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ラブホテル in エライマン
酒狂いラブリスの酒造り①
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「マスター、酒蔵の様子を見に行きませんか?」
ここはラブホテルのあるダンジョンの最上階層マスタールーム。
ダンジョンマスターであるアイトの秘書を務めるその名もヒショが珍しく自分からアイトに意見をした。
いや、珍しくと言うのは正確ではないか。
ここ最近。
具体的に言うと醸造家であるラブリスが来てからというものの、殆んど毎日の様に酒蔵の様子を見に行きたがるのだ。
その目的は当然、ラブリスに一任している酒造りの進捗を確認する為である。
多い時には24時間で36回も様子を見に行きたがるので流石のアイトも呆れた様子で。
「よし!行くか!」
全然呆れた様子なんて見せずにヒショに付き合っていた。
36回行きたいと言えば36回全部付き合う。
嫌な顔一つせずに。
二人の付き合いは長い。
それこそ普通の生物であれば何度も何度も輪廻転生が起こるぐらいに長い。
それだけ長い時間を共に過ごしたならば、マンネリや小さな諍いが起きてお互いに顔も見たくない関係性が形成されるのではないかと。
そう考える人もいるだろう。
しかしアイトとヒショにはそんなもの、何処にも存在していない。
ダンジョンモンスターでフロアボスのヒショにとってアイトはなくてはならない存在だが。
それはアイトにとっても同じ事。
例えるならばポップコーンにおいての塩。
枝豆においての塩。
ミックスナッツにおいての塩。
そんななくてはならない存在なのだ。
どうして全て塩で例えた。
それらは塩が無くったって食べられるじゃないか。
とにかく特別な理由がなければ離れたがらない二人なので。
けれども別にバカップルとかではない二人なので。
今日もアイトとヒショは一緒に酒蔵のあるダンジョン農園へと転移する。
エライマン伯爵ことフォルカー・エライマンが連れて来た醸造家のラブリス。
商人のタスケ曰く酒狂いでドワーフの血が入っているらしく。
見た目は小柄で少女の様に見えるが齢は100歳を超えるロリBBAだ。
クルクルの陰毛みてぇな癖っ毛とずんぐりした体型は確かにドワーフの血を感じさせる。
ラブリスは元々家の酒蔵を手伝っていたのだが、家の金を使って無断で新しい酒を仕込む材料を買い込んだりするので家族でさえも彼女を持て余していた。
そこへエライマン伯爵が醸造家を探していると聞いて不安は非常にありつつも、渡りに船でラブリスを差し出した。
その結果アイトとヒショに気に入られて好きに酒造りが出来る様になるのだから、人生わからないものである。
ラブリスの朝は早い。
ジリリリリっと酒蔵に併設されたログハウスで目を覚ましたラブリス。
時間はまだ深夜の三時だ。
寝起きで粘っこい口の中をもごもごしたラブリスは洗面所で口を濯ぎ。
口の中のそれをそのまま飲み込んだ。
酒だ。
この女、酒でうがいをしていた。
水は酒からしか摂らないと豪語するラブリスがうがいをしたからって酒を吐き出す筈が無かった。
しかもアイトから消毒をするならアルコール度数が高い酒の方が良いとアドバイスを受けてスピリタスで。
アルコール度数96度のスピリタスでうがいをしている。
普通であれば喉が焼ける程の事を仕出かしているのだが、ラブリスにはどこ吹く風だ。
ドワーフってそんな特殊能力も持っているのか?
