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ラブホテル in ヤーサン
悩めるイケオジを救いたい。救いたいんや!③
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フォルカーとカロリーナは屋敷よりも広い風呂に浸かっている。
床も湯船も木で出来ていて、屋根は骨組みのみで夜空を見上げる事が出来る露天風呂。
泳げるぐらいに広い風呂だが、カロリーナはフォルカーの腕を取り、寄り添って離れようとしない。
二人は大幅に年が離れた歳の差カップルであるが。
実はフォルカーにベタ惚れだったカロリーナから側室にして欲しいと願った経緯がある。
カロリーナがフォルカーに出会ったのは彼女がまだ幼女だった頃だ。
当時のフォルカーは未だ壮年で溢れんばかりにエネルギッシュな男性だった。
フォルカーは自領の騎士団への稽古を付けていて。
偶々その姿を見かけたカロリーナは溌溂として逞しくて格好良いフォルカーに一目惚れした。
カロリーナは幼女にしてイケおじ好きだったのだ。
それからカロリーナの熱烈なアプローチは続き。
幼女カロリーナは少女カロリーナとなり。
少女カロリーナが淑女カロリーナとなった所で根負けしたフォルカーはカロリーナを側室として迎え入れた。
因みにフォルカーの側室がやたらと多いのは似た様なケースが何度も発生して断れなかったからである。
勿論、妻は当然としてフォルカーは全ての側室を愛しているのだが。
そんなカロリーナには夢が二つあった。
幼い頃からずっと願い続けていた夢だ。
それはフォルカーの側室となった事で一つは叶った。
だが、もう一つの夢は未だ叶えられていない。
だからカロリーナはフォルカーに願う。
「わたくし、フォルカー様の子を孕みたいです」
言葉はそれで良かったのか?
赤ちゃんが欲しいとかにしておいた方が良かったんじゃないか?
カロリーナは潤んだ瞳でフォルカーを見つめる。
実はカロリーナはこれまでにも何度か同じ事を言った事がある。
毎回孕みたいと言っているのは今は置いておいて。
これまでは何度アプローチしてもフォルカーにはぐらかされてしまっていた。
フォルカーは自分に魅力を感じていないのかと悩んだ事もあった。
けれどフォルカーが彼の妻や側室と同様に愛してくれているのは自分が誰よりも理解している。
何が原因なのかはわからない。
しかし今日は。
美容グッズでピッカピカに磨かれた今日だったら。
フォルカーは自分に手を出してくれるのではないかと考えて。
泣き出しそうな顔でフォルカーに孕み懇願するのであった。
フォルカーはそんなカロリーナと唇を重ね。
股間に手を持って行って二度横に首を振った。
「すまない」
何処か悲し気で。
自信無さげなフォルカーは湯船から上がって風呂を出た。
大粒の涙を溢し滲んだ瞳で見たフォルカーの背中は。
何時もよりもとても小さく見えた。
「なるほどね。このイケオジ可哀想だな」
そう言って大きく息を吐いたアイト。
それは溜息の様にも聞こえる。
「何が可哀想なのでしょうか?」
ヒショはアイトの言葉に理解が及ばないのか不思議そうに質問をする。
それも仕方が無い事だろう。
男には男にしか理解出来ない事だってあるのだ。
女でも知識としては理解出来る事もあるのだろうが。
「要するにだ。あのイケオジはさ」
アイトはそこからたっぷりと。
何時もよりもたっぷり目に溜めてから確信めいた自分の予想を伝える。
「勃たないんだよ」
何て悲しい。
それはとても悲しい話だ。
どんなに愛する女性を目の前にしても。
どんなに若くて可愛いチャンネーに迫られても。
男には男の男が。
男にとって重大な男の中の男が。
うんともすんとも反応しなくなるケースが存在するのだ。
「マスターも勃ちませんよね?」
そう平然と聞くヒショ。
「俺は、、、勃たないって言うか生殖機能がそもそも存在しないから、、、ってそんな事は今は関係ないね!とにかく今は成る早でサービスサービスしなければ!あ、もしもしミーア?一つ宝箱の開封頼むわ。もしもしレイさん?フロントでミーアの開封した宝箱の中身持ってマスタールームまで来てくれる?俺はちょっと書き物があるからさ」
