと、その思い出を遠くに押しやった。

 もう一度、窓の外を見る。ユーリはそこにいた人影に息を呑む。

「なんで……」

 ギルが、満月に照らされて窓枠をこえて部屋に入ってくる。

「なにしに、きたんだよ……」

 ユーリは驚いて、咄嗟にギルから顔を背けた。ギルがユーリに近付いてくるのがわかる。

 ギルはふと、寝台にある本を手に取りパラパラとめくる。
 その姿をユーリは黙って見つめていた。一体何をしているのかと。

 ギルは満足したのか本を閉じると元の場所に戻す。そして、ユーリの目をまっすぐ見つめて口を開いた。

「あんたも、この物語みたいな恋に憧れてるの?」

 ギルの無遠慮な言葉にユーリはぐっと唇を噛む。

「騎士と結ばれて、結婚して子どもができて……そんな幸せに憧れてる?」

「ーーっ」

 ユーリは拳を握りしめる。ギルの無神経な言葉が心を抉る。

「……そんな夢物語、憧れてなんかいない」

 やっと絞り出した声は掠れていた。ユーリがギルを睨むと、彼は目を丸くし驚いた顔をしていたが……すぐに目を細めて悲しげに笑った。
 その笑みにユーリは胸が痛くなる。どうしてそんな顔するんだと思った時、ギルは続けて言葉を紡ぐ。

『ーー全て捨てて、私と共に、私の手に堕ちてくれませんか?』

「っ!?」

 それは物語の騎士のセリフだった。正確に言えば、敵役の方の。少女と結ばれるはずのない、黒い騎士。

 そんな黒い騎士のもとに結ばれるほうの騎士がきて少女を救うのだが……、少女は黒い騎士を本当はどう思っていたのか。ユーリは物語を読みながら考えていた。

 そして今、自分がその時の少女ならと……ゆっくりとを開く。

「ーーあなたの特別なお姫様にしてくれますか?」

「っ……」

 ギルは目を見開く。ユーリは目を逸らして、もう一度ハッキリと告げる。

「でも、私はあなたとは結ばれない」

 それは物語の騎士に向けた言葉? それともユーリ自身に言い聞かせているのか? いや、両方だ。

 もう決めたから。ギルのことは忘れると決めたから、だから……この言葉を告げたのだ。

 ギルはしばらく黙っていたが、ふと溜息を吐き出したかと思うとゆっくりと寝台に腰を下ろした。
 ユーリの隣に腰掛けて、そっとその髪に触れる。ユーリは驚いて咄嗟に振り払った。

「なに気安く触ってんだよ。もう、そういうのやめろよ」

 勘違いしてしまう。思い出したのかと。それはあり得ないのに。期待だけさせるなと怒りすらわいてくる。
 そんなユーリにギルは冷たい眼差しを向けながら言い放つ。

「勘違いしてるようだから言うけど、あんたのことなんて俺の心にはないから」

「っ……!?」


 ギルの言葉にユーリは言葉を詰まらせる。その通りだ、目の前のギルは自分との思い出はないのだから。恋心なんてあるはずもない。

 改めてショックを受けるユーリ。ギルは冷めた目のまま、再びユーリの髪に触れるとそっと口付けた。

「っ……!? な、にすんだ、おまえ!」

 ギルの行動に驚いてユーリがその手を振り払おうとすると、ギルは強く手首を摑んだ。
 そして強引にユーリの唇を奪う。

「っ……!?」

 抵抗しようとするが後頭部を押さえつけられ、唇をこじ開けられる。そのまま、舌が入り込んできたかと思うとユーリの舌を絡め取った。
 逃げようとするが、それを許してくれない。何度も角度を変えて口付ける。息継ぎのために一瞬口を離すもすぐにまた塞がれる。