母乳の代わりに酒を飲ませて育てたと言われているので、両親がこのドリンカーモンスターを生み出したのかもしれない。
そう考えれば、家の金を使い込まれるのも自業自得な気がする。
ラブリスはスピリタスでうがいを終えると。
そのまま500mlのボトルを一気に飲み干した。
そして仕事の準備をして酒蔵へ向かう。
なんて事も無く晩酌を始めた。
寝起きだが時間が深夜なので晩酌である。
因みに寝る前も晩酌していたので睡眠を挟んでの晩酌アンコールである。
とは言え寝起きの晩酌は軽めに済ませるらしく。
日本酒とバーボンをちゃんぽんしている。
これはあれだ。
恐らくは常人が酒を飲む時に水を飲むのと同じ理論だ。
バーボンのアルコール度数40%を日本酒のアルコール度数15%で薄めているのだ。
水を飲んで胃の中のアルコール度数を下げる事で酔いが回るのを抑えるのと同じ理論だ。
それにしてはバーボンを飲む割合が高過ぎる気はするが、きっとラブリスも仕事である酒造りの前から飲み過ぎない様に気を使っているのだろう。
それにしてはアルコール度数96度のスピリタスを一気飲みしたけれども。
それにしてはバーボンの酒瓶がもう3本も空いているけれども。
因みにラブリスは酒からしか水分を摂りたくないのでつまみは全て乾物である。
この習慣が出来たのは流石にラブホテルに来てからだが。
ラブホテルはアイトに頼めば幾らでも乾物を出してくれるので、食事の全てが乾物となっている。
健康的にそれで大丈夫なのか?
干し肉、干し貝柱、煮干し、鰹節。
乾燥昆布、干ししいたけ、切り干し大根に高野豆腐。
他にもダンジョン農園産の果物をドライフルーツにしたもの。
案外健康面は問題無さそうである。
これもドワーフの特徴なのか顎の力が強くて歯も丈夫なので高野豆腐なんかそのままゴリゴリ食べている。
鰹節も削らずにそのままだ。
時々食感を変えたくて戻したくなったら酒で戻す徹底ぶり。
はっきり言って異常である。
1時間程かけて晩酌アンコールを済ませたラブリスは一升瓶を持ちながら酒蔵へと移動する。
これからは真面目に酒造りをする時間だ。
飲酒を止める気はどうやら無さそうだけれども。
酒蔵に移動したラブリスは仕込んでいる酒を一口ずつ口に含んで状態を確認し。
物足りなかったのかテーブルに着いて晩酌アンコール第2弾を始めた。
この女、仕事をする気はあるのだろうか?
アイトが際限なく酒を用意してくれるからと言って甘え過ぎてはいないか?
酒造りは酒を飲む合間の暇潰しでしかなかったのか?
そんな事も無く実際は、今は仕込んだ酒の熟成期間なのだ。
酒造りに必要な道具はアイトがダンジョンの装飾品として全て揃えてくれた。
果物を潰す道具が欲しいと言えば破砕機なる物を作ってくれたし、発酵させた後に使う圧搾機まで作ってくれた。
面倒な作業が随分と楽に終わってしまうので、仕方なくラブリスは酒を飲んで時間を潰しているのだ。
そう、仕方なくだ。
仕方なくラブリスは干し貝柱を肴に芋焼酎を飲む。
いつの間にか持っている一升瓶が日本酒から芋焼酎に変わっていた。
どうやら日本酒は一瞬で空にしたらしい。
ラブホテルの従業員となってから初めて飲んだこの芋焼酎という酒。
実を言うとラブリスはこれがアイトとヒショから出された課題の解決策になるのではないかと考えている。
課題とはキュウリの酒とキャベツの酒だ。
ヒショがパリパリキャベツが好きなのでキャベツの酒があれば塩をつまみに飲めると言い出した事がきっかけで、野菜で酒を作るなら香りの良いキュウリだとアイトが言い出し。
それを作らせるのも目的の一つとしてダンジョン農園の作物から酒を作れる醸造家を探していたのだ。
その課題を達成する為に、目指すはキュウリの焼酎とキャベツの焼酎を作ろうと考えて。