アイトはスタッフに指示を出し。
イケオジ救済作戦に身を乗り出したのであった。
「カロリーナに申し訳ない事をしてしまった」
開放的な部屋のベッドに腰を下ろして。
フォルカーは額を押さえて何度も溜息を吐いていた。
ここ数年、フォルカーがこうして頭を抱えて嘆く場面を幾度となく目にしている騎士は声を掛けず。
遠くから心配そうに見ているだけであった。
「俺は何て情けない男になってしまったんだ」
頭を抱えて沈み込むフォルカー。
妻も。
側室の誰が相手だったとしても。
皆自分より若く美しい女達だと言うのに。
全くイチモツが反応しないのだ。
若かりし頃は絶倫伯爵の名を欲しいままにしたフォルカーにとっては。
未反応のイチモツは最早死の宣告に近いものだった。
それが今はどうだ。
完全に、“しかし なにも おこらなかった”伯爵である。
そんな気落ちしたフォルカー宛てに手紙が届いたのはそれから直ぐの事だった。
フロントからの電話を騎士が受け、インターホンが鳴ったので扉の引き戸から手紙を受け取った。
騎士はそれをフォルカーの元へと運ぶ。
「フォルカー様。こちら、宿の主人からだそうです」
当たり前だがフォルカーは宿の主人、ダンジョンマスターのアイトとの面識は無い。
しかししっかりと封蝋の押された。
何かやけにリアルなアレのマークの蝋で閉じられた手紙だった。
フォルカーがナイフで切って手紙を開くとそこには。
『夜の自信を失った貴方に、お試し下さい。マカマカテラックス!』
やけに迫力を感じさせる字でそれだけが書かれていた。
そして手紙と共に封筒に入っていた薬らしき謎の錠剤。
フォルカーはもうどうにでもなれと錠剤を口に入れ。
大胆にもシャンパンを冷やしていて、未だに氷が溶けていないバケツの水で飲み込んだ。
それからたったの1分。
たったの1分だ。
ギン!
フォルカーのフォルカーは若かりし時の様に。
いや、それ以上の元気を取り戻した。
サイズで言うならばドラゴンサイズの凶悪なフォルカーは腹にピタリとくっ付いて。
床と垂直に勃っている。
これ正に“勃った!フォルカーが勃った!”ってやつである。
騎士もバスローブから飛び出したそれを見て目を剥き。
逆に男としての自信を喪失したのであった。
残念!次は君の番だ!
「カロリーナ!」
フォルカーは女騎士に慰められているカロリーナへ掛け寄り。
「すまなかった!実を言うと俺は数年前から勃たなかったんだ!それが今はどうだ!カロリーナ!これは奇跡だ!君が起こしてくれた奇跡だよ!」
とても興奮気味のフォルカーと。
興奮気味のフォルカーの興奮し過ぎなフォルカーを見て興奮するカロリーナと女騎士。
802号室で興奮していないのは自信を無くした男騎士だけである。
「カロリーナ。頼みがある。俺の子を孕んで欲しい」
男らしく手を差し出し。
自信が漲る様子でカロリーナを激しい夜の稽古へと誘うフォルカー。
「嬉しいです。必ずわたくしを孕ませて下さいね」
カロリーナは涙ながらに差し出された手を取って。
フォルカーにお姫様抱っこをされてベッドへと運ばれて行った。
女騎士は自信を喪失した男騎士の機能を気合いで回復させ。
何だかんだでどちらのカップルも朝まで元気一杯の組み体操の励んだのであった。
朝。
フロントには深夜番のミーアと交代したエマが立っていて。
朝までコースで張り切ったフォルカー一行が清算を終えてフロントに下りて来た。
「世話になった。本当に夢の様な体験であった。宿の主人に感謝を伝えておいてくれるだろうか。それと」
深夜は寝ていたエマには何を言っているか分からなかったが、どうやらアイトがまた何かやったらしい。
そう考えて話を合わせているとフォルカーは胸元から手紙が入った封筒を取り出し。
「ダンジョンの者からすれば必要無いかもしれないが、何かあれば力になると伝えて欲しい。これでも私はこの国でちょっとばかり顔が利くのだ」
スッとガラスの隙間から封筒を入れた。
「わかりました!伝えておきますね!」
エマは封筒を受け取って。
フロントに背を向けて帰って行く4人の姿を見送った。
4人の内3人は憑き物が落ちた様な清々しい顔をしていて。