「んんっ……」

  ユーリはたまらなくなる。このまま、堕ちてしまいそうになる。
 抵抗したい気持ちとこのまま堕ちてしまいたい気持ちがせめぎ合う。

 ギルはそんなユーリの気持ちなど知らずに、更に深く口付ける。後頭部に添えていた手をユーリの頬に当てる。
 そのまま優しく撫でてやると、ユーリは肩を震わせた。

「っ……ふ……」

 漏れる声にギルも興奮するのか、唇を離してユーリを見つめる。そして今度は首筋に顔を埋めて、ぺろりと舐めた。

「あっ……」

 ユーリが驚いて声を漏らすと、ギルと視線が絡んだ。その目は冷たいはずなのに、捕らえられたかのように体が動かない。

 ユーリはビクッとしてしまう。ギルが怖いから?違う、堕ちてしまうのが怖いんだ。
 自分との思い出が何一つない、目の前のギルに……。

 すると、ギルは突然ユーリから体を引き離して立ち上がる。唖然とするユーリをチラッと一度見て、すぐに背中を向けた。
 わけがわからない。ギルの行動でユーリが混乱するなどわかりきってるはずなのに。

「……ギル?」

 ユーリは困惑から思わず名を呼んだ。
 すると、ギルはユーリの方に向き直り口を開く。

「あんたと離れても、俺は相変わらず……あんたばっかり頭にあったよ」

 ギルの言葉にユーリは戸惑う。

「なんなんだよ、本当。なぁ、俺とあんた、どんな関係だったんだよ?このまま、俺だけわけわからなくて……どうでもいいはずなのに、あんたが悲しむのが見たくないって、思ってるんだよ」

 ギルが苦しそうに言う。ユーリは目を見開いた。

「ギル……」

「っ……だから、さっきも!あんたに触れたくてたまらなくてっ……」

 ギルの言葉にユーリが驚きで言葉を失っていると、彼はそのまま部屋から出て行ってしまった。


 一人残されたユーリは呆然とするしかなかった。ギルの言葉を反芻すると、それは期待するなという方が無理だと思った。

 もう諦めていたのに……この数日間……もう忘れていてもよかったのに。あの言葉は反則だーー。

 ーーいつも、ギルから動いてくれた。ギルが諦めないでいてくれたから、自分は恋をすることができた。……今度は、自分の番だ。

 ユーリは立ち上がると急いでギルの後を追いかけた。


 走っても走っても見つからない。飛び出してきたから薄着のままで、外は寒かった。それでもユーリは必死にギルを探す。

「っ……ギルッ……」

 月明かりが頼りの中、見つからない想い人。ユーリは愛しい人の名をそっと呟く。

 すると、後ろからふわりと抱き込まれた。



「……ほんと、何やってんのあんた」

 呆れながらもその声は柔らかくユーリの耳に届いた。ユーリは涙が溢れてくる。

「っ……ギル……」

「もう、泣くなって」

 ギルが優しく涙を拭ってくれる。そして再びユーリを強く抱きしめると、耳元に口を寄せる。

「なんで、あんたのことこんなに気になるんだろ」

 それを聞いたユーリは顔を上げて、ギルを見つめる。その瞳は凛々しく、何かを決意したような。

「ギル、記憶を失くす前のおまえは、何度もおれのこと気にかけて、そばにいてくれた」

「……記憶にないねえ」

「……知ってる。でも、おれは覚えてるから。おれの中には、おまえとの思い出がちゃんとあるからっ……」

 ユーリは再び溢れそうな涙をぐっと堪える。

「だから、今度は……おれが諦めない。何度だってギルの……ギルだけの特別なお姫様になってみせるっ」

 そうユーリが言うと、ギルは目を開く。それは闇が明るく照らされたような、そんな表情。

「……そっか」

「うん」

 ユーリは泣きそうになるのを堪えて微笑む。そして、囁いた。

「ーーおれと恋に堕ちて」

 そのセリフは物語の黒騎士のセリフに影響されたからか。そうかもしれない。けれど、本心でそう思うから。

 宣言したもののユーリは不安そうな顔をみせる。ギルに拒絶されたら、やはり辛い。でも記憶がないから、拒絶される可能性が高い。

 ユーリが黙ってギルを見つめていると、彼はふっと笑った。

「ーーいいよ」

 ギルはあっさりと返事をした。
 ユーリは一瞬何を言われたのかわからずに固まってしまう。
 しかし、徐々に顔が熱くなるのがわかると、すぐに俯いてしまった。

 そんなユーリの様子を見てギルは目を細めると再び耳元へ口を寄せる。そしてそのまま囁いた。

「ほら、言ってよ?あんた俺の何だっけ?」

「っ……意地悪だな……」

 真っ赤な顔で悔しそうに睨むユーリにギルはカラカラと笑う。以前見ていたのと同じ。心を許してる笑顔。

「ほら、早く」

 ギルに促されてユーリは恥ずかしげに俯くと、小さな声で言う。

「……ひめ」

 しかし最後までいうことができない。そんなユーリにギルが意地悪な笑みを浮かべる。

「聞こえないよ?」

 その言葉にユーリはギルをキッと睨むが……すぐにふにゃっと表情を崩す。そしてもう一度小さく告げた。

「……と、特別な……」

 それだけ言うと顔を紅くして俯いてしまう。それを見たギルは我慢できないとばかりに吹き出し、代わりに囁いた。

「俺だけの特別なお姫様、なんでしょ?」

「っ……」

 ユーリはギルを見上げる。そして微笑んだ。

「……うんっ」

 その笑顔にギルも微笑むと、そっとユーリに口付けた。最初は軽く触れるだけ。
 何度か触れ合うと、どちらからともなく舌を絡ませる。外であることも忘れて、お互いの熱を分け合うようにお互いを味わう。

 息継ぎすることすら惜しむように何度も何度も繰り返す。それはあまりにも甘美で、二人はしばらくそのままでいたのだったーー。


***


「送ってくれて、ありがと」

 あの後、ギルに部屋まで送ってもらいユーリはお礼を言う。ギルは薄い笑みを浮かべている。

「ほんとだよ。まさか、こんなことになるとは思ってなかった」

「っ……ごめん」

 ユーリが申し訳なさそうに言うと、ギルは首を振る。そしてそのままユーリの顎に手をかけると上を向かせる。そしてニヤリと笑った。

「別に責めてないよ?俺的には、あんたと長くいれるのはうれしいし」

「っ……」

 からかうように言われてユーリは赤くなる。
 そんなユーリの反応にギルはクスクスと笑いながら自分の指をユーリの唇に押し当てる。

 その行動にユーリは恥ずかしくて、視線を逸らして可愛くないセリフを吐いた。

「いきなり、別人みたいだな。おれのこと嫌ってたくせに」

「そうだね。まぁ、これが俺だし?それに……」

「ん?」

 ギルはそっとユーリの頬に手を添える。そしてにやりと笑って呟いた。

「あんたが俺に言ったんだよ?恋に堕ちてって」

 その言葉にユーリは言い返せない。紛れもない事実だから。

 ギルはギルでユーリを好きだと認めると心の霧が晴れたみたいにスッキリしていた。強情だった自分が笑える。
 体は正直って言葉は本当だなと、体だけはユーリを覚えてて求めていたことを今更ながらに理解する。