ラブリスは既に研究開発に取り掛かっている。
実際アイトの前世では野菜を原料とした焼酎が幾つか存在していた。
例えばキャベツと見た目は似てるけど味も食感も全然別物でお馴染みのレタスの焼酎やネギの焼酎。
トマトの焼酎やワサビの焼酎なんて物もあるのだ。
残念ながらアイトにはそんな知識は無かったが、前世とは言え存在はしているのだから作るのは不可能ではないだろう。
結局ラブリスは昼になるまでずっと酒を飲み続けて飲酒以外は何もせずに半日が終わった。
ここはラブホテルのあるダンジョンの最上階層マスタールーム。
ダンジョンマスターであるアイトの秘書を務めるその名もヒショが珍しく自分からアイトに意見をした。
いや、珍しくと言うのは正確ではないか。
ここ最近。
具体的に言うと醸造家であるラブリスが来てからというものの、殆んど毎日の様に酒蔵の様子を見に行きたがるのだ。
その目的は当然、ラブリスに一任している酒造りの進捗を確認する為である。
多い時には24時間で36回も様子を見に行きたがるので流石のアイトも呆れた様子で。
「よし!行くか!」
全然呆れた様子なんて見せずにヒショに付き合っていた。
36回行きたいと言えば36回全部付き合う。
嫌な顔一つせずに。
二人の付き合いは長い。
それこそ普通の生物であれば何度も何度も輪廻転生が起こるぐらいに長い。
それだけ長い時間を共に過ごしたならば、マンネリや小さな諍いが起きてお互いに顔も見たくない関係性が形成されるのではないかと。
そう考える人もいるだろう。
しかしアイトとヒショにはそんなもの、何処にも存在していない。
ダンジョンモンスターでフロアボスのヒショにとってアイトはなくてはならない存在だが。
それはアイトにとっても同じ事。
例えるならばポップコーンにおいての塩。
枝豆においての塩。
ミックスナッツにおいての塩。
そんななくてはならない存在なのだ。
どうして全て塩で例えた。
それらは塩が無くったって食べられるじゃないか。
とにかく特別な理由がなければ離れたがらない二人なので。
けれども別にバカップルとかではない二人なので。
今日もアイトとヒショは一緒に酒蔵のあるダンジョン農園へと転移する。
エライマン伯爵ことフォルカー・エライマンが連れて来た醸造家のラブリス。
商人のタスケ曰く酒狂いでドワーフの血が入っているらしく。
見た目は小柄で少女の様に見えるが齢は100歳を超えるロリBBAだ。
クルクルの陰毛みてぇな癖っ毛とずんぐりした体型は確かにドワーフの血を感じさせる。
ラブリスは元々家の酒蔵を手伝っていたのだが、家の金を使って無断で新しい酒を仕込む材料を買い込んだりするので家族でさえも彼女を持て余していた。
そこへエライマン伯爵が醸造家を探していると聞いて不安は非常にありつつも、渡りに船でラブリスを差し出した。
その結果アイトとヒショに気に入られて好きに酒造りが出来る様になるのだから、人生わからないものである。
ラブリスの朝は早い。
ジリリリリっと酒蔵に併設されたログハウスで目を覚ましたラブリス。
時間はまだ深夜の三時だ。
寝起きで粘っこい口の中をもごもごしたラブリスは洗面所で口を濯ぎ。
口の中のそれをそのまま飲み込んだ。
酒だ。
この女、酒でうがいをしていた。
水は酒からしか摂らないと豪語するラブリスがうがいをしたからって酒を吐き出す筈が無かった。
しかもアイトから消毒をするならアルコール度数が高い酒の方が良いとアドバイスを受けてスピリタスで。
アルコール度数96度のスピリタスでうがいをしている。
普通であれば喉が焼ける程の事を仕出かしているのだが、ラブリスにはどこ吹く風だ。
ドワーフってそんな特殊能力も持っているのか?