1人は憑き物ごと搾り取られた様にゲッソリと痩せ細っていたのであった。
男騎士、受難の時である。
床も湯船も木で出来ていて、屋根は骨組みのみで夜空を見上げる事が出来る露天風呂。
泳げるぐらいに広い風呂だが、カロリーナはフォルカーの腕を取り、寄り添って離れようとしない。
二人は大幅に年が離れた歳の差カップルであるが。
実はフォルカーにベタ惚れだったカロリーナから側室にして欲しいと願った経緯がある。
カロリーナがフォルカーに出会ったのは彼女がまだ幼女だった頃だ。
当時のフォルカーは未だ壮年で溢れんばかりにエネルギッシュな男性だった。
フォルカーは自領の騎士団への稽古を付けていて。
偶々その姿を見かけたカロリーナは溌溂として逞しくて格好良いフォルカーに一目惚れした。
カロリーナは幼女にしてイケおじ好きだったのだ。
それからカロリーナの熱烈なアプローチは続き。
幼女カロリーナは少女カロリーナとなり。
少女カロリーナが淑女カロリーナとなった所で根負けしたフォルカーはカロリーナを側室として迎え入れた。
因みにフォルカーの側室がやたらと多いのは似た様なケースが何度も発生して断れなかったからである。
勿論、妻は当然としてフォルカーは全ての側室を愛しているのだが。
そんなカロリーナには夢が二つあった。
幼い頃からずっと願い続けていた夢だ。
それはフォルカーの側室となった事で一つは叶った。
だが、もう一つの夢は未だ叶えられていない。
だからカロリーナはフォルカーに願う。
「わたくし、フォルカー様の子を孕みたいです」
言葉はそれで良かったのか?
赤ちゃんが欲しいとかにしておいた方が良かったんじゃないか?
カロリーナは潤んだ瞳でフォルカーを見つめる。
実はカロリーナはこれまでにも何度か同じ事を言った事がある。
毎回孕みたいと言っているのは今は置いておいて。
これまでは何度アプローチしてもフォルカーにはぐらかされてしまっていた。
フォルカーは自分に魅力を感じていないのかと悩んだ事もあった。
けれどフォルカーが彼の妻や側室と同様に愛してくれているのは自分が誰よりも理解している。
何が原因なのかはわからない。
しかし今日は。
美容グッズでピッカピカに磨かれた今日だったら。
フォルカーは自分に手を出してくれるのではないかと考えて。
泣き出しそうな顔でフォルカーに孕み懇願するのであった。
フォルカーはそんなカロリーナと唇を重ね。
股間に手を持って行って二度横に首を振った。
「すまない」
何処か悲し気で。
自信無さげなフォルカーは湯船から上がって風呂を出た。
大粒の涙を溢し滲んだ瞳で見たフォルカーの背中は。
何時もよりもとても小さく見えた。
「なるほどね。このイケオジ可哀想だな」
そう言って大きく息を吐いたアイト。
それは溜息の様にも聞こえる。
「何が可哀想なのでしょうか?」
ヒショはアイトの言葉に理解が及ばないのか不思議そうに質問をする。
それも仕方が無い事だろう。
男には男にしか理解出来ない事だってあるのだ。
女でも知識としては理解出来る事もあるのだろうが。
「要するにだ。あのイケオジはさ」
アイトはそこからたっぷりと。
何時もよりもたっぷり目に溜めてから確信めいた自分の予想を伝える。
「勃たないんだよ」
何て悲しい。
それはとても悲しい話だ。
どんなに愛する女性を目の前にしても。
どんなに若くて可愛いチャンネーに迫られても。
男には男の男が。
男にとって重大な男の中の男が。
うんともすんとも反応しなくなるケースが存在するのだ。
「マスターも勃ちませんよね?」
そう平然と聞くヒショ。
「俺は、、、勃たないって言うか生殖機能がそもそも存在しないから、、、ってそんな事は今は関係ないね!とにかく今は成る早でサービスサービスしなければ!あ、もしもしミーア?一つ宝箱の開封頼むわ。もしもしレイさん?フロントでミーアの開封した宝箱の中身持ってマスタールームまで来てくれる?俺はちょっと書き物があるからさ」
アイトはスタッフに指示を出し。
イケオジ救済作戦に身を乗り出したのであった。
「カロリーナに申し訳ない事をしてしまった」
開放的な部屋のベッドに腰を下ろして。
