異世界転移のおっさんはスキル【迷宮創造】で楽々レベルアップ!どうやら最強になりましたが、俺は愉快に適当に迷宮開発スローライフを送ります

張形珍宝

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8.ネトゲの神こと運営にキレ散らかすおっさんは神罰が下らないかと不安になりながら安地に寝ころんで涅槃仏を真似る

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「いや、畑デカいって!気合入れ過ぎだろSSR!」

 ガチャでSSRを引けたのに最近作ったばっかりの低級薬草(群生)と甘被りして失意の底に堕とされた俺は、1時間不貞寝してから最上級薬草(畑)を設置した。
 畑のデカさは第1階層の8割ぐらいもあって、第1階層は最早ほとんど畑だ。

 それにしても、ガチャって異常に薄い方の確率を引いてくるの何なんだろうな。
 事前登録ガチャで引いたSSRとチュートリアルガチャのSSRが奇跡的な確率で被った時なんか最悪だよな。
 あの瞬間、俺はこのゲーム向いてないわって始めたのに始めなかったゲームがいくらか思い浮かぶわ。
 SSRの所持率10%も無いのに何でお前だけ3枚いるんだよ…って好きでもないキャラに愛されたり。

「ネットゲームの運営は物欲センサーを可視化して見ているんですよ。ですから皆さんが被りを引くのは運営という神に踊らされているだけなのです。ですから私の様に物欲センサー可視化対策として、こちらの物欲隠しマスク(25800円で販売中)をしてガチャを引けば被りなんて…クソォォォオオ!運営めぇぇぇ!確率操作ばっかりしやがって糞野郎がぁぁぁ!ピックアップキャラ天井を設けない運営は全て滅びろぉぉぉ!」

 オカルト系ゲーム動画配信者が言ってそうな台詞を捏造してみた。

 テーテテケテテー♪

『おめでとうございます。迷宮レベルが15に上がりました。第3階層が開放されました。第4階層が開放されました。Eランクの常設魔物が開放されました。安全地帯が開放されました。新しい宝箱が追加されました。新しい罠が追加されました。新しい装飾が追加されました』

「めっちゃレベル上がったんだが!?」

 確か満月狼女を配置した時はレベルが2上がったんだったか。
 レアリティが高いほど配置・設置した時の経験値が大きいって仕様みたいだな。
 それにしてもSRが2でSSRは6も上がるって、流石は確率3%だぜ。
 他のやつがよかったけど。

「新しい階層は迷宮レベル5刻みで開放されてるのかな?追加された魔物だ罠だ装飾だは後回しにするとして、まず気になるのは安全地帯と宝箱だよな。宝箱だよな。気になるのは宝箱だよな」

 安全地帯も後回しにして宝箱をチェックする。

「鉄の宝箱か。設置に必要な消費DPは…10000!?たっか!普通1000の次は3000か5000って相場が決まってるだろ!復活に8000DPも使うの!?たっか!デイリー分だと全くDP使わずに10日間も溜め続けないと設置出来ないのかよ!たっか!高過ぎるわぁ!」

 鉄の宝箱はしばらくお預けだな…。
 このゲーム…いや、ゲームじゃねぇけど。明らかに宝箱は消費DPが高く設定されてるんだよな。
 例えばGランク魔物は一律100DP。Fランク魔物は一律300DP。Eランクでも今見たら1000DPだった。
 宝箱は一番下の木の宝箱でもEランク魔物と同じ1000DPも必要になる。
 高い分リターンも大きいから当然っちゃ当然なんだけどな。

 ここで1週間に獲得出来るDPを確認してみよう。

 毎日入手出来るDPが、外部生物(俺)の滞在報酬480DPとデイリーミッションの520DP。
 ウィークリーミッションの内容はこんな感じ。

 魔物を5回配置しよう:200DP
 新しい魔物を配置しよう:300DP
 宝箱を5回設置しよう:200DP
 新しい宝箱を設置しよう:300DP
 罠を5回設置しよう:200DP
 新しい罠を設置しよう:300DP
 装飾を5回設置しよう:200DP
 新しい装飾を設置しよう:300DP
 7日間毎日迷宮にログインしよう:1000DP
 ウィークリーミッションを全て達成しよう:召喚チケット

 単純にデイリーと同じ内容を5回するのと、新しい○○の配置・設置。毎日ログイン分のを合わせて3000DP+召喚チケットが手に入る。
 新しい○○は既に配置・設置している物と同種類でも構わない。

「だからログインってなんだよ!ってツッコミは置いておいて。10000DPを貯めるには丸7日間分のDPが必要になるって事だよな。それなら木の宝箱を800DPで復活させて宝箱ガチャ回した方が良くない?って気もするな。楽しいし」

 本来なら迷宮がレベル15まで上がる頃には10000DPぐらい楽に出せるようになってるんだろう。
 外部生物を入れたり外部要因を吸収させたりで。
 それらがどれだけの効果を持っているのかはまだわからないが、この迷宮はクソデカ蜥蜴の縄張りにあるせいで外部からの影響がまるでないんだよな。
 ここが割と致命的なんだと思う。

「まぁすぐにどうこう出来るもんでもないけどなぁ。あのクソデカ蜥蜴、バケモノだし。それについては追々考えていくとして、安全地帯についても確認しておくかな」

『安全地帯とは外部生物用にお情けで作る休憩場所です。階層の広さに応じて設定出来ます。安全地帯内に迷宮の魔物と罠は存在出来ず、外部要因の吸収もされません。生贄に情けは不要です。設定の必要はないでしょう』

「外部関係だと急に口悪くなるのは何でなん!?生贄って単語は止めろって物騒だから!」

 試しに俺の家とも言える生活範囲を安全地帯にしてみた。
 広さは大体2畳ぐらいで、平均的なおじさんが横になるのには十分な広さかな。
 火吹き壁は罠なので、安全地帯に入れる事は出来なかった。
 足と剣は出せるから肉を焼くのには問題にならない。
 ここにいれば寝過ごして定時復活の時間を迎えても安全って事だな。

「それより何より外部要因の吸収が無いってのが最高なんだが!?」

 迷宮は隙を見せるとすぐに外部要因を吸収しようとしてくる。
 それは創造者である俺も例外ではない。
 どういう仕組みなのかは知らないが、迷宮は外部生物と外部生物が身に着けている物については絶対に吸収しない。
 まぁ身に着けている物まで吸収出来たら、俺が履いてるスニーカーの靴底は既にお亡くなりになっていることだろう。

 外部要因が身に着けていれば服だろうが靴だろうが鞄だろうが、絶対に吸収される事は無い。
 しかし自宅にいる時の癖でポケットからスマホを出して、その辺に放っておくと「キタキタキタキターーーーー!」とばかりに吸収しようとしてくる。
 めっちゃ本気で引っ張り合えば勝てるけど。

「これは迷宮生活の革命だぜ?革命なんだぜ!?」

 ノリと勢いだけで笑いを取ろうとするのは俺の悪い癖だな。
 誰に向けてやっているのかは、俺自身が一番わかっていないけれども。

「それにしても安全地帯か。これは何か悪さが出来そうだぞ?」

 ふむ…。
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