母乳の代わりに酒を飲ませて育てたと言われているので、両親がこのドリンカーモンスターを生み出したのかもしれない。
そう考えれば、家の金を使い込まれるのも自業自得な気がする。
ラブリスはスピリタスでうがいを終えると。
そのまま500mlのボトルを一気に飲み干した。
そして仕事の準備をして酒蔵へ向かう。
なんて事も無く晩酌を始めた。
寝起きだが時間が深夜なので晩酌である。
因みに寝る前も晩酌していたので睡眠を挟んでの晩酌アンコールである。
とは言え寝起きの晩酌は軽めに済ませるらしく。
日本酒とバーボンをちゃんぽんしている。
これはあれだ。
恐らくは常人が酒を飲む時に水を飲むのと同じ理論だ。
バーボンのアルコール度数40%を日本酒のアルコール度数15%で薄めているのだ。
水を飲んで胃の中のアルコール度数を下げる事で酔いが回るのを抑えるのと同じ理論だ。
それにしてはバーボンを飲む割合が高過ぎる気はするが、きっとラブリスも仕事である酒造りの前から飲み過ぎない様に気を使っているのだろう。
それにしてはアルコール度数96度のスピリタスを一気飲みしたけれども。
それにしてはバーボンの酒瓶がもう3本も空いているけれども。
因みにラブリスは酒からしか水分を摂りたくないのでつまみは全て乾物である。
この習慣が出来たのは流石にラブホテルに来てからだが。
ラブホテルはアイトに頼めば幾らでも乾物を出してくれるので、食事の全てが乾物となっている。
健康的にそれで大丈夫なのか?
干し肉、干し貝柱、煮干し、鰹節。
乾燥昆布、干ししいたけ、切り干し大根に高野豆腐。
他にもダンジョン農園産の果物をドライフルーツにしたもの。
案外健康面は問題無さそうである。
これもドワーフの特徴なのか顎の力が強くて歯も丈夫なので高野豆腐なんかそのままゴリゴリ食べている。
鰹節も削らずにそのままだ。
時々食感を変えたくて戻したくなったら酒で戻す徹底ぶり。
はっきり言って異常である。
1時間程かけて晩酌アンコールを済ませたラブリスは一升瓶を持ちながら酒蔵へと移動する。
これからは真面目に酒造りをする時間だ。
飲酒を止める気はどうやら無さそうだけれども。
酒蔵に移動したラブリスは仕込んでいる酒を一口ずつ口に含んで状態を確認し。
物足りなかったのかテーブルに着いて晩酌アンコール第2弾を始めた。
この女、仕事をする気はあるのだろうか?
アイトが際限なく酒を用意してくれるからと言って甘え過ぎてはいないか?
酒造りは酒を飲む合間の暇潰しでしかなかったのか?
そんな事も無く実際は、今は仕込んだ酒の熟成期間なのだ。
酒造りに必要な道具はアイトがダンジョンの装飾品として全て揃えてくれた。
果物を潰す道具が欲しいと言えば破砕機なる物を作ってくれたし、発酵させた後に使う圧搾機まで作ってくれた。
面倒な作業が随分と楽に終わってしまうので、仕方なくラブリスは酒を飲んで時間を潰しているのだ。
そう、仕方なくだ。
仕方なくラブリスは干し貝柱を肴に芋焼酎を飲む。
いつの間にか持っている一升瓶が日本酒から芋焼酎に変わっていた。
どうやら日本酒は一瞬で空にしたらしい。
ラブホテルの従業員となってから初めて飲んだこの芋焼酎という酒。
実を言うとラブリスはこれがアイトとヒショから出された課題の解決策になるのではないかと考えている。
課題とはキュウリの酒とキャベツの酒だ。
ヒショがパリパリキャベツが好きなのでキャベツの酒があれば塩をつまみに飲めると言い出した事がきっかけで、野菜で酒を作るなら香りの良いキュウリだとアイトが言い出し。
それを作らせるのも目的の一つとしてダンジョン農園の作物から酒を作れる醸造家を探していたのだ。
その課題を達成する為に、目指すはキュウリの焼酎とキャベツの焼酎を作ろうと考えて。
ラブリスは既に研究開発に取り掛かっている。
実際アイトの前世では野菜を原料とした焼酎が幾つか存在していた。
例えばキャベツと見た目は似てるけど味も食感も全然別物でお馴染みのレタスの焼酎やネギの焼酎。
トマトの焼酎やワサビの焼酎なんて物もあるのだ。
残念ながらアイトにはそんな知識は無かったが、前世とは言え存在はしているのだから作るのは不可能ではないだろう。
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