フォルカーは額を押さえて何度も溜息を吐いていた。
ここ数年、フォルカーがこうして頭を抱えて嘆く場面を幾度となく目にしている騎士は声を掛けず。
遠くから心配そうに見ているだけであった。
「俺は何て情けない男になってしまったんだ」
頭を抱えて沈み込むフォルカー。
妻も。
側室の誰が相手だったとしても。
皆自分より若く美しい女達だと言うのに。
全くイチモツが反応しないのだ。
若かりし頃は絶倫伯爵の名を欲しいままにしたフォルカーにとっては。
未反応のイチモツは最早死の宣告に近いものだった。
それが今はどうだ。
完全に、“しかし なにも おこらなかった”伯爵である。
そんな気落ちしたフォルカー宛てに手紙が届いたのはそれから直ぐの事だった。
フロントからの電話を騎士が受け、インターホンが鳴ったので扉の引き戸から手紙を受け取った。
騎士はそれをフォルカーの元へと運ぶ。
「フォルカー様。こちら、宿の主人からだそうです」
当たり前だがフォルカーは宿の主人、ダンジョンマスターのアイトとの面識は無い。
しかししっかりと封蝋の押された。
何かやけにリアルなアレのマークの蝋で閉じられた手紙だった。
フォルカーがナイフで切って手紙を開くとそこには。
『夜の自信を失った貴方に、お試し下さい。マカマカテラックス!』
やけに迫力を感じさせる字でそれだけが書かれていた。
そして手紙と共に封筒に入っていた薬らしき謎の錠剤。
フォルカーはもうどうにでもなれと錠剤を口に入れ。
大胆にもシャンパンを冷やしていて、未だに氷が溶けていないバケツの水で飲み込んだ。
それからたったの1分。
たったの1分だ。
ギン!
フォルカーのフォルカーは若かりし時の様に。
いや、それ以上の元気を取り戻した。
サイズで言うならばドラゴンサイズの凶悪なフォルカーは腹にピタリとくっ付いて。
床と垂直に勃っている。
これ正に“勃った!フォルカーが勃った!”ってやつである。
騎士もバスローブから飛び出したそれを見て目を剥き。
逆に男としての自信を喪失したのであった。
残念!次は君の番だ!
「カロリーナ!」
フォルカーは女騎士に慰められているカロリーナへ掛け寄り。
「すまなかった!実を言うと俺は数年前から勃たなかったんだ!それが今はどうだ!カロリーナ!これは奇跡だ!君が起こしてくれた奇跡だよ!」
とても興奮気味のフォルカーと。
興奮気味のフォルカーの興奮し過ぎなフォルカーを見て興奮するカロリーナと女騎士。
802号室で興奮していないのは自信を無くした男騎士だけである。
「カロリーナ。頼みがある。俺の子を孕んで欲しい」
男らしく手を差し出し。
自信が漲る様子でカロリーナを激しい夜の稽古へと誘うフォルカー。
「嬉しいです。必ずわたくしを孕ませて下さいね」
カロリーナは涙ながらに差し出された手を取って。
フォルカーにお姫様抱っこをされてベッドへと運ばれて行った。
女騎士は自信を喪失した男騎士の機能を気合いで回復させ。
何だかんだでどちらのカップルも朝まで元気一杯の組み体操の励んだのであった。
朝。
フロントには深夜番のミーアと交代したエマが立っていて。
朝までコースで張り切ったフォルカー一行が清算を終えてフロントに下りて来た。
「世話になった。本当に夢の様な体験であった。宿の主人に感謝を伝えておいてくれるだろうか。それと」
深夜は寝ていたエマには何を言っているか分からなかったが、どうやらアイトがまた何かやったらしい。
そう考えて話を合わせているとフォルカーは胸元から手紙が入った封筒を取り出し。
「ダンジョンの者からすれば必要無いかもしれないが、何かあれば力になると伝えて欲しい。これでも私はこの国でちょっとばかり顔が利くのだ」
スッとガラスの隙間から封筒を入れた。
「わかりました!伝えておきますね!」
エマは封筒を受け取って。
フロントに背を向けて帰って行く4人の姿を見送った。
4人の内3人は憑き物が落ちた様な清々しい顔をしていて。
1人は憑き物ごと搾り取られた様にゲッソリと痩せ細っていたのであった。
男騎士、受難の時である。
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