「ねえ、今から堕ちよっか?」

「どこに?」

 ギルの艶っぽい言葉にユーリは首を傾げる。

「どこに?って……あんたね……」

 ユーリのセリフにギルは呆れたように笑う。そしてユーリの両頬を片手で包むとそのまま顔を近づけて囁いた。

「俺が記憶を失くしても、……ユーリだけだって体は覚えてたんだから。心も堕ちさせてよ」

「っ……」

 その言葉にユーリは息を飲む。その瞳が不安げに揺れたからギルはまた小さく笑う。そっと両頬を包んでる手を動かすと優しく撫でた。

「全部あんたに溺れさせてよ。朝まで、ずっとさ」

 ユーリはその言葉の意味を理解してカアッと頬を赤くする。初心な反応にギルはおかしそうに笑い、更に詰めた。耳元に息を吹きかけて、囁く。

「いいでしょ?」

 その言い方も声もユーリの体を熱くさせる。しかし、これ以上はなんだか悔しくて、ユーリはギルを睨むとわざと余裕そうに笑った。

「なんだ、また睡眠薬でも口移しで飲ませてくれるのか?」

 その言葉にギルは一瞬固まるとすぐに吹き出した。

「くくっ……ほんとあんたって」

 そしてひとしきり笑うと、ギルはまた余裕そうな表情でユーリを見つめる。
 そして意地悪にニヤリと笑って言った。

「いいよ?それでも」

 もう我慢はしないというように、ギルはどんどんユーリを追い詰める。逃げ道を塞ぐように。

「あんたも、早く堕ちて?」

 ギルの熱っぽい視線にユーリは胸が高鳴る。
 それは、ずっと欲しかったもの。
 いつも意地っ張りで素直じゃないユーリが素直になれる方法だから。

「……うん」

 そう言ってユーリは背伸びをして自らギルに口付けたーー。

 ***

 愛を与え合った直後。
 ユーリは体の力が抜けてぐったりと寝台に身を預ける。
 もう意識も飛びそうで、このまま寝てしまいたいと思っていた。

 しかし……。

「ギル……」

「……なに?」

 名前を呼ばれてギルは返事をするが、その声色は少し不機嫌そうだった。しかし耳が赤いので照れているのだろう。
 それに気付いてユーリは苦笑する。

「もっと……キスして……」

 そう言って口付けをねだると、ギルは少し驚いた。だが、すぐに嬉しそうな表情を浮かべると、ユーリに口付ける。

「んっ……」

 何度か唇を重ねると、ふふとユーリが笑う。

「恋に堕ちれたな」

 少し勝ち誇ったように微笑むユーリ。

 ギルはそんなユーリの余裕が悔しくて、ぐいっとユーリの頭を引き寄せると自分から口付けて舌を絡ませる。

「っ……はっ……」

 そしてしばらくお互いに夢中になって舌を絡める。しかし、不意にユーリがギルにしがみつくように体を預けてきたので唇を離す。

「もう限界?」

 揶揄うように尋ねるとユーリは小さく頷く。それに小さく笑って再び優しく口付けた。


「あんた、本当に俺のこと好きなんだな」

 そう呟くと、ユーリは少し間を置いてから再び頷いた。その反応にギルは先程と同じように、笑う。

 そしてまた口付けると、ユーリは素直に受け入れた。しかしすぐに顔を離すと不満そうに顔をしかめる。

「たりない」

「おや、積極的だねえ。元から?あんたクールに見えるのにね。あーでも、やってる時は最高に甘えてくるもんな」

 揶揄うギルはユーリがわざと恥ずかしがる言葉を並べて辱める。それにユーリは顔を真っ赤にして「黙れ」とギルの口を手で塞いだ。

「んんっ……ユーリ、苦しい」

「おまえが恥ずかしいこと言うからだろ」

 手を離すとユーリは再び強く抱きついた。

「……ギルにだけだよ。こんなになるの」

 そう言って優しく笑うユーリにギルは複雑な気持ちになる。しかしすぐに視線をそらして口を開いた。

「あんたは、俺に恋に堕ちてって言ってくれたけど、本当にいいの?」

 そう呟くギルの声色は少し不安そうで、それでも真っ直ぐに目を見つめてくる。

「俺はあんたとの思い出を一つも覚えてない。それでも、こんな俺を好きでいてくれるの?」

「まだそんなこと言うのかよ」

 ユーリはギルと視線を合わせて笑った。

「特別なお姫様になるって言っただろ?ギルだけの……」

 そう言いユーリはギルの頬に手を添える。距離が近い。後少し近づけば唇が触れてしまいそうなほどの。

 それが今の二人の関係性を表す距離。

「もう、ひとりぼっちは嫌だよ」

 そう言って眉を下げて困ったように笑うユーリ。
 その笑顔がギルの心を揺らす。

「ギルと一緒にいたい。おまえにおれの記憶が無くても、恋に堕ちれたんだ。おれはもう、おまえを離さない」

 “絶対”

 そう凛とした声で、口元をニヤリと上げた勝気な顔で、ユーリはギルに伝える。

 それはまるで、愛の告白というよりも……

「宣戦布告だね」

 ユーリの言葉にギルは先程までの後ろ暗い想いは消えていた。
 ただ、今目の前の愛しい相手を見つめて、抱きしめる。

「あんたも、覚悟しといてよ?」

「勝利宣言か?」

「いや?もうこの勝負、結果見えてるでしょ」

 “俺の負けだよ”
 
 惚れたら負け。
 そんな言葉を飲み込んで、ギルはもう一度口付けた。

 ユーリは受け止めて、そして、想う。

 どうか、この関係が、いつまでも、続きますようにーーと。



Fin
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