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第67話 仏像彫刻開始
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爺から注文してた荷物が届いたとメッセージが来た。
「荷物取りに行くか」
『酒か?』
「仏像作る道具だよ。言ってただろ」
『そう言えばそうだったか』
荷物と言うと、化け狐はすぐに酒と言うからいけない。
仏像に使う木は、既に良さそうなのをとってあるので、さっさと荷物を持って来て作り始めよう。
そう考えて立ち上がったら、足下がふらついた。
「おっと」
『大丈夫か?』
倒れそうになったところ、化け狐の背中を支えにして、どうにか転倒は防げた。
化け狐は少しばかり心配そうに見ているが。
「ああ、ちょっとくらっとしただけだよ。問題ない」
『それなら良いが』
きっと、急に立ち上がったから立ち眩みが起きたんだろう。
やけに過保護な化け狐が背中を貸してくれるんで、支えにしながら外に出ると、そのまま背中に乗って山を下りた。
ポチもついて来てくれたので、ポチの背中に荷物を載せて家に戻った。
『大丈夫か?』
「大丈夫だよ。心配性か」
今日はやけにゆっくり走ると思ったら、まだ心配してたのかよ。
もう足下もしっかりしてるし、全く問題無いんだけどな。
どうやら今日は過保護になるつもりなのか、やたらと距離感が近い。
あまり気にしても仕方がないから、気にせず荷物を開けてしまおう。
「ナムゾン?」
「そうだぞ。NAMZONだぞ」
五子もしっかりとNAMZONを覚えたな。
段ボールを開けて中身を取り出す。
彫刻刀は少し値段は高めだが、クビレがあって持ちやすそうなのを選んだ。
防刃手袋は、どれが良いかわからなかいので、評価の高かったグレーの物を。
トースカンと回転台は、もっとわからないので、同じく評価の高い物を適当に。
この辺は、どうせ仏像作ったら必要が無くなるからな。
筆記用具はシャープペンシル、赤青鉛筆、消しゴム。
それからマスキングテープだな。
他に必要な道具として鋸あるんだが、元々小屋に置かれていたものがあったので、それを使う。
きっと小屋の修理用とかで使われていたものだろう。
仏像彫刻のサイトにはマットが必要とも書かれていたが、別に机をガリガリやっても気にしないので買わなかった。
息子が置いてった仏具が乗ってるやつ使えば良いし。
そんな訳で、材料が揃ったら早速仏像作りだ。
まずは古杣と思われるあやかしにオーダーして、凸形にして貰った木にトースカンで線を引く。
さらに大まかな仏像の形を書いてから、鋸を使ってある程度まわりを削ってしまう。
あとは仏像の形をイメージして、彫刻刀で掘っていくだけなのだが。
「こりゃ難しいな。案外時間が掛かるかもしれん」
『それはそうだろう。あやかしどもにも仏像彫刻に長けた者などはいないからな。
お主が自力で作るしかないぞ』
「わかってるよ。とにかく幾つか作って慣れるしかないな。
永空の結婚式までに満足行く出来にならなかったら、おとなしく買って渡すわ」
『その方が懸命だと思うがな』
そうは言っても、親から子に手編みのセーターを作って渡すかの如く手彫りの仏像を渡す、なんて絶対にやりたくて仕方がない。
防刃手袋があれば、ほろ酔いで彫っても怪我はしないだろうし、何とか練習を積んで良い仏像を作り上げよう思う。
「荷物取りに行くか」
『酒か?』
「仏像作る道具だよ。言ってただろ」
『そう言えばそうだったか』
荷物と言うと、化け狐はすぐに酒と言うからいけない。
仏像に使う木は、既に良さそうなのをとってあるので、さっさと荷物を持って来て作り始めよう。
そう考えて立ち上がったら、足下がふらついた。
「おっと」
『大丈夫か?』
倒れそうになったところ、化け狐の背中を支えにして、どうにか転倒は防げた。
化け狐は少しばかり心配そうに見ているが。
「ああ、ちょっとくらっとしただけだよ。問題ない」
『それなら良いが』
きっと、急に立ち上がったから立ち眩みが起きたんだろう。
やけに過保護な化け狐が背中を貸してくれるんで、支えにしながら外に出ると、そのまま背中に乗って山を下りた。
ポチもついて来てくれたので、ポチの背中に荷物を載せて家に戻った。
『大丈夫か?』
「大丈夫だよ。心配性か」
今日はやけにゆっくり走ると思ったら、まだ心配してたのかよ。
もう足下もしっかりしてるし、全く問題無いんだけどな。
どうやら今日は過保護になるつもりなのか、やたらと距離感が近い。
あまり気にしても仕方がないから、気にせず荷物を開けてしまおう。
「ナムゾン?」
「そうだぞ。NAMZONだぞ」
五子もしっかりとNAMZONを覚えたな。
段ボールを開けて中身を取り出す。
彫刻刀は少し値段は高めだが、クビレがあって持ちやすそうなのを選んだ。
防刃手袋は、どれが良いかわからなかいので、評価の高かったグレーの物を。
トースカンと回転台は、もっとわからないので、同じく評価の高い物を適当に。
この辺は、どうせ仏像作ったら必要が無くなるからな。
筆記用具はシャープペンシル、赤青鉛筆、消しゴム。
それからマスキングテープだな。
他に必要な道具として鋸あるんだが、元々小屋に置かれていたものがあったので、それを使う。
きっと小屋の修理用とかで使われていたものだろう。
仏像彫刻のサイトにはマットが必要とも書かれていたが、別に机をガリガリやっても気にしないので買わなかった。
息子が置いてった仏具が乗ってるやつ使えば良いし。
そんな訳で、材料が揃ったら早速仏像作りだ。
まずは古杣と思われるあやかしにオーダーして、凸形にして貰った木にトースカンで線を引く。
さらに大まかな仏像の形を書いてから、鋸を使ってある程度まわりを削ってしまう。
あとは仏像の形をイメージして、彫刻刀で掘っていくだけなのだが。
「こりゃ難しいな。案外時間が掛かるかもしれん」
『それはそうだろう。あやかしどもにも仏像彫刻に長けた者などはいないからな。
お主が自力で作るしかないぞ』
「わかってるよ。とにかく幾つか作って慣れるしかないな。
永空の結婚式までに満足行く出来にならなかったら、おとなしく買って渡すわ」
『その方が懸命だと思うがな』
そうは言っても、親から子に手編みのセーターを作って渡すかの如く手彫りの仏像を渡す、なんて絶対にやりたくて仕方がない。
防刃手袋があれば、ほろ酔いで彫っても怪我はしないだろうし、何とか練習を積んで良い仏像を作り上げよう思う